2014年 FIFAワールドカップ・ブラジル大会

2014 FIFA World Cup

優勝:ドイツ
準優勝:アルゼンチン
3位:オランダ
4位:ブラジル

<最優秀選手MVP>リオネル・メッシ
<最優秀ゴールキーパー>マヌエル・ノイアー
<得点王>ハメス・ロドリゲス(6点)
<最優秀新人>
ポール・ボグバ

 今大会の閉めの挨拶に相応しいのは、やはりこの言葉かもしれません。
「フットボールは各チーム11人の選手と1つのボールを用い、常にドイツ人が勝つスポーツである」
元ゲイリー・リネカー

<多民族チームドイツの優勝>
1998年フランス大会で優勝したフランス代表は人種融合の成功例といわれましたが、この大会のドイツ代表も同じ傾向がありました。
ミラスロフ・クローゼ、ルーカス・ポドルスキ(ポーランドからの移民)
ジェローム・ボアテング(ガーナからの移民)兄のケヴィンはガーナ代表として出場
サミ・ケディラ(チュニジア人の父親とドイツ人の母親の子)
メスト・エジル(トルコ移民3世)

<決勝>
<ドイツVSアルゼンチン>(0-0で延長戦突入し、1-0でドイツが勝利)
 決勝戦に相応しい良い試合でした。試合開始からアルゼンチンはオランダ戦以上に積極的な守備とそこからの攻撃を展開。ポゼッションこそドイツが上回るものの、五分五分の内容で試合が進みます。
21分、クロースのバックパスがゴール前のイグアインに渡ります。オフサイドにはならず1対1の決定的チャンスでしたが、これを決められず。思えばこれが最初で最大の決定的チャンスでした。
30分、メッシからラベッシへ、クロスを受けたイグアインがゴールを決めます。しかし、オフサイドの判定。これも惜しかった。
前半はドイツがゴール前でパスを回しチャンスを探すものの、決定的チャンスはほとんどなくアルゼンチンか勝っても不思議のない内容でした。
 後半、アルゼンチンはラベッシに変えてアグエロを投入し、流れはアルゼンチンに傾きます。しかし、10分ほどでドイツはその変更に対応し始め、再びドイツのポゼッションが高まります。結局、後半も両チームゴールを決めることができないまま90分が終了。正直、前半の試合展開から0-0延長でPKもありかと思える試合でした。
 しかし、延長に入り試合を決めたのは、ドイツの途中出場ゲッツェでした。シュールレが左サイドを突破し、クロスを上げるとそれをゲッツェが胸でトラップしてダイレクトでシュート。見事にサイドネットを揺らしました。
 試合終了直前、ゴール前でメッシがフリーキックを蹴りますが決めることはできず、これでジ・エンド。

<3位決定戦>
<オランダVSブラジル>(3-0ドイツの圧勝)
 チアゴ・シウバが復帰するもブラジルは精神的に立ち直れる間がなかったのか、オランダの攻撃に耐えても、攻撃にブラジルらしさはまったく見られない試合でした。
前半3分、ロッベンがブラジルDFを抜き去ってペナルティーエリアに侵入。チアゴ・シウバがたまらずロッベンを引き倒してPK。それをファンペルシーがしっかりと決めて先制。
さらに17分、デグズマンからのクロスを頭でダビドルイスがはじき返そうとしますが、それがゴール前にいたブリントに渡り、あっさりと決められてしまいます。これでほぼ試合は決まったといえます。
前半はこのまま終了しますが、オスカルが孤軍奮闘するも、他に目立つ選手がいない淋しい攻撃内容でした。
後半に入ってもブラジルの攻撃は低調なまま。1点とればわからなくなったので、ブラジルサポーターも必死の応援を続けますが、決定的チャンスが生まれません。
28分にフッキを投入しますが、体力勝負ではドイツを崩せず、シュートの精度もなくほとんど機能しませんでした。
46分、右サイドを崩したヤンマートからのセンタリングを受けたワイナルドゥムが3点目を決めて勝負あった。

<準決勝>
<アルゼンチンVSオランダ>(0-0延長 PK4-2アルゼンチンの勝利)
 メッシが徹底マークされる中、アルゼンチンはとにかくしっかり守ることをテーマに試合に入ったのでしょう。
 ある意味、これしかないという試合展開に持ち込んだといえます。
 アルゼンチンはやっぱり強い。
 その強さは目に見えなくて、戦ってみないとわからない種類のもの。あれだけ好調だったオランダが仕事をさせてもらえなかったのですから。
 お互いの良さを消す、我慢比べは初めから延長を予測させる展開で、試合が始まって20分ぐらいで、「この試合0-0で延長、PKかも?」そう思いました。
 そして、クルルを使う奇襲戦法はもう使えないだろうから、オランダは不利かもしれない。
 そこまで考えていたら、本当にそうなってしまいました。
 前日のブラジルの悲劇もそうでしたが、これもまたサッカー。

 もちろん、オランダの選手に悔いはないでしょうし、胸を張って帰国できるのですからブラジルの選手たちとは比べものになりませんが。
<ドイツVSブラジル>(7-1ドイツの劇勝)
 やれやれ、この試合はネイマールの不在よりも、チアゴ・シウバの不在の方が大きかったのかもしれません。2点目が入ってからの数分間に選手に指示をだし心を落ち着かせることが、ダヴィド・ルイスには無理だし、誰にもできなかった。まさに惨劇です。「マラカナンの悲劇」は今やもう「マラカナンの傷跡」程度にしか感じられないかもしれません。ブラジルの選手たちはこの後3位決定戦を戦わなければならないのがかわいそうです。どんな気持ちで挑むのか?観客たちがドイツ選手に送っていた「オーレ!」コールが悲しすぎました。
 試合内容については、正直書くことがないですね。サッカーというスポーツの怖さがよくわかりました。これもまたサッカーです。
(ドイツ:クロース(2)、シュールレ(2)、クローゼ(1)、ミュラー(1)、ケディラ(1) - オスカル(1))

<準々決勝>
 ここまで来ると、各チームの長所、短所をお互いに充分知り尽くした上での試合になります。さらに負ければ終わりなだけに、負けずに試合を終わらせ、PK戦に勝つことも計算する「負けないためのサッカー」が展開されます。ファンハール監督が延長に入りDFを減らして超攻撃的なシステムにしながら、最後まで交代枠を一つだけ残していました。引き分けの可能性が高いことを予測していた彼は、その交代枠をPK用GKに残していたのでした。ここまで勝ち残るチームには、そこまでの計算もまた必要なのかもしれません。
 それぞれのチームは、対戦相手の「良さを消す」ようにシステムを変更するため、自然に「撃ち合いの試合」は減り、面白くない「守備的な試合」が増えることになります。しかし、今大会は、どのチームもレベルが高かったので、点が入らなくても十分に緊張感のある面白い試合になったと思います。
 いよいよベスト4が決まりましたが、過去、常連国とはいえこの4チームが同時にここまで残ったことはありません。(ドイツ、ブラジル)が3回、(ドイツ、アルゼンチン)が2回、(ブラジル、オランダ)、(ドイツ、オランダ)、(ブラジル、アルゼンチン)がそれぞれ1回で、3チームがそろったことも一度もありません。そう考えると、サッカー・ファンにとっては、まさに夢の対戦の実現ということになります。
 大会が始まり、スペイン、イタリア、イングランドが消えて時点で、ここから先どうなることかと思っていたのですが、ここまで来ると、実に順当な結果になりつつあります。どうやら最後まで楽しめそうです。
<ブラジルVSコロンビア>(2-1ブラジルの勝利)
 ブラジルがほぼ試合を支配し、押し込まれる時間帯はあったものの終始試合を有利に展開した。
 前半7分ネイマールによるコーナーキックにダビド・ルイスらにマークが集中する中、ファーにいたチアゴ・シウバがフリーで回りこんで先制のゴール。会場の空気もブラジル選手を後押し、これでブラジルは余裕をもって試合を進め、前半終了。
 後半もブラジルが押し気味に試合を進め、24分に敵陣中央からの長い距離のフリーキックを得たブラジル。それをダビド・ルイスがインサイドの無回転シュートで見事に蹴り込んで2点目。これで試合は完全にブラジル・ペースかとも思われましたが、今大会は2点差からも面白くなっています。
 35分にバッカがフリーでゴール前に侵入。ジュリオ・セザールが思わず足を出し、イエローカード&PK。これをハメス・ロドリゲスがしっかりと決めて1点差。(これでロドリゲスの得点王の可能性が大きくなったかも)
 その後も、コロンビアは攻勢を強めてブラジル・ゴールに迫りますが、このまま試合終了。試合終了間近にネイマールが負傷退場。腰椎の骨折が明らかになり、準決勝どころか本大会は絶望となりました。
<ドイツVSフランス>(1-0ドイツの勝利)
 ドイツがインフルエンザに7名感染という情報があったが、ほぼベストメンバーで試合開始。ただし、クローゼを初めて先発で起用。
 ドイツがほぼ試合を支配しつつ押し気味に進めるもののフランスにもチャンスはあり、均衡した試合となります。しかし、前半13分左サイドからクロースが蹴ったクロスにDFのフンメルスが頭で合わせるとゴール右上隅に見事ゴールイン。その後も一進一退の攻防が続き前半終了。
 後半も前半とほぼ同じ展開が続きますが、フランスは30分を前にサコをコシェルニーに、カバイエをレミーに後退。それに対しドイツも38分エジルをゲッツェに交換すると、フランスは最後のカードとしてジルーを投入。最後の攻勢に出ます。終了間際にはベンゼマの決定的なシュートもありましたが、それもノイアーの空手チョップにはじき出されて得点とならず。そのまま試合は終了。
<アルゼンチンVSベルギー>(1-0アルゼンチン薄氷の勝利)
 ここまですべての試合が1点差勝利という調子が今一つのアルゼンチンは、この試合でもメッシの輝きは今一つ。それでも前半8分のイグアインによるダイレクト・ボレー・シュートによる先制の起点はメッシのボール・キープからのパスでした。これでイグアインは今大会の初得点。これがきっかけになって、この試合こそアルゼンチンの得点力が爆発するか?と思いきや、前半33分にディマリアが負傷交代。今大会大活躍のディマリアの存在は大きく、この後、アルゼンチンの勢いが止まってしまいます。
 後半は身長で上回るベルギーは、背の高い選手にボールを集める先鋒に出て攻勢に出ます。これで形勢は逆転。アルゼンチンは追加点どころではなくなります。試合はこう着状態となり、やはりアルゼンチンは1-0という僅差の勝利。それでも勝つのがアルゼンチンなのか?これでは次戦オランダには勝てないのか?
 ただ、なんとなくいつの間にか勝ち上がるアルゼンチンというチームの底力だけは本物でしょう。最後の最後にメッシが覚醒することはあるのか?
<オランダVSコスタリカ>(0-0引き分け4-3PKでオランダが勝利)
 今大会を象徴する5バックの2チームが激突。コスタリカは5人のラインを見事にコントロールし、オランダから14ものオフサイドをとる見事な守備で押されながらも決定的なシュートを打たせません。それに対し、オランダはじっくりとパスを回しながらコースを探す、実に見ていて面白い試合となりました。しかし、まさか延長まで1点も入らないとは思いませんでした。最後のところでナバスのスーパー・セーブとゴールマウスに救われ、試合はまさかのPK戦に突入。コスタリカには、最後にワンチャンスを決めきれる選手がいなかっただけに、守りきるのが精いっぱいだったともいえます。
 しかし、オランダの監督ファンハールだけは、このPK戦を予想していました。交代カードを最後まで一枚残していて、それをGKの交代に使用。シレッセンをPKのスペシャリスト、クルルに交代させます。そして、延長戦終盤にコスタリカに傾きかけていた流れを再びオランダに引き戻します。
 PK戦ではやはり193㎝のクルルがキッカーを圧倒し、二人を止めます。それに対し、オランダはベテランのファンペルシー、ロッベン、スナイデル、カイトが見事にコーナーに決めきり文句なしの勝利。

<決勝リーグ一回戦>

 今大会は、スペインやイタリアの敗退によって、ボールのポゼッションと美しいパス回しが通用しないスピードと体力重視のサッカーに先祖がえりしてしまったといわれています。オランダもまたこれまでのトータル・フットボールを捨てたと批判されています。そうなると、サッカー・ファンにとっては、面白くない大会になってしまうのでは・・・。
 しかし、8試合中、5試合が延長戦となった準々決勝は、歴史にのこる大混戦となりました。多くのサッカーファンの危惧を吹き飛ばすような盛り上がりになったといえます。でも、こうした厳しい試合にどれだけ今の日本が対応できるのか?素晴らしい試合になるほど、そんな不安もよぎります。
 まあその不安については、これから悩むこととして、まだまだ続く大会を楽しみましょう!


<ベルギーVSアメリカ>(0-0延長2-1でベルギーの勝利)
 ベルギーが圧倒的に攻め続けますが、ゴンザレス、ベスラー、ビーズリーらのDFが最後のところで仕事をさせず、30本ものシュートをハワードがことごとくシャットアウト。試合はこれもまた延長戦に突入。
 これまで先発起用されていたFWのルカクがここにきて投入され、延長が始まって早々の3分。運動量の豊富さからゴール前にドリブルで迫り、折り返すとそれにデブライネが合わせて、ハワードの手の先をかすめてゴールイン。ついに先制します。そして、さらに延長前半15分にはアザールがデブライネにパス、ドリブルで切り込んでルカクにスルーパスを出すときれいにシュートが決まり2点目。これで勝負あったというところでしたが、今大会はここからが見どころ。諦めないアメリカは得意の粘りを発揮し、後半2分にブラッドリーがゴール前に蹴り込むと、それを後退して入ったばかりの19歳の新鋭グリーンがダイレクトボレーで決めます。
 ここからはアメリカが最後の攻勢に出て次々にチャンスを作ります。しかし、後一歩が決まらずに試合終了。アメリカらしい粘りの試合に感動の一戦でした。
(ベルギー:デブライネ(1)、ルカク(1)、アメリカ:グリーン(1))
<アルゼンチンVSスイス>(0-0延長1-0でアルゼンチンが薄氷の勝利)
 スイスが1次リーグの勢いそのままに大健闘。スイスはメッシに対し徹底的なマークを行い、仕事をさせませんでした。そして0-0でまさかの延長突入。
 延長に入っても、スイスはしっかりと守りますが、後半に入るとさすがに足が止まり始めます。そうなるとアルゼンチンのペースとなり、スイスは防戦一方となります。そして、13分、メッシがドリブルでボールを持ち込んで、相手をひきつけ、右サイドを上がってきたディマリアにパス。それを素早く蹴り込むとボールはGKベナーリオの手をかすめてゴールイン。ただし、この後、スイスはGKまであげてのパワープレーでアルゼンチンゴールの迫り、ロスタイム16分にシャキリがクロスを上げるとそれにジェマイリが頭で合わせるとゴールポストにあたります。惜しかった!
(アルゼンチン:ディマリア(1))
<フランスVSナイジェリア>(2-0フランスが苦労しての勝利)
 前半はナイジェリアのペースで進み、エムニケのオフサイドになったシュートなど、惜しいシーンが何度かあり、完全にナイジェリアのペース。ブラジルの観客の多くもそんなナイジェリアのポゼッション・サッカーに声援を送っていました。しかし、ナイジェリアは決定機を決めきれず、逆にフランスはボグバのシュートで反撃し、押し返し始めます。結局そのまま0-0で後半に突入します。
 後半に入ると、ナイジェリアは飛ばし過ぎていたのか、しだいにフランスがボールを支配し、攻勢に出始めます。そんな中、ナイジェリアの守備の中心オナジが負傷退場し、後半17分にFWのグリーズマンが投入されるとさらにフランスのペースとなります。
 後半34分、バルブエナのコーナーキックをGKエニュアマがさわるも大きくはじき出すことができずに、それをボグバが頭で決めてついに先制。
 さらに後半47分、バルブエナのショートコーナーをベンゼマが受け、再びバルブエナにパス。これをドリブルで持ち込んで低いクロスを蹴り込むとナイジェリアのディフェンス、ヨボがオウンゴール。これで勝負あった。ナイジェリアは初のベスト8に近づくものの後一歩及ばず。正直ナイジェリアには残って欲しかったのですが・・・。しかし、フランスは前評判ではリベリー抜きでは勝てないと言われながら、予想外の守備陣の頑張りでいよいよダークホース的存在になってきたかもしれません。
(フランス:ボグバ(1))
<ドイツVSアルジェリア>(0-0延長2-1ドイツからくも勝利)
 アルジェリアがしっかりと守り、カウンターを狙うという自分のスタイルを貫き大善戦。まさかドイツが1点も取れずに延長戦にもつれこむとは誰も思わなかったのではないでしょうか。そのうえ、アルジェリアは防戦一方だったわけではなく、決定的なチャンスもあって十分に勝機はありました。それでもドイツにはボアテングとノイアーという二つの壁があり、カウンターでのチャンスをギリギリのところでクリアーし、失点しません。ここにきて、やっとドイツの守備力の高さが活躍した試合となりました。(ボアテングとノイアー、二人それぞれが点を取ったと言える好セーブがありました)
 0-0の同点で突入した延長前半2分。ミュラーがドリブルで仕掛けてゴール前にクロス。それにシュールレが左足でヒール・シュート。ついにドイツが先制します。その後は再び均衡状態に入り、後半へ。
 後半も一進一退が続きますが、終了間際の15分にドイツはゴール前でフリーとなり、エジルからシュールレは、シュールレのシュートのこぼれ球をエジルが決めて決定的な2点目をとります。しかし、アルジェリアは安心したドイツ守備陣のすきをついて速攻を仕掛けあっという間にフェグリのクロスにジャブが足で合わせて1点。さらにロスタイムも攻撃を続け、ドイツを追い込みますがそこで試合終了。アルジェリアもまた素晴らしい試合を見せてくれました。
(ドイツ:シュールレ(1)、エジル(1) - ジャブ(1))
<コスタリカVSギリシャ>(1-1同点からPK戦5-3でコスタリカが勝利)
 前半はお互いにミドルシュートを撃ち合うものの決めきれず、五分五分の展開が続き0-0で終了。
 後半7分、ボラニョスからのクロスにルイスが左足で合わせて先制。攻めるしかなくなったギリシャは積極的に攻勢に出ます。それに対しコスタリカはイエロ―カードを連発。21分にはついにドゥエルテが2枚目のカードをもらって退場。コスタリカは10人で残り25分を戦うことになります。
 防戦一方で体力も失っていたコスタリカは攻撃もできない状態で、ギリシャは攻め続け、ロスタイム46分にゲカスのシュートがこぼれたところをサイドバックのパパスタソプーロスが押し込んでついに同点。これでもう完全にギリシャの流れとなり、そのまま延長戦に突入します。
しかし、一人少ないコスタリカは延長戦を徹底的に守備的に戦い見事守り切ります。これでPK戦の流れはコスタリカに。
PK戦は8人が連続して決めて、ギリシャの4人目ベテラン、エースストライカーのゲカスがキーパーに止められて、ついに勝負あった。
ギリシャの奇跡もここで終了となりました。逆にコスタリカ旋風は続くことになりました。
(コスタリカ:ルイス(1) - ギリシャ:パパスタソポーロス(1))
<オランダVSメキシコ>(2-1オランダ薄氷の逆転勝ち) 
 メキシコは、オランダのパスコースを消すしっかりとした守備体型と徹底したプレスを行い作戦通りの展開で試合が進みます。同じようにオランダも守りを固めていたため、メキシコはミドルシュートを放ち、それで攻撃を追える時間帯が続きます。そのため、オランダはカウンターをくり出すことができないままほとんどチャンスを作れず0-0で終了。
 後半も同じように試合は展開。すると3分にゴール正面の離れた位置からドスサントスがミドルシュートを放つと見事にゴールイン。しかし、引き気味になり始めたメキシコに対し、この後オランダは攻勢に転じます。
 スナイデルが連続してシュートを放つも決められず、時間が過ぎてゆきます。
  31分オランダは調子が今一つのファンペルシーを変えてフンテラールを投入し、圧力を強めます。ここからはオランダが一方的に攻める展開となります。そして、コーナー・キックをロッベンが蹴り、それをフンテラールが頭で折り返すとそれをスナイデルが豪快にゴールにけり込んでついに同点。オランダはさらに攻め続け、守り続けるメキシコはマルケスがイエローカードを受けます。
 試合はロスタイムに入り、48分ロッベンがゴール右後ろから切り返そうとしたところにグアルダードがトリッピング。ロッベンのダイブとも見えるプレーだったものの、審判はPKと判定。それを途中交代で入っていたフンテラールが決めて、2-1オランダが逆転で勝利を飾りました。
 この試合のマン・オブ・ザ・マッチはメキシコのGKオチョアでした。この試合でも好セーブを連発。ご苦労様でした。大会最優秀GKかもしれません。
(オランダ:スナイデル(1)、フンテラール(1) - メキシコ:ドスサントス(1))
<ブラジルVSチリ>(1-1同点からPK戦3-2でブラジル薄氷の勝利)
 メデルらの守備陣だけでなく前線から積極的にプレッシャーをかけ続けたチリはネイマールがボールを持つと3人で囲み、フリーでボールをほとんど蹴らせませんでした。よく走るだけでなく、ぶつかってもまったく当たり負けしないボディー・バランス。チリは全員が「長友」みたいなチームです。 それに対し、ブラジルは負けじとボールにからみ、いつになくあたりの強いサッカーを見せました。久しぶりに本気で相手をつぶしにかかったに違いありません。それでけにブラジルの攻撃はピンポイントで合わせるギリギリの攻撃となります。遊びの余裕などありませんでした。
 前半18分、左サイドからネイマールがクロスを上げるとそれにチアゴシウバが頭で合わせ、それを飛び込んできたダビド・ルイスが身体で押し込んで先制。これで流れは一気にブラジルか?と思われました。
 ところが32分、フッキのパスをバルガスが狙いすまして奪うとそれを同じく待っていたサンチェスにパス。低い弾道のシュートがゴールへ。これであっという間に同点。流れはここからチリに傾きます。
 後半、圧倒的にブラジルがボールを保持するものの、フッキのシュートがハンドの判定になるなど、決めきれません。チリは、ギリギリのところで身体を入れて決定的なシュートを打たせず、PKも与えません。このまま試合は延長戦へ。延長後半にはピニージャのシュートがクロスバーにあたるちう惜しいチャンスもあるなど、数は少なくてもチリにも勝利のチャンスは十分にありました。
PK戦はプレッシャーのかかるブラジルが不利と思えましたが、その雰囲気をベテランのGKジュリオ・セザールが変えました。いきなり二人連続で止めて終始リード。キッカーに最小限のプレッシャーしたしかあたえなかったことがブラジルの勝利に結びついたと思います。
 最初から最後まで緊張感の途切れない名勝負でした。
(ブラジル:ダビド・ルイス(1) - サンチェス(1)) 
<コロンビアVSウルグアイ>(2-0コロンビアの完勝)
 スアレス抜きのウルグアイは当然守勢にまわる戦いとなります。前半28分にコロンビアはゴール前でアギラールが頭でボールをロドリゲスに戻し、それを胸でトラップしたロドリゲスはミドルシュート。クロスバーにあたってそのままゴールイン。これでコロンビアは試合の主導権を握ります。その後、ウルグアイは攻撃に出るもののそのまま前半終了。
 後半5分、アルメロからのクロスをクアドラードが頭で折り返し、それをまたもロドリゲスがシュート。これで2点目。追い込まれたウルグアイはフォルランらを中心に反撃し、攻める時間帯に入りますが、コロンビアはしっかりとした守備で決定機をあたえず、そのまま試合終了。
(コロンビア:ロドリゲス(2))

<前半戦の総括>
 スペイン、イングランド、イタリア、ポルトガルの敗退という予想外の1次リーグでした。コスタリカやチリなど中南米の強豪国以外の活躍。(北中米3、南米が6各国中5)1試合平均3点以上とハイペースの総得点。今大会は様々な点で予想外の展開になっています。しかし、ここまできて全体を振り返ってみると、それらの事件には明快な理由があったことに気づかされます。(「吸血男事件」だけは例外です)
(1)フリーキックが直接入ったのはたぶん2回だけです。今回のボールはブレ球が出にくいそうです。そのため、バイタルエリアでファールを受けても点が入りませんでした。
(2)ブラジルの各競技場のピッチ状態はヨーロッパより悪くパスが思うようにころがらないようです。試合中の雨も多く、ボールは止まりがちでした。
(3)高温多湿の中の試合が多く、特に厳しい環境だったマナウスのピッチで試合をしたチームが次の試合で負けることが多かったようです。(マナウスでの試合の後の試合で勝ったのはポルトガルのみ、しかしそのポルトガルも決勝リーグには残れませんでした)
 (1)(2)(3)から言えるのは、明らかにパスサッカーのチームに不利だったということです。さらにベテランが多く体力的に劣るチームも不利となります。
 そうなるとスペインには不利だし、日本にも不向きだったとになります。

 では、どんなサッカーに有利だったのか、勝ち残ったチームの特徴から見てみるとこうなります。
(4)5バックのチームが勝ち残っています。(オランダ、コスタリカ、メキシコ、チリ、アルゼンチン)
 もちろん5バックとは言っても、それぞれ戦い方は違いますが、おおよそ共通する部分もあります。5バックのシステムでは、相手のエースにマンマークで対応することが可能になります。しっかりとしたラインコントロールをすれば、ことごとく相手の攻撃を防げます。イタリア戦で11ものオフサイドをとったコスタリカ・ディフェンスはその好例です。時にはラインがバラつく場合もありますが、そこは優秀なGKがいればカバーできます。(メキシコのオチョア、コスタリカのナバスはその好例)それでもなお失点する可能性もありますが、ならば相手を上回るシュートを決めればいいわけです。
 では、勝ち残ったチームはどうやって点を取ったのか?そこにこそ、今大会最大の特徴があります。
「スピードと体力のあるサイドアタッカーが攻め上がりスピードのあるクロスをフィード。それを決定力のあるエース・アタッカーが確実に決める」
 例えば、コスタリカならサイドバックのディアスとFWのキャンベル&ルイス。オランダならサイドバックのダレイ・ブリントとFWのロッベン&ファンペルシー。他のチームにもメッシ、ネイマール、ミュラーなど決定力のあるFWに預ければ確実に決めてくれる強みがあります。そうなると5バックにして守りに手数をかける分のマイナスを彼らが補ってくれるわけです。
ベスト16に残ったチームを改めて振り返るとこうなっています。
ヨーロッパ:ドイツ、フランス、ギリシャ、オランダ、ベルギー、スイス
    南米:アルゼンチン、ブラジル、チリ、ウルグアイ、コロンビア
  北中米:アメリカ、コスタリカ、メキシコ
  アフリカ: ナイジェリア、アルジェリア 

 ポゼッション・サッカーのチームはほとんどなく、全員守備、全員攻撃でカウンターを武器とするチームが中心になっています。
 思えば、こうしたサッカー・スタイルの流行はすでに前兆がありました。ヨーロッパのクラブチーム選手権でのバイエルン・ミュンヘンの圧倒的勝利とバルセロナの低迷はまさにその象徴でした。バイエルンといえば、その中心はドイツとオランダです。どうやら、今大会の傾向はすでに昨年から前兆があったようです。スアレス、メッシ、イグアイン、ネイマールら中米のストライカーの活躍もまた今大会の流れを予見していたといえます。
 日本のサッカーがスペイン・サッカーを目標に進化し続け、やっと追いついてきたと思ったら、すでに世界のサッカーは新たな進化を遂げていたのです。ロンドン・オリンピックの決勝はブラジルとメキシコでしたが、そこにも次なる時代のサッカーが示されていたのです。やはり日本はオリンピックでの金メダルをもっと狙うべきでしょう。ワールドカップの優勝は、若い世代が金メダルをとるところから積み上げなければ見えてこないのかもしれません。

<一次リーグ>
<グループA>
ブラジル クロアチア  メキシコ  カメルーン 
<ブラジルVSクロアチア>6月13日(3-1ブラジル逆転勝ち)
 ブラジル国内でのワールドカップ開催反対の運動が勢いを増す中(世界にアピールすることで、政府からの譲歩を得るための最大のチャンス)、初戦でもしブラジルがつまずくと大会運営自体に影響を与えかねなかったはずです。それだけに、この試合は重要だったはず。
 ブラジルの逆転勝利が、この大会全体を象徴することになれば良いのですが・・・。その点では、この試合の主審を任された西村さんの素晴らしいジャッジは、大きな意味があったと思います。PKの判定には批判もあるようですが、・・・微妙ですね。でもそれ以外のキーパー・チャージ、イエローカードの判定など、どれも的確なものだったと思います。

<試合内容について>
 クロアチアの健闘が光った試合でした。インテル、レアル・マドリードの中盤を担う選手たちで構成された中盤から出される素晴らしいパスにはブラジルはかなり焦らされていました。引き分けでも不思議はない試合でした。しかし、ネイマール、オスカルの個人技と決定力はそれを上回ったといえます。
 オスカルが特に良かった。あの華麗なドリブルは本当に止められない。ネイマール一人に注目が集まるブラジルですが、やはり今回はチーム全体がまとまっているし、個の能力が高くバラエティーに富んでいます。ただし、高さや横からクロスに対する守りには欠点がないわけでもないので、クロアチアのこの戦いは他のチームにとって大いに参考になるはずです。ただ、マルセロのオウンゴールはクロアチアの選手が触っていたので、オウンゴールはちょっとかわいそうでした。限りなくクロスをあげた選手と触った選手のゴールですね。
 僕的に、この試合の「マン・オブ・ザ・マッチ」はオスカルですね。(ネイマールは大会を通して、賞を獲るでしょうから・・・)
 クロアチアはエース・ストライカーのマンジュキッチ抜きで戦っての善戦ですから、2位通過の可能性は十分にありそうだし、もっと上も狙えそうです。
(ブラジル:ネイマール(2)、オスカル(1) - クロアチア:オウンゴール)

<メキシコVSカメルーン>6月14日(1-0メキシコ勝利)
 メキシコはどの大会でも着実に1次リーグを突破する戦力を準備してくる地味ながら強いチーム。おまけに今大会はオリンピックの優勝メンバーが中心です。クロアチアとの2位争いの闘いはかなり濃い内容になりそうです。
(メキシコ:ペラルタ(1))

<ブラジルVSメキシコ>6月18日(0-0引き分け)
 点数が入らなかったものの、いい試合でした。ブラジルも悪かったわけではなく、決定機も作りましたがメキシコのGKオチョアがことごとくそれをセーブ。それに対して、メキシコはブラジルの堅い守りは崩せないと判断し、遠目からのシュートを繰り返すものの惜しくも枠に入らず。
 メキシコの守備は目立たないものの実に粘っこく、だからといって悪質ではないギリギリのプレーでした。ネイマールもしっかりとマークされてフリーになれず、実力を発揮できない展開。メキシコとしては、狙い通りの試合だったのかもしれません。大陸間の出場決定戦を戦って這い上がったチームの底力とオリンピック決勝での勝利の自信が生んだ好試合でした。

<クロアチアVSカメルーン>6月19日(4-0クロアチアの圧勝)
 ブラジルに善戦したクロアチアは強かった。
 前半こそ、オリッチの先制点だけでその後、カメルーンが押し返す展開になるものの、ソングの暴力による一発レッドでカメルーンが自滅。勢いを失ってしまいます。
 後半3分にペリシッチが決めると、完全にクロアチアのペース。マンジュチッキが16分、28分に立て続けにゴールを決めて勝負あった。試合中にチーム内でケンカが始まるようでは・・・アフリカ勢の悪い時の悪循環が起きてしまいました。
 最後のメキシコVSクロアチア戦は一次リーグ最高の試合になるかもしれません。
(クロアチア:オリッチ(1)、ペリシッチ(1)、マンジュキッチ(2))

<ブラジルVSカメルーン>6月24日(4-1ブラジル圧勝)
 前半はカメルーンが意外な健闘をみせます。17分にルイスグスタボからのクロスをネイマールが決めて先制しますが、26分にニョムのクロスをマティプが押し込んで同点に追いつきます。まさかのカメルーンの反撃に嫌なムードが漂う中、35分ネイマールが左サイドから切れ込んで右足のミドルシュートを決めて、再びリード。これでブラジルは完全に流れをつかみました。
 後半4分にダビドルイスからのクロスをフレッジが体で押し込んでゴール。さらに39分にはオスカルからのパスを途中出場のフェルナンジーニョが流し込み4点目。やっとブラジルらしさが発揮されてきました。
(ブラジル:ネイマール(2)、フレッジ(1)、フェルナンジーニョ(1) - マティプ(1))

<メキシコVSクロアチア>6月24日(3-1メキシコの圧勝)
 負けた方が1次リーグ敗退ということで慎重な試合展開で始まりました。しかし、クロアチアは引き分けではメキシコを上回れないため、積極的に攻撃に出ます。しかし、先制することはできず、しだいに流れはメキシコへ移るがそのまま前半は終了。
 後半に入ると、クロアチアには焦りが出始めます。それに対し、体力的にはメキシコが高いポゼッションもあってクロアチアを上回り、じわじわとクロアチアを追いつめます。惜しいチャンスを何度か逃した後、27分ペラルタのコーナーキックにマルケスが飛び込んでついに先制。クロアチアは体力的にメキシコの動きに対応できなくなっていました。
 ここからは完全にメキシコのペース。30分にはペラルタのクロスにグアルダードが合わせて2点目が入り、さらに37分にはエルナンデスがダメ押しの3点目を決めて勝負あった。この後、メキシコも守備の集中が切れたのか、42分に今大会の初失点をきっしますが、そのまま試合は終了。
(メキシコ:マルケス(1)、グラルダード(1)、エルナンデス(1) - ペリシッチ(1))

<グループB>
スペイン  チリ  オランダ オーストラリア 
<オランダVSスペイン>6月14日(5-1オランダが圧勝)
 前半はお互いにコンパクトな陣形を作り、ガチガチの展開。オランダがスペインの良さを消して、カウンターを狙う展開。そんな中、スペインがワンチャンスを生かしてPKを得てシャビ・アロンソが決めて先制。これでオランダのゲームプランは狂ってしまいました。とここまでは、スペインにとって理想の展開でした。
 ところが、今日はオランダの前の3人(ファンペルシー、スライデル、ロッベン)がが絶好調。5バックで守りを固めておいて、3人で一気に攻める展開が一気にファンペルシーのヘディング・ゴールを生みます。それにしてもファンペルシーの勝負強さは凄い。前半に追いついたことで、オランダは再びペースを取り戻しました。スペイン国籍を取得したディエゴ・コスタに対するブラジル人観客のブーイングも、スペインにとって不利に働いたかもしれません。
 後半は8分のロッベンの見事なシュートまではまだよかったのですが、デフライのヘディングシュートでカシ―ジャスががっくり。これで勝負あったとなったのか、そこからはオランダの一方的な展開。もうそこからはかわいそうで見ていられませんでした。それでもここから1点でもとってスペインらしい攻撃を見せていれば良かったのですが、イニエスタもシャビも存在感がまったく出せないまま試合終了。ロッベン、ファンペルシーが2点づつで得点王争いに二人でからみそうです。それにしても、スペインにとっては敗戦以上に4点の得失点差が大きい。ただし、スペインは前回優勝した時も、初戦スイスにまさかの敗戦をきっしています。まだまだわかりません。
(オランダ:ファンペルシー(2)、ロッベン(2)、デフライ(1))

<チリVSオーストラリア>6月14日(3-1チリが勝利)
 チリが前半一気に2点とり一方的な試合展開かと思ったら、オーストラリアがケーヒルのヘディング・シュートで1点とると今度はオーストラリアのペースになりました。高さで圧倒するオーストラリアは十分逆転できる可能性をもっていました。前半の後半から後半はずっとオーストラリアのペースで惜しいシーンが何度もありました。あれだけ日本を苦しめた相手を初めて応援してしまいました。
 最後にとどめの1点をとったチリが勝ち、スペインに対し得失点差6のリードとなりました。こうなると、スペインはチリに勝つしかなくなったわけですが、さてどうなるか。
(チリ:サンチェス(1)、ベルディビリア(1)、ボーセジュール(1) - オーストラリア:ケーヒル(1))

<オランダVSオーストラリア>6月19日(3-2オランダ勝利)
 オーストラリアがオランダ相手に五分以上の戦いをみせた好勝負。やはりオーストラリアって強いチームだったことを再確認。それに対し、リードを許しながらもしっかりと逆転したオランダは、今大会もっとも実力を発揮しているチームといえます。ただし、今から絶好調だと決勝リーグで失速するというのもこの大会ではよくあるパターンですが・・・。
 思えば、オーストラリアがアジア予選に出場するようになって、日本のレベルがどれだけ上がったか。ありがたいと思います。
(オランダ:ロッベン(1)、ファンペルシー(1)、デパイ(1) - ケイヒル(1)、ジェディナク(1))

<チリVSスペイン>6月19日(2-0チリの完勝)
 前半20分、サンチェスのパスからアランギスのクロスが入り、それをバルガスが狙いすましてゴール。チリ理想の展開で守ってからの速攻で先制。シャビを外して背水の陣をしいたスペインですが、前半はあいかわらずパスがスムーズに回りません。チリは守備の選手までもが積極的に守る素晴らしい試合展開を結局最後まで続けます。今大会は、やはり走れるチームが勝つのかもしれません。GKの素晴らしい。
 前半終了間近の43分、シャビ・アロンソのファウルで得たゴール前のフリーキック(サンチェス)のこぼれ球にアランギスが反応してしっかりと決めます。スペインはこれでもう後がなくなりました。後半に入りパスが回りだしたスペインでしたが、惜しいシュートはことごとく枠を外れ、つきにも見放されてしまいます。かつてフランスが優勝の後、日韓大会で予選敗退してしまったあの悲劇を再現するかのような場面でした。
 スペイン無敵艦隊ここに沈む・・・
(チリ:バルガス(1)、アランギス(1))

<スペインVSオーストラリア>6月24日(3-0スペイン圧勝)
 最後になってやっとスペインが本領を発揮。お互いに1次リーグ敗退が決まっているだけにモチベーションは低かったものの、やはり実力が上のスペインは前半36分にイニエスタのスルーパスをフアンフアンが戻して、それをビジャが決めて先制。
 後半もスペインがボールを支配し、24分に再びイニエスタからのスルーパスに今度はフェルナンド・トーレスがシュートを決めて2点目。さらに37分にはセスクからのパスに反応したマタが決めた勝負あった。
(スペイン:ビジャ(1)、フェルナンド・トーレス(1)、マタ(1))

<オランダVSチリ>6月24日(2-0オランダ勝利)
 1次リーグの首位を決める試合であり、負ければ決勝リーグ初戦でブラジルと当たる可能性が高いため、消化試合ではなかった。そのため、前半はお互いに様子を見る慎重な展開。それでも、ファン・ペルシーを温存するオランダに対しチリが押し気味に試合を進めますが、得点にはいたらず0-0で前半終了。
 後半もチリが押し気味で始まるもののじわじわとオランダが盛り返し、32分ついにフェルがクロスにヘディングで決めて先制。さらにロスタイムの47分にロッベンからのクロスをデパイが決めてダメ押し。
(オランダ:エル(1)、デパイ(1))

<グループC>
コロンビア  ギリシャ  コートジボワール 日本 
<コロンビアVSギリシャ>6月15日(3-0コロンビア勝利)
 立ち上がり5分にコロンビアがクアドラードのクロスに合わせたアルメロのシュートで先制。守って攻める構えのギリシャのゲームプランを早くも崩しました。このままコロンビアが押し気味で前半終了。
 後半に入ってもコロンビアはギリシャにペースを渡さず、後半13分にはコロンビアの10番ロドリゲスんもコーナーキックからアギラールがそらし、グティエレスが押し込んで2点目。48分にはロドリゲスがダメ押しの3点目を決めて勝負あった。やはりコロンビアはこの組では別格なのか?
(コロンビア:アルメロ(1)、グティエレス(1)、ロドリゲス(1))

<コートジボワールVS日本>6月14日(2-1コートジボワール逆転勝ち)
 この大会は先制しながら逆転される試合が続いています。(ウルグアイ、スペイン、クロアチア)本田の先制ゴールが早い時間だったこともあり、いやな感じがしました。これほど日本が良いところを出せなかった試合は久しぶり。前半からまるで南アフリカ大会の代表チームに戻ってしまったかのような試合展開になってしまいました。4年間の練習はどこに行ってしまったのか?暑さとドログバのパワーを恐れたのか?早すぎた先制のせいか?実力の違いなのか?
 冷静に考えれば、1点差負けで済んだのは上々の結果かもしれません。スペインのようにならなくて済んだのは、川島のおかげかもしれません。そう考えるべき。原点に帰り本来のサッカーを思い出せば、まだ可能性はあるはずです。
 正直、日本国内の異常な盛り上がりにちょっとうんざりです。僕としては、マスコミ、テレビ局には、「そう甘くはないんだよね」と言いたい気分です。サッカー好きの方なら、日本が負けてからの方が冷静にサッカーを楽しめるはずです。特別番組が多すぎです。ワールドカップの情報は、スポーツニュースと中継があればいいんです。
(コートジボワール:ボニー(1)、ジョルビーニョ(1) - 日本:本田(1))

<コロンビアVSコートジボワール>6月20日(2-1コロンビアが勝利)
 前半はコロンビアがボールをキープしながら攻め、それをコートジボワールがはね返して、じわじわと反撃。しだいに攻勢に転じるという展開。決定的なシーンがなく得点は動かず。
 後半もコートジボワールが攻めますが、コロンビアが19分、クアドラードのクロスにロドリゲスが頭で合わせて先制点を奪います。さらに勢いに乗るコロンビアは25分にグティエーレスのスルーパスをキンテーロが決めて2点目。それに対し、コートジボワールは28分ジェルビーニョが個人技で打開するドリブルからのシュートで1点を返し、その後も反撃を続けます。しかし、得点を決められずそのままコロンビアが勝利。
(コロンビア:ロドリゲス(1)、グティエーレス(1) - コートジボワール:ジェルビーニョ(1))

<日本VSギリシャ>6月20日(0-0引き分け)
 内容的には終始日本ペース。内容的に圧倒しながら昔の日本に戻ったような展開でした。もうひとつパスの連動性が上がらない。思えば、ギリシャが退場者を出したことで完全に守りに徹する戦術に転じたことが不運の始まりだったのかもしれません。これがワールドカップの厳しさか・・・。

<ギリシャVSコートジボワール>6月25日(2-1引き分け)
 勝てばギリシャにも1次リーグ突破の可能性があるだけにギリシャは今まで以上にいいゲームをみせコートジボワールを攻めます。そして、前半42分、サマリス、サマラスのパス交換から先制。
 後半に入るとコートジボワールも積極的に攻撃を仕掛けます。そして、29分、カルーのスルーパスにジェルビーニョ合わせ、それをボニーにラストパス。これでコートジボワールが同点に追いつきます。しかし、引き分けでは1次リーグを突破できないギリシャは必至の攻撃をみせ、ロスタイムにサマラスがゴール前で倒されPKを獲得。これを見事に決めてギリシャが逆転で1次リーグを突破。
(ギリシャ:サマリス(1)、サマラス(1) - コートジボワール:ボニー(1))

<コロンビアVS日本>6月25日(4-1コロンビア勝利)
 メンバーを8人変えてきたコロンビアに対し、日本は優勢に試合を進めますが、今野がゴール前でPKを与え、先制を許します。その後、日本は攻め続けるもののなかなか点を取れません。それでも、前半ロスタイムに本田のクロスに岡崎が頭でピンポイントで合わせて同点に追いつきます。これで流れは日本に一気に来る感じでした。
 後半も攻め続ける日本ですがミドルシュートは正面でコーナーキックは多いものの点にならず、そして、10分にマルティネスが決めてからも、日本は圧倒し続けます。しかし、点にならずマルティネスに37分決定的な3点目を決められ万事休す。その後、後半投入のロドリゲスにも決められて日本は完敗。
(コロンビア:クアドラード(1)、マルティネス(2)、ロドリゲス(1) - 日本:岡崎(1))

<グループD>
ウルグアイ  イタリア  イングランド コスタリカ 
<コスタリカVSウルグアイ>6月15日(3-1コスタリカ逆転勝ち)
 前半はフォルランを中心にウルグアイが押し気味で、カバーニのシュートで先制。
 後半は逆に伏兵コスタリカのペースとなり、9分にキャンベル、12分にドゥアルテが立て続けに決めて一気に逆転。
 スアレスを怪我で欠くウルグアイは後半自分たちの攻撃ができず、39分にキャンベルからのパスをウレーニャが決めて、万事休す。
 ロスタイムにはウルグアイのぺレイラが無駄なレッドカードをもらって退場するなど、気性の荒さも出てまさかの敗戦。
(コスタリカ:キャンベル(1)、ドゥアルテ(1)、ウレーニャ(1) - ウルグアイ:カバーニ(1))

<イタリアVSイングランド>6月15日(2-1イタリア勝利)
 イタリアはモントリーヴォの不在に続き、前日の練習でブフォンが怪我をして突然の欠場。守備に不安を残しての試合開始となりました。
 前半はイタリアがボールをもち、イングランドがカウンターを狙う展開。そんな中、コーナーキックからのピルロのスルーをマルキージオが正確に決めて先制。(スルーしてからのシュートは今大会注目の得点パターンになるかも・・・遠藤にもこれを期待したいなあ)
 それに対し、イングランドはルーニーがボールを運んでクロスを上げ、それをストゥーリッジが素晴らしいスピードでそのままシュートして、すかさず同点。両チームの良さがでた好勝負となりました。ウェルベックのドリブルの切れはブラジル人とは違う独特のリズムで素敵です。
 後半は、イングランドがボールをキープして押し気味に進める展開で始まりますが、カンドレーバの絶妙なクロスをバロテッリが頭でズドンと合わせて、再びリードします。その後、イングランドの選手が次々に足がつる状況となり、ルーニーも惜しいシュートをはずすなど、今一つ。個人技だよりの試合運びはやはりイングランド的で、ルーニーが決めてくれないと勝てないのかもしれません。
 ロスタイムのピルロのフリーキックは惜しかった!ピルロの大ファンの僕としては、やはりイタリアを応援してしまいました。
 でもイングランドはウルグアイがコスタリカに負けてくれたおかげで一次リーグ突破の可能性は高いと思います。ここまで一方的な試合が多かっただけに、やっと見ごたえのある好勝負が見られたという感じです。ワールドカップはこうでないといけません。
(イタリア:マルキージオ(1)、バロテッリ(1) - イングランド:ストゥーリッジ(1))

<ウルグアイVSイングランド>6月20日(2-1ウルグアイが勝利)
 前半、お互いに負けたら終わりということで引き気味の試合展開が続きます。試合が動いたのは38分、ウルグアイが得意のカウンターからカバーニがゴール前にふわりとしたパス。これを怪我、手術から復帰したばかりのスアレスが頭で合わせてゴール。
 後半、イングランドは積極的に攻め続けますが、クロスの精度がいまひとつ。それでも30分にジョンソンのまた抜きクロスがルーニーの足元で、これを流し込んで同点。これで流れはイングランドに変わりかけますが、相変わらずクロスの精度が定まらず。するとGKからのロングパスがゴール前に流れたところにスアレスが。これをしっかりと決めきるのが肉食獣スアレスのすごさ。まさかのイングランド敗戦。
 結局、イングランドはウルグアイのプラン通りにやられてしまいました。
(ウルグアイ:スアレス(2) - ルーニー(1))

<コスタリカVSイタリア>6月21日(1-0コスタリカ見事な勝利)
 ウルグアイ戦の勝利がまぐれではなかったことをコスタリカは見事に証明してみせました。カテナチオを武器に戦うはずのイタリアのお株を奪ったコスタリカの守備はイタリアの攻撃をことごとくオフサイドにしてしまいました。そして、キャンベルにロングパスを出してのシンプルなカウンターとじっくり攻めてからのミドル・シュートという明確な選択肢を貫き通しました。前半43分、ゴール前でキャンベルが倒されあわやPK。笛はならずにすみましたが、これで観客席から大ブーイングが起き、流れはコスタリカで、するとコーナーキックにキャプテンのルイスが頭で合わせて見事な先制ゴール。
 イタリアは前半の決定的チャンスをバロテッリが逃した後は、ほとんど決定機をつくれないまま後半もいいところがありませんでした。この大会台風の目にコスタリカが浮上。やはり、テクニックよりも、よく走りよく守るチームが勝つのがこの大会のようです。
 でも、ピルロのダイレクトパスはやっぱりすごいです。まだまだ彼のプレーが見たいので、イタリアには生き残ってもらいたい。
(コスタリカ:ルイス(1))

<ウルグアイVSイタリア>6月25日(1-0ウルグアイ勝利)
 引き分けでも良いイタリアは守備重視の戦い方で試合は動かず。後半36分にコーナーキックからゴディンが頭で合わせてついに先制。その1点を守り切ってウルグアイが逆転で決勝リーグ進出決定。それにしても、イタリアはイングランドに勝ったのに1次リーグ敗退とはなんともはや・・・。ピルロの雄姿はもう見られないのか。ここから先私は誰を応援したらいいのでしょうか?
(ウルグアイ:ゴディン(1))

<イングランドVSコスタリカ>6月25日(0-0引分け)
 コスタリカは守備を重視し、カウンターを狙う作戦。イングランドはやはりモチベーションが上がらないのか、攻めきれないまま試合は進みます。一勝もできないで帰るわけにいかないイングランドは後半より積極的に攻めますが、結局どちらもゴールを上げられないまま試合終了。イングランドはかろうじて勝ち点1を得ただけの悲惨な終わり方になりました。

<グループE>
スイス  フランス  エクアドル  ホンジュラス 
<スイスVSエクアドル>6月16日(2-1スイス逆転勝利>
 なんとまたしても先制したチームが負ける展開となりました。エクアドルは押されている展開で、コーナーキックをバレンシアがヘディングで叩き込んで先制。しかし、前半はそのままの終了。
 後半が始まって3分、まったく同じコーナーキックから今度はスイスのメーメディがヘディングで決めて同点に追いつきます。こうなるとスイスの流れ、スイスはセフェロビッチを投入すると、ロスタイムにロドリゲスからのクロスに合わせてワンタッチでゴールに蹴り込んで勝負あった。
(スイス:メーメディ(1)、セフェロビッチ(1) - エクアドル:バレンシア(1))

<フランスVSホンジュラス>6月16日(3-0フランスの圧勝)
 格上のフランスが圧勝。ワールドカップ初戦には過去苦い思い出があるフランスにとっては、理想的な試合となりました。1次リーグの突破は決まりかもしれません。ただし、簡単に上がり過ぎても、後が怖いのがワールドカップです。ましてフランスにはリベリーがいないだけに不安です。
 前半、攻めあぐむ展開にいらいらする中、試合が荒れ模様となり45分にPKを得てベンゼマが決めてフランスが先制して終了。
 後半、始まってすぐ勢いに乗るフランスはオウンゴールで追加点。そして27分には再びベンゼマが決めて試合を決めました。
(フランス:ベンゼマ(2))

<フランスVSスイス>6月21日(5-2フランス圧勝)
 強豪国が苦戦を強いられる中、フランスは楽な組み分けのおかげで悠々と2勝目を上げました。5点をすべて異なる選手が決めるのも珍しいのですが、まんべんなく調子をあげることで決勝リーグも有利に働きそうです。予選で苦しんだチームが優勝する場合が多いとはいえ、体力的にも精神的にも余裕があることはプラスに働きそうですが。
 ただし、この試合はスイスも良く打ち合っていい試合でした。この大会を象徴するような点の取り合いでした。
(フランス:ジルー(1)、マチュイディ(1)、バルブエナ(1)、ベンゼマ(1)、シソコ(1) - スイス:ジャマイリ(1)、ジャカ(1))

<エクアドルVSホンジュラス>6月21日(2-1エクアドル勝利)
 前半、お互いに負けると終わりなだけに守備的に入り、試合は動かない展開が続きました。動いたのは31分。ベッケレスのロングパスが後ろにうまく流れたところにコストリーが。しっかりとそこでシュートを収めで先制点。ところが、その直後にパレデスのシュートがゴール前にこぼれ、それをバレンシアが押し込んで同点。
 後半、20分にアジョビのクロスにバレンシアが合わせてゴール。ここからはエクアドルがじっくりとボールを回しながら時間を稼いで無難に逃げ切りました。昔から南米選手権では力を発揮するチームだけにエクアドルはあなどれません。
(エクアドル:バレンシア(2) - ホンジュラス:コストリー(1))

<フランスVSエクアドル>6月26日(0-0引き分け)
 フランスがすでに決勝リーグ進出を決めているのに対し、エクアドルは勝利が求められている試合。そのため、エクアドルは守備重視で試合に入り、フランスも勝つ必要がないこともありじっくりとした試合展開となります。フランスが攻めるもエクアドルは守りきり前半はそのまま終了。
 後半も同じ展開が続きますが、始まってすぐ5分にエクアドルのバレンシアがレッドカードで退場。これで完全にエクアドルは守備的になり、フランスは攻めきれず、ジルーを途中出場させますがそれでも10人のエクアドルを攻めきれずにそのまま0-0の引き分けとなりました。

<スイスVSホンジュラス>6月26日(3-0スイス圧勝)
 前半6分にシャキリがミドルシュートを決めてスイスが先制。勢いに乗るシャキリは31分にもカウンターから追加点を奪います。ホンジュラスはスイスに攻め入ることができず逆にカウンターを受ける展開が続きます。
 後半も同じ流れとなり、26分には再びカウンターからシャキリが決めてハットトリック達成。このままスイスが勝利を収めました。
(スイス:シャキリ(3))

<グループF>
アルゼンチン  ボスニア・ヘルツェゴビナ  イラン  ナイジェリア 
<アルゼンチンVSボスニア・ヘルツェゴビナ>6月16日(2-1アルゼンチン勝利)
 前半、始まってすぐにアルゼンチンがオウンゴールでリードしますが、その後は明らかにボスニアのペース。何度もチャンスを作るもののなんとか耐えるアルゼンチン。もしかすると、この試合も逆転か?
 後半、ボスニアは前半ほど勢いがなく逆にアルゼンチンがペースを握るようになります。そして、20分についにメッシが得意の切り込んでからの左足シュートで追加点。こうなるともう流れは完全にアルゼンチンか?と思われた中、ボスニアはやはり実力、モチベーションが高く後半投入のエース、イビシェビッチが見事にゴールを決めて試合を面白くします。しかし、ボスニアの勢いもここまで体力的に限界になっていました。最後は、両チームとも疲労により守備がルーズになり、ノーガードの撃ち合い。接戦の素晴らしい試合となりました。
 本当に強いチームは逆転されないんですね。さすがです。
(アルゼンチン:メッシ(1) - ボスニア・ヘルツェゴビナ:イビシェビッチ(1))

<ナイジェリアVSイラン>6月17日(0-0引分け)

<アルゼンチンVSイラン>6月22日(1-0アルゼンチン薄氷の勝利)
 アルゼンチンは圧倒的にボールを支配しながらイランの鉄壁の守りに対し得点を奪えず。それに対しイランは何度もカウンターで決定的なチャンスを作ります。ゴール前であわやPKか?というシーンもありました。もう引き分けかという後半のロスタイム46分に右から切り込んできたメッシが左足でミドルシュート。これがゴール左隅に見事に決まりついに勝負あった。
 アルゼンチンは攻めきれないままメッシの個人技に救われた試合をなりました。
(アルゼンチン:メッシ(1))

<ナイジェリアVSボスニア・ヘルツェゴビナ>6月22日(1-0ナイジェリア勝利)
 初出場で国家にとって勝利を求められている威信をかけた戦い。そのプレッシャーが重すぎたのか。ボスニアHは、チャンスを作っても決めきれません。バイタル・エリアまでボールは運べてもラストパス、シュートに持ち込めない展開はまるで日本の試合を見ているようでした。それでもボスニアHにはモウリーニョが今年の最優秀選手と讃えたジェコがいます。そのジェコが最後のロスタイムに合わせたヘディング・シュートもGK正面。ナイジェリアは昨年のアフリカナンバー1らしくしっかりと守備も固めていました。
 前半、エムニケが右サイドをくずした後、マイナスのパスを戻し、それをオデムウィンギーが決めてとった虎の子の1点を守り切って勝利。重い期待を背負っていても勝てるとは限らない、これもまたワールドカップの厳しさです。
(ナイジェリア:オデムウィンギー(1))

<ボスニア・ヘルツィゴビナVSイラン>6月26日(3-1ボスニア・ヘルツェゴビナが歴史的初勝利)
 悲願の1勝に向けて1次リーグ敗退が決まっているとはいえモチベーションは高いボスニア・ヘルツェゴビナが終始押し気味に試合を進める展開。イランの守備重視の消極的な試合運びに対し、23分エースのジェコがドリブル突破からのシュートを決めて先制。イランは当然攻撃的にならざるをえなくなります。
 後半、14分絶妙のスルーパスに反応したピャニッチがシュートを決めて2点目。しかし、イランもあきらめず37分にネクナムのクロスにグーチャンネジャードが合わせて1点返します。ところがボスニア・ヘルツェゴビナもすぐにブルサイェビッチが3点目をとって勝負あった。
(ボスニア・ヘルツェゴビナ:ジェコ(1)、ピャニッチ(1)、ブルサイェビッチ(1) - イラン:グーチャンネジャード(1))

<アルゼンチンVSナイジェリア>6月26日(3-2アルジェリアからくも勝利)
 前半からいきなり撃ち合いの好ゲームとなりました。
 3分にデマリアのミドルシュートのこぼれ球をメッシが強烈に蹴り込んでアルゼンチンが先制。それに対し、すぐにナイジェリアが反撃。ババトゥンデからのパスを受けたムサがディフェンスを抜き去って見事なゴールを決めます。その後もナイジェリアは積極的に試合を進め、五分の戦いとなります。そんな中、メッシがフリーキックのチャンスを46分ついに決めます。再三シュートを止めてきたナイジェリアのGKエニェアマもついに動けず。
 後半2分、エメニケとのパス交換からムサが再びゴールを決めてあっという間に同点に追いつきます。それに対してアルゼンチンもラベッシのコーナーキックからラサが頭で合わせて再びリード。そこでアルゼンチンがメッシを休ませると、その後はナイジェリアがペースをつかみ、アルゼンチンの攻撃を凌ぎ、チャンスの数ではアルゼンチンを上回るようになります。アルゼンチンが必死で守りきりなんとか逃げ切るもののナイジェリアの善戦が光った試合となりました。
(アルゼンチン:メッシ(2)、ラサ(1) - ナイジェリア:ムサ(2))

<グループG>
ドイツ  ポルトガル  ガーナ  アメリカ 
<ドイツVSポルトガル>6月17日(4-0ドイツ完勝)
 前半からドイツが押し気味。それでもラームを狙ってボールを奪ってからの一気の攻撃でシュートまでは行く展開。しかし、ゴール前でゲッツェがファールを受けPKを獲得、それをミュラーがしっかりと決めて先制。さらに32分にクロースのコーナーキックに長身のDFフンメルスが頭で合わせて2点目。
 問題はこの後、ペペの軽いひじ打ちに大げさに倒れたミュラーに対し、ペペ(ブラジル出身)が激高して、頭を近づけて怒鳴るとそれが軽い頭突きと見なされて、一発レッドカードで退場。これでもう試合の大勢は決まりました。やはりクリスチャーノ・ロナウドは体調が万全ではないのか目立ちません。ロスタイムにはクロースからゴール前に入れられたボールのこぼれたところを再びミュラーが決めて、3点目。
 後半は人数も多く攻める必要のないドイツはボールを回しながらじっくりと攻める展開。33分には再びボールまでミュラーがシュートを決めて勝負あった。ミュラーは今大会最初のハットトリック達成となりました。
 0トップというスペインのようなパスサッカーを展開するドイツは予想以上の圧勝で余裕の勝利となりました。でもミュラーのわざとらしい演技はしばらく批判されることになるでしょう。あれは恥ずかしい。正直、がっかりな試合でした。
(ドイツ:ミュラー(3)、フンメルス(1))

<アメリカVSガーナ>6月17日(2-1アメリカ粘りの勝利)
 前半始まってすぐにデンプシーのシュートで先制。その後、カメルーンは盛り返して、押し気味に試合を進めます。
 後半、ボアテングを投入し、いよいよ勢いに乗るガーナはギャンの見事な左足シュートで37分ついに同点に追いつきます。こうなると流れは完全にガーナ。今大会流行の逆転試合になると思われました。ところが、なぜかワールドカップでは勝負強いアメリカ。過去二回ワールドカップで負けているガーナ相手にもかかわらず、粘りに粘る守備の後、ケガで退場したDFの代わりに出場していたブルックスがコーナーキックにドンピシャに合わせヘディング・シュート決めました。これはアメリカの監督クリンスマンもびっくり本人もびっくりだったようです。(もうアメリカにはやることは残されていなかったはずです)
 結局、押し気味ながらミスパスやシュート・ミスが多かったガーナは内容では上回ったものの勝負には負けた形となりました。アメリカ得意のど根性サッカーは健在でした。アメリカの試合は、スターがいないのに、いつも面白い。この試合もそうなりました。
 もしかするとこのグループは、1通過をかけてドイツ人監督同士の対決になるかもしれません。
(アメリカ:デンプシー(1)、ブルックス(1) - ガーナ:ギャン(1))

<ドイツVSガーナ>6月22日(2-2引き分け)
 ドイツが圧勝するかと思ってらまさかのガーナ大健闘。
 前半は、ドイツの押し気味とはいえ、ガーナも攻める時間帯もある五分五分の展開で0-0。
 後半に入ると、試合は一気に動き出します。6分に大きなクロスにゲッツェが合わせてドイツが先制。しかし、9分にガーナがカウンターで攻め込みアッフルの上げたクロスにアイェウが頭で合わせて同点。ここからはガーナが勢いを増し、19分にムンタリが自陣でボールを奪うと一気にギャンにパスを出すとゴールへと突進して一気のシュートを決めます。ここからはガーナへの応援も高まり、追加点のチャンスも多くなります。
 しかし、24分、25分にドイツはクローゼ、シュバインシュタイガーを次々と投入。これで流れが変わります。26分にドイツが得たフリーキックをクロースが右足で蹴り、それをヘーベデスが頭ですらせます。するとそこにクローゼが滑り込み、足先で押し込んでシュートを決めます。(クローゼはこれでワールドカップ15点目となり、ロナウドに並びました)これで同点。この後も、両チーム疲労の中撃ち合いを展開する死闘となりますがどちらも得点は得られず、ドローで終了。
 もう過去のように一方的な試合はない。どこから来たチームにも勝利の可能性がある時代になったようです。
(ドイツ:ゲッツェ(1)、クローゼ(1) - ガーナ:アイェウ(1)、ギャン(1))

<アメリカVSポルトガル>6月23日(2-2引分け)
 今大会のベストマッチの可能性がある名勝負になりました。
 前半5分アメリカがゴール前で痛恨のクリアミス。これをナニがしっかりと決めてポルトガルが幸先よく先制。しかし、リードしても勝てないのが今大会の流れです。アメリカは全員守備、全員攻撃の素晴らしい試合をみせてポルトガルを圧倒。前半はポルトガルがなんとか守りきり終了。
 後半も攻め続けるアメリカは19分、ジョーンズがゴールへと曲がりながらサイドネットを揺らす素晴らしいシュートを決めて同点に追いつきます。こうなると完全にアメリカの流れになります。ポルトガルは防戦一方になりますが、36分にサイドからのクロスを前の試合で鼻骨を追ったキャプテンのデンプシーが胸で押し込んでゴール。これでポルトガルのブラジルは終わりかと思われました。この後、ポルトガルはクリスチャーノ・ロナウドにボールを集めてゴールを狙うもののことごく決まりません。
 ロスタイムも後数十秒となったところで、ポルトガルにラストチャンスが訪れます。右サイドをロナウドがドリブルで駆け上がると、高速のクロスをバレラに供給。それにピンポイントで合わせたバレラがゴールを決めて、奇跡の引き分け!これでこのグループの最終戦はどのチームにもチャンスが残る大混戦になりました。
 面白すぎる展開です。
(アメリカ:ジョーンズ(1)、デンプシー(1) - ポルトガル:ナニ(1)、バレラ(1))

<ポルトガルVSガーナ>6月27日(2-1ポルトガル勝利)
 勝たなければ決勝リーグ進出の可能性がないチーム同士の戦い。そのわりには静かな試合展開で始まるが、しだいにポルトガルのペースに。試合が動いたのは、前半31分ポルトガル、ベローゾのクロスをボイエがクリアーしようとするがそれがミスキックとなりゴールイン。ポルトガルがラッキーな形でリード。しかし、ポルトガルには大量点が求められていました。
 後半13分、左サイドを駆け上がったアサモアから左足アウトサイドのクロスが上がり、それにギャンが合わせて完璧なゴールで同点。(アサモアのアウトサイドでのクロスは見事でした!)これでガーナにもチャンスが生まれつつありましたが、35分、ナニのコーナーキックからGKがクリアーしたボールをクリスチャーノ・ロナウドが蹴り込んで、再びポルトガルがリード。このままポルトガルが勝利しますが、ポルトガルはドイツ戦での大量失点が大きくのしかかり、決勝リーグ進出は逃しました。
(ポルトガル:クリスチャーノ・ロナウド(1) - ガーナ:ギャン(1))

<ドイツVSアメリカ>6月27日(1-0ドイツ勝利)
 引き分ければ両チームが決勝リーグ進出ということで、引き気味の試合が予想されたが試合開始から両チーム激しく動く攻撃的な試合の好ゲームとなりました。
 ドイツがシュバインシュタイガー、ポドルスキーなどベストに近いチームでアメリカを圧倒するものの、アメリカはフィジカルを生かし、最後のところで守りきります。その後、アメリカは少しずつボールを支配し、ドイツゴールに迫り、前半は五分の展開で終わります。
 後半、ドイツはクローゼを投入し勝利の意思を示します。それに答え、10分にエジルのクロスをメルテザッカーがヘディングシュート。アメリカのGKハワードが見事にクリアしますが、そのクリアボールがミュラーの前に転がり、それをしっかりとゴール隅に蹴り込んでドイツが先制。この勝負強さはさすがです。
 この後もドイツがアメリカを圧倒しますが、アメリカはガーナが追いついたという情報を知り、必死の守りで対抗。その後ポルトガルがリードしたことで、アメリカの敗退はなくなったものの、ラスト近くには決定的なチャンスも作り、あきらめないアメリカらしい試合を見せてくれました。
(ドイツ:ミュラー(1))

<グループH>
ベルギー アルジェリア  ロシア  韓国 
<ベルギーVSアルジェリア>6月18日(2-1ベルギー逆転勝利)
 前半、アルジェリアの固い守りに苦労するベルギー。さらにゴール前でベルトンゲンがイエローカードを受けてPKを献上。これをフェグリがしっかりと決めて先制。この後も、ベルギーはアルジェリアの堅守を崩せないままホイッスル。
 後半もベルギーはなかなか攻めきれず、20分にフェライニを投入。すると25分ゴール付近の攻防からそのフェライニがヘディング・シュートを決めてついに同点に追いつきます。こうなると今大会の流れともいえる逆転劇へ。勢いに乗るベルギーはアザールがドリブルで持ち込んで、メルテンスにパスを出し、それをしっかりと決めて逆転。やはり実力で上回るベルギーの順当勝ちとなりました。
(ベルギー:フェライニ(1)、メルテンス(1) - フェグリ(1))

<韓国VSロシア>6月18日(0-0引き分け)
 前半は、お互いに守備を固め、失点しないことを意識した闘いで、速攻も少なくじっくりと攻め合う展開。そのため決定機も少なく、0-0で終了。
 後半も同じような展開でお互いに外からのシュートでゴールを狙う展開が続きました。そんな中、途中交代で入ったイグノのミドル・シュートをロシアのGKアキンフェエフがハンブルしてゴールを許します。これが23分でまだ時間が十分残されていたこともあり、ロシアは勢いを強めます。すると29分、混戦の中、ケルジャコフがボールを押し込みロシアが同点に追いつきます。

<ベルギーVSロシア>6月23日(1-0ベルギー勝利)
 負ければ終わりのロシアはしっかりと守備を固めベルギーに対応。お互いに決定的なチャンスが少なく観客席からブーイングが起きるシーンもありました。試合が決まったのは、後半43分。ベルギーのエース、アザールが疲れのみえるロシア守備陣を突破し、それを途中交代でスピードがあるオリギにパス。これをしっかりと決めて勝負あった。ベルギーはこれで一次リーグ突破が決まりました。
(ベルギー:オリギ(1))

<アルジェリアVS韓国>6月23日(4-2アルジェリア勝利)
 負ければ終わりのアルジェリアは前半から積極的に攻め続け、ロングボールをスリマニに集めます。それに対し韓国は守備が混乱。前半26分、メジャニからのロングボールをスリマニがついにシュートを決めて、先制。ここから流れは一気にアルジェリアに傾きます。わずか2分後にはコーナーキックからジャブがクロスを上げるとこれにハリシュが頭を合わせてゴール。さらに38分には今度はスリマニからのパスにジャブが合わせグラウンダーのシュートを決めて3点目。
 後半、後がなくなった韓国は攻撃的な戦いになりアルジェリアを圧倒し始めます。後半が始まって早々の5分にはキソンヨンからのロングパスを受けたソン・フンミンがGKの股を抜いてシュートを決めゴール。さらに攻撃の手を緩ません。圧倒的に攻める監督ですが、アルジェリアもその隙をついて反撃し、ブラヒミが素早いパス交換からシュートを決めて4点目をとります。しかし、さすがは韓国です。その後も試合をあきらめずに攻撃を仕掛けると、27分にイグノからのクロスにクジャチョルが合わせて2点目。試合をわからなくします。しかし、2点の差はあまりに大きく、その後両チーム点は入れられずそのまま4-2で終了。
(アルジェリア:スリマニ(1)、ハリシュ(1)、ジャブ(1)、ブラヒミ(1) - 韓国:ソン・フンミン(1)、クジャチョル(1))

<ベルギーVS韓国>6月27日(1-0ベルギー勝利)
 韓国が決勝リーグに進出するには大量点での勝利が必要と言うことで前半から積極的な攻撃を仕掛ける韓国に対し、引き分けでも首位通過のベルギーは引き気味の試合を展開。ところが前半45分にベルギーのMFデフールがレッドカードで一発退場してしまいます。しかし、これでベルギーは徹底的に守備体制に入ってしまいます。
 後半、韓国は攻め続けるものの効果的な攻め手、アイデアが不足。(ここは日本と同じ)得点を上げられないまま、後半33分。オリギのミドルシュートをGKがはじいたところにベルトンゲンが詰めていてそれを蹴り込んで先制。これをベルギーは守りきり試合終了。韓国はもまた未勝利でのワールドカップ終了となりました。
(ベルギー:ベルトンゲン(1))

<ロシアVSアルジェリア>6月27日(1-1引き分け)
 決勝リーグ進出に勝利が求められるロシアは積極的に攻撃を仕掛け、前半6分コムバロフのクロスにココリンが頭で合わせて先制。その後、ロシアのペースで試合が進むものの前半はそのまま終了。
 後半15分左サイドからのフリーキックをブラヒミが蹴り、それを頭で合わせてゴール。これでアルジェリアが同点に追いつき、その後は守備的な試合に変更。ロシアはその守備を崩すことができないまま試合は引き分けに終わりました。

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