21世紀初めのベストセラー

2000年(平成12年)~2009年(平成21年)
<新書ブーム>
 「新書」とは、B40判の寸法で作られた小型軽装廉価判の本のことです。1938年11月20日岩波新書が創刊されたのが最初。イギリスのペリカン・ブックス(ペーパーバック本)を真似たらしい。新書は、「ノンフィクション」と「フィクション」(小説)に分けられますが、「ノンフィクション」は岩波新書を中心とする教養作品とカッパ・ブックス系の雑学、ハウツー、タレント本などにも分けられます。(「ブックス本」と呼ばれます)
 20世紀中、新書は「5万部で成功」、「10万部でベストセラー」、「30万部で大ヒット」と言われる地味な存在でした。しかし、カッパ・ブックスの登場により、新書は桁違いに売れる分野になって行きます。
 1994年に永六輔の「大往生」のミリオン・ヒットの影響で、各社が新書ブランドを次々に立ち上げます。「ちくま新書」(1994年)、「PHP新書」(1996年)、「文春新書」(1998年)、「平凡社新書」(1999年)、「集英社新書」(1999年)、「新潮新書」(2003年)・・・
 雑誌の売れ行きが急減し、どの本も売れなくなる中、かろうじてヒットが生まれる分野として各社が力を入れる分野となりました。
 2003年の「バカの壁」は新書本の歴代ナンバー1のヒットとなりました。
 新書の総売り上げは1999年には130億円だったものが、2006年には200億円に達します。

<売れる本に共通する3つのT>
(1)テーマ(求められているテーマか?)
(2)タイミング(求められている時代か?)
(3)タイトル(わかりやすいテーマか?)

 安いこと、気軽に読める事が求められる時代になり、2007年のベストセラー30位以内では、教養新書が9作品。ケータイ小説が5作品でした。
「ベストセラーの成り立ちにも変化が見られた。それまでは学生や20代が購読者層の中心であったが、2001年はそれが中高年にシフトする傾向にあった。30代以上のビジネスマンや中高年層から売れ始め、テレビなどのパブリシティ効果により若い女性や主婦層に広がるというのが新しいパターンだ」
2001年「出版指標年報」より

<小説のヒット>
 2004年以降、久々に小説のヒット作が続く時代になります。それには理由がありました。
(1)映画やテレビドラマの原作としてブレイク。
(2)マスコミによって宣伝された。
(3)書店店頭でのポップや帯などの宣伝手法が効果を上げるようになった。
(4)「本屋大賞」が2004年にスタートし、現場から面白い本を紹介する動きが活発化した。
 ただし、売れる本は売れるが、パブリシティのない文芸書はまったく売れない二極化が進んだともいえる。

<新訳本ブーム>
 「カラマーゾフの兄弟」全5巻の光文社古典新訳文庫版が50万を越えるヒットとなったことがきっかけとなり、古典文学の新訳本のブーム始まる。
 さらに「人間失格」の表紙を「DEATH NOTE」の作者に描かせることで見た目も新しくして成功したことも話題になった。
 2003年村上春樹の新訳版「キャッチャー・イン・ザ・ライ」(旧タイトルは「ライ麦畑でつかまえて」)も初版で10万のヒットとなった。

<2008年ミリオン7作の快挙>
 2008年出版不況と呼ばれながらも、7作のミリオンセラーが誕生しました。売れる本と売れない本の二極化がいよいよはっきりしてきたと言えます。
「ハリー・ポッターと死の秘宝」(185万)、「夢をかなえるゾウ」(155万)、「「B型自分の説明書」(160万)、「O型自分の説明書」(143万)、「A型自分の説明書」(131万)、「ホームレス中学生」(105万)、「女性の品格」(100万)
 「ハリー・ポッター」以外は、新書や低価格本だったため、数は売れても利益はそれほど大きくはなかった。この傾向はそのまま続くことになる。

<ハリー・ポッター本の突出>
 「ハリー・ポッター」シリーズだけは、出版界の状況と関係なく売れ続けたが、それでもしだいに販売数は減少することになりました。
「賢者の石」508万、「秘密の部屋」433万、「アズカバンの囚人」382万、「炎のゴブレット」350万、「不死鳥の騎士団」290万、「謎のプリンス」215万、「死の秘宝」185万となり総合計で2363万で652億円という数字を叩き出しました。


2000年(平成12年) 
(1)「だから、あなたも生きぬいて」 大平光代  講談社 
いじめ、自殺未遂、暴走族、暴力団、水商売、弁護士を経て若者の更生活動に生きる女性。
波乱万丈の自伝で翌年には200万部突破。 
(2)「話を聞かない男、地図が読めない女」 アラン&バーバラ・ピーズ(著)
藤井留美(訳) 
主婦の友
角川書店 
男女差を面白くまとめた本として、翌年まで売れ続け190万突破。 
(3)「ハリー・ポッターと賢者の石」
「ハリー・ポッターと秘密の部屋」 
J・K・ローリング(著)
松岡佑子(訳) 
静山社 
(4)「これを英語で言えますか?」  講談社インターナショナル(編) 講談社 
(5)「捨てる!技術」  辰巳渚  宝島社 
(6)「新・人間革命」(7・8)  池田大作  聖教新聞社 
(7)「太陽の法」  大川隆法  幸福の科学出版 
(8)「子供が育つ魔法の言葉」  石井千春  PHP研究所 
(9)「経済ニュースが面白いほどわかる本」  細野真宏  中経出版 
(10)「人生の目的」  五木寛之  幻冬舎 
2001年(平成13年) 
(1)「チーズはどこへ消えた?」  スペンサー・ジョンソン(著)
門田美鈴(訳) 
扶桑社 
1998年アメリカで発売され、IBMやアップルなどの社員研修テキストに使用された本。
ファンタジー小説仕立てのビジネス書として、発売3ヶ月で164万のヒット。
日本ではファンタジー小説であることを売りにヒットした。
主婦や学生層にまで売れることで年間350万が売れました。
(2)「ハリー・ポッターと賢者の石」
「ハリー・ポッターと秘密の部屋」
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 
J・K・ローリング(著)
松岡佑子(訳) 
静山社 
(3)「奇跡の法」  大川隆法  幸福の科学出版 
(4)「金持ち父さん 貧乏父さん」  ロバート・キヨサキ(著)
シャロン・レクター(著)
白根美保子(訳) 
筑摩書房 
副題は「アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学」
ビジネス書らしくない表紙で発売。 
(5)「新・人間革命」 池田大作 聖教新聞社 
(6)「話を聞かない男、地図が読めない女」 アラン&バーバラ・ピーズ(著)
藤井留美(訳)  
主婦の友
角川書店  
(7)「十二番目の天使」  オグ・マンディー(著)
坂本貢(訳) 
求龍堂 
(8)「プラトニック・セックス」  飯島愛  小学館 
(9)「仕事ができる人、できない人」  堀場雅夫  三笠書房 
(10)「バトル・ロワイヤル」  高見広春  太田出版 
(11)「光に向かって100の花束」  高森顕徹  1万年堂出版 
(12)「新しい歴史教科書」  西尾幹二ほか  扶桑社 
(13)「声に出して読みたい日本語」  齋藤孝  草思社 
(14)「The Blue Day Book」  ブラッドリー・T・グリーヴ(著)
石田享(訳) 
竹書房 
(15)「模倣犯」(上・下)  宮部みゆき  小学館 
(16)「なぜか、仕事がうまくいく人の習慣」  ケリー・グリーソン(著)
楡井浩一(訳) 
PHP研究所 
(17)「プロジェクトX リーダーたちの言葉」  今井彰  文藝春秋 
(18)「みにくいあひるの子だった私」  梅宮アンナ  講談社 
(19)「竹中教授のみんなの経済学」  竹中平蔵  幻冬舎 
(20)「なぜ生きる」  明橋大二、伊藤健太郎  1万年堂出版 
2002年(平成14年) 
(1)「ハリー・ポッターと賢者の石」
「ハリー・ポッターと秘密の部屋」
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(上・下)
J・K・ローリング(著)
松岡佑子(訳) 
静山社 
初版500部からのスタートで、映画の相乗効果もあり大ヒット。
第4作は上下で3800円にもかかわらず初版だけで230万。
第1巻506万、第2巻433万、第3巻365万、第4巻350万…総計1654万
(2)「ビッグ・ファット・キャットの
世界一簡単な英語の本」 
向山淳子ほか  幻冬舎 
イラストなどでわかりやすく書いたいる英語の勉強し直しのための本としてヒット。
この年だけで135万。 
(3)「生き方上手」  日野原重明  ユーリーグ 
この年のキーワード「老い」を代表する本で120万。
(4)「声に出して読みたい日本語」  齋藤孝  草思社
日本語本人気のきっかけとなり、1年半で142万。
この年のキーワードは「日本語」となります。 
(5)「世界がもし100人の村だったら」 池田香代子 マガジンハウス
(6)「ベレベレブック Vol.1」  国川恭子  ぴあ 
(7)「新・人間革命」(11)  池田大作  聖教新聞社 
(8)「常勝の法」  大川隆法  幸福の科学出版 
(9)「老いてこそ人生」  石原慎太郎  幻冬舎 
これも「老い」の書としてヒットし69万。 
(10)「常識として知っておきたい日本語」  柴田武  幻冬舎 
(11)「盲導犬クイールの一生」  石黒謙吾(著)
秋元良平(写) 
文藝春秋 
(12)「青空のむこう」  アレックス・シアラー(著)
金原瑞人(訳) 
求龍堂 
(13)「運命の足音」  五木寛之  幻冬舎 
(14)「図解『儲け』のカラクリ」  インタービジョン21(編)  三笠書房 
(15)「模倣犯」(上・下)  宮部みゆき  小学館 
(16)「本当の学力をつける本」  陰山英男  文藝春秋 
(17)「男の子って、どうしてこうなの?」 スティーヴ・ビダルフ(著)
菅靖彦(訳)
草思社
(18)「人生百年 私の工夫」 日野原重明  幻冬舎 
(19)「海辺のカフカ」(上・下)  村上春樹  新潮社 
(20)「ベッカムすべては美しく勝つために」  デヴィッド・ベッカム(著)
東本貢司(訳) 
PHP研究所 
2003年(平成15年) 
(1)「バカの壁」 養老孟子 新潮社
書きおろしではなく、「語りおろし」で書かれた本のため誰もでも読みやすい本なのが特徴。
この年だけで247万のダブルミリオン。2004年には310万に達し、「冠婚葬祭入門」を抜いた。
新書本の日本一記録となり、2014年時点で437万8千部。
続編「超バカの壁」も56万部のヒット。
(2)「世界の中心で、愛をさけぶ」 片山恭一 小学館
2001年に初版8000からのスタート。柴咲コウがお薦め本として「ダ・ヴィンチ」で紹介。
口コミで話題となり、2003年にブレイクし、140万突破。
2004年に映画化され、300万に達した。
(3)「トリビアの泉」  フジTVトリビア普及委員会  講談社 
テレセラーの典型的なヒット作で1~4合計で200万。 
(4)「ベラベラブック -2」  スマステーション - 2  マガジンハウス 
(5)「開放区」  木村拓哉  集英社 
(6)「新・女性抄」  池田大作  聖教新聞社 
(7)「大悟の法」  大川隆法  幸福の科学出版 
(8)「マンガ金正日入門」  李友情(著)
李美和(訳) 
飛鳥新社 
(9)「ダイエットSHINGO」  香取慎吾(スマップ) マガジンハウス 
ダイエット前後の香取慎吾の写真が売りとなり、50万。 
(10)「嘘つき男と泣き虫女」  アラン&バーバラ・ピーズ(著)
藤井留美(訳) 
主婦の友社 
「話を聞かない男、地図が読めない女」の続編で44万。 
(11)「祇園の教訓」  岩崎峰子  幻冬舎 
(12)「ベラベラブック Vol.1」  国川恭子  ぴあ 
(13)「学力は家庭で伸びる」  陰山英男 小学館 
(14)「『体を温める』と病気は必ず治る」  石原結實  三笠書房 
(15)「ユダヤ人大富豪の教え」  本田健  大和書房 
(16)「有効期限の過ぎた亭主
賞味期限の切れた女房」 
綾小路きみまろ  PHP研究所 
(17)「新ゴーマニズム宣言SPECIAL戦争論」(3) 小林よしのり 幻冬舎
(18)「半落ち」  横山秀夫  講談社 
(19)「朝には紅顔ありて」  大谷光真  角川書店 
(20)「『原因』と『結果』の法則」  ジェームズ・アレン(著)
坂本貢一(訳) 
サンマーク出版 
2004年(平成16年) 
(1)「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(上・下) J・K・ローリング(著)
松岡佑子(訳)  
静山社
(2)「世界の中心で、愛をさけぶ」 片山恭一  小学館 
(3)「バカの壁」  養老孟子  新潮社 
(4)「Good Luck」  アレックス・ロビラ他(著)
田内志文(訳) 
ポプラ社 
自己啓発の寓話本としてヒットし、134万。
(5)「蹴りたい背中」  綿矢りさ  河出書房新社
芥川賞最年少受賞という話題性もあり、127万のヒット。 
「蛇にピアス」、「世界の中心・・・」、「電車男」など小説がヒットし、文芸書売り上げが前年2割増。
(6)「13歳のハローワーク」 村上龍(文)はまのゆか(絵) 幻冬舎 
子供向けのはずが、幅広い層に受け、2730円と高額にもかかわらず100万突破。
(7)「川島隆太教授の脳を鍛える大人のドリル」  川島隆太  くもん出版 
(8)「キッパリ!たった5分間で自分を変える方法」 上大岡トメ 幻冬舎
(9)「いま、会いにゆきます」 市川拓司 小学館 
映画の公開もあって、年末までに100万。 
(10)「新・人間革命」(12・13)  池田大作  聖教新聞社 
(11)「死の壁」  養老孟子  新潮社 
(12)もうひとつの冬のソナタ」  キム・ウニ(著)
ユン・ウンギョン(著)
うちかわひろこ(訳)
ワニブックス 
(13)「幸福の法」  大川隆法  幸福の科学出版 
(14)「蛇にピアス」  金原ひとみ  集英社 
メディアへの露出、映画化などの影響が大きく53万。 
(15)「頭がいい人 悪い人の話し方」  樋口裕一  PHP研究所 
(16)「冬のソナタ」(上・下)  キム・ウニ(著)
ユン・ウンギョン(著)
宮本尚寛(訳)
日本放送出版協会 
(17)「自分のまわりにいいことがいっぱい起こる本」 原田真裕美  青春出版社 
(18)「電車男」  中野独人  新潮社 
(19)「ダ・ヴィンチ・コード」(上・下)  ダン・ブラウン(著)
越前敏弥(訳) 
角川書店 
(20)「たったひとりのたからもの」  加藤浩美  文藝春秋 
2005年(平成17年) 
(1)「頭がいい人 悪い人の話し方」   樋口裕一  PHP研究所 
前年から「話し方」や日本語に関する本がヒット。
人間関係がギクシャクする社会になり、より良いコミュニケーションが求められる時代になってきます。
ミリオン・ヒットとなり、2014年には262万部に達します。 
(2)「香峯子抄」  池田香峯子(述)
主婦の友社(編)
主婦の友社
(3)「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」  山田真哉  光文社 
サブタイトルは「身近な疑問からはじめる会計学」
専門用語を使わずに会計学を解説した書籍で、21世紀3作目のミリオンセラーとなった。 
(4)「新・人間革命」(14)  池田大作  聖教新聞社 
(5)「これだけは知っておきたい個人情報保護」  岡村久道、鈴木正朝  日本経済新聞社 
個人情報保護法の運用開始に合わせ、求められていた情報を書籍化してヒット。
企業が社員教育用に大量購入する効果もあり83万。
(6)「もっと、生きたい・・・」  Yoshi  スターツ出版 
ネット発のベストセラー。オンライン・コンテンツの書籍化で80万。「恋バナ」も57万。 
(7)「電車男」  中野独人  新潮社 
インターネット発のベストセラー。映画、テレビ、舞台、漫画へと広がるヒットで100万突破。 
(8)「神秘の法」  大川隆法  幸福の科学出版 
(9)「問題な日本語」  北原保雄(編著)  大修館書店 
(10)「ワルの知恵本」  門昌央と人生の達人研究会
(編) 
河出書房新社
「ワンコイン本」の先駆作として69万。 
(11)「東京タワー - オカンとボクと、時々、オトン」  リリー・フランキー  扶桑社 
(12)「恋バナ」  Yoshi  スターツ出版 
(13)「野ブタ。をプロデュース」  白岩玄  河出書房新社 
(14)「ハッピーバースデー 命かがやく瞬間」  青木和雄、吉富多美  金の星社 
(15)「「ダ・ヴィンチ・コード」(上・下)  ダン・ブラウン(著)
越前敏弥(訳)  
角川書店
(16)「生きて死ぬ智慧」 柳澤桂子(著)
堀文子(画)
小学館
(17)「生協の白石さん」  白石昌則
東京農工大学生たち 
講談社
ブログの人気コンテンツを書籍化し、85万。 
(18)「下流社会 - 新たな階層集団の出現」  三浦展  光文社 
「下流社会」という新語タイトルでブレイクし80万部のヒット。
日本が格差社会となりつつある現実を若者文化と共に解説。
(19)「病気にならない生き方」  新谷弘美  サンマーク出版 
(20)「骨盤教室」  寺門琢己  幻冬舎 
2006年(平成18年) 
(1)「国家の品格」 藤原正彦 新潮社
講演をもとに書きおろした「語りおろし作品」なので読みやすく理解しやすかった。
副題は「すべての日本人に誇りと自信を与える画期的な日本論!」
急速に国際化が進む中、グローバリズムを批判し、日本の良さを再発見しようとする流れ乗りヒット。
この年だけでダブルミリオンの222万部突破。 
(2)「ハリー・ポッターと謎のプリンス」(上・下)  J・K・ローリング(著)
松岡佑子(訳)   
静山社
(3)「東京タワー - オカンとボクと、時々、オトン」  リリー・フランキー  扶桑社 
第3回「本屋大賞」受賞作。映画化、テレビドラマ化などの影響でブレイク。
2005年に出版だがこの年ブレイクし、200万突破。 
(4)「えんぴつで奥の細道」  大迫閑歩、伊藤洋(監修)  ポプラ社 
書写もののヒット作として92万。
(5)「病気にならない生き方」   新谷弘美  サンマーク出版 
(6)「人は見た目が9割」  竹内一郎  新潮社 
副題は「非言語コミュニケーション入門」
コミュニケーションの重要性とは逆にそうでない非コミュニケーションの重要性を説いてヒット。89万部。
(7)「新・人間革命」」(15・16)  池田大作  聖教新聞社 
(8)「子育てハッピーアドバイス」(1~3)  明橋大二  1万年堂出版 
コミック・エッセイ仕立てで、子育てに悩む母親向けにヒット。総計で165万! 
(9)「鏡の法則」  野口嘉則  総合法令出版 
小説仕立てで書かれた気づきの書。
「読んだ人の9割が涙した!」のキャッチコピーも成功し72万。 
(10)「陰日向に咲く」  劇団ひとり  幻冬舎 
初版15000から映画化(2008年)もあり、ジワジワと売れ続けて2008年に100万突破。 
(11)「恋空 - 切ナイ恋物語」(上・下)  善嘉 スターツ出版 
ケータイ小説の書籍化で映画化もされて上下合計で200万突破。 
(12)「生協の白石さん」  白石昌則
東京農工大学生たち  
講談社
(13)「超バカの壁」  養老孟子  新潮社 
(14)「美しい国」  安倍晋三  文藝春秋 
クール・ジャパンのブームに乗り、中身のないタイトルが美しいだけの本も売れた。
発売が政権誕生直前というタイミングもはまり、51万部のヒットとなった。 
(15)「容疑者Xの献身」  東野圭吾  文藝春秋
(16)「食品の裏側」  安倍司  東洋経済新報社 
(17)「下流社会 - 新たな階層集団の出現」   三浦展  光文社 
(18)「オシムの言葉」  木村元彦  集英社インターナショナル 
(19)「世界の日本人ジョーク集」  早坂隆  中央公論社 
日本人のポジティブな面も取り上げた日本肯定本の一つで40万部のヒット。
(20)「人はなぜ生まれいかに生きるのか」  江原啓之  ハート出版 
2007年(平成19年) 
(1)「女性の品格 - 装いから生き方まで」  坂東眞理子  PHP研究所 
男女共同参画局長による「品格モノ」で翌年に300万突破の快挙達成。 
(2)「ホームレス中学生」  田村裕  ワニブックス 
有名人のリアルな悲惨さを描くがどこかユーモラスで救いがあるのがミソ。
漫画化、映画化、テレビドラマ化もされて社会現象化。
それでもどこでも起きうる現代日本のリアルを描き大ヒットし200万突破。
(3)「鈍感力」  渡辺淳一  集英社 
物事に動じない前向きな生き方として「鈍感」に光を当てた逆転の発想により100万突破。 
(4)「日本人のしきたり」  飯倉晴武  青春出版社 
これもまた日本文化再評価モノとして話題の書となり、100万に達した。 
(5)「新・人間革命」(17)  池田大作  聖教新聞社 
(6)「ハローバイバイ・関暁夫の都市伝説」  関暁夫  竹書房 
(7)「恋空 - 切ナイ恋物語」(上・下)  善嘉  スターツ出版 
(8)「国家の品格」  藤原正彦  新潮社 
(9)「赤い糸」(上・下)  メイ  スターツ出版 
(10)「君空」  善嘉  スターツ出版 
(11)「一瞬の風になれ」(1~3)  佐藤多佳子  講談社 
(12)「もしもキミが、」  凛  ゴマブックス 
(13)「いつまでもデブと思うなよ」  岡田斗司夫  新潮社 
(14)「生物と無生物のあいだ」  福岡伸一  講談社 
(15)「世界の日本人ジョーク集」  早坂隆  中央公論社 
(16)「『1日30分』を続けなさい」  古市幸雄  マガジンハウス 
(17)「病気にならない生き方」  新谷弘美 サンマーク出版
(18)「復活の法」  大川隆法  幸福の科学出版 
(19)「求めない」  加島祥造  小学館 
(20)「不動心」  松井秀喜  新潮社 
元巨人、元ヤンキースのスラッガーが怪我から復帰するまでのメンタル・コントロールを解説。
スポーツ・ヒーローものベストセラーとなり、32万に迫るヒット。 
2008年(平成20年) 
(1)「ハリー・ポッターと死の秘宝」(上・下)  J・K・ローリング(著)
松岡佑子(訳)   
静山社
(2)「夢をかなえるゾウ」  水野敬也  飛鳥新社 
(3)「B型自分の説明書」  Jamais Jamais  文芸社 
(4)「0型自分の説明書」   Jamais Jamais  文芸社 
(5)「A型自分の説明書」   Jamais Jamais  文芸社 
初版はわずか1000冊の本だったが書店員の仕掛けが成功。
テレビ・バラエティ「王様のブランチ」などメディアが後押ししてブレイクした。 
(6)「ホームレス中学生」  田村裕  ワニブックス 
(7)「女性の品格 - 装いから生き方まで」  坂東眞理子   PHP研究所 
(8)「親の品格」  坂東眞理子  PHP研究所 
(9)「AB型自分の説明書」  Jamais Jamais  文芸社
(10)「脳を活かす勉強法」  茂木健一郎  PHP研究所 
(11)「新・人間革命」(18・19)  池田大作  聖教新聞社 
(12)「流星の絆」  東野圭吾  講談社 
(13)「悩む力」  姜尚中  集英社 
(14)「おひとりさまの老後」  上野千鶴子  法研 
(15)「余命1ヶ月の花嫁」  TBSイブリングファイブ(編)  マガジンハウス 
(16)「生命の法」  大川隆法  幸福の科学出版 
(17)「上地雄輔物語」  上地雄輔  ワニブックス
(18)「お金は銀行に預けるな」  勝間和代  光文社 
(19)「家庭教師ヒットマン REBORN!」  天野明(原著)
子安秀明(著) 
集英社 
(20)「大人の見識」  阿川弘之  新潮社 
2009年(平成21年) 
(1)「1Q84」(1・2)  村上春樹  新潮社 
内容を秘密にしたまま発売する戦略が成功。
エルサレム賞受賞スピーチも話題になった。
2週間で合計100万突破し、年間で二冊合計が223万。
(2)「読めそうで読めない間違いやすい漢字」  出口宗和  二見書房 
麻生太郎の「未曾有みぞうゆう」事件などもあり「漢字」が話題になった年で106万。
ただし、これも500円本。 
(3)「新・人間革命」(20)  池田大作  聖教新聞社 
(4)「私服だらけの中居正広増刊号」  扶桑社(編)  扶桑社 
スマップの中居人気もあったが370円の本。58万は売れたが・・・。
(5)「告白」  湊かなえ  双葉社 
湊かなえのデビュー作で小説家としては彼女だけが売れた年だった。
「告白」67万、「少女」11万、「贖罪」12万 
(6)「脳にいいことだけをやりなさい!」  マーシー・シャイモフ(著)
茂木健一郎(訳) 
三笠書房 
人気の脳科学者、茂木健一郎の翻訳が話題となり、68万。 
(7)「体温を上げると健康になる」  斉藤真嗣  サンマーク出版
(8)「対訳 オバマ演説集」  CNN English Express(編)  朝日出版 
大統領に当選し話題の人になったバラク・オバマ大統領の演説を記録・収録。
生声のCDが付録についていて1050円。40万のヒット。 
(9)「しがみつかない生き方」  香山リカ  幻冬舎 
(10)「差別と日本人」  野中広務、辛淑玉  角川書店 
(11)「悩む力」  姜尚中  集英社
(12)「欲情の作法」  渡辺淳一  幻冬舎 
(13)「男道」  清原和博  幻冬舎 
(14)「家庭教師ヒットマン」(3) 天野明(原著)
子安秀明(著) 
集英社
(15)「勇気の法」  大川隆法 幸福の科学出版
(16)「子育てハッピーアドバイス」  吉崎達郎、明橋大二  1万年堂出版 
(17)「誰とでも15分以上会話がとぎれない!」  野口敏  すばる舎 
(18)「半島へ、ふたたび」  蓮池薫  新潮社 
(19)「新参者」  東野圭吾  講談社
(20)「銀魂 - 3年Z組銀八先生」  空知英秋、大崎知仁 集英社 

<参考>
「ベストセラー全史」<現代篇>
 2019年
(著)澤村修治
筑摩書房

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