高度経済成長期のベストセラー


1960年(昭和35年)~1979年(昭和54年)
<光文社の時代>
 戦後、次々にベストセラーを送り出した光文社は、そのために「創作出版」というスタイルを生み出しました。
「自分で企画を立て、適切な著者を発見し、原稿の完成まで苦労を共にする。そして宣伝によって、できた本の読者を開発してゆく・・・」
神吉晴夫
 「英語に強くなる本」(1961年)はそうして生まれた代表的ベストセラー。タイトルの「強くなる」は、読むことで「強くする」ではなく、読むだけで「強くなる」と思わせるのがミソ!優れたタイトルは、そのまま優れた宣伝になるということを証明した。「頭のよくなる本」も同じ。
 この後、神吉のようなプロデューサー兼編集者により、多くのベストセラーが生み出されることになります。
神吉晴夫による「ベストセラーの作法十か条」「日経広告手帖」(1955年)より
(1)読者層の核心を20歳前後に置く。
(2)若い世代の純粋な感性に訴えるもの、あるいは素朴な正義感にこたえるもの。これは大ヒットするテーマである。
(3)たえず時宜を得ていること。前年歓迎されたからといって、今年もう一度と願っても、そうは問屋がおろさない。
(4)なんとなく良い作品、問題性の少ない作品は、宣伝の演出がしにくい。
(5)「この世ではじめてお目にかかった」という新鮮な驚きや感動を、読者に与えるものでなくてはならない。
(6)文章が「読者の言葉」であること。
(7)読者は作品から実生活の信条を引き出そうとする。二度とない人生をより幸福に生きるためにどうしたらよいか考える。それをねらうことだ。
(8)読者は正義を好む。不義をにくみ、不正を正そうとする。そういう読者の願いを代弁してくれる作品なら歓迎される。
(9)専門家が専門的知識をもとに書く場合は別だが、著者を読者より一段高い人間としてはいけない。著者は読者のなかにもやもやしてあるものを「形づくる」役割を担う。ゆえに著者と読者に上下があっていいはずはない。
(10)編集者はあくまでプロデューサー(企画製作者)の立場に立たなければいけない。「先生」の原稿を押し頂くというのではベストセラーを作れない。

 光文社は、1954年「カッパ・ブックス」をスタートさせ、1959年には小説を対象に「カッパ・ノベルズ」もスタートし、どちらからもベストセラーを連発して行きます。特に松本清張、井上靖、源氏鶏太は「ベストセラー三人男」と呼ばれるヒットメーカーとなりました。特に松本清張は、カッパ・ノベルズから51冊の小説を出版し、それらの総発行部数は1900万部に達します。さらに1969年には「カッパ・ホームズ」がスタートし、「冠婚葬祭入門」という大ベストセラーを生み出します。

<週刊誌の時代へ>
 それまで雑誌の中心は月刊誌でした。しかし、流通が発達し、時代の変化も急激になると、それが週単位へと速まります。60年代後半になると、「週刊新潮」、「週刊現代」「週刊文春」が月刊誌を上回る売り上げとなり、週刊誌が雑誌の中心となりました。(漫画雑誌も含めて・・・)

<宗教本の時代始まる>
 1964年の東京オリンピックに象徴されるようにこの時期の日本は高度経済成長のまっただ中。経済本もヒットしますが、その間にも人々は心の空白を感じ始めていました。それがこの時期からの「宗教本」ヒットの流れの原因だったと思います。池田大作の「人間革命」シリーズなど創価学会ものだけでなく、仏教関連など多くのベストセラーが生まれています。それと並行して、宗教ではない人生論ものの本も売れています。(曽野綾子、扇谷正造など)

<青春出版社、KKベストセラーズ>
 光文社の「カッパ」シリーズのライバルとなった青春出版社は、人生を描く投稿雑誌「葦」(1955年)の出版からスタートした会社です。小澤和一、大和岩雄が創業。そこで編集長だった岩瀬順三がその後、KKベストセラーズを設立。
 青春出版社はプレイブックス」、KKベストセラ―ズは「ワニ・ブックス」をそれぞれブランドとしてスタートさせ、光文社を模範にプロデューサー的な手法を用いてベストセラーを連発して行きます。

<テレセラー>
 1970年代後半、テレビと連動する形のベストセラーが次々に誕生します。最初のブレイク作は、当時日本で最も勢いのあるテレビ・タレント萩本欽一によるお笑いバラエティー番組から誕生した「欽ドンいってみようやってみよう」(1975年)です。
NHKのニュースの顔だった磯村アナによる「ちょっとキザですが」(1976年)。
国民的アニメ番組の裏話的エッセイ集「サザエさんうちあけ話」(1979年)。
北海道が生んだ人気フォークシンガー、松山千春の「足寄より - 激白23年」(1979年)。
北野武を世に出したツービートの「ツービートのわッ毒ガスだ」(1980年)。
山口百恵の引退に合わせて出版された「蒼い時」(1980年)。
さらにはNHK大河ドラマの原作本が毎年のようにベスト10入りするようになりました。


1960年(昭和35年) 
(1)「性生活の知恵」  謝国権  池田書店 
セックスを、モデル人形による「性交態位分類法」というかたちでビジュアル化。
著者も日赤本部産院産婦人科医局長という肩書を持つ人物で読者に買いやすい印象を与えました。
この後、1966年までに152万部を売るロングセラーとなります。
女性の性意識が解放されたことの現れで、購買層の3割は女性でした。
(2)「頭のよくなる本 - 大脳生理学的管理法」 林髞  光文社 
(3)「どくとるマンボウ航海記」  北杜夫  中央公論社
(4)「敦煌」  井上靖  講談社 
(5)「人生は芸術である」  御木徳近  東西五月社
(6)「私は赤ちゃん」  松田道雄  岩波書店 
(7)「性格」  宮城音弥 岩波書店 
(8)「鳥葬の国 - 秘境ヒマラヤ探検記」  川喜多二郎 光文社 
(9)「河口」  井上靖  中央公論社
(10)「黒い樹海」  松本清張  講談社 
1961年(昭和36年) 
この年、平凡社は「国民百科事典」を刊行。
全7巻1万円で売り出し、トータル20万部のベストセラーとなりました。
(1)「英語に強くなる本
- 教室では学べない秘法の公開」
岩国一男  光文社 
<広告文>
日本で初めてタテ組みで書かれ、漫画がドッサリはいった型破りの英語の本です。 
学校で英語を習ったが、さっぱりモノにならなかった人もこの本でモノになります。
これからのビジネスで英語に弱いと仕事に自信がもてない。将来格差ができます。
結局、100万部を越える大ベストセラーとなった。カッパブックス初のミリオン・ヒット。
(2)「記憶術 - 心理学が発見した20のルール」 南博  光文社 
(3)「性生活の知恵」   謝国権  池田書店
(4)「頭のよくなる本 - 大脳生理学的管理法」  林髞  光文社
(5)「砂の器」 松本清張  光文社 
(6)「影の地帯」  松本清張  光文社 
(7)「何でも見てやろう」  小田実  河出書房新社
(8)「日本経済入門 - 世界の成長がもたらすもの」 長洲一二  光文社 
(9)「日本の会社 - 伸びる会社をズバリ予言する」 坂本藤良  光文社 
(10)「虚名の鎖」  水上勉  光文社 
1962年(昭和37年) 
(1)「易入門 - 自分で自分の運命を開く法」  黄小娥  光文社
(2)「手相術 - 自分の成功が予知できるか」  浅野八郎  光文社 
(3)「愛と死のかたみ -処女妻と死刑囚の純愛記録」 山口清人
山口久代 
集英社 
(4)「徳川家康」(1~19)  山岡荘八  講談社 
(5)「算数に強くなる」  毎日新聞社(編) 毎日新聞社 
(6)「性生活の知恵」   謝国権 池田書店
(7)「スタミナのつく本
-体のリズムに乗る栄養生理学の法」
小池五郎 光文社
(8)「教養人の手帖」  現代教養文庫編集部(編) 社会思想研究会出版部
(9)「浩宮さま - 美智子妃殿下の育児」」  佐藤久  番町書房 
(10)「風の視線」  松本清張  光文社 
1963年(昭和38年) 
この年は「危ない会社」、「物の見方、考え方」、「流通革命」と3冊の企業関連の作品がランク入り。
経済本の年だったと言えます。時代は東京オリンピックを前に高度経済成長まっただ中でした。
(1)「徳川家康」(1~19) 山岡荘八 講談社
(2)「危ない会社 - あなたのところも例外ではない」  占部都美  光文社 
(3)「性生活の知恵」   謝国権  池田書店
(4)「時間の習俗」  松本清張  光文社 
(5)「物の見方、考え方」  松下幸之助  実業之日本社 
(6)「永遠のエルザ - ライオンを育てた母の記録」  ジェイ・アダムソン(著)
藤原英司(訳) 
文藝春秋新社 
(7)「図々しい奴」(1~3)  柴田錬三郎  光文社 
(8)「流通革命」  林周二  中央公論社 
(9)「虹子と啓介の交換日記
- 裏から見た男女高校生の記録」 
高山虹子、八木啓介(著)
玉井美知子(編) 
秋元書房 
(10)「太平洋ひとちぼっち」  堀江謙一  文藝春秋新社 
1964年(昭和39年) 
(1)「愛と死をみつめて ある純愛の記録」  河野実、大島みち子  大和書房 
骨肉腫により21歳の若さでこの世を去った大島みち子と河野実の往復書簡を書籍化した作品。
二人は同じように若くして亡くなった女子大生の「生命ある日に」(1962年塩瀬信子)を読んで感動。
そこからこの本が生まれました。大和書房は積極的にこの本をマスコミに売り込みます。
新聞記事、ラジオ・ドラマ、テレビ・ドラマ、吉永小百合による映画化と続き、この年末には130万部突破!
メディア・ミックスによる爆発的ヒットの先駆となりました。
(2)「徳川家康」(1~21)  山岡荘八  講談社 
(3)「おかあさん」(1~3)  サトウハチロー  オリオン社 
(4)「若きいのちの日記」  大島みち子  大和書房 
(5)「おれについてこい! - わたしの勝負根性」  大松博文  講談社 
東京オリンピックの英雄の一人女子バレーの監督による著作。スポーツ関連の先駆的ベストセラー。
1962年モスクワ世界選手権で優勝するまでの記録を描き、1965年までに33万部突破。 
(6)「物の見方、考え方」  松下幸之助  実業之日本社 
(7)「炎は流れる - 明治と昭和の谷間」(1~4)  大宅壮一  文藝春秋新社 
(8)「アンネの日記」  アンネ・フランク(著)
皆藤幸蔵(訳) 
文藝春秋新社 
(9)「行為と死」  石原慎太郎  河出書房新社
(10)「廃墟の唇」  黒岩省吾  光文社 
1965年(昭和40年) 
(1)「人間革命」(1)  池田大作 聖教新聞社 
(2)「なせば成る! - 続おれについてこい」  大松博文  講談社 
(3)「おれについてこい! - わたしの勝負根性」  大松博文  講談社 
(4)「徳川家康」(1~23)  山岡荘八  講談社 
(5)「わが愛を星に祈りて - 女子高生の日記」  佐伯浩子  大和書房 
(6)「3分間スピーチ
- 一人一人の心に、強烈な感動を・・・」 
諸星龍  光文社 
(7)「妻の日の愛のたかみに」  池上三重子  サンケイ新聞社出版局 
(8)「南ヴェトナム戦争従軍記」  岡本昭彦  岩波書店 
(9)「白い巨塔」  山崎豊子  新潮社 
(10)「氷点」  三浦綾子  朝日新聞社 
1966年(昭和41年) 
(1)「人間革命」(2)  池田大作  聖教新聞社 
(2)「人間への復帰」  庭野日敬  佼成出版社 
(3)「氷点」  三浦綾子  朝日新聞社 
1965年無名の主婦作家が1千万円の朝日新聞の懸賞小説でブレイク。
この年、テレビドラマ化されると初回視聴率22.6%のヒットとなり、本もブレイク。
翌年には70万部に達します。 
(4)「ヘンな本 - 禁じられた「笑い」のすべて」  野末陳平  青春出版社 
(5)「海軍主計大尉小泉信吉」  小泉信三  文藝春秋社 
(6)「私をささえた一言 - 勇気と決断力の座右銘」  扇谷正造(編)  青春出版社 
(7)「家庭革命」 池田大作  講談社 
(8)「五味マージャン教室」  五味康祐  光文社
(9)「山本五十六」  阿川弘之  新潮社 
(10)「天皇ヒロヒト」  レナード・モズレー(著)
高田市太郎(訳) 
毎日新聞社 
1967年(昭和42年) 
(1)「頭の体操」(第1集)  多湖輝  光文社
(2)「人間革命」(3)  池田大作  聖教新聞社 
(3)「頭の体操」(第2集)  多湖輝  光文社 
(4)「華岡青洲の妻」  有吉佐和子  新潮社 
(5)「英単語記憶術」  岩田一男  光文社 
(6)「頭の体操」(第3集)  多湖輝  光文社 
(7)「姓名判断」  野末陳平  光文社 
(8)「捨てて勝つ - 人生に強くなる本」 御木徳近 大泉書店 
(9)「徳川の夫人たち」  吉屋信子  朝日新聞社 
(10)「道をひらく」  松下幸之助  実業之日本社 
この作品はこの後長く売れ続ける超ロングセラーとなり、2014年の224刷で511万部に達します。
この数字は「窓際のトットちゃん」の580万に次ぐものです。 
1968年(昭和43年) 
(1)「人間革命」(4)  池田大作  聖教新聞社 
(2)「民法入門 - 金と女で失敗しないために」  佐賀潜  光文社 
佐賀潜は経済関連の犯罪を専門とする検事から弁護士となった松下幸徳の筆名。
小説家としても「華やかな死体」で江戸川乱歩賞を受賞している。
作家に法律書を書かせれば読みやすく面白い作品になるだろうという編集者の狙いが当たった。 
(3)「刑法入門 - 臭い飯を食わないために」  佐賀潜  光文社 
(4)「竜馬がゆく」(1~5)  司馬遼太郎  文藝春秋社 
1963年の初版は第一巻がわずか1万2千部とささやかなスタート。
1968年に大河ドラマ化されたことでブレイクした。このパターンは翌年にも再現されます。
(5)「頭の体操」(第4集)  多湖輝  光文社 
(6)「どくとるマンボウ青春記」  北杜夫  中央公論社 
(7)「商法入門 - ペテン師・悪党に打ち勝つために」  佐賀潜  光文社 
(8)「愛 - 愛する愛と愛される愛」  御木徳近  ベストセラーズ 
(9)「道路交通法入門
- お巡りさんにドヤされないために」 
佐賀潜 光文社
(10)「Dの複合」  松本清張  光文社 
1969年(昭和44年) 
(1)「人間革命」(5)  池田大作 聖教新聞社 
(2)「天と地と」(1~3)  海音寺潮五郎  朝日新聞社 
1962年の初版は2万3千部だったが、この年に大河ドラマ化されるとブレイク。
3作とも50万部を越えるベストセラーとなりました。 
(3)「対話 人間の原点」  小谷喜美、石原慎太郎 サンケイ新聞社出版局 
(4)「科学と宗教」  池田大作  潮出版 
(5)「都市の論理」  羽仁五郎  勁草書房 
(6)「改訂版 広辞苑」  新村出(編)  岩波書店 
(7)「赤頭巾ちゃん気をつけて」  庄司薫  中央公論社 
(8)「大もの小もの一人の一生は自己表現である」  御木徳近  読売新聞社 
(9)「池田大作論」  央忠邦  大光社 
(10)「私はこう思う」  池田大作  毎日新聞社 
1970年(昭和45年) 
(1)「日本万国博覧会公式ガイドマップ」  講談社(企画・編集)  日本万国博覧会協会 
大阪万国博覧会向けで発行され、最終的には276万6900部という数字を叩き出した。 
いかに万博が日本を巻き込んだブームだったかがわかる数字。
(2)「日本万国博覧会公式ガイド」 電通日本万国博覧会
ガイド作成委員会
日本万国博覧会協会
(3)「冠婚葬祭入門」  塩月弥栄子  光文社 
1969年スタートの「カッパ・ホームズ」から出版。
都市化、核家族化が進み、様々な行事に関する常識が受け継がれなくなり、ニーズが生じた内容。
親から離れて暮らす若い層を中心に売れました。
著者は茶道家で父親は裏千家の家元という名門。
前田陽一監督により、松竹で映画化もされた「喜劇  冠婚葬祭入門」
この後、4巻シリーズとなり、シリーズ累計700万部のヒット作となります。
この第一巻は312万部のヒットとなり、新書では養老孟子の「バカの壁」まで1位の座を守ります。
(4)「誰にために愛するか」  曽野綾子  青春出版社 
(5)「創価学会を斬る」  藤原弘達  日新報道 
(6)「私の人生観」  池田大作  文藝春秋 
(7)「心 - いかに生きたらいいか」  高田好胤  徳間書店
(8)「続 冠婚葬祭入門」 塩月弥栄子 光文社
(9)「スパルタ教育 - 強い子どもに育てる本」  石原慎太郎  光文社 
(10)「道 - 本当の幸福とは何であるか」  高田好胤  徳間書店
1971年(昭和46年) 
(1)「人間革命」(6)  池田大作  聖教新聞社 
(2)「冠婚葬祭入門」  塩月弥栄子  光文社
(3)「日本人とユダヤ人」 イザヤ・ベンダサン  山本書店 
世界のアウトサイダーとして日本人とユダヤ人を比較考察した書。
山本書店はイザヤ・ベンダサンの本名山本七平の会社。そのことは明らかになされていなかった。
著者の正体不明が話題となり、売れ行きに火がつき、年内に62万部のヒットになった。
日本人による日本人論好きが生み出したベストセラーの先駆作と言えます。
(4)「続 冠婚葬祭入門」  塩月弥栄子 光文社
(5)「春の坂道」(1~3)  山岡荘八  日本放送出版協会 
(6)「HOW TO SEX - 性についての方法」  奈良岡祥  ベストセラーズ 
(7)「誰にために愛するか」   曽野綾子  青春出版社 
(8)「ラブ・ストーリイ」  エリック・シーガル(著)
板倉章(訳) 
角川書店 
(9)「続々冠婚葬祭入門」   塩月弥栄子  光文社 
(10)「戦争を知らない子供たち」  北山修  ブロンズ社 
1972年(昭和47年) 
(1)「恍惚の人」  有吉佐和子  新潮社 
(2)「小谷喜美抄 天国の音楽」  小谷喜美(著)
久保継成(編)
佛乃世界社
(3)「人間革命」(7) 池田大作  聖教新聞社 
(4)「日本列島改造論」  田中角栄  日刊工業新聞社 
(5)「HOW TO SEX - 性についての方法」  奈良岡祥  ベストセラー
(6)「世界経済を動かす ユダヤの商法」  藤田田  ベストセラーズ 
(7)「女の子の躾け方 - やさしい子供に育てる本」  浜尾実  光文社 
(8)「般若心経入門」  松原泰道  祥伝社 
(9)「坂の上の雲」(1~6)  司馬遼太郎  文藝春秋 
(10)「放任主義 - 一人で生きる人間とは」  羽仁進  光文社 
1973年(昭和48年) 
(1)「日本沈没」(上・下)  小松左京  光文社 
日本人読者の不思議さとして、崩壊とか危機、破滅といったネガティブなタイトルにむしろ惹かれ、
将来は明るいといったニュアンスの本には向けない傾向がある。 
日本人は「不安感優位民族」なのである。
どうやら日本人は不安感をあおる本に弱い傾向があるようです。

この年、「日本沈没」の出版に合わせるように2月1日浅間山が噴火。
5月23日首都直下に大断層が発見される。
5月31日小笠原沖で海底噴火発生。
これらの影響もあり、上下合計で385万部の大ヒットになりました。
(2)「人間革命」(8)  池田大作  聖教新聞社 
(3)「常識をぶち破る 怪物商法」  糸山英太郎  ベストセラーズ 
(4)「ぐうたら人間学」  遠藤周作  講談社 
「日本沈没」や翌年の「ノストラダムスの大予言」のような作品のヒットに対し
「ぐうたらシリーズ」や「どくとるマンボウ」のような癒しのエッセイも売れたのがこの時代です。 
(5)「にんにく健康法」  渡辺正  光文社 
カッパ・ホームズの一冊で90万部のヒットとなりました。
健康もの、健康食品ものの初期ヒット作で、現代医学とは別の視点からのヒットはこの後も登場。
著者の渡辺は大阪市立大学家政学部助教授ということで情報が信頼された。
「不老長寿の秘薬」「万能薬」などの売り文句もありになった。 
(6)「ぐうたら愛情学」  遠藤周作  講談社 
(7)「ぐうたら交遊録」  遠藤周作  講談社 
(8)「国盗り物語」(前・後)  司馬遼太郎  新潮社 
(9)「どんと来い税務署」  吉田敏幸  ベストセラ―ズ 
(10)「太陽への挑戦」  糸山英太郎  双葉社 
1974年(昭和49年) 
(1)「かもめのジョナサン」  リチャード・バック(著)
五木寛之(訳)
新潮社
この時期は翻訳本は売れない傾向にありました。
そこで出版社はこの作品の翻訳を作家の五木寛之に依頼。
翻訳者の知名度もあり、見事に大ヒットとなりました。 
(2)「ノストラダムスの大予言」  五島勉  祥伝社 
この年は高度経済成長がストップした初のマイナス成長の年で消費者物価が26.3%急上昇。
社会不安が広がる中、この本が大ヒット。10代、20代の若者を中心に売れました。 
(3)「食べるだけでやせる健康食」  中村鉱一  ベストセラーズ 
(4)「婦人抄 - 創造的な生き方」  池田大作  聖教新聞社 
(5)「虚構の家」  曽野綾子  読売新聞社 
(6)「今だから愛される本 あのねのね」  あのねのね  ベストセラーズ 
深夜放送などで人気絶頂だったフォーク・デュオによるタレント本の先駆的ヒット作 
(7)「ぐうたら好奇学」  遠藤周作  講談社 
(8)「ローラ、叫んでごらん
- フライパンで焼れた少女の物語」 
リチャード・ダンブロジオ(著)
関口英男(訳)
サイマル出版
(9)「邪馬台国の秘密」  高木彬光  光文社 
(10)「アルキメデスは手を汚さない」  小峰元  講談社 
1975年(昭和50年) 
(1)「播磨灘物語」(上・中・下)  司馬遼太郎  講談社 
(2)「複合汚染」(上・下)  有吉佐和子  新潮社 
(3)「欽ドンいってみようやってみよう」(Ⅰ・Ⅱ)  萩本欽一  集英社 
(4)「眼がどんどんよくなる
- ペパード博士の視力回復マニュアル」 
ハロルド・ペパード(著)
高木長祥(訳) 
青春出版社 
(5)「崩れゆく日本をそう救うか」  松下幸之助  PHP研究所 
(6)「親の顔が見たい」(正・続)  川上源太郎  ごま書房 
(7)「ブラック・ホール - 宇宙の終焉」  ジョン・テイラー(著)
渡辺正(訳) 
講談社
(8)「謎のバミューダ海域」  チャールズ・バーリッツ(著)
南山宏(訳) 
徳間書店 
(9)「元禄太平記」(前・後)  南條範夫  日本放送協会出版局 
(10)「梅干と日本刀」 樋口清之  祥伝社 
1976年(昭和51年) 
(1)「限りなく透明に近いブルー」  村上龍  講談社 
題材が、今までにない麻薬やセックスなどスキャンダラスな内容だったこと。
芥川賞選考会で選考委員がケンカになるほど混乱したことが大きな話題になり売り上げにも寄与。
発売前から話題豊富だったことで100万部突破!
(2)「人間革命」(7)  池田大作  聖教新聞社 
(3)「不毛地帯」(1・2) 山崎豊子  新潮社 
(4)「青春の門」 堕落編」(上)  五木寛之  講談社 
(5)「革命の大河 - 創価学会45年史」  上藤和之他(編)  聖教新聞社 
(6)「翔ぶが如く」(1~7)  司馬遼太郎  文藝春秋 
(7)「知的生活の方法」  渡辺昇一  講談社 
(8)「毎日が日曜日」  城山三郎  新潮社 
(9)「ちょっとキザですが」  磯村尚徳  講談社 
(10)「火宅の人」  檀一雄  新潮社 
1977年(昭和52年) 
(1)「間違いだらけのクルマ選び」  徳大寺有恒  草思社 
著者の徳大寺は、日常生活のための大衆車にレーシングカーの性能を求めることを批判。
ユーザーの意識だけでなくメーカーの意識を変える役目を果たしました。
辛口の批評を行い客観的な評価を下す内容が読者の信頼を得て大ヒットとなった。
この切り口はその後の企業・ビジネス本にも大きな影響を与えます。 
(2)「頭のいい銀行利用法」  野末陳平  青春出版社 
当初、光文社から「銀行公害」として銀行への批判本として出版予定だったが、圧力?により出版自粛。
青春出版の小澤は「銀行を利用する本」としての出版を計画。
著者の野末が参議院大蔵委員であることを利用。体制側から反体制的本を出版することに成功。
(3)「八甲田山死の彷徨」  新田次郎  新潮社 
(4)「随筆 人間革命」  池田大作  聖教新聞社 
(5)「知的生活の方法」  渡辺昇一  講談社 
(6)「人間の証明」  森村誠一  光文社 
(7)「エーゲ海に捧ぐ」  池田満寿夫  角川書店 
(8)「頭の体操(第5集)」  多湖輝  光文社 
(9)「ルーツ」(上・下)  アレックス・ヘイリー(著)
安岡章太郎他(訳) 
社会思想社 
(10)「事故のてんまつ」  臼井吉見  筑摩書房 
1978年(昭和53年) 
(1)「人間革命」(10) 池田大作  聖教新聞社 
(2)「頭のいい税金の本」  野末陳平  青春出版社 
(3)「和宮様御留」  有吉佐和子  講談社 
(4)「五味手相教室」  五味康祐  光文社 
(5)「黄金の日日」  城山三郎  新潮社 
(6)「不確実性の時代」  ジョン・K・ガルブレイス(著)
都留重人(訳) 
TBSブリタニカ 
(7)「海を感じる時」  中沢けい  講談社 
(8)「不毛地帯」(3・4)  山崎豊子  新潮社 
(9)「ライフワークの見つけ方」  井上富雄  主婦と生活社 
(10)「犬笛」  西村寿行  徳間書店 
1979年(昭和54年) 
(1)「算命占星学入門」  和泉宗章  青春出版社 
著者は占い研究家。当時の人気バラエティー番組「11PM」などに出演し話題となって大ヒット。
2作で300万部を突破する大ヒットになりました。 
(2)「天中殺入門」  和泉宗章  青春出版社 
(3)「指導の泉」  和泉覚  聖教新聞社 
(4)「サザエさんうちあけ話」  長谷川町子  姉妹社 
(5)「私の個人指導」  辻武寿  聖教新聞社 
(6)「四季・奈津子」 (上・下) 五木寛之  集英社 
(7)「ジャパン・アズ・ナンバーワン」  エズラ・F・ヴォーゲル(著)
広中和歌子他(訳) 
TBSブリタニカ 
(8)「頭のいい税金の本」  野末陳平  青春出版社  
(9)「ギネスブック」  ノリス・マクァーター(編)
青木崇(訳) 
講談社 
(10)「足寄より - 激白23年」  松山千春  小学館 

<参考>
「ベストセラー全史」<現代篇>
 2019年
(著)澤村修治
筑摩書房

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