<ニュー・イングランド地域> |
構成する州(メイン州、ニューハンプシャー州、バーモント州、マサチューセッツ州、コネチカット州、ロードアイランド州) |
「ヤンキー発祥の地」であり「タウン・ミーティング」という地方自治の原点でもある土地です。
アメリカで最初に移民が住み始めた土地で、故郷イングランドの地名が多く存在します。(プリマス、ケンブリッジ、ベッドフォード、ボストン、コンコードなど)
1614年ジョン・スミスが「ニュー・イングランド」と名づけました。
1620年にピルグリム・ファーザーズがメイフラワー号でプリマスに上陸したのは、その後のことでした。
当時は、カトリックに反抗した人々がプロテスタントの国を作る目的でアメリカに移住したのだが、今ではこの地域は無宗教の人口が最も多い地域になった。
気候的には、冬の寒さが厳しい土地ですが、マラリア、黄熱病などの危険な伝染病の危険が少ない分、安全で小規模な農業には適した地域でした。
<三角貿易>
当初、この地域はイングランドとの貿易により財を成すのですが、南部の生産者はインディゴ、米、煙草、綿花などの輸出を自分でやり始めたため、北部の貿易は売り物を失ってしまいます。さらにイングランドが多額の税金をかけるようになり、貿易品目を大幅に変更することになります。その目玉になったのがアフリカから奴隷の輸入でした。イギリスからアフリカへ運んだ織物、ガラス製品を、アフリカで金、宝石、奴隷に換え、それをカリブ海経由でアメリカ南部へ運びこんで、ラム酒などの酒類に交換し、再びイギリスへと向かいます。この繰り返しにより、巨額の富を得ることになりました。
<名門大学の発祥地>
プロテスタントでは信者は自ら聖書を読み、神について知ることが重要です。(カトリックでは神父などの説教を聞けばよい)
そのための仲介役となる牧師も教会ごとに必要とされるので、聖書や神について学ぶための教育施設として神学校が創設されました。
ハーバード大(1636年)、イエール大(1701年)、コロンビア大(1754年)、コーネル大(1865年)、ダートマス大(1769年)、ペンシルバニア大(1755年)、ブラウン大(1764年)、公立大ではウィリアム&メアリー大(1693年)が誕生し、その後、それぞれの大学に非聖職者、女性などが通えるようになります。こうして、この地域には多くの大学など教育施設が生まれ、それが今でも地域の教育レベルの高さに結びついています。
<印刷文化の発祥地>
聖書を印刷するために1640年マサチューセッツ州ケンブリッジに印刷機が設置されました。そこから印刷文化が生まれ、出版社も多く誕生。アメリカの歴史書の多くはここで作られたため、アメリカの心の故郷が長年ニューイングランドだったのも、そうした書物の影響だったと考えられます。
現在のニューイングランドは、そうした歴史的建造物を巡る「遺産観光」ヘリテージ・ツーリズムが盛んな地域になっています。
<映画に登場する街>
「スポット・ライト世紀のスクープ」(ボストン)、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(マンチェスター)、「真夏の夜のジャズ」(ニューポート) |
<メトロポリタン・ニューヨーク地域> |
ニューヨーク州、コネチカット州、ニュージャージー州 |
アメリカとは異なる「世界都市」とも言うべき存在。
1898年マンハッタン、クイーンズ、ブルックリン、ブロンクス、スタテン島の5つの行政区が統合され誕生したのがニューヨーク市。
アメリカにおける経済、商業、金融サービス、不動産、メディア(CBS、ABC、NBC、ウォールストリート・ジャーナル、ニューヨーク・タイムズなど)、芸術(メトロポリタン・ミュージアム、ニューヨーク近代美術館MOMA)、出版、広告、劇場、ファッションなどの中心地。
1624年オランダ人がハドソン湾地域にニーウ・ネーデルラント(ニューネザーランド)植民地を設立。
1664年にイギリスが征服し、チャールズ2世が弟のヨーク公に土地を与え、ニューヨークと命名。
1845年~1849年ジャガイモ飢饉を逃れて大西洋を渡ったアイルランド人が急増し、多数派となった。映画「ギャング・オブ・ニューヨーク」は1963年が舞台。
1880年代にはイタリア人が多くなり、リトル・イタリーが形成されます。そのピークとなった1901年に渡った中にビトー・コルレオーネもいました。
同じ頃、ユダヤ人も多くニューヨークに移住していて、1910年には人口の25%になっていました。彼らは衣料品、ダイヤモンド、エンターテイメント(映画、舞台など)、金融、文学、音楽などで活躍し、その地位を築いて行きました。
1920年代から30年代にかけて市内北部の隔離された地域ハーレムに集中していたアフロ・アメリカンたちの中から文芸復興運動「ハーレム・ルネッサンス」が始まります。
2012年時点でニューヨークの6.3%が中国出身者、韓国が1.2%、日系は0.3%にすぎません。
<映画に登場する街> 「パターソン」(パターソン) |
<アパラチア地域> |
テネシー州、ウエストバージニア州、オハイオ州(一部)、バージニア州(一部)、ノースカロライナ州(一部)、ケンタッキー州(一部) |
アパラチア山脈を中心とする地域
「レッドネック」「クラッカー」「ヒルビリー」と呼ばれる人々が住み「山に住む田舎者」と言われてきました。
初期の植民者にとっては最初のフロンティアとなった地域。
石炭の産地として工業発展の支えとなった炭鉱地。(ピッツバーグの鉄鋼業、ニューヘイブンの造船業、ノースカロライナの綿織物工業など)
鉱山による公害問題が最初に明らかになった土地でもあり、自然破壊が早くから進んだ土地でもあります。
小麦に適さない土地だったため、ライ麦とトウモロコシが中心に栽培され、付加価値をつけるためウイスキーを生産するようになった。
20世紀前半、農地がダメになった人々は炭鉱で働き始めますが、60年代に石炭の時代が終わると、その仕事も失うことになりました。そのため、1960年までに約300万人が経済難民としてアパラチアを去っています。(アパラチア・デイアスポラ)そのため、この地域は貧困が広がる地域として有名になりました。この地域の貧困は政府やウォールストリートによる陰謀によるものと考える人も多く、トランプ支持層の多くがこの地域の白人貧困層と言われます。
<映画に登場する街>
「ナッシュビル」(ナッシュビル) |
<サウス地域> |
バージニア州、ノースカロライナ州、ジョージア州、フロリダ州(南部の先端以外)、アラバマ州、ミシシッピー州、ルイジアナ州
ケンタッキー州(一部)、テネシー州(一部)、アーカンソー州(一部) |
アップランド・サウス(北東部)には貴族主義的伝統が残る映画「風と共に去りぬ」の世界
ディープ・サウス(深南部)には奴隷制からの差別意識が今も残る地域
<南部連合>
奴隷制を支持してアメリカからの独立を宣言し、北部との戦争を始めたグループ。
アラバマ州、アーカンソー州、フロリダ州、ジョージア州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、テネシー州、テキサス州、バージニア州の11州からなる。
ディープ・サウスは煙草の生産により発展。その後、綿花の栽培が中心となり、そのための安価な労働力としてアフリカからの奴隷が必要となりました。
アッパー・サウスはプランター(地主)が自分の土地を年季奉公に貸し出すことで農業を行わせ、そこで奴隷も使うようになりましたが、小規模な農園が多く、トウモロコシや小麦などを生産。そもそも奴隷の数が少なかったこともあり、いち早く奴隷制からの撤退が可能になりました。
<米軍基地>
気候が安定し訓練を年中行えることから、4大米軍基地はすべてサウス地域にあります。その他にも軍事関連施設が集中。
ノースカロライナ州フォート・ブラッグは5万人の軍関係者とその家族が住み、世界最大規模の基地の街です。この地域には23万人の軍関係者が住んでいます。
<バイブル・ベルト>
キリスト教の熱心な信者が多い地域。キング牧師でも有名なバプティスト派が最大で、メソジスト派、チャーチ・オブ・クライストが続きます。
全米人口の1/3が住む地域だが、経済レベルではアメリカの最下層に位置しています。
<映画に登場する街> 「グローリー/明日への行進」(セルマ-モントゴメリー)、「欲望という名の電車」(ニューオーリンズ) |
<インダストリアル・ノース地域> |
ニューヨーク州、ペンシルバニア州、オハイオ州、インディアナ州、ミシガン州、イリノイ州、ウィスコンシン州 、メリーランド州 |
かつては工業地帯として発展したが今では衰退してしまったため「ラスト・ベルト」(錆びたベルト)とも呼ばれます。
冬の寒さから「フロスト・ベルト」、「スノー・ベルト」とも呼ばれます。冬の寒さと経済的な寒さを皮肉った呼び名。
元は五大湖と運河を使った水運による交易拠点として発展した地域。
<ドイツ系、アーミッシュ>
ドイツ系移民が多いミルウォーキーはビールの街として有名。
映画「刑事ジョン・ブック」で有名になったアーミッシュの人々のほとんどはこの地域に住む。文明の発展を拒否した生き方の人々が30万人以上生活しています。
<クェーカー教徒>
英国プロテスタントの一派「クェーカー教徒」もその多くがこの地域に住んでいます。簡素な生活を良しとし、暴力を否定して平和主義を貫くため、奴隷制を否定し、ベトナム戦争では多くの脱走兵を援助しました。武器を持たない看護兵が主人公の映画「ハクソーリッジ」の主人公もクェーカー教徒でした。
<環境破壊先進地>
水を利用して発展した工業地帯は、その衰退と共に地域に多くの環境破壊を残すことになりました。ミシガン州フリントでの発がん性物質の不法投棄事件は特に有名ですが、その他にもスリーマイル島原発の事故もまたこの土地で起きています。
映画「魂のゆくえ」で描かれている河川の汚染地域も、この地域ニューヨーク州の北部にあるようです。
<映画に登場する街>
「ロッキー」(フィラデルフィア)、「ディアハンター」(クレアトン)「刑事ジョン・ブック」(アーミッシュの村)、「フェンス」(ピッツバーグ) 「シェープ・オブ・ウォーター」(ボルチモア)
「キャデラック・レコード」(シカゴ)、TVドラマ「ER 緊急救命室」(シカゴ) 「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ」(デトロイト)、「デトロイト」(デトロイト) |
<ハートランド地域> |
ミネソタ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州、モンタナ州、ワイオミング州、アイオワ州、ネブラスカ州、コロラド州(一部)
カンザス州、ミズーリ州、アーカンソー州、オクラホマ州、ニューメキシコ州(一部)、テキサス州(北部) |
多くのアメリカ人が心の故郷的イメージを持つ土地として「ハートランド」と呼ばれています。
「ミッドランド」「ミドルアメリカ」「ミッドウエスト」とも呼ばれます。
全米の小麦、トウモロコシの3/4を生産する「ブレッド・バスケット」とも呼ばれます。
元はアメリカ先住民とバイソンが住む豊かな土地でした。そこにホームステッド法により、ドイツ系、スカンジナビア系白人が多く移住して奪い取った土地。
<ホームステッド法>
1862年に制定された自営農地法で、21歳以上で5年以上の農業経験がある市民なら誰でも登録料だけで160エーカー(65ヘクタール)の土地を請求できることになりました。さらにそこで5年間開拓を行えば、その土地を所有できることにもなりました。
映画「シェーン」や多くのクリント・イーストウッドによる西部劇が撮影された場所でもあります。
有名な大統領の顔が彫り込まれたラシュモア山国立公園があるのは、サウスダコタ州。
竜巻が多い「竜巻地帯」であり、全米の風力発電の78%はこの地域で生み出されています。( 映画「オズの魔法使い」の舞台)
ハートランドの西側は牧畜中心の農業地帯で多くの人がカウボーイハットをかぶっている。
ハートランドの東側は小麦、トウモロコシなどの農業中心で農業機材メーカーが配るキャップをかぶる人が多い。
シェールガス田も多く、経済的に豊かな地域でもあります。
<スイングの土地>
政治的に「スイング」地域と呼ばれます。都市部は民主党支持、地方は共和党支持と言われるものの、選挙のたびにその動向は変化します。アイオワ州はその中間にあり、大統領選挙のたびにその勝敗を左右する存在となっています。中央への反発意識が強いこともあり、野党側に動く傾向ことも多い。
<歴史>
1803年にミシシッピー州以西の土地をトーマス・ジャファーソンがフランス(ナポレオン)から約1500万ドルで購入した。
1830年アンドリュー・ジャクソン大統領が「アメリカ先住民強制移住法」(インディアン移住法)に調印。
南部アメリカやアパラチアに住んでいたチョクトー、クリーク、チカリー、セミノール、チェロキーなどの部族がハートランド地域内の「インディアン・テリトリー」に移動させられました。チェロキー族はジョージアからオクラホマまで1300キロを移動させられ、1万5千人いた人口が4000人失われた。「涙の道」と呼ばれます。
1890年ラコタ・スー族はパインリッジ・リザベーションへ強制移住させられたが約束の食料や衣類がもらえず、保留地から脱走。連邦軍とウンデッドニー・クリークで戦闘となり、250人が殺されました。こうして先住民の移住が実行され、その後は同化教育が行われ、先住民の伝統文化も失われることになります。
1920年代~1930年代大規模な干ばつによって、この地域の農業は壊滅状態になります。
1935年~1936年の「ダスト・ボウル」と呼ばれた大砂嵐により、カンザス、西オクラホマ、テキサスの農民たちは土地を捨てて、西へと移動しカリフォルニアの農園などで低賃金で働くことになり「オーキーズ」と呼ばれるようになりました。
<アルカトラズ島占領事件>
1969年1月サンフランシスコ沖のアルカトラズ島をアメリカ先住民が占拠。「全部族インディアン」を名乗る大学生などが中心のグループ80名弱が領土宣言をして占領を続け、先住民のための教育文化センターの設立を要求。アフリカ系、ユダヤ系、日系のマイノリティ集団からの支援も受け、運動を1年3か月間に渡り継続します。カリフォルニア州政府は水道、電気を止めた後、武装警察によりグループの排除に成功します。
1972年9月運動のリーダーだったリチャード・オークスは白人至上主義者に射殺されました。
<パインリッジ保留地占拠事件>
1973年2月、サウスダコタ州パインリッジ保留地の貧困と差別の状況を訴える人々が自治権を主張し、ラコタ・スー族とアメリカン・インディアン・ムーブメント(AIM)メンバーが、街の雑貨屋と教会を占拠。そこに71日間立てこもった事件。報道などにより、地域の現状を知った先住民以外の市民からの幅広い支持と援助を受けることに成功。最終的には連邦政府は自治権を公式に認めることになりました。
1975年「アメリカ先住民自決権及び教育援助法」によって人的資源)健康、教育、社会福祉)に関する一定の保障を得ることになります。
1978年「宗教自由法」では、アメリカ先住民、エスキモー、ハワイ先住民などが神聖な場所へのアクセス、神聖な物の使用、伝統的儀式を自由に行えるようになりました。
<映画に登場する街>
「ファーゴ」(ミネソタ州の田舎町)、「天国の門」(ミネソタ州) |
<アウト・ウエスト&アラスカ地域> |
ワシントン州(内陸部)、オレゴン州(内陸部)、アイダホ州、ワイオミング州(一部)、コロラド州、ニュー・メキシコ州(一部)、アリゾナ州(一部)
ユタ州、ネバダ州、カリフォルニア州(内陸部)、アラスカ州 |
西部劇で描かれる砂漠とグランドキャニオンなどの風景で有名な地域。乾燥しているため農業には適さない砂漠地帯と寒さで農業に適さないアラスカ州からなる。
<歴史>
1848年に金鉱がカリフォルニア州で発見されてから、「ゴールド・ラッシュ」が始まり、1858年にはコロラドでも金鉱が発見されました。
一攫千金を夢見る人間たちの欲望が渦巻く土地へと変わります。
<自然保護区>
この地域の森林を守るため、ビル・クリントン、オバマら民主党政権が国定公園を拡大しました。
ところが、2017年にトランプが大統領に当選すると公園内のは半分以上の土地で産業活動が可能になってしまいました。それに対し、考古学者、生物学者、環境保護団体、先住民らが訴えを起こし、阻止しようとしています。
<アラスカ>
1867年720万ドルでアメリカがロシアから購入した土地で、1959年に州となった。
油田が発見され、ロシアとの国境に位置していることから、エネルギー確保、安全保障の両面で重要な土地となりました。
そのため土地の多くを連邦政府が所有していて、先住民や地元住民の民意は政治・社会制度に反映されない傾向にあります。
そのため地元住民への恩恵は少なく経済的にも文化的にも、貧しさから脱却できていない。
さらに伝統文化を奪われたアラスカ先住民たちは、資本主義体制によって経済的な面だけでなく精神的にも追い込まれています。
アラスカ冒険旅行と言えば映画「イントゥ・ザ・ワイルド」、そして植村直己、星野道夫、僕の旅行記「クジラまであと3mの旅」
<映画に登場する街>
「リーヴィング・ラスベガス」(ラスベガス)、「捜索者」(モニュメント・バレー) |
<パシフィック・ノースウエスト地域> |
ワシントン州(海側)、オレゴン州(海側)、カリフォルニア州(海側) |
「レフト・コースト」という呼び名があり、それは西海岸であると同時に左翼的な地域ということも示しています。
20代~30代の若者が多く住み、経済的に豊かで教育水準も高いことが影響しているようです。
「アメリカ・ファースト」とは思わない人々が多く住む地域と言えます。
全米の家計収入ランキングでは、1位にサンフランシスコ、4位がにシアトル、そして10位にポートランドが入っています。
経済基盤は、初期は1848年に始まった「ゴールドラッシュ」の鉱山業で、その後、林業、漁業へと変化し、現在はハイテク産業、航空産業へと変わった。
西海岸はアジアとの貿易拠点でもあり、古くから貿易でも発展していた。
ナイキ、コロンビアの本社もあり、アウトドア、スポーツ産業の中心でもある。
その他にも、この地域に本社を持つ大企業は多く、特にワシントン州には、ボーイング、マイクロソフト、アマゾン、コストコ、REI
エディ・バウアー、スターバックス・コーヒー、タリーズ・コーヒーなどがあります。その多くはシアトルにあります。
経済的に豊かで教育レベルが高いことから、左派よりであると同時にアウトドアやエコロジー問題への意識が高い。
太陽光発電などの再生可能エネルギーの積極的な利用促進、缶、ビンなど容器保証制度の導入など、世界的にも先進的な環境保護政策がとられている先進地。
<環境保護先進地>
海岸部はアメリカで最も降雨量が多い森林地帯で地球温暖化問題もあり、森林保護の活動も活発。
レッドウッド国立公園の拡張を求める環境保護団体と伐採業者との間の戦いも有名。小説「オーバー・ストーリーズ」はそんな保護活動家の物語です。
<マイクロソフト社>
1975年ニューメキシコ州アルバカーキにマイクロソフト社が設立されました。若者二人が立ち上げたベンチャー企業はすぐに成功。
1979年二人の創業者は自分たちの故郷シアトルに本社を移転。それはかつての勢いを失い衰退してしまった街を活性化する目的からでした。
当時すでにボーイングの本社やワシントン大学病院があり、ハイテク分野の才能ある若者がいたことで、彼らは優秀な人材を集めることに成功。
優秀な若者が集まる企業が集中し始めるきっかけとなったのでした。
<映画に登場する街> 「ミルク」(サンフランシスコ)、テレビ「刑事コロンボ」(ロサンゼルス)、「インヒアレント・ヴァイス」(ロサンゼルス)、「ストレイト・アウタ・コンプトン」(コンプトン) 「20センチュリー・ウーマン」(サンタバーバラ) |
<サウス・ウエスト地域> |
カリフォルニア州(南東部)、ニューメキシコ州、アリゾナ州、テキサス州(南部) |
メキシコと国境を接する地域でアメリカ先住民とメキシコからの移民が多く住む。そのため「メキシ・アメリカ」とも呼ばれます。
スペイン系人口は全米平均で16.3%ですが、この地域は半分以上に達しています。当然、白人はすでに半分以下となっており、未来のアメリカでもあります。
平均気温が高く、降雨量は少ない砂漠地帯。テキサスでは石油産業が経済の中心となっている。
晴天の日が多いことから映画の撮影に最適なため、東海岸から映画会社がやって来て、ロサンゼルスのハリウッドが映画の都になりました。
アメリカ先住民の人口が多いのは、1位カリフォルニア州362000人、2位アリゾナ州296000人、3位ニューメキシコ州193000人
アメリカ全体の人口において、カリフォルニア州が1位でテキサス州が2位。
そのため大統領選挙における選挙人の数も多く、カリフォルニアが55票、テキサスが38票で圧倒的に数が多くなっています。
したがって、今後の大統領選挙ではこの地域の票を獲得した候補者が自ずと大統領になる可能性が高くなるはずです。
逆に言えば、トランプのような白人保守層は、勝てる可能性が低いこの地域の投票率をなんとか下げさせようと工作を仕掛ける可能性が高いとも言えます。 |
<ハワイ地域> |
ハワイ州 |
ハワイ王国はカメハメハ王によって統一された1795年から1893年まで存在していました。
アメリカによって植民地化され、1959年に50番目の州となりました。2016年に時点の人口は142万8千人。
観光業への依存度が高く、そのため全米一物価が高い地域でもあり、そのために貧富の差も大きくなっています。
ホームレスの増加も激しく、新型コロナにより観光産業が危機的になり、より経済的に厳しくなっている。
特に貧しいのは、「ビキニ環礁原爆実験」により、島を去らざるを得なくなり、ハワイに移り住んだミクロネシア人。
当初はアメリカ政府による様々な支援プログラムが行われていたが、その多くが時代とともに打ち切りとなりました。
その影響で多くの人々が収入を失いホームレスになったと言います。
<歴史>
1778年英国の探検家ジェームズ・クックがヨーロッパ人として初めてハワイに寄港。
1820年ボストンからの宣教団によるキリスト教の布教が始まりました。
その後、ポルトガル、ノルウェー、中国、日本、フィリピン、ミクロネシアなどからサトウキビ・プランテーションの移民労働者が流入。
英語を基盤とする独特の混成言語として「ピジン英語」が生成されました。
1970年代に「ハワイアン・ルネッサンス」が広がり、言語、芸術、文化などの復興運動が盛り上がり、住民の意識改革が起きました。
それからハワイ文化の教育も行われるようになり、ハワイ語の教育も復活しました。
2008年~2010年のハワイでの結婚のうち約42%が異人種間の結婚で、人種の混合がアメリカで最も進んでいる地域と言えます。 |