下北の芝居おじさん、お仕事大全


- 柄本明 Akira Emoto -
<日本を代表する俳優>
 今や日本を代表する名優の一人、柄本明さんのお芝居は、かつて、つかこうへい劇団の「蒲田行進曲」に出演したを見たことがあります。今まで、どれだけテレビや映画で彼の芝居を見てきたことか!奥様亡き後も、二人の息子と嫁は大活躍。そんな柄本さんの過去を振り返った「東京の俳優」を読みながら、アングラ演劇の黄金期から現在までの東京の演劇を振り返ってみました。
 彼の家族の活躍は今や有名ですが、子供たちとの関係は常に本気の演劇仲間のようで演技について家庭内激論もよくあるとか。息子たちは、そんな厳しい家庭で育ったのですから、俳優として成長するはずです。

<才能とは?>
 あのね、なんか、どこかで、神様と契約を交わしていてね、「あなたは才能をとりますか、それとも人並みな幸せをとりますか」って聞かれて、「才能をとります」って言ってしまったんじゃないか、って思うんですよ。
 たとえば、美空ひばりさんね。・・・・ジェームス・ディーンもマリリン・モンローもそうですよね。
 だから、僕はねえ、簡単には「才能」という言葉は使えないんですよ。


<生い立ち>
 柄本明は、1948年11月3日、東京、木挽町に生まれました。父親が仕事が上手く行かず、家族は杉並に転居。演劇などにはまったく関係のない家族でしたが、映画が好きな家族でいつも家では映画や芝居の話がされていたようです。

 我が家は映画狂の一家と言ってもおかしくないような家で、それもね、単なる映画好きなんていうものじゃなくて、父と母はいつも映画やお芝居の批評をしてましたからね。

 そんな会話を子供の頃からずっと聞いて育ちましたから、観客というものは基本的に「悪意」を持って舞台を見ているんだと思っていた部分もあるんじゃないでしょうかね。・・・
 観客は、俳優の「敵」だ。こう考えると、なんか、広がりが持てるんでしょうね。


 裕福な家ではなかったので、彼は早くから大学進学をあきらめ、都立の工業高校に入学し、卒業後もすぐに精密機械の商社に就職しました。そのため、彼は学生時代、演劇や映画とはまったく関わりはありませんでした。

<1968年>
 彼が20歳の時、先輩に誘われてブームになりつつあったアングラ劇団、早稲田小劇場の芝居を観たことが人生を変えるきっかけとなりました。

<俳優という仕事>
・・・基本的に、俳優で努力をしない人って、いないんじゃないですか。
 それを人は努力と言いますけど、言い方を換えれば、努力というよりも、その人の持っている「欲望」の深さなんじゃないですか。・・・
 でも、一方では、それを人に見せたらおしまいだというところがあるわけですよ。だから、人によっては、欲の場所は見えない。そういう人は「欲がない」ように見えるわけで、決して努力していないということではないんじゃないですかね。
 つまり、俳優は、だいたい、人に見せない秘宝の部屋を持っていて、いかに自分の欲望をそこで付き合っているかということです。


<1969年>
 彼はサラリーマンを辞め、金子信雄、丹阿弥谷津子らが主催する劇団「マールイ」に入団。劇団に入っても、お金にはならないので、彼はアルバイト生活を始め、NHKのスタジオの準備作業を請け負う「東京スタッフ」で働くことでショービジネス界の裏方を務めることにもなります。

<柄本明の仕事と人生>
 以下に記すのは、赤字が柄本明が出演した舞台劇のタイトル。青字が彼が出演した映画のタイトル。緑字はテレビ番組のタイトル。
 舞台は、初演中心に選び、映画も主な作品ですべてではありません。
 柄本明の人生は、彼の作品にすべて現されているようにも思えます。そして、その人生は彼の出演作品だけではなく、彼の妻や子供たちの作品まで含まれるのかもしれません。そんな膨大な量の仕事のごく一部を書き出してみましたのでご参考まで。

<1973年>
 吉田日出子に薦められ、「電気亀・団」(後の自由劇場)のオーディションを受け、メンバーとなります。そして、俳優として初出演のチャンスを得ました。
「A列車」
(作・演・出)串田和美(出)吉田日出子、柳原春郎(ベンガル)、高田純次
<1974年>
 電気亀・団のメンバーとなった彼はそれまで未経験だったトロンボーンに挑戦し、音楽制作にも参加します。
「走れ!ブリキ婆ァ!!」
(作・演・出)串田和美(出)吉田日出子、綾田俊樹、坂本龍一
(音楽演奏)坂本龍一(ピアノ)、笹野高史(トランペット)、ジミー竹内(ドラム)、吉田日出子(アルトサックス)、鈴木茂(ギター)、柄本明(トロンボーン)
<1975年>
 新たなバイトと作品発表の場を兼ねて新宿西口会館ビアガーデンでベンガル、綾田と一緒にお笑いショーを始めます。
<1976年>
 自由劇場を辞め、自分たちの劇団「東京乾電池」を旗揚げ。12月29日に旗揚げ公演を行いました。
年忘れお笑い興行「花絵巻 江戸のずっこけ」
(構成)岩松了(出)綾田俊樹、ベンガル、松下栄子
 初公演ながらまったく受けず大失敗となりました。
<1977年>
「珍版埃臭(アイシュウ)の街角」(作・演・出)綾田俊樹(出)ベンガル、市川貴史、松金よね子
「晴れた日に永遠が見える」(構・演・出)柄本明(出)綾田俊樹、市川貴史、角替和枝
「幸せ色は僕のもの 不幸せ色は君のもの」(構・演・出)ベンガル(出)綾田俊樹、柄本明
<1978年>
「乾電池の想いでは冷凍庫の中に」(作)榎雄一郎(演・出)綾田俊樹(出)ベンガル、高田純次
「サウロロプス」(作・演)岩松了(出)東京乾電池
「おどろき桃の木漂流記」(作・演・出)綾田俊樹(出)ベンガル、高田純次

<演劇と怒り>
 うーん、やっぱり「怒り」でしょうね。
 ええ、「怒り」。
 自分自身に対する「怒り」、日本の演劇環境に対する「怒り」・・・・。そういう「怒り」のマグマは誰でもあるんだろうけど、僕の場合、その「怒り」のはけ口が演劇であり、その矛先が観客ということだたんじゃないかな。・・・
 それに、もっとわかりやすく言えば、たくさんの観客の中に、僕自身もいたんでしょうね、きっと。


<1979年>
 この年、新宿ゴールデン街での飲み仲間、赤塚不二夫、高平哲郎、タモリ、所ジョージ、山本晋也らと映画を作ろうと盛り上がり、映画に初出演。
映画「赤塚不二夫のギャグ・ポルノ 気分を出してもう一度」
(監)山本晋也(原)赤塚不二夫(脚)高平哲郎、山田勉(主題歌)所ジョージ(出)柄本明、たこ八郎、ベンガル

「歯にひっかかったスルメは舌ではずせ」(作・演・出)綾田俊樹(出)ベンガル、高田純次、松金よね子
「わが心の場外プロレス」(作・演)岩松了(出)ベンガル、綾田俊樹、小形雄二、角替和枝
「こりゃあ夏だ!」(作・演)岩松了(出)ベンガル、綾田俊樹、小形雄二、高田純次
「小使さんの目覚まし時計」(作・演)岩松了(出)東乾
<1980年>
「パラダイスホテルあいつと俺の日日」(作・演・出)綾田俊樹(出)ベンガル、高田純次、小形雄二
「紫色も色のうち」(作・演)岩松了(出)ベンガル、高田純次、綾田俊樹、角替和枝
「年齢経験不問・委細面談・即決」(作・演・出)高田純次(出)ベンガル、小形雄二、角替和枝
つかこうへい劇団への客演
「蒲田行進曲」(作・演)つかこうへい(出)加藤健一、根岸季衣、平田満、風間杜夫
 映画への本格的な出演も始まります。
映画「ヒポクラテスたち」(監)(脚)大森一樹(出)古尾谷雅人、伊藤蘭、小倉一郎
<1981年>
「看守さんの耳は福耳」(作・演)小形雄二(出)ベンガル、綾田俊樹、高田純次、角替和枝
「嘆きの雨ガッパ」(作・演)岩松了(出)ベンガル、綾田俊樹、高田純次、松金よね子
「恐るべき副作用」(作・演)岩松了(出)ベンガル、綾田俊樹、高田純次、角替和枝
映画「セーラー服と機関銃」(監)相米慎二(脚)田中陽造(原)赤川次郎(出)渡瀬恒彦、薬師丸ひろ子、三国連太郎
大ヒットしたCM「キンチョール」(郷ひろみと共演)でも話題になりました!
<1982年>
「律義の果て」(作・演)岩松了(出)ベンガル、綾田俊樹、高田純次、角替和枝
 この頃から、映画への出演が急速に増えだします。
映画「疑惑」(監)野村芳太郎(原・脚)松本清張(出)桃井かおり、岩下志麻、仲谷昇
映画「道頓堀川」(監・脚)深作欣二(脚)野上龍雄(原)宮本輝(出)松坂慶子、真田広之、山崎努
映画「男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋」(監・原)山田洋次(脚)朝間義隆(出)渥美清、いしだあゆみ、倍賞千恵子
<1983年>
「リルの着く駅」(作・演)岩松了(出)ベンガル、綾田俊樹、高田純次、角替和枝、小形雄二
「店長さんのアックスボンバー」(作・演・出)小形雄二(出)ベンガル、綾田俊樹、高田純次、岩松了
映画「天城越え」(監・脚)三村晴彦(脚)加藤泰(原)松本清張(出)渡瀬恒彦、田中裕子、平幹二郎
<1984年>
「すすめられた座蒲団」(作・演)高田純次(出)ベンガル、綾田俊樹、小形雄二、岩松了
「夏の生活派」(作・演)岩松了(出)ベンガル、綾田俊樹、高田純次、緒方雄二
「ゆめみたい」(作・演)岩松了(出)ベンガル、高田純次、小形雄二、田根楽子
<1985年>
「踏み切りの横にアパートがあった」(原・出)柄本明、高田純次(演)柄本明(出)綾田俊樹、緒方雄二、岩松了
「旅荘寿屋の変」(作・演)岩松了(出)高田純次、小形雄二、ベンガル、綾田俊樹
映画「二代目はクリスチャン」(監)井筒和幸(原・脚)つかこうへい(出)志穂美悦子、岩城滉一、北大路欣也
映画「生きてみたいもう一度 新宿バス放火事件」(監・脚)恩地日出夫(脚)渡辺寿、中岡京平(原)杉原三津子(出)桃井かおり、石橋蓮司
映画「カポネ大いに泣く」(監)鈴木清順(原)梶山孝之(脚)大和屋竺、木村威夫、鈴木岬一(出)萩原健一、田中裕子、沢田研二
ライブ「柄本明コンサート 満月の夜」(演)亀石義明(出)柄本明
<1986年>
「まことむすびの事件」(作)山崎哲(演・出)岩松了(出)高田純次、小形雄二、ベンガル
「お茶と説教 - 無関心の道徳的価値をめぐって」(作・演)岩松了(出)小形雄二、岩松了、大久保了
映画「キネマの天地」(監)山田洋次(脚)井上ひさし、山田太一(出)渥美清、中井貴一、有森也実
<1987年>
 この年、彼は自分の劇団を立ち上げています。
柄本劇団第一回公演
「台所の灯 - 人とその一般性の徴候に寄せて」(作・演・出)岩松了(出)小形雄二、西本毅
「恋愛御法度 - 無駄と正直の劇的発作をめぐって」(作・演・出)岩松了(出)ベンガル、綾田俊樹、小形雄二

<リーダーの資質とは?>
 リーダーはね、思いっきり注意深い人でないとだめだと思いますね。人の言っていること、やっていることを聞いたり、見たりしながら、(こいつはどうしてこんなことを言うのだろう)とか(なぜ、こんな演技をするんだろう)とか(なぜ、こんな演技をするんだろう)とか、深層心理を読み取ることができるんではないと、リーダーは務まりません。
 また、そういう人は、(へえ、こういう考えもたしかにあるな)とか(なるほど、そういうやり方もあったか)と平気で人の意見や行動を、自分のものにしようとすることができる人でもあるわけです。
 別の言葉で言えば、「とても、ずるい人」ですね。


<1988年>
「岩松了お父さんシリーズ 蒲団と達磨」(作・演)岩松了(出)ベンガル、岩松了、緒方雄二、角替和枝
映画「敦煌」(監)佐藤純彌(脚)吉田剛(原)井上靖(出)西田敏行、佐藤浩市、三田佳子
映画「木村家の人びと」(監)滝田洋二郎(脚)一色伸幸(原)谷俊彦(出)鹿賀丈史、桃井かおり、岩崎宏美
映画「Revolver リボルバー」(監)藤田敏八(脚)荒井晴彦(原)佐藤正午(出)沢田研二、村上雅俊、佐倉しおり
<1989年>
「岩松了のお父さんシリーズ お父さんの海水浴」(作・演・出)小形雄二、田根楽子、蛭子能収
映画「北京的西瓜」(監)大林宣彦(脚)石松愛弘(原)林小利、久我山通(出)ベンガル、もたいまさこ、峰岸徹
映画「もっともあぶない刑事」(監)村川透(脚)柏原寛司(出)舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子
映画「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」(監・脚・原)山田洋次(脚)朝間義隆(出)渥美清、竹下景子、淡路恵子
映画「ファンシイダンス」(監・脚)周防正行(原)岡野玲子(出)本木雅弘、鈴木保奈美、大沢健
テレビドラマ「時間ですよ 平成元年」(演)久世光彦(脚)山元清多、水谷竜二(出)森光子、篠ひろ子、藤井フミヤ
<1990年>
「隣の男」(作・演)岩松了(出)東京乾電池
「陥没」(作・演)岩松了(出)東京乾電池
「岩松了のお父さんシリーズ お父さんのお父さん」(作・演・出)岩松了(出)蛭子能収、西本毅
<1991年>
「グッバイ・ママ」(監・脚)秋元康(脚)寺田敏雄(出)松坂慶子、緒形拳
「かもめ」(作)アントン・チェーホフ(演)柄本明、岩松了(出)綾田俊樹、角替和枝、岩松了、蛭子能収
映画「幕末純情伝」(監・脚)薬師丸光幸(原)つかこうへい(出)渡辺謙、牧瀬里穂、杉本哲太
NHK大河ドラマ「太平記」
TBS「ふぞろいの林檎たちⅢ」(脚)山田太一
<1992年>
チェーホフ2本立て「かもめ/ワーニャ伯父さん」(作)アントン・チェーホフ(演)柄本明、岩松了(出)ベンガル、綾田俊樹、角替和枝
映画「シコふんじゃった」(監・脚)周防正行(出)本木雅弘、清水美沙、竹中直人
<1993年>
柄本明ひとり芝居「煙草の害について」(原)アントン・チェーホフ(演・出)柄本明
「三人姉妹」(原)アントン・チェーホフ(演)柄本明(出)ベンガル、綾田俊樹、蛭子能収、角替和枝
映画「空がこんなに青いわけがない」(監・出)柄本明(脚)田村和義(出)三浦友和、夏川結衣、久我美子
映画「あひるのうたがきこえてくるよ」(監・原)椎名誠(原)野田知佑(出)高橋惠子
<1994年>
「今は昔、栄養映画館」(作)竹内銃一郎(演)柄本明(出)石橋蓮司
「桜の園」(作)アントン・チェーホフ(演)柄本明(出)ベンガル、綾田俊樹、角替和枝
映画「夏の庭 The friends」(監)相米慎二(脚)田中陽造(原)湯本香樹実(出)三国連太郎、坂田直樹

<優れた俳優とは?>
 本当の俳優と言うのはいるのかなあ・・・。でも、いるとして、俳優というのは、恥ずかしい仕事だけど、演劇の世界で生きていこうという強い意志を持って、たとえ、持っていないとしても自分で自ら「檻」のなかに入るんです。・・・
 ですから、俳優はまずこの「檻」の存在に気づくことが大切なんです。気づけば、たまには「檻」を破って外に出てもいいし、挑戦したければ、もっと狭い「檻」にわざわざ自分から入ればいいわけですから。・・・
 そういう人が、「才能」があるというんじゃないかと思うんです。


<1995年>
「氷の涯 双子と整形の悲惨物語」(作・演)竹内銃一郎(出)東京乾電池
映画「幻の光」(監)是枝裕和(脚)萩田芳久(原)宮本輝(出)江角マキコ、浅野忠信、木内みどり
NHK大河ドラマ「八代将軍吉宗」
テレビ東京スペシャル「せつない春」(脚)山田太一(出)山崎努、竹下景子
<1996年>
「しとかな獣」(原・脚)新藤兼人(演)柄本明(出)ベンガル、綾田俊樹、角替和枝
映画「Shall We ダンス?」(監・脚)周防正行(出)役所広司、草刈民代、渡辺えり子
映画「釣りバカ日誌8」(監)栗山富夫(出)西田敏行、三国連太郎
<1997年>
「浅草慕情 -なつかしのパラダイス-」(作)金子成人(演)久世光彦(出)中村勘九郎、藤山直美
「風立ちぬ」(作・演)竹内銃一郎(出)ベンガル、綾田俊樹、角替和枝
映画「うなぎ」(監・脚)今村昌平(脚)富川元文、天願大介(原)吉川昭(出)役所広司、清水美沙、田口トモロヲ
<1998年>
「定理の法則」(作・劇)坂手洋二(出)角替和枝
映画「カンゾー先生」(監・脚)今村昌平(脚)天願大介(出)麻生久美子、世良公則、唐十郎
NHK連続テレビ小説「やんちゃくれ」(出)小西美帆
<1999年>
「ガリレオの生涯」(作)ベルトルト・ブレヒト(演)松本修(出)有薗芳記、木野花
映画「生きたい」(監・原・脚)新藤兼人(出)三国連太郎、大竹しのぶ
NHK大河ドラマ「元禄繚乱」
<2000年>
「ご存じ浅草パラダイス」(作)金子成人(演)久世光彦(出)中村勘九郎、藤山直美
「二人だけの『検察官』」(原)ニコライ・ゴーゴリ(脚・演)ロジャー・パルバース(出)橋爪功
「ゴドーを待ちながら」(作)サミュエル・ベケット(演)佐藤信(出)石橋蓮司、片桐はいり
映画「天国までの百マイル」(監)早川喜貴(脚)田中陽造(出)時任三郎、大竹しのぶ
映画「アナザヘブン」(監・脚)飯田譲治(出)江口洋介、市川実和子
<2001年>
「さらば浅草パラダイス」(作)金子成人(演)久世光彦(出)中村勘九郎、藤山直美、ラサール石井
「夏の夜の夢」(原)ウィリアム・シェークスピア(演)柄本明(出)東京乾電池
映画「ウォーターボーイズ」(監・脚)矢口史靖(出)妻夫木聡、真鍋かおり、竹中直人
<2002年>
「喜劇 地獄めぐり」(作)金子成人(演)久世光彦(出)中村勘九郎、藤山直美、渡辺えり、笹野高史
「授業」(作)ウージューヌ・イヨネスコ(演)加藤一浩(出)西村喜代子、麻生絵里子

<「イヨネスコの「授業」について>
 いや、何を言っているのか、何を言いたいのか、わからないですよ、やってる僕も。でも、やってみてわかったんですけど、このセリフは絶対に暗記ではいけませんね。これを言う俳優は、このセリフを暗記してはいけないんです。
 理論としては何を言っているか、さっぱりわからなくてもいいけど、このセリフを完全に理解することによってのみ、僕は主人公である狂気の老教授になれるわけです。


映画「仔犬ダンの物語」(監)沢井信一郎(出)原田美枝子、嗣永桃子
映画「花」(監)西谷真一(脚)奥寺佐渡子(出)大沢たかお、加瀬亮
映画「ドッペルゲンガー」(監・脚)黒沢清(脚)古澤健(出)役所広司、永作博美、ユースケサンタマリア
<2003年>
「ワーニャ伯父さん」(作)アントン・チェーホフ(演)佐藤信(出)柄本明
「雨上がりの夜空に」(作)ベンガル(演)綾田俊樹(出)東京乾電池
映画「ふくろう」(監・脚)新藤兼人(出)大竹しのぶ、伊藤歩
映画「解夏」(監・脚)磯村一路(原)さだまさし(出)大沢たかお、石田ゆり子
映画「ニワトリはハダシだ」(監)森崎東(脚)近藤昭二(出)浜上竜也、原田芳雄
映画「座頭市」(監・脚・出)北野武(原)子母沢寛(出)浅野忠信、大楠道代
映画「さよなら、クロ」(監・脚)松岡錠司(脚)平松恵美子、石川勝己(出)妻夫木聡、伊藤歩
<2004年>
「万年サーカス団」(作)阪本順治(演)串田和美(出)中村勘九郎、藤山なおみ、笹野高史
映画「雨鱒の川」(監・脚)磯村一路(脚)小林弘利(出)玉木宏、綾瀬はるか
映画「理由」(監・脚)大林宣彦(脚)石森史郎(原)宮部みゆき(出)ベンガル、岸部一徳、宮崎あおい
映画「レイクサイド・マーダー・ケース」(監・脚)青山真治(脚)深沢正樹(原)東野圭吾(出)役所広司、薬師丸ひろ子
<2005年>
「長屋紳士録」(脚)小津安二郎、池田忠雄(演)柄本明(出)東京乾電池
映画「蝉しぐれ」(監・脚)黒土三男(原)藤沢周平(出)緒形健、原田美枝子
映画「容疑者 室井慎次」(監・脚)君塚良一(出)柳葉敏郎、田中麗奈
<2006年>
「長屋紳士録、夏の世の夢、授業、小さな家と五人の紳士、眠れ、巴里」(演)柄本明(出)東京乾電池
「エンドゲーム」(作)サミュエル・ベケット(演)佐藤信(出)手塚とおる、三谷昇
映画「嫌われ松子の一生」(監・脚)中島哲也(原)山田宗樹(出)中谷美紀、瑛太
映画「日本沈没」(監)樋口真嗣(脚)加藤正人(原)小松左京(出)草彅剛、柴咲コウ、豊川悦司
映画「ハリヨの夏」(監・脚)中村真夕(出)於保佐代子、風吹ジュン、谷川俊太郎
映画「世界はときどき美しい」(監・脚)御法川修(出)松田龍平、市川実日子
NHK大河ドラマ「功名が辻」(脚)大石静
<2007年>
「ピンクの家と五人の紳士」(作)別役実(監修)柄本明(出)伊東潤
映画「やじきた道中てれすこ」(監)平山秀幸(脚)安部照雄(出)中村勘九郎、小泉今日子
映画「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(監)松岡錠司(脚)松尾スズキ(原)リリー・フランキー(出)オダギリジョー、樹木希林
<2008年>
「わらしべ夫婦双六旅」(脚)中島淳彦(演)ラサール石井(出)中村勘九郎、藤山直美
「コーヒー入門」(演)柄本明(出)谷川昭一郎、鈴木千秋、江口のりこ
映画「魍魎の匣」(監・脚)原田眞人(原)京極夏彦(出)堤真一、椎名桔平
映画「呉清源 - 極みの棋譜」(監)田壮壮(脚)アー・チョン(原)呉清源(出)チャン・チェン、松坂慶子
映画「リアル鬼ごっこ」(監・脚)柴田一成
映画「花影」(監)河合勇人(原・脚)市川森一(出)山本未来、キム・レウォン
映画「世界で一番美しい夜」(監・脚・原)天願大介(出)田口トモロヲ、角替和枝
映画「タカダワタル的ゼロ」(企)柄本明、高田友恵(監)白石晃士(出)高田渡、泉谷しげる
映画「石内尋常高等小学校 花は散れども」(監・脚・原)新藤兼人(出)大竹しのぶ、豊川悦司
映画「ぐるりのこと。」(監・脚)橋口亮輔(出)リリー・フランキー、木村多江
映画「ハッピー・フライト」(監・脚)矢口史靖(出)田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか
映画「きみの友だち」(監)廣木隆一(脚)斎藤ひろし(出)石橋杏奈、北浦愛
<2009年>
映画「余命一か月の花嫁」(監)廣木隆一(脚)斎藤ひろし(出)榮倉奈々、瑛太
<2010年>
映画「ゴールデンスランバー」(監・脚)中村義洋(脚)林民夫、鈴木謙一(出)堺雅人、竹内結子
映画「悪人」(監)李相日(脚・原)吉田修一(出)妻夫木聡、深津絵里
映画「ヘブンズ・ストーリーズ」(監)瀬々敬久(脚)佐藤有紀(出)寉岡崩希、長谷川朝晴
<2011年>
映画「忍たま乱太郎」(アニメ)
映画「一枚のハガキ」(監・原・脚)新藤兼人(出)豊川悦司、大竹しのぶ
映画「アントキノイノチ」(監・脚)瀬々敬久(脚)田中幸子(原)さだまさし(出)岡田将生、榮倉奈々、松坂桃李
<2012年>
映画「妖怪人間ベム」(監)狩山俊輔(脚)西田征史(出)亀梨和也、杏、鈴木福
<2013年>
映画「きいろいゾウ」(監)廣木隆一(脚)黒沢久子、片岡翔(原)西加奈子(出)宮崎あおい、向井理
映画「許されざる者」(監)李相日(脚)デヴィッド・W・ピープルズ(出)渡辺謙、柳楽優弥
<2014年>
映画「WOOD JOB!」(監・脚)矢口史靖(原)三浦しおん(出)染谷将太、長澤まさみ
映画「0.5ミリ」(監・脚・原)安藤桃子(出)安藤サクラ、坂田利夫
<2015年>
映画「岸辺の旅」(監・脚)黒沢清(原)湯本香樹実(脚)宇治田隆史(出)浅野忠信、深津絵里
映画「天空の蜂」(監)堤幸彦(脚)楠野一郎(原)東野圭吾(出)江口洋介、本木雅弘
<2016年>
映画「シン・ゴジラ」(監)庵野秀明、樋口真嗣(脚)庵野秀明(出)長谷川博己、石原さとみ、竹野内豊
<2107年>
映画「サバイバル・ファミリー」(監・脚)矢口史靖(出)小日向文世、深津絵里
映画「武曲 MUKOKU」(監)熊切和嘉(脚)高田亮(原)藤沢周平(出)綾野剛、村上虹郎
<2018年>
映画万引き家族(監・脚・原・編)是枝裕和(出)リリー・フランキー、安藤サクラ、樹木希林
映画「空飛ぶタイヤ」(監)本木克英(脚)林民夫(原)池井戸潤(出)長瀬智也、ディーン・フジオカ
<2019年>
映画「楽園」(監・脚)瀬々敬久(原)吉田修一(出)綾野剛、杉咲花、村上虹郎
映画「ある船頭の話」(監・脚)オダギリジョー(出)柄本明、村上虹郎、川島鈴遥
 彼の出演作品を見ると、彼は巨匠と呼ばれる監督の作品よりも、あえた若手監督の作品に多く出演しているようです。
 オダギリ監督のデビュー作で彼が主演したのもその一例でしょう。

<映画監督という仕事>
 ええ、そうですよ。映画は監督のものでしょう。シナリオはもちろん、配役からカット割りまで、すべて、監督が決めますからね。
 まして、新藤監督は、各シーンごとに絵コンテをお描きになりますから、僕ら俳優たちは、その指示に従えばいいわけです。
 こんなことを言っていいのかどうかわかりませんけどね、つまり映画というのは、キャスティングで、すでに全体の70%が完成されているということじゃないですか。
 その意味では、演劇とは根本的にちがうんですね。
 映画は監督のものです。


<2020年>
映画「一度も撃ってません」(監)阪本順治(脚)丸山昇一(出)石橋蓮司、大楠道代、岸部一徳
映画「日本独立」(監・脚)伊藤俊也(出)浅野忠信、宮沢りえ
<2021年>
映画「名も無き世界のエンドロール」(監)佐藤裕市(脚)西条みつとし(出)岩田剛典、山田杏奈
映画「燃えよ剣」(監・脚)原田眞人(出)岡田准一、柴咲コウ


<参考>
「東京の俳優」 2008年
(著)柄本明
(聞き書き)小田豊二
集英社

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