映画の誕生と発展の歴史 

1889年〜1945年

- 映像技術の進化、ヘイズ・コード、ハリウッド黄金時代 -

 20世紀のはじまりとともに誕生し、急激な発展と普及をとげた映画は、20世紀を象徴する娯楽であり芸術といえます。19世紀に誕生した写真の技法に20世紀の科学技術が加わって生まれた映画は、音楽や絵画、演劇など様々なジャンルを統合した総合芸術として20世紀の人類を魅了し続けることになります。
 ここでは映画が誕生した1895年から、第二次世界大戦が終結し世界の枠組みが大きく変わった1945年まで、映画の技術的な進化やビジネスとしての発展など、様々な面についての出来事を年表形式でまとめています。さらに、それぞれの年の代表作もあげておきました。(製作した国における公開年を基準にしています)
 ここで取り上げている出来事の中でも、特に注目してほしいのでは、以下の項目です。
「リュミエール兄弟による映画の発明」
「ジョルジュ・メリエスによる特殊撮影技術の開発」
「ハリウッドの誕生とメジャー企業の登場」
「ヘイズ・コードによるハリウッド映画の自主規制」
「ハリウッド映画の黄金時代」

 この時期に作られた映画の中には、今見てもまったく古くない傑作が数多く存在します。それどころか現在ではもう再現できないスケールの大きな作品や独特の時代性や雰囲気をもつ作品もあります。時代にかかわりなく優れた映画は、撮影当時の空気をそのままフィルムに焼き付けたタイム・カプセルのようなもので、カバー作がそれをマネすることは困難です。残念ながら、最近はこの時代の映画はなかなかテレビや映画館で見ることはできません。(昭和の時代はテレビや名画座などでけっこう見ることができたのですが・・・)
 それでも、レンタルか500円DVD、もしくはBSなどでの放映をチェックするとけっこう見られるかもしれません。少なくとも、ここで取り上げている作品は、どれも見ごたえがあるはずです。是非、代官山のTUTAYAさんなどでお探し下さい!
1889年
アメリカのイーストマン社がセルロイド・ベースの映画フィルムを開発。やわらかく耐熱性のあるフィルムの登場で映画が完成に近づく
1890年代
「テアトル・オプティック(光学劇場)」(フランス)(1892年〜1900年)
アニメーションの原理的方法を用いたエンターテイメントの元祖といわれます。作者はフランス人エミール・レイノー。
ただし、この作品は幻灯の原理を使った影絵の動画版のような見世物で動画と呼べるほどのものではありませんでした。
1894年
エジソンが世界初の映画スタジオ「ブラック・マライア」を完成させる。この年、そのスタジオで撮影されたキネトスコープを見せる店がニューヨークにオープンし、その後全米に広がる
1895年
「映画誕生の日」12月28日リュミエール兄弟によるパリの「シネマトグラフ」の公開がグランカフェで行われる。
1896年
アメリカでエジソン社がリュミエール兄弟のシネマトグラフと同じ機能をもつ「場いたスコープ」を開発し、スクリーンを用いた上映を行なう
1897年
稲畑勝太郎によって輸入されたシネマトグラフが大阪で初上映される(映画伝来)
この時、同時にフランスからカメラマンも来日し、京都で歌舞伎役者などを撮影していった。(稲畑勝太郎はリュミエール兄の友人だったことからいち早く輸入が実現した)
1898年
「わたしたちが腰を降ろすとすぐ、あたりはもう真っ暗になった。怖るべき機械が、暗闇を凄まじくつんざいて流れる一条の光をほとばしらせた。
 スクリーンの上には、わたしには何がなんだかさっぱりわからぬ映像が現われる。しかもそれがみんな、一方ではピアノの伴奏と、もう一方では悪魔の機械が発するドンドンという音響を伴っていたのだ。
わたしはお定まりの悲鳴をキーッと上げた。こうなってはもうわたしを連れ出すより他なかった。」

ジャン・ルノワールの回想より
 とにかくできたばかりの映画は、機械音がうるさく映画を見るどころではなかったようです。そんなうるさい音をごまかすために音楽がつけられたといわれているぐらいです。
1899年
初の劇映画「ピストル強盗清水定吉」製作される(日本の映画史は欧米のそれと変わらない長さがあるわけです)
1900年
パリ万博にて、リュミエール兄弟のシネマトグラフが公開される(仏)
1901年
再現ドキュメンタりー映画「マッキンリー大統領の暗殺」公開
「火事だ!」
イギリスでアルバート・スミス(写真師)とジェームズ・ウィリアムソン(薬剤師)がショットをつなぐ手法を用いて完成させた映画でストーリーのある映画第一号と言われています
1902年
「月世界旅行」(奇術師ジョルジュ・メリエスによる世界初のSF&SFX映画)(仏)
「アメリカ消防士の生活」(監)エドウィン・ポーター(ストーリーのあるアメリカ映画第一号)
「キリストの生誕」公開
1903年
「大列車強盗」(監)エドウィン・ポーター(世界初の娯楽犯罪アクション映画)
「アンクル・トムの小屋」(監)エドウィン・ポーター(原作の小説から名場面を抜粋した名場面集的作品)
日本初、映画専門の劇場として浅草・電気館オープン
1904年
「道草半時、戦争で活動写真と新演劇は天井知らずの好景気だ。東洋活動写真が去る十四日から日露の海戦陸戦を呼び物の一つとして四条南座で開場してゐるが、陸戦で衛生隊がたんかで怪我の負傷兵を懇切に救助しつつあるところ等は大喝采だ。
 何しろすこぶる非常つきの駒田の説明で、すこぶる非常の大人気だ。」
「京都朝報」6月16日より
1905年
ニッケル・オデオンが登場し、全米各地に急速に普及する
「電気仕掛けホテル」(監)セグンド・デ・チョーモン(スペイン)(コマ撮りで家具などを動かした初めての動画)
後に映画史に残る名作「戦艦ポチョムキン」のもとになった戦艦ポチョムキンの暴動事件勃発(露)
1906年
「お化けホテル」
アメリカ人ジェイムズ・スチュアート・ブラックトンが製作したコマ撮り撮影をい用いて怪奇現象を再現した映像を用いたお化け屋敷
1907年
<映画草創期からハリウッドの誕生へ>映画技術の誕生から映画の都「ハリウッド」誕生まで
映画の町「ハリウッド」の建設が始まる
1908年
<映画音楽の誕生と映画黄金期の始まり>サン=サーンスから始まった映画音楽の発展史
ギーズ公の暗殺(フィルム・ダール協会)
「ドリーの冒険」(監)D・W・グリフィス(バイオグラフ社に入社したグリフィスの記念すべきデビュー作)
 ドリーという子供の誘拐と救出のサスペンス映画。カメラをレールに乗せて移動させる撮影法「ドリー」のもとはこの映画
「幾歳月の後」
「これは追っかけのない最初の映画でした。これは凄いことだったのです。というのも、当時、追っかけのない映画は映画でなかったからです。追っかけなしでどのように映画が作れるでしょう?
どのようにしてサスペンスを醸し出すのでしょう?話の筋は?「幾歳月の後」は、劇的なクローズ・アップを使った最初の映画 - 交互のモンタージュ(カットバック)を使った最初の映画でもありました。」

D・W・グリフィス夫人
「ファンタスマゴリー」(監)エミール・コール(元祖アニメーション作品)
「お化けホテル」を見たフランス、ゴーモン社のエミール・コールが、コマ撮り撮影の原理を利用して、「デッサン・アニメ(動画)」作品
「ファンタスマゴリー(幻灯魔術)」を発表。彼はこの後も人形を用いたコマ撮り動画なども製作。この作品が「アニメーション」の元祖ともいわれています。
エジソンが映画の撮影、上映、配給を管理するモーション・ピクチャー・パテンツCo(映画特許会社)設立
(エジソン社に有利になるようにライセンス制を導入するための会社。9社を集めて設立された。「ザ・トラスト」と呼ばれました)
この頃から製作会社は安定して映画を作るため、一部の俳優と長期契約を結ぶようになります。それにより俳優がある程度固定されるようになり人気俳優が誕生します
フランスで連続活劇が人気となり、世界各地に広まり始める
ポンペイ最後の日」(監)ルイジ・マッジ(最初のイタリア製長編映画は歴史劇で「歴史劇」がこの後静かなブームとなります。
吉沢商店が目黒に日本初の撮影所を建設
「帝国女優養成所」設立
1909年
いくつかの映画製作会社が集まり、最初の自主規制団体がニューヨークに誕生
(宗教団体などからの批判に対する対応。こうした動きに反発したのがニッケルオデオン系の映画会社だった)
新興勢力の登場
 ここまで映画はまだビルボード・ショーの演目の一部だったが、単独の娯楽としていけると判断したウィリアム・フォックスやアルフレッド・ズーカーらが映画のための専門劇場を設立。
さらに製作会社と上映興行主との間に長期的な映画の配給契約を結ぶシステムを確立します。これにより映画館は安定的に映画を上映できるようになりました。
 上からの統制にこだわるエジソンが上映が楽な一巻もの(15分)にこだわったのに対し、ズーカーらは四巻以上の長編映画にこだわりエジソン社とは異なる道を選び成功します
 フランス映画「ジゴマ」の和製リメイク(もちろん無許可)が上映禁止となる(ジゴマの犯行をマネた強盗事件が多発したため)大ヒットしていたため、映画館にとっては大きな打撃となった
 「目玉の松ちゃん」こと尾上松之助が大人気となる(旅役者から映画俳優となり、1908年「本能寺合戦」で映画デビューした。デビューから4年で100本の映画に出演した!)
「淋しい山荘」(監)D・W・グリフィス
一つの場面に複数のショットを用い、様々な「絵」によって物語を語る。(「クロスカッティング」の多用)
画面の転換によって、強盗に襲われた家族の危機と脱出に緊張感を与えることに成功
「少女たちとお父さん」(監)D・W・グリフィス
スタジオ撮影とロケーション撮影の自然な融合を実現。カメラが前後左右に動けるようになり、画面に奥行きや広がりが生み出せるようになる。「パン撮影」「ディープ・スペース」など
「ロング・ショット」、「ミディアム・ショット」、「クロース・ショット」の区別と切り替えにより画面の変化による感情表現が可能になった
状況説明やセリフ回しを画面に文字で映し出す「インタータイトル」の登場
アニメ「恐竜ガーディ」(監)ウィンザー・マッケイ(恐竜の絵を動かして撮影したアニメ映画)
1910年
D・W・グリフィスは、映画の製作現場に分業化を進め、効率よく映画を製作するためのシステムを完成させます。
(1)作品(制作)部門と(2)技術(開発)部門
(1)では、監督、カメラマン、脚本家、照明、セット・デザイナーなど、さらに分業化を実施しました
この他、グリフィスが完成させた映画制作のスタイルとしては、
(1)シーンの中でのカットなのか、場面が変わることを表現するためのカットなのかをわかりやすくするための工夫。
場面転換をわかりやすくするための「フェイド・アウト」と「フェイド・イン」。それと二つの場面の画像を重ねながら転換してゆく手法「ディゾルブ」
(2)「180度」ラインの厳守
舞台を見る観客の視点にしかカメラを置かないことで、映画内世界と現実の境目をはっきりさせる
1911年
連続活劇「ジゴマ」(監)ヴィクトラン・ジャッセ(連続活劇の先駆的ヒット作)
「エリザベス女王」フランスの大物舞台女優サラ・ベルナール主演(映画界にもスター女優が登場)
初の映画のファン雑誌がアメリカで発行される
横浜オデオン座が日本初の外国映画専門の映画館としてオープン
1912年
「喜劇の父」マック・セネットがキーストン社を結成し、「キーストン・コップス」などの作品を製作
ユニヴァーサル、パラマウントなど独立系映画会社が誕生
チャールズ・チャップリンがキーストンと契約
イタリアの歴史劇大作「クオ・ヴァデス」(監督はエンリコ・ブアッツォーニ)がアメリカでもヒットし、歴史劇の映画化がブームとなると同時に2時間以上の長編映画の時代が始まる

<日活誕生>四つの映画会社が合併し、日本活動写真株式会社「日活」となった
「これらの画面は、数年前に文学、演劇、美術で行われたように、スクリーンにはじめて導入されたリアリズムの試みである。人間や事件をあるがままに描いたものであって、あるべき姿を描いたのではない。」
ルイ・フイヤード
1913年
連続活劇「ファントマ」(1913年〜1914年)(監)(脚)ルイ・フイヤード
世界中に連続活劇ブームを巻き起こした大ヒット映画。5部作となっていて、すべてをまとめると5時間半の大作になる。
セル画を用いたアニメーション技術が登場する
1914年
連続活劇「ポーリンの危機」がヒットし、アメリカでも連続活劇がブームとなる
第一次世界大戦が始まり、映画の中心がヨーロッパからアメリカへと移る
チャップリンのトレード・マークとなる浮浪者スタイル誕生
1915年
「国民の創世」(監)D・W・グリフィス
連続活劇「吸血ギャング団」(ドラルー)(1915年〜1916年)
(ルイ・フイヤードの集大成的作品で10部作トータル7時間15分の超大作)
「チート」(監)セシル・B・デミル(出)ファニー・ウォード、早川雪州
(悪役として出演した早川はこの一作で一躍人気俳優となった。ただし、日本人のイメージを一気に悪くしたことで彼は日本に戻れなくなった)
1916年
「イントレランス」(監)D・W・グリフィス
 映画史に残る偉大なる失敗作「イントレランス」には大変重要な映画史的な役割がありました。
それはこの映画の撮影にあたり、グリフィスが古代バビロンの都市を初めとする大掛かりなセットを組むための場所を求め、砂漠にできた町「ハリウッド」を選んだことです。
1908年に最初の撮影が行われたハリウッドは、この映画の撮影により一躍映画の町として世界に知られるようになります
「悲しみの聖母」(監)アベル・ガンス
1917年
<映画会社の系列化>
「ファースト・ナショナル興行社連盟」(フィラデルフィアの劇場チェーンが全国の劇場経営会社ととも設立した共同の映画製作会社)
映画の製作、配給、上映を管理下におく企業の先駆となり、フォックスなど他の企業もあわてて追随し、系列化(垂直統合)が一気に進む。こうして、ビッグ3とリトル5が誕生した。
「ファースト・ナショナル」に加えて、アルフレッド・ズーカーの「パラマウント」、マーカス・ロウの「メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)」がビッグ3
ウィリアム・フォックスの「フォックス」、ワーナー兄弟の「ワーナーブラザース」、カール・レムリの「ユニバーサル」、「フィルム・ブッキング・オフィス」、「製作者配給会社」がリトル5
さらにここのメアリー・ピックフォード、チャップリン、ダグラス・フェアバンクス、D・W・グリフィスらが設立した「ユナイテッド・アーティスツ」が加わります。
ドイツでウーファ社設立し、ドイツ映画の黄金時代が始まる(光と影を使った斬新な映像美と芸術的センスを生かしたドイツ表現主義が世界の映画に影響を与えることになります)
「移民」(監)(脚)(出)チャールズ・チャップリン
1918年
「人類の春」(監)D・W・グリフィス(出)リリアン・ギッシュ
「世界の心」(監)D・W・グリフィス(出)リリアン・ギッシュ、ドロシー・ギッシュ
「間の入江」(2色加色混合法によるアメリカ初の長編色彩劇映画)
1919年
「カリガリ博士」(監)ロベルト・ウィーネ(ドイツ表現主義の結晶ともいえる映画史に残る傑作)
D・W・グリフィス、ダグラス・フェアバンクス、メアリー・ピックフォード、C・チャップリンがユナイテッド・アーティスツ設立
ソ連でレーニンによる映画業界の国有化実施(最古の映画会社「レン・フィルム」設立)
「幸福の谷」D・W・グリフィス(出)リリアン・ギッシュ
「散り行く花」D・W・グリフィス(出)リリアン・ギッシュ、リチャード・バーセルメス
「キネマ旬報」創刊
1920年
「東への道」D・W・グリフィス(出)リチャード・バーセルメス、リリアン・ギッシュ
「島の女」(監)ヘンリー小谷(松竹キネマ合名社第一回作品
松竹合名社設立、松竹蒲田撮影所開設(映画が娯楽の王者と呼ばれる時代の始まり)
1921年
「シーク」のヒットでルドルフ・バレンチノのカリスマ的人気が頂点に達する(セックス・シンボルとしてのスター男優誕生)
ロスコー・アーバックルが婦女暴行致死事件で逮捕(裁判の結果、無罪になるが実際は黒だったといわれています)
その他にも映画界では、俳優のモルヒネ中毒死事件やプレイボーイで有名だった映画監督が殺されるなどの不祥事が相次ぎ、映画業界へ社会的批判が高まる。
こうした不祥事に対応する組織として翌年、「ヘイズ・オフィス」が誕生することになります
「椿姫」(監)レイ・C・スモールウッド(原)アレキサンドル・デュマ(脚)ジューン・メイシス(撮)R・J・ベルギスト(出)アラ・ナジモヴァ、ルドルフ・ヴァレンチノ
「死滅の谷」
(監)フリッツ・ラング
1922年
<ヘイズ・オフィス設立>
映画業界の不祥事に対する批判が公的な検閲に結びつくことを恐れた映画業界のトップたちは、全米映画製作者配給者協会MPPDAを設立し批判をかわそうとします。
トップには共和党大統領候補の側近で長老派協会(キリスト教プロテスタント)の大物ウィル・ヘイズが招かれました。
この組織は「ヘイズ・オフィス」と呼ばれるようになり、政界やキリスト教団体との交渉や批判の声に対応するだけでなく、映画業界全体の窓口として権力を発揮するようになります。
「鉄路の白薔薇」(監)(原)アベル・ガンス(撮)レオインス・H・ブレルほか(出)セブラン・マルス、アイヴィー・クロース
鉄道で働く労働者を主人公にした恋愛悲劇。演劇的にセリフで語るのではなく映像により語らせるためのアイデアに満ちた作品。
「フラッシュ・バック」によって「ロングショットとクローズ・アップ」、「回想シーン」、「オーバー・ラップ」、「画面分割」など、様々な映像をリズミカルにつなぐことで
ドラマを盛り上げました。ガンスの得意とするリズミカルなモンタージュ技法は日本の時代劇映画にも大きな影響を与えたといわれます。
初公開時の上映時間は6時間を越える大作だった。
ドキュメンタリー映画「極北の怪異」(監)ロバート・フラハティ
(この作品などにより、フラハティは「ドキュメンタリー映画の父」と呼ばれることになります)
・・・役者も出ず、スタジオも使わず、ロマンスもなければ、スターもいない映画、そうです。誰もが日常やっていること、人が自分に課さられた人生を一所懸命生きて行く、その姿そのものが映画になったとき、世界中の人々が強い衝撃を受けたのです。
「ある映画作家の旅 ロバート・フラハティ物語」より
 ロバート・フラハティ監督の夫人でその生涯の協力者だったフランシス・H・フラハティは、ロベール・ブレッソンとロバート・フラハティを比較し、ブレッソンが「まず内部の考察から始め、そこから次第に外部へと創造を働かせて」いくのに対して、フラハティは「まず外部から始めて」て、「次第に心の内部の発見へと進んでいく」と分析し、「映画の魂」の表現には「二つの方法」があるのだと結論づける。
 ひとつは作り上げ、創造する方法。これは働きかける原理です。そしていまひとつは発見し、解き放つ方法。これはなすがままにしておくという原理です。

山田宏一
<ロバート・フラハティ>(1884年〜1951年)
 「記録映画の父」と呼ばれるロバート・フラハティは、アメリカのミシガン州生まれで、鉱山学校で学んだ後、カナダ北東部のハドソン湾で探検生活をします。その後、鉄道会社の依嘱により、その地域の地図を作る仕事にかかわりがながら、イヌイットたちの生活を記録映画として撮影。こうして、1920年から1921年にかけて撮られたフィルムから記録映画「ナヌーク(極北の怪異)」が完成します。するとその映画は、単なる記録的価値だけでなく「芸術作品」として高い評価を受けます。これが、「記録映像」が芸術性を持ちうることを示す最初の作品となり、「記録映画」という新たなスタイルの誕生となりました。
 残念ながら彼が撮るドキュメンタリー映像は、娯楽性には乏しく、商業映画として資金を集めることが困難だったので、製作本数は少ない。イギリスの小さな島アラン島を舞台にした「アラン」(1934年)も有名な作品。撮影現場に住み、じっくりと時間をかけて撮影する彼の手法は、その後、多くの映像作家たちに受け継がれることになります。
「吸血鬼ノスフェラトゥ」(監)F・W・ムルナウ(原)ブラム・ストーカー(出)マックス・シュレック、アレクサンダー・グラナック(ドラキュラ映画最初の名作誕生)
「オセロ」(監)(脚)ディミトリー・ブコエツキー(原)ウィリアム・シェイクスピア(出)ヴェルナー・クラウス、エミール・ヤニングス
「過去からの呼声」(監)ジェンナロ・リゲッリ(原)ファウスト・マリア・マルティニ(脚)ルチアノ・ドリア(出)マリア・ヤコビニ、リド・マネッティ
「歩み疲れて」(監)トム・テリス(原)ジャック・ボイル(脚)ドティ・ホバート(出)ライオネル・バリモア、マーゲリット・マーシュ
「不滅の情火」(監)フランク・ロイド(原)バルザック(脚)フランシス・マリオン(出)ノーマ・タルマッジ、コンウェイ・タール
「心なき女性」(監)(原)(脚)レックス・イングラム(撮)ジョン・F・サイツ(出)ラモン・ナヴァロ、バーバラ・ラマー
「シャーロック・ホームズ」(監)アルバート・パーカー(原)コナン・ドイル(脚)マリオン・ファックスほか(出)ジョン・バリモア、カロル・デンプスター
「男子怒れば」(監)アレン・ホルバー(脚)ケーリー・ウィルソン(撮)B・C・ハスキンス(出)マルコム・マクレガー、コリーン・ムーア
「嵐の国のテス」(監)ジョン・S・ロバートソン(原)グレース・ミラー(脚)ルパート・ヒューズ(出)メリー・ピックフォード、ロイド・ヒューズ
「キイン」(監)アレクサンドル・ヴォルコフ(原)アレクサンドル・デュマ(出)イヴァン・モジウキン、ナタリー・リセンコ
「恋の凱歌」(監)(脚)V・トゥルヤンキー(原)ツルゲーネフ(出)ナタりー・コヴァンコ、ジャン・アンジェロ
1923年
ワーナーブラザース社設立
「サムソンとデリラ」(監)アレクサンダー・コルダ、マイケル・カーティス(出)マリア・コルダ、アルフレッド・ガラオール
「巴里の女性」(監)(脚)チャールズ・チャップリン(出)エドナ・パーヴィアンス、アドルフ・マンジュー
「幌馬車」(監)ジェイムズ・クルーズ(原)エマソン・ホウ(脚)ジャック・カニンガム(出)ウォーレン・ケリガン、オイス・ウィルスン
「ホリウッド」(監)ジェイムズ・クルーズ((原)フランク・コンドン(脚)トム・ジェラティ出)ホープ・ドラウン、リューク・コスグローブ
「ロイドの要人無用」(監)サム・テイラー、フレッド・ニューメイア(原)ハル・ローチほか(出)ハロルド・ロイド
「我が恋せし乙女」(監)ジョーゼフ・デ・グラッス(原)ジェームス・ウィッカム(脚)アルバート・レイ(出)チャールス・レイ、パッシー・ルス・ミラー
「ノートルダムの傴僂男」(監)ウォーレス・ウォスリー(原)ヴィクトル・ユーゴー(脚)エドワード・T・ロウ・Jr(出)ロン・チャニー、パッシー・ルース・ミラー
「ロジタ」(監)エルンスト・ルビッチ(脚)エドワード・ロブノック(撮)チャールズ・ロッシャー(出)メリー・ピックフォード、ジョージ・ウォルシュ
「冬来たりなば」(監)ハリー・ミラード(原)A・S・M・ハッチンスン(脚)ポール・スローン(撮)ジョセフ・ルッテンバーグ(出)パーシー・マーモント
「ホワイト・シスター」(監)ヘンリー・キング(原)F・マリオン・クロフォード(出)リリアン・ギッシュ、ロナルド・コールマン
「荒武者キートン」(監)(出)バスター・キートン(監)ジャック・ブライストン(撮)ユージン・レスリーほか
「乙女よ嘆くな」〈出)フロレンス・ヴィドア
阪東妻三郎が映画「三好清海」でデビュー
1924年
コロンビア社設立。メトロ・ゴールドウィン、メイヤーが合併してM・G・M社となる
「グリード」(監)エリッヒ・フォン・シュトロハイム
「イントレランス」同様巨額の予算を使った超大作、観客には理解されず大赤字になる。伝説的失敗作として歴史にその名を刻んだ作品です。
こうした監督主導の巨大な失敗作を恐れた映画会社は、予算の管理を行うプロデューサーに現場を仕切らせるようになります。
シュトロハイムは、その後俳優として「アンナ・カレーニナ」「大いなる幻影」「サンセット大通り」などで貫禄を見せますが、監督としての仕事はほとんどしていません。
「バグダッドの盗賊」(監)ラオール・ウォルシュ(脚)ロッタ・ウッズ(撮)リチャード・ホーラン(出)ダグラス・フェア・バンクス、ジュランヌ・ジョンストン
(主演のダグラス・フェア・バンクスの人気がこの作品により急上昇することになった大ヒット作)
「最後の人」(監)(脚)FW・ムルナウ(原)カール・マイヤー(出)エミール・ヤニングス、マリー・デルシャフト
「結婚哲学」(監)エルンスト・ルヴィッチ(出)アドルフ・マンジュー、メリー・プレヴォー
「嘆きのピエロ」(監)(原)(脚)ジャック・カトラン(撮)ジョルジュ・スペクト(出)ジャック・カトラン、ロイス・モラン
「無鉄砲時代」(監)ハリー・ポラード(原)アール・デア・ビッガース(脚)レックス・テイラー(出)レジナルド・デニー、ルス・ドワイアー
「ジーク・フリード」(監)フリッツ・ラング(原)テア・フォン・ハルボウ(撮)カール・ホフマン(出)ポール・リヒター、ハンナ・ラルフ
「クリームヒルトの復讐」(監)フリッツ・ラング(原)(脚)テア・フォン・ハルボウ(撮)カール・ホフマン(出)マーガレット・シェーン、ハンス・A・シュレットー
「猛進ロイド」(監)(脚)サム・テイラー、フレッド・ニューメイヤー(出)ハロルド・ロイド、ジョビナ・ラルストン
「シー・ホーク」(監)フランク・ロイド(原)ラファエル・サバティニ(脚)J・G・ホークス(撮)ノーバート・ブロディン(出)ミルトン・シルス、エニッド・ベネット
「美人食客」(監)ウィリアム・ボーディン(脚)ジュリアン・ジョセウフソン(撮)レイ・ジューン(出)ドロシー・デヴォア、マット・ムーア
1925年
「映画芸術は外的運動というよりも、内的運動の表現の芸術である。」
ジュルメーヌ・デュラック
戦艦ポチョムキン(監)セルゲイ・エイゼンシュタイン
「黄金狂時代」(監)(原)(音)(出)チャールズ・チャップリン(出)ジョージア・ヘール
「ステラ・ダラス」(監)ヘンリー・キング(原)オリーブ・H・プラウティ(脚)フランセス・マリオン(出)ベル・ベネット、ロナルド・コールマン
「海の野獣」(監)ミラード・ウェッブ(原)ハーマン・メルヴィル(脚)ベス・メレディス(出)ジョン・バリモア、ドロレス・コステロ
「救いを求むる人々」(監)(原)ジョセフ・フォン・スタンバーグ(出)ジョージ・アーサー、ジョージア・ヘール
「燻ゆる情炎」(監)クラレンス・ブラウン(原)(脚)セイダー・コーマンほか(撮)ジャクスン・ローズ(出)ポーリン・フレデリック、ローラ・ラプラント
「ピーター・パン」(監)ハーバート・ブレノン(原)ジェームス・バリー(出)ベティ・ブロンソン、アーネスト・トーレンス
「蜂雀」(監)シドニー・オルコット(原)モード・フツロン(撮)ハリー・フィッシュバック(出)グロリア・スワンソン、エドワード・バーンズ
「ビッグ・パレード」(監)キング・ヴィダー(原)ローレンス・ストリングス(脚)ハリー・ベーン(出)ジョン・ギルバート、ルネ・アドレ
「オペラの怪人」(監)ルパート・ジュリアン(原)ガストン・ルルー(脚)エリオット・J・クロースン(出)ロン・チェニー、メリー・フィルビン
「喜びなき街」(監)ゲオルグ・W・バブスト(出)グレタ・ガルボ、アスター・ニールセン
「ドン・Q」(監)ドナルド・クリスプ(原)ヘスケス・ブリチャード(撮)ヘンリー・シャープ(出)ダグラス・フェアバンクス、メリー・アスター
「ダーク・エンゼル」(監)ジョージ・フィッツモリス(原)H・B・トレヴェリアン(脚)フランセス・マリオン(出)ロナルド・コールマン、ヴィルマ・バンキー
「ロイドの人気者」(監)(脚)サム・テイラー、フレッド・ニューメイヤー(出)ハロルド・ロイド、ジョビナ・ラルストン
「ヴァリエテ」(監)(脚)E・A・デュポン(脚)レオ・ビリンスキー(撮)カール・フロイント(出)エミール・ヤニングス、リア・デ・プティ
1926年
スタンリー・ローレルとオリバー・ハーディがコンビで活躍開始
カリスマ・イケメン俳優ルドルフ・ヴァレンティノ死去
「女優ナナ」(監)ジャン・ルノワール(原)エミール・ゾラ(出)カトリーヌ・エスラン、ヴェルナー・クラウス
「ファウスト」(監)F・W・ムルナウ(原)ルドウィッヒ・ベルガー(出)ヨースタ・エックマン、エミール・ヤニングス
「最後の人」(監)F・W・ムルナウ(出)エミール・ヤニングス、マリー・デルシャフト
「ダグラスの海賊」(監)アルバート・パーカー(出)ダグラス・フェアバンクス、ビリー・ドーブ
「ドン・ファン」〈監)アラン・クロスランド(脚)(撮)バイロン・ハスキン〈出)ジョン・バリモア、メアリー・アスター(サイレント映画の画面に伴奏音楽と効果音を追加したトーキーの元祖となった作品)
「肉体と悪魔」(監)クラレンス・ブラウン(原)ヘルマン・ズーデルマン(出)グレタ・ガルボ、ジョン・ギルバート
「ムーラン・ルージュ」(監)(原)(脚)E・A・デュポン(出)オルガ・チェホーワ、イヴ・グレイ
「熱砂の舞」(監)ジョージ・フィッツモリス(原)エディス・M・ハル(脚)フランセス・マリオン(出)ルドルフ・ヴァレンチノ、ヴィルマ・バンキー
「ダグラスの海賊」(監)アルバート・パーカー(原)エルトン・トーマス(脚)ジャック・カニンガム(撮)ヘンリー・シャープ(出)ダグラス・フェアバンクス
「滅び行く民族」(監)ジョージ・B・サイツ(脚)エセル・ドーティ(撮)C・エドガー・ショーンバウム(出)リチャード・ディックス、ロイス・ウィルソン
「ボー・ジェスト」(監)ハーバート・ブレノン(脚)ジョン・ラッセル(撮)J・ロイ・ハント(出)ロナルド・コールマン、ニール・ハミルトン
「帝国ホテル」(監)モーリス・スティルレル(原)ライオス・ビロ(脚)ジュールス・ファースマン(撮)バート・グレノン(出)ポーラ・ネグリ、ジェームズ・ホール
「カルメン」(監)(脚)ジャック・フェデー(撮)モーリス・デスファシウ(出)ラケエル・メリエ、ルイ・レルク

「アリラン」を主題歌とする韓国映画「アリラン」製作される(監)(脚)(主)ナ・ウンギュ
「足にさわった女」(監)阿部豊(出)岡田時彦、梅村蓉子
「日輪」(監)村田実(出)岡田嘉子、山本嘉一
「狂った一頁」(監)衣笠貞之助(出)井上正夫、中川芳江
「神人形の春の囁き」(監)溝口健二(出)山本嘉一、島耕二
1927年
メトロポリス(監)フリッツ・ラング(出)グスタフ・フレーリッヒ(日本公開は1929年)
「ナポレオン」(監)アベル・ガンス
映画史に残る超大作であり、偉大なる失敗作でもある作品。8部作の予定が第一部しか作れなかった幻の作品。
オリジナル完全版は6時間だが初公開時には3時間20分にカットされていた。
エキストラとして6000人が登場する戦闘シーンがあり、150のセットと200人の製作スタッフが働いていた。
イタリア戦役の戦闘シーンでは「トリプル・エクラン三面スクリーン方式」が用いられるていた。(スクリーンを三つ横につなげての上映)
「映像の時代は来た。・・・あらゆる伝説、あらゆる神話・・・あらゆる歴史上の大人物・・・そのすべてが彼等の光り輝く復活を待っており、そしてその英雄たちは入ろうと我々の扉の前にひしめいている。・・・」
アベル・ガンス
世界初のトーキー映画「ジャズ・シンガー」公開(アル・ジョルスン主演)
ワーナーがいち早くトーキーを導入。その後メジャー5社によりトーキー映画のためのサウンド・システムを共通化するための協定が結ばれます「五社協定」
ミュージカル「ショーボート」大ヒット、後に映画化される
「アンクル・トムの小屋」出演の黒人俳優ジェームズ・ロウの名前が初めてタイトル・ロールにのる
<アカデミー賞の創設>
ダグラス・フェアバンクス、セシル・B・デミルの呼びかけでアメリカ映画芸術科学アカデミーが設立される
「第七天国」(監)フランク・ボーゼージ(脚色)ベンジャミン・グレイザー(出)ジヤネット・ゲイナー(アカデミー監督賞、主演女優賞、脚色賞
「肉体の道」(監)ヴィクター・フレミング(原)ラヨス・ビロ、ジュールス・ファースマン(出)エミール・ヤニングス(アカデミー主演男優賞
「つばさ」(監)ウィリアム・A・ウェルマン(原)ジョン・モンク(脚)ホープ・ロアリング(出)クララ・ボウ、チャールス・ロジャース(アカデミー作品賞
「チャング」(監)(脚)(撮)アーネスト・B・シェードシャック(出)クルー、チャンツィー、ナー
「椿姫」(監)フレッド・ニブロ(原)アレクサンドル・デュマ(脚)フレッド・デ・グレサックほか(撮)オリバー・マーシュ(出)ノーマ・タルマッジ、ギルバート・ローランド
「サンライズ」(監)F・W・ムルナウ(原)ヘルマン・ズーデルマン(脚)カール・マイヤー(撮)チャールズ・ロッシャーほか(出)ジョージ・オブライエン、ジャネット・ゲイナー
「暗黒街」(監)ジョゼフ・フォン・スタンバーグ(脚)ロバート・N・リー(撮)バート・グレノン(出)ジョージ・バンクロフト、クライブ・ブルック
「アンナ・カレーニナ」〈監)エドマンド・グールマンド(原)L・N・トルストイ(出)グレタ・ガルボ、ジョン・ギルバート
「思ひ出」(監)エルンスト・ルビッチ(原)ヴィルヘルム・M・フェルステル(脚)カンス・クーレイ(撮)ジョン・メスコール(出)ラモン・ノヴァロ、ノーマ・シアラー

「競争三日間」(監)内田吐夢(内田吐夢がデビュー)
「忠次旅日記 信州血笑篇」(監)伊藤大輔(出)大河内伝次郎
「慈悲心鳥」(監)溝口健二(出)山本嘉一、中野栄治
「悪魔の星の下に」(監)二川文太郎(出)月形龍之介、玉木悦子
「懺悔の刃」(監)小津安二郎(小津安二郎デビュー)
後の長谷川一夫、林長ニ郎が「稚児の剣法」でデビュー1927年
1928年
ディズニー・アニメ映画「蒸気船ウィリー」ミッキー・マウス登場)世界初のトーキー・アニメ
「ニューヨークの灯」世界初の100%トーキー作品
<トーキー時代の始まり>
ルドルフ・アルンハイムの美学によれば、芸術はそのジャンル特有の制約や限定を条件として受け入れることで、はじめてジャンルとして確立されることになる。映画はモノクロであり、またサイレントであるがゆえに、豊かな色彩と音響にあふれた現実の世界とはまったく別個の、自立した世界を構築することができた。つまり現実の機械的な再現ではなく、絵画や彫刻と同じく独自の文法をもった芸術として価値付けられたわけである。
四方田犬彦「映画史への招待」より
「貝殻と僧侶」(監)ジュルメーヌ・デュラック(世界初のシュルレアリスム映画といわれる作品)
「街の天使」(監)フランク・ボ−セージ(原)モンクトン・ホッフェ(脚)マリオン・オース(撮)アーネスト・パルマー(出)チャールズ・フォレル、ジャネット・ゲイナー
「煩悩」(監)ジョージ・フィッツモリス(原)ジョン・K・ニコルソン(脚)ベンジャミン・グレイザー(撮)リー・ガームス(出)ミルトン・シルス、ドロシー・マッケール
「美人国二人行脚」(監)ルイス・マイルストン(出)ウィリアム・ボイド(アカデミー喜劇監督賞
「紐育の波止場」(監)ジョセフ・フォン・スタンバーグ(原)ジョン・M・サウンダース(撮)ハロルド・ロッスン(出)ジョージ・バンクロフト、ベティ・カンプソン
「四人の悪魔」(監)F・W・ヌルナウ(原)ヘルマン・バングほか(撮)アーネスト・パーマー(出)ジャネット・ゲイナー、ファーレル・マクドナルド
「結婚行進曲」(監)(脚)(出)エリッヒ・フォン・シュトロハイム(脚)ハリー・カー(出)フェイ・レイ
「人生の乞食」(監)ウィリアム・A・ウェルマン(脚)ベンジャミン・グレイザー(撮)ハリー・ジェラルド(出)ウォーレス・ビアリー、ルイズ・ブルックス
「生ける屍」(監)(脚)フョードル・オッェーブ(原)トルストイ(撮)アナトリス・ゴーロフニカ(出)フセヴォロド・ブドフキン、マリア・ヤコビニ
「サーカス」(監)(出)(脚)チャールズ・チャップリン(出)マーナ・ケネディ
「ベン・ハー」(監)フレッド・ニブロ(出)ラモン・ナヴァロ
「アンクル・トムズ・ケビン」(監)ハリー・ポラード(原)ハリエット・ビーチャー・ストー(出)マーガリータ・フィッシャー、ジェームス・B・ソウ
「裁かるるジャンヌ」(監)(脚)(原)カール・ドライヤー(撮)ルドルフ・マデ(出)ファルコネッティ、シルヴィエン
「都会の哀愁」(監)パウル・フェヨス(原)マン・ペイジ(脚)エドワード・T・ロウJr(撮)ギルバート・ワーレントン(出)グレン・トライオン、バーバラ・ケント
「アジアの嵐」(監)V・プドフキン(脚)O・ブリック(撮)A・ゴロフニャ(出)インキジノフ、L・テディンツェフ
「帰郷」(監)ヨーエ・マイ(原)レオンハルト・フランク(脚)フレッド・マヨ(撮)ギュンター・リッタウ(出)ラルス・ハンセン、グスタフ・フレーリッヒ

「浪人街 第一話 美しき獲物」(監)マキノ正博(出)南光明、谷崎十郎
「陸の王者」(監)牛原虚彦(出)鈴木伝明、八雲恵美子
「新版大岡政談 第三篇 解決篇」(監)伊藤大輔(出)大河内伝次郎、尾上卯多五郎
「村の花嫁」(監)五所平之助(出)武田春朗、八雲恵美子
1929年
「アンダルシアの犬」(監)ルイス・ブニュエル(アバンギャルド映画の原点、シュルレアリスムが生んだ初の映画)
ドキュメンタリー映画「死の銀嶺」(監)アーノルト・ファンク(山岳映画というジャンルを生んだ名作)
「ブロードウェイ・メロディ」(監)ハリー・ボーモント(出)アニタ・ペイジ、ベッシー・ラブ(アカデミー作品賞)世界初のミュージカル映画
「情炎の美姫」(監)(製)フランク・ロイド(出)マリー・ドレスラー、ウィリアム・コンクリン(アカデミー監督賞
「懐かしのアリゾナ」(出)ウォーナー・バクスター(アカデミー主演男優賞
「コケット」(監)サム・テイラー(出)メアリー・ピックフォード(アカデミー主演女優賞
「四枚の羽根」(監)アーネスト・B・シューザック(脚)ハワード・エスタブルック(撮)ロバート・カール(出)リチャード・アーレン、フェーン・レイ
「女の一生」(監)ジョセフ・フォン・スタンバーグ(原)サミュエル・オルニッツ(脚)ジュールス・ファースマン(撮)ハロルド・ロッスン(出)エスター・ラルストン
「アトランティック」(監)(製)E・A・デュポン(出)マデリーン・キャロル、モンティ・バンクス
「ラブ・パレード」(監)エルンスト・ルビッチ(脚)アーネスト・ヴァフォタ(撮)ヴィクター・ミルナー(出)モーリス・シュバリエ、ジャネット・マクドナルド
「アスファルト」(監)ヨーエ・マイ(原)(脚)ロルフ・E・ファンロー(撮)ギュンター・リタウ(出)グスタフ・フレーリッヒ、アルバート・シュタインリュック
「最後の中隊」(監)クルト・ベルンハルト(原)ヴィルヘルム・コスターリッツ(撮)ギュンター・クランプ(出)コンラッド・ファイト、カリン・キヴァンス
「全線(古きもの新しきもの)」(監)(脚)セルゲイ・M・エイゼンシュタイン(撮)エドヴァルド・ティッセ
「ゆすり」(監)アルフレッド・ヒッチコック(イギリス初のトーキー映画)
出演者全員が黒人という作品「ハレルヤ」が公開される

「首の座」(監)マキノ正博(出)谷崎十郎、桜木梅子
「生ける人形」(監)内田吐夢(出)小杉勇、入江たか子
「都会交響楽」(監)溝口健二(出)夏川静江、小杉勇
「実際ぼくら邦人俳優にとって、トーキーは苦手ですが、映画の将来はトーキーでなかればならぬと私は思います。トーキーは唖娘が口をきいたようなものだと思います。
サイレント・ピクチュアは唖娘です - 唖娘なるがゆえにかわいい、その唖娘がものをいうようになると思えば、親心としていかなる手段を講じても口を利かせてやらねばなりません。」

上山草人(俳優)
1930年
「西部戦線異状なし」(監)ルイス・マイルストン(出)リュー・エアーズ(アカデミー作品、監督賞
「嘆きの天使」(出)マレーネ・ディートリッヒ
「巴里の屋根の下」(監)(脚)ルネ・クレール(撮)ジョルジュ・ベリナル(出)アルベール・プレジャン、ポーラ・イルリ
トーキーの時代になると映画にはセリフが登場し、「言葉」が重要な意味をもつようになります。
そのため、使用される「言葉」が適切かどうか判別する基準が必要という意見が出始めます。
そこで映画業界(MPPDA)は自ら自主規制するための基準として、「映画製作倫理規定」(プロダクション・コード)を作ります。(後に「ヘイズ・コード」と呼ばれるようになります)
コードの施行を統括するための「映画倫理規定管理局PCA」が組織され、そのトップにカトリックのジャーナリスト、ジョセフ・ブリーンが就任
「犯罪王リコ」(監)マーヴィン・ルロイ(原)ウィリアム・R・バーネット(出)エドワード・G・ロビンソン、ダグラス・フェアバンクス・Jr.
(この作品からギャング映画のブームが始った)
「アンナ・クリスティ」〈監)〈原)クラレンス・ブラウン〈出)グレタ・ガルボ、チャズールズ・ビックフォード
「結婚草紙」(監)ロバート・Z・レオナード(出)ノーマ・シアラー(アカデミー主演女優賞
「大地」(監)(脚)アレクサンドル・ドブジェンコ(出)セミョーン・スバシェンコ
「モロッコ」(監)ジョセフ・スタンバーグイ(原)ベノ・ヴィグニー(脚)ジュールス・ファースマン(撮)りー・ガームス(出)ゲイリー・クーパー、マレーネ・ディートリッヒ
「三文オペラ」(監)G・W・パプスト(原)ゲルトルト・ブレヒト(出)ルドルフ・フォルスター、カローラ・ネイベル

「何が彼女をそうさせたか」(監)(脚)鈴木重吉(出)高津慶子、藤間林太郎
「お嬢さん」(監)小津安二郎(出)栗原すみ子、岡田時彦
1931年
<ホラー映画ブーム>
フランケンシュタイン(監)ジェームス・ホエール(主)ボリス・カーロフ(フランケンシュタイン映画の原点)
「魔人ドラキュラ」(監)トッド・ブラウニング(主)ベラ・ルゴシ(怪奇映画ブームに火をつけ、ドラキュラ映画の永遠のリメイクが始まる)
「吸血鬼」(監)(脚)(製)カール・ドライヤー(原)ジョセフ・シェルダン・レファニ(出)ジュリアン・ウェスト、モーリス・シュッツ
<ギャング映画ブーム>
「民衆の敵」〈監)ウィリアム・A・ウェルマン(脚)ハーヴェイ・シュウ(出)ジェームズ・キャグニー、エドワーズ・ウッズ
「犯罪都市」(監)ルイス・マイルストン(原)ベン・ヘクトほか(脚)マートレット・コーマック(撮)グレン・マクフィリアムス(出)アドルフ・マンジュー、パット・オブライエン
「市街」(監)ルーベン・マムーリアン(原)ダシール・ハメット(脚オリバー・ギャレット(出)ゲイリー・クーパー、シルヴィア・シドニー
「悪魔スヴェンガリ」〈監)アーチ・L・メイヨ(原)ジョルジュ・ルイ・ジュモリエー〈出)ジョン・バリモア、マリアン・マーシュ
「制服の処女」(監)レオンティーネ・ザガン(脚)クリスタ・ウィンスローほか(撮)ライマール・クンツェ(出)ドロテア・ウィーク、ヘルタ・ティーレ
「会議は踊る」(監)エリック・シャレル(音)ウェルナー・ハイマン(出)リリアン・ハーヴェイ、ウィリー・フリッチェ
「惨劇の波止場」(監)ジョージ・ヒル(主)マリー・ドレスラー(アカデミー主演女優賞
「シマロン」(監)ウェズリー・ラッグルズ(主)リチャード・ディックルズ(アカデミー作品賞、1960年にリメイク)
「自由の魂」(監)クラレンス・ブラウン(主)ライオネル・バリモア(アカデミー主演男優賞
「スキピィ」(監)ノーマン・タウログ(主)ジャッキー・クーパー(アカデミー監督賞
「間諜X27」(監)ジョセフ・フォン・スタンバーグ(出)マレーネ・ディートリッヒ、ヴィクター・マクラグレン
「M」(監)フリッツ・ラング(原)エゴン・ヤコブソン(出)ペーター・ローレ、オットー・ベルニッケ
「街の灯」(監)(脚)(音)(出)チャールズ・チャップリン、ヴァージニア・チェリル
「ル・ミリオン」(監)(脚)ルネ・クレール(原)ジョルジュ・ベルほか(脚)ジョルジュ・ペリナルほか(音)ジョルジュ・ヴァン・パリス(出)ルネ・ルフェーブル
「陽気な中尉さん」(監)エルンスト・ルビッチ(原)ハンス・ミュラー(脚)アーネスト・ヴォホダほか(撮)ジョージ・フォルシー(出)モーリス・シュバリエ
「アメリカの悲劇」(監)ジョセフ・フォン・スタンバーグ(原)セオドル・ドライサー(脚)サミュエル・ホッフェンシュタイン(出)フィリップ・ホームズ、シルヴィア・シドニー
「自由を我等に」(監)(脚)ルネ・クレール(撮)ジョルジュ・ベルナール(出)レイモン・コルディ、アンリ・マルシャン
「人生案内」(監)(脚)ニコライ・エック(撮)V・プロニン(出)ニコライ・バターロフ、イワン・クイルラ
「炭坑」(監)G・W・パプスト(原)(脚)カール・オッテン(撮)フリッツ・アルノ・ヴァグナー(出)アレクサンダー・グラナッハ、フリッツ・カンパース
「チャンプ」(監)キング・ヴィダー(原)フランセス・マリオン(脚)レオナード・プラスキンス(撮)ゴードン・アヴィル(出)ウォーレス・ビアリー、ジャッキー・クーパー
「街の風景」(監)キング・ヴィダー(原)(脚)エルマー・ライス(撮)グレッグ・トーランド、ジョージ・バーンズ(出)シルヴィア・シドニー、ウィリアム・コリアー・Jr
1932年
ヴェネチア国際映画祭始まる
世界恐慌の影響により、興行収入のダウンが始まる
<映画技術の進歩>
(1)「音楽」、「声」、「効果音」を録音トラックに別々に録音することが可能になる
(2)「リア・プロジェクション」(背景に白いスクリーンを立て、裏側から風景を映写する映像合成)
(3)「ワイプ」(フィルムの一部を空白にし、他の映像を差し挟むマット加工)
「グランド・ホテル」(監)エドモンド・グ−ルディング(出)グレタ・ガルボ、ジョン・バリモア、ジョーン・クロフォード
(グランド・ホテル形式といわれる映画の元になったオールスター作品、アカデミー作品賞
「フリークス」(監)(製)トッド・ブラウニング(出)ウォーレス・フォード、オルガ・ヴァクラノヴァ
(実際の障害者を使い、障害者を使ったサーカスを舞台に恐るべき復讐劇を描いたカルトなサスペンス映画)
「巴里祭」(監)(原)(脚)ルネ・クレール(撮)ジョルジュ・ベリナール(出)アナベラ、ジョルジュ・リゴー
「にんじん」(監)(脚)ジュリアン・デュビビエ(原)ジュール・ルナール(出)ロベール・リナン
「アルセーヌ・ルパン」〈監)ジャック・コンウェイ(製)サミュエル・ゴールドウィン(出)ライオネル・バリモア、ジョン・バリモア
「暗黒街の顔役」(監)ハワード・ホークス(製)ハワード・ヒューズ(クレジットなし)(出)ポール・ムニ、ジョージ・ラフト
「素晴らしき放浪者」(監)(脚)ジャン・ルノワール(出)ミシェル・シモン、シャルル・グランバル
「今晩は愛して頂戴ナ」(監)ルーベン・マムーリアン(原)レオポルド・マルシャンほか(脚)サミュエル・ホッフェンシュタインほか(出)モーリス・シュバリエ
「北海の漁火」(監)ウィリアム・ワイラー(脚)デール・V・エバリー(撮)チャールス・スチマー(出)ウォルター・ヒューストン、ケント・ダグラス
「歓呼の涯」(監)スティーブン・ロバーツ(原)(脚)ウィリアム・S・マクナットほか(撮)ハリー・フィッシュベック(出)ジョージ・バンクロフト、ウィン・ギブスン
「私の殺した男」(監)エルンスト・ルビッチ(原)モーリス・ロスタンほか(脚)サムソン・ラフェルソン(撮)ヴィクター・ミルナー(出)ライオネル・バリモア
「母」(監)ウィリアム・A・ウェルマン(原)エドナー・ファーバー(脚)J・アレキサンダー(撮)シッド・ヒコックス(出)バーバラ・スタンウィック、ジョージ・ブレント
「バッド・ガール」(監)フランク・ボーゼージ(出)サニー・アイラース(アカデミー監督賞
ジキル博士とハイド氏(監)ルーベン・マムーリアン(出)フレデリック・マーチ(アカデミー主演男優賞
「マデロンの悲劇」(監)エドガー・セルウィン(出)ヘレン・ヘインズ(アカデミー主演女優賞
「シナラ」(監)キング・ヴィダー(原)ロバート・G・ブラウンほか(脚)フランシス・マリオン(撮)レイ・ジューン(出)ロナルド・コールマン、ケイ・フランシス
「仮面の米国」(監)マーヴィン・ルロイ(原)R・E・バーンズ(出)ポール・ムニ、グレンダ・ファレル
「戦場よさらば」(監)フランク・ボーセージ(原)アーネスト・ヘミングウェイ(撮)チャールズ・ラング(出)ヘレン・ヘイス、ゲイリー・クーパー
「極楽特急」(監)エルンスト・ルビッチ(原)ラズロ・アフダール(脚)グローヴァー・ジョーンズほか(撮)ヴィクター・ミルナー(出)ミリアム・ホプキンス、ケイ・フランシス
「類猿人ターザン」(監)W・S・ヴァンダイク2世(原)エドガー・ライス・バローズ(出)ジョニー・ワイズミューラー
1933年
ミュージカル映画の黄金時代
「南風」(監)キング・ヴィダー(脚)ブラウン・ホームス、フィル・ストング(撮)ウィリアム・ダニエルス(出)ライオネル・バリモア、ミリアム・ホプキンス
「家なき少年群」(監)ウィリアム・ウェルマン(原)ダニエル・エーハン(脚)アール・ボールドウィン(出)フランキー・ダーロ、ドロシー・クーナン
「ドン・キホーテ」(監)G・W・バプスト(原)セルバンテス(脚)ポール・モーランほか(撮)ニコラス・ヴァルカス(出)フェオドール・シャリピアン、ドルヴィル
「或る日曜日の午後」(監)スティーブン・ロバーツ(原)ジェームズ・ヘイガン(撮)ヴィクター・ミルナー(出)ゲイリー・クーパー、フランセス・フラー
「生活の設計」(監)エルンスト・ルビッチ(原)ノエル・カワード(脚)ベン・ヘクト(撮)ビクター・ミルナー(出)フレデリック・マーチ、ゲイリー・クーパー
「外人部隊」(監)(脚)ジャック・フェデー(脚)シャルル・スパーク(撮)ハンス・アイラース(出)マリー・ベル、ピエール・リシャール・エルム
「未完成交響楽」(監)(脚)ウィリー・フォルスト(原)ワルター・ライシュ(撮)フランツ・プラナー(出)ハンス・ヤーライ、マルタ・エッゲルト
「カヴァルケード」(監)フランク・ロイド(原)ノエル・カワード(出)ダイアナ・ウィンヤード(アカデミー作品、監督賞
「クリスチナ女王」〈監)ルーベン・マムーリアン(原)(脚)サルカ・ヴィアテル〈出)グレタ・ガルボ、ジョン・ギルバート
「勝利の朝」(監)ローウェル・シャーマン(出)キャサリン・ヘップバーン(アカデミー主演女優賞
「上から下まで」(監)G・W・パプスト(原)ラディスラス・P・フェケテ(脚)アンナ・グマイケル(撮)オイゲン・シュフタン(出)ジャン・ギャバン、ミシェル・シモン
「若草物語」(監)ジョージ・キューカー(原)ルイザ・メイ・オルコット(出)キャサリン・ヘップバーン、ジョーン・ベネット
「ジャン・バルジャン」(監)レーモン・ベルナール(原)ヴィクトル・ユゴー(脚)アンドレ・ラング、レーモン・ベルナール(撮)J・クリュージュほか(出)アリ・ボール、ジャルル・ヴァネル
「新学期操行ゼロ」(監)ジャン・ヴィゴ(撮)ボリス・カウフマン
「我輩はカモである」(監)レオ・マッケリー(脚)バート・カルマー、ハリー・ルビー(出)マルクス兄弟
「キングコング」(監)メリアン・C・クーパーアーネスト・B・シュードワッツ(製)デヴィッド・O・セルズニク(出)フェイ・レイ
1934年
アメリカで映画に対する検閲制度スタート(1968年まで続く)
アメリカ映画製作者配給者協会が自主的に作った映画製作倫理規定「ヘイズ・コード」、ハリウッドの健全映画時代が始まる
11の禁止事項(Dont's)と25の注意事項(Be Carefuls)からなる
例えば、
(1)アフリカ系アメリカ人と白人の恋愛を描くことはNG。
(2)たとえ夫婦でも同じベッドに入っている場面を撮るのはNG。
(3)実在の犯罪者の伝記は悪役として描いたとしてもNG。
(4)犯罪についてその手口を詳細に描くことは模倣される可能性がありNG。
「ギャング映画」におけるギャングの英雄はNGとなり、刑事が主役になる
エロスや暴力を排除したお洒落なセリフによるラブ・コメ「スクリューボール・コメディ」の時代「或る夜の出来事」はその代表作
その代表的作品が「コンチネンタル」(主)フレッド・アステア&ジンジャー・ロジャース、「歓呼の嵐」(主)シャーリー・テンプル
ソ連において共産党による「社会主義リアリズム」路線への変更が実施される
スターリニズムが映画界にも浸透し、実験性、挑発性、批判性が取り除かれ、教条主義的な作品が増えてゆきます。
ここからソ連映画は西欧で見られなくなるとともに、その魅了を失ってゆきます
ドイツで映画法が施行される(ナチスによって映画がプロパガンダに利用され始める)
「自分は信じているが、一国の首班たる宰相と文相とが、就任一年において、ほとんど全部の映画を見たといういうるような国は世界中に他にないであろう。」
ゲッペルス
「或る夜の出来事」(監)フランク・キャプラ(主)クラーク・ゲイブル、クローデット・コルベール
アカデミー作品、監督、主演男優、主演女優各賞
「意思の勝利」(監)レニ・リーフェンシュタール(ドイツ、ニュールンベルグ党大会のドキュメント、ヴェネチア映画祭最高賞
「商船テナシチー」(監)(脚)ジュリアン・デュビビエ(脚)シャルル・ヴィルドラック(出)マリー・グローリー、アルベール・プレジャン
「ミモザ館」(監)(原)(脚)ジャック・フェデー(脚)シャルル・スパーク(撮)ロジェ・ユベール(出)フランソワーズ・ロゼ、ポール・ベルナール
「白き処女地」(監)(脚)ジュリアン・デュビビエ(原)ルイ・エモン(脚)ガブリエル・ポアシー(撮)ジュール・クリュージェ(出)マドレーヌ・ルノー、ジャン・ギャバン
「クレオパトラ」(監)セシル・B・デミル(脚)バートレット・コーマック(出)クローデット・コルベール、ウォーレン・ウィリアムズ
「ムーランルージュ」(監)シドニー・ランフィールド(製)ダリル・F・ザナック(出)コンスタンス・ベネット、フランチョット・トーン
「クカラチャ」(原)ロイド・コリガン(脚)レイ・レナハン(出)ステッフ・デューナ、ドン・アルヴァラード
「痴人の愛」(監)ジョン・クロムウェル(原)サマセット・モーム〈出)ベティ・デイヴィス、レスリー・ハワード
「最後の億万長者」(監)(原)(脚)ルネ・クレール(撮)ルドルフ・マテ、ルイ・ネ(出)マックス・デアリー、ルネ・サン・シール
「ロスチャイルド」(監)アルフレッド・ワーカー(原)ジョージ・H・ウェストリー(脚)ナナリー・ジョンソン(撮)ペヴァル・マーレー(出)ジョージ・アーリス、ロレッタ・ヤング
「メリィ・ウィドウ」(監)エルンスト・ルビッチ(原)ヴィクター・レオン、レオ・ステイン(撮)オリバー・T・マーシュ(出)モーリス・シュバリエ、ジャネット・マクドナルド
「別れの曲」(監)ゲザ・フォン・ボルヴァリー(脚)エルンスト・マリシュカほか(撮)ウェルナー・ブランデス(出)ジャン・セルヴィエ、ハジャニーヌ・クリスパン
「アラン」(監)(撮)ロバート・フラハティ(出)コルマン・キング、マジー・ディレーン(「ナヌーク」の監督で「記録映画の父」と呼ばれたフラハティの代表作)
「情熱なき犯罪」(監)(原)(脚)ベン・ヘクト、チャールズ・マッカーサー(撮)リー・ガームス(出)クロード・レインズ、マーゴ・ウィットニー・バーン
「ドン・ファン」(監)アレキサンダー・コルダ(原)アンリ・バタイユ(脚)フレデリック・ロンスデールほか(撮)ジョルジュ・ペリナール(出)ダグラス・フェアバンクス、マール・オベロン
「モンブランの王者」(監)アーノルト・ファンク(山岳映画の傑作)

「浮草物語」(監)小津安二郎(出)坂本武、飯田蝶子
「隣の八重ちゃん」(監)(原)(脚)島津保次郎(出)大日方伝、岡田嘉子
「生きとし生けるもの」(監)五所平之助(出)大日方伝、菅原英雄、川崎弘子
「一本刀土俵入」(監)(脚)衣笠貞之助(出)林長二郎、岡田嘉子
「武道大鑑」(監)(脚)伊丹万作(出)片岡知恵蔵、山田五十鈴
1935年
「虚栄の市」(監)ルウベン・マムーリアン(テクニカラー初の長編色彩映画が大阪松竹座で封切りとなる)
アカデミー主題歌賞誕生し、フレッド・アステア&ジンジャー・ロジャースの「コンチンンタル」が受賞(映画「陽気な離婚」より)
モスクワ国際映画祭始まる(審査員はエイゼンシュタイン、ドヴシェンコ、プドフキンなど)
「男の敵」(監)ジョン・フォード(原)ライアム・オフラーティ(脚)ダドリー・ニコルス(撮)ジョセフ・オーガスト(出)ヴィクター・マクラグレン、ヘザー・エンジェル
アカデミー監督賞、主演男優賞
「生きているモレア」(監)(原)(脚)ベン・ヘクト、チャールズ・マッカーサー(撮)リー・ガームス(出)ノエル・カワード、ジュリー・ヘイドン
「幽霊西へ行く」(監)ルネ・クレール(原)エリック・コーン(脚)ロバート・シャーウッド、ジョフリー・カー(撮)ハロルド・ロッソン(出)ロバート・ドーナット、ジーン・パーカー
「南海征服(戦艦バウンティ号の叛乱)」(監)フランク・ロイド(出)チャールズ・ロートン、クラーク・ゲイブル(アカデミー作品賞
「青春の抗議」(監)アルフレッド・E・グリーン(出)ベティ・デイビス(アカデミー主演女優賞
「地の果てを行く」(監)(脚)ジュリアン・デュビビエ(原)ピエール・マッカラン(脚)シャルル・スパーク(撮)ジュール・クリュージュ、マルク・フォサール(出)ジャン・ギャバン、アナベラ
「罪と罰」(監)(脚)ピエール・シュナール(原)ドストエフスキー(脚)クリスチャン・スタンジュールほか(撮)マンドヴィレ・コラ(出)ピエール・ブランシャール、アリ・ボール
「人生は四十二から」(監)レオン・マッケリー(原)ハリー・レオン・ウィルソンほか(脚)ウォルター・デレオン他(撮)アルフレッド・ギルクス(出)チャールズ・ロートン、メリー・ポーランド
「女だけの都」(監)ジャック・フェデー(原)(脚)シャルル・スパーク(撮)ハリー・ストラドリング(出)フランソワ・ロゼ、アンドレ・アルレム
「ブエノスアイレスの灯」(出)カルロス・ガルデル
「乙女よ嘆くな」〈監)ジョージ・スティーブンス(音)マックス・スタイナー〈出)キャサリン・ヘップバーン、ハティ・マクダニエル
「おもかげ」(監)カルミネ・ガローネ(ヴェネチア映画祭最高賞
「トニ」(日本未公開)(監)(脚)ジャン・ルノワール(出)シャルル・ブラヴェット、セリア・モンタルヴァン
「巨人ゴーレム」(監)ジュリアン・デュヴィヴィエ(原)ヴォーコヴェク・ウェリク(脚)アンドレ・P・アントワーヌ(出)アリ・ポール、ジェルメーヌ・オーセエ

松竹系の楽士、弁士が全廃される(サイレント映画時代の終焉)
「妻よ薔薇のやうに」(監)(脚)成瀬巳喜男(出)丸山定夫、千葉早智子
「街の入墨者」(監)(脚)山中貞夫(出)河原崎長十郎、深水藤子
「雪之丞変化」(監)衣笠貞之助(脚)伊藤大輔(出)林長二郎、千早晶子
「国定忠次」(監)(原)山中貞夫(出)大河内伝次郎、高津愛子
「お琴と佐助」(監)(脚)島津保次郎(出)田中絹代、高田浩吉
「忠次売り出す」(監)(脚)(原)伊丹万作
1936年
「有頂天時代」〈監)ジョージ・スティーブンス(原)アーウィン・ゲルシー〈出)フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース
「巨星ジーグフェルド」(監)ロバート・Z・レナード(出)ルイーゼ・ライナー(アカデミー作品賞、主演女優賞
「オペラ・ハット」(監)フランク・キャプラ(脚)ロバート・リスキン(撮)ジョセフ・ウォーカー(出)デーリー・クーパー、ジーン・アーサー(アカデミー監督賞
「科学者の道」(監)ウィリアム・ディターレ(原)(脚)シェルダン・ギブニー(出)ポール・ムニ(アカデミー主演男優賞)、ジョセフィン・ハッチンソン
「大自然の凱歌」(監)ウィリアム・ワイラー、ハワード・ホークス(出)エドワード・アーノルド、ウォルター・ブレナン(アカデミー助演男優賞
「風雲児アドヴァース」(監)マーヴィン・ルロイ(出)フレデリック・マーチ、ゲイル・ソンダガードアカデミー助演女優賞
「我等の仲間」(監)ジュリアン・デュビビエ(原)(脚)シャルル・スパーク(撮)ジュール・クルージュ(出)ジャン・ギャバン、シャルル・バネル
「モダン・タイムス」(監)(脚)(音)(出)チャーリー・チャップリン(撮)ロリー・トゼロー、アイラ・モーガン(出)ポーレット・ゴダード
「リビア白騎隊」(監)アウグスト・ジェニーナ(ヴェネチア映画祭最高賞
「どん底」(監)(脚)ジャン・ルノワール(原)ゴーリキー(脚)シャルル・スパーク(撮)F・ブルガース、ジャック・メルカントン(出)ジャン・ギャバン、ルイ・ジューヴァ
「孔雀夫人」(監)ウィリアム・ワイラー(原)シンクレア・ルイス(脚)シドニー・ハワード(撮)ルドルフ・マテ(出)ウォルター・ヒューストン、ルース・チャタートン
「禁男の家」(監)(原)(脚)ジャック・ドゥヴァル(撮)ジュール・クリュージェ(出)ダニエル・ダリュー、ベティ・ストックフェルド
「激怒」(監)(脚)フリッツ・ラング(原)ノーマン・クラスナ(脚)バートレット・コーマック(撮)ジョセフ・レッテンバーグ(出)シルヴィア・シドニー、スペンサー・トレイシー
「ジェニイの家」(監)マルセル・カルネ(原)ピエール・ロシェ(脚)ジャック・プレヴェール、ジャック・コンスタン(出)ジョセフ・コスマ、リオネル・カゾー
「新婚道中記」(監)レオ・マッケリー(原)アーサー・リッチマン(脚)ヴィナ・デルマー(撮)ジョセフ・ウォーカー(出)アイリーン・ダン、ケイリー・グラント
「早春」(監)(脚)ラインホルト・シュンツェル(原)(脚)エファ・ライトマン(撮)ロベルト・バヴェレスケ(出)リル・ダゴファー、ザビーネ・ペータース
「美しき青春」(監)(脚)ジャン・ブノア・レヴィ、マリー・エプスタン(原)ヴィッキ・バウム(撮)レオンス・ビューレ(出)マドレーヌ・ルノー、コンスタン・レミー
「とらんぷ譚」(監)(原)(脚)サッシャ・ギトリ(撮)マルセル・リュシアン(出)サッシャ・ギトリ、セルジュ・グラーヴ

「祇園の姉妹」(監)(原)溝口健二(出)山田五十鈴、梅村容子
「人生劇場 青春篇」(監)内田吐夢(原)尾崎士郎(出)山本嘉一、小杉勇
「一人息子」(監)小津安二郎(出)飯田蝶子、日守新一
「浪速悲歌」(監)溝口健二(出)山田五十鈴、大倉千代子
「兄いもうと」(監)木村荘十二(出)小杉義男、英百合子
1937年
「大いなる幻影」(監)ジャン・ルノワール(出)ジャン・ギャバン、エリッヒ・フォン・シュトロハイム(ヴェネチア映画祭芸術映画賞
初の長編カラーアニメ映画「白雪姫」
「オーケストラの少女」〈監)ヘンリー・コスター(製)ジョージ・パスターナク(原)ハンス・クレーリー(撮)ジョセフ・バレンタイン〈出)ディアナ・ダーヴィン、アドルフ・マンジュー
「シカゴ」(監)ヘンリー・キング(出)アリス・フェイ、タイロン・パワー、アリス・ブラディ(アカデミー助演女優賞
「ステラ・ダラス」〈監)キング・ヴィダー〈脚)サラ・Y・メイソン〈出)バーバラ・スタンウィック、ジョン・ボールズ
「暗黒街の弾痕」(監)フリッツ・ラング(原)(脚)ジーン・タウン、グラハム・ベイカー(撮)レオン・シャムライ(出)シルヴィア・シドニー、ヘンリー・フォンダ
「最後の一兵まで」〈監)〈脚)カール・リッター〈脚)マチュアス・ウィーマン〈出)マチュアス・ウィーマン、ヘインリッヒ・ゲオルク
「明日は来らず」(監)レオ・マッケリー(原)ジョゼフィン・ローレンスほか(脚)ヴィニー・デルマー(撮)ウィリアム・メラー(出)ヴィクター・ムーア、ビューラ・ボンディ
「舞踏会の手帖」(監)(脚)ジュリアン・デュヴィヴィエ(脚)アンリ・ジャンソンほか(撮)ミシェル・ケルベほか(出)マリー・ベル、フランソワーズ・ロゼー
ヴェネチア映画祭最優秀外国映画賞
「椿姫」(監)ジョージ・キューカー(原)アレクサンドラ・デュマ・フィス〈出)グレタ・ガルボ、ロバート・テイラー、ライオネル・バリモア
「新婚道中記」(監)レオ・マッケリー(出)アイリーン・ダン、ケイリー・グラント(アカデミー監督賞
「ゾラの生涯」(監)ウィリアム・ディターレ(出)ポール・ムニ、ジョゼフ・シルドクラウト(アカデミー作品賞、助演男優賞
「大地」(監)シドニー・フランクリン(原)パール・バック(脚)タルボット・ジェニングスほか(出)ポール・ムニ、ルイーゼ・ライナー(アカデミー主演女優賞
「我は海の子」(監)ヴィクター・フレミング(出)スペンサー・トレイシー(アカデミー主演男優賞
「スタア誕生」(監)(原)ウィリアム・A・ウェルマン(脚)ドロシー・パーカー(撮)W・ハワード・グリーンほか(出)ジャネット・ゲイナー、フレデリック・マーチ
「赤ちゃん」(監)レオニード・モギー(原)ジョン・ギットン(脚)ダニエル・マヤほか(撮)ミシェル・ケルベほか(出)ルシアン・バルー、ガブリエル・ドルジア
「鎧なき騎士」(監)ジャック・フェデー(原)ジェームズ・ヒルトン(脚)フランシス・マリオン(撮)アンリ・ストラドリング(出)マレーネ・ディートリッヒ、ロバート・ドーナット
「新天地」(監)フランク・ロイド(原)スチュアート・N・レイク(脚)ポール・スコフィールドほか(撮)セオドール・スパークル(出)ジョエル・マックリー、フランシス・デイ
「望郷 ペペル・モコ」(監)(脚)ジュリアン・デュヴィヴィエ(原)(脚)アシェルベ(撮)J・クリュージェ、マルク・フォッサール(出)ジャン・ギャバン、ミレーユ・バラン
「ブルグ劇場」(監)(原)(脚)ヴィリ・フォレスト(脚)(原)ヨッヘン・フート(撮)テオドル・パーレ(出)ウェルナー・クラウス、ウィリ・アイヒベルガー
「デッド・エンド」(監)ウィリアム・ワイラー(原)シドニー・クングスレイ(脚)リリアン・ヘルマン(撮)グレッグ・トーランド(出)シルヴィア・シドニー、ジョエル・マクリー
「人生の馬鹿」(監)カール・フレーリッヒ(脚)エルヴィン・ヘス(撮)フランツ・プラナー(出)パウラ・ヴェセリー、ルドルフ・フォスター
「白雪姫」ディズニー初の長編アニメ

「限りなき前進」(監)内田吐夢(原)小津安二郎(出)小杉勇、滝花久子
「風の中の子供」(監)(脚)清水宏(原)坪田譲治(出)川村惣吉、吉川満子
「人情紙風船(監)山中貞雄(原)(脚)三村伸太郎(出)中村翫右衛門、河原崎長十郎
1938年
「民族の祭典 オリンピア第一部」
(監)レニ・リーフェンシュタール〈撮)ハンス・エルトル、ワルター・フレンツ他(ベルリン・オリンピックの記録映画でありドキュメンタリー映画の歴史的古典:ヴェネチア映画祭最高賞
「美の祭典 オリンピア第二部」(監)レニ・リーフェンシュタール〈撮)ハンス・エルトル、ワルター・フレンツ他
「我が家の楽園」(監)フランク・キャプラ(原)モス・ハート、ジョージカウフマン(脚)ロバート・リスキン(出)ジェームス・スチュアート(アカデミー作品賞、監督賞
「少年の町」(監)ノーマン・タウログ(出)スペンサー・トレイシー(アカデミー主演男優賞
「黒蘭の女」(監)ウィリアム・ワイラー(出)ヘンリー・フォンダ、ベティ・デイヴィス、フェイ・バインター(アカデミー主演女優、助演女優賞
「踊るアメリカ艦隊」〈監)ロイ・デル・ルース(音)コール・ポーター、アルフレッド・ニューマン〈出)エリノア・パウエル、ジェームズ・スチュアート
「格子なき牢獄」(監)レオニード・モギー(原)ギナ・カウスほか(脚)ハンス・ウィルヘルムほか(撮)クリスチャン・マトラほか(出)コリンヌ・リシェール、アニー・デュコー
「素晴しき休日」(監)ジョージ・キューカー(原)フィリップ・バリー(脚)ドナルド・O・スチュアート(撮)フランツ・プラナー(出)ケイリー・グラント、キャサリン・ヘップバーン
「ロビンフッドの冒険」〈監)マイケル・カーティス、ウィリアム・キーリー(出)エロール・フリン、オリヴィア・デ・ハビランド、クロード・レインズ
「翼の人々」(監)ウィリアム・A・ウェルマン(原)(脚)ロバート・カーソン(撮)W・ハワード・グリーン(出)フレッド・マクマレイ、レイ・ミランド

「愛染かつら」(監)野村浩将(撮)高橋通夫(万城目正の音楽とともに大ヒット)
「五人の斥候兵」(監)田坂具隆(原)高重屋四郎(出)小杉勇、見明凡太郎(ヴェネチア映画祭入賞
「路傍の石」(監)田坂具隆(原)山本有三(出)小杉勇、片山明彦
「母と子」(監)渋谷実(出)田中絹代、吉川満子
「ああ故郷」(監)溝口健二(原)小出秀男(出)河津清三郎、山路ふみ子
山中貞雄が中国で戦病死、遺作は「人情紙風船」
岡田嘉子と杉本良吉がソ連に亡命(杉本はスパイ容疑で銃殺される)
1939年
ハリウッド映画の公開作品数、興行収入がピークに達する(ハリウッド黄金時代の頂点ともいえる年、「風と共に去りぬ」はその象徴的作品)
「風と共に去りぬ」
(監)ヴィクター・フレミング(出)ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲイブル、レスリー・ハワード
アカデミー作品賞、監督賞、主演女優賞さらに黒人初のアカデミー賞(助演女優賞)をハティ・マクダニエルが受賞)
長編アニメ映画「ガリバー旅行記」(監)マックス&デイヴ・フライシャー
「オズの魔法使い」(監)ヴィクター・フレミング(出)ジュディ・ガーランド
「グッドバイ・ミスター・チップス」(出)ロバート・ドーナット(アカデミー主演男優賞
「ゲームの規則」〈監)〈脚)ジャン・ルノワール(出)マルセル・ダリオ、ジャン・ルノワール
「コンドル」〈監)〈原)ハワード・ホークス(脚)ジュールス・ファースマン(出)ケイリー・グラント、ジーン・アーサー
「駅馬車」(監)ジョン・フォード(出)ジョン・ウェイン(トーマス・ミッチェルがアカデミー助演男優賞
「大平原」〈監)(製)セシル・B・デミル〈出)バーバラ・スタンウィック、ジョエル・マクリー
「旅路の果て」〈監)〈脚)ジュリアン・デュヴィヴィエ〈脚)シャルル・スパーク〈出)ヴィクトル・フランサン、ルイ・ジューヴォ
「スタンレー探検記」〈監)ヘンリー・キング〈原)ハル・ロング、サム・ヘルマン(脚)フィリップ・ダンほか〈出)スペンサー・トレーシー
「スミス都へ行く」〈監)〈製)フランク・キャプラ(出)ジェームズ・スチュアート、ジーン・アーサー、クロード・レインズ
「ニノチカ」〈監)〈製)エルンスト・ルビッチ(脚)ビリー・ワイルダー〈出)グレタ・ガルボ、メルヴィン・ダグラス
「陽は昇る」〈監)マルセル・カルネ〈脚)ジャク・ヴィオ〈出)ジャン・ギャバン、ジャクリーヌ・ローラン
「彼奴は顔役だ!」〈監)ラオール・ウォルシュ(原)マーク・ヘリンジャー〈出)ジェームズ・キャグニー、ハンフリー・ボガート
「ゴールデン・ボーイ」〈監)ルーベン・マムーリアン(原)クリフォード・オデッツ(脚)セイラ・メイソンほか(出)バーバラ・スタンウィック、アドルフ・マンジュー、ウイリアム・ホールデン
「カッスル夫妻」(監)ヘンリー・C・ポッター(原)アイリーン・キャッスル(脚)リチャード・シャーマン(撮)ロバート・ダグラス(出)フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャース
「幻の馬車」(監)(脚)ジュリアン・デュヴィヴィエ(原)セルマ・ラゲルレフ(撮)ジュール・クリュージュ(出)ピエール・フレネ、マリー・ベル

「土」(監)内田吐夢(原)長塚節(出)小杉勇、風見章子
「残菊物語」(監)溝口健二(脚)依田義賢(出)花柳章太郎、高田浩吉
「土と兵隊」(監)田坂具隆(原)火野葦平(出)小杉勇、井染四郎
「兄とその妹」(監)(原)(脚)島津保次郎(出)佐分利信、三宅邦子
1940年
「独裁者」(監)(脚)(主)チャーリー・チャップリン
ヒッチコック、ジャン・ルノワールなど、ヨーロッパの巨匠たちの多くが戦火を逃れてアメリカへ移住(監督以外にも多くの人材がハリウッドに渡ることになりました)
「怒りの葡萄」(監)ジョン・フォード(原)ジョン・スタインベック(主)ヘンリー・フォンダ、(助演)ジューン・ダーウェル(アカデミー監督賞、助演女優賞))
「エイブ・リンカーン」(監)ジョン・クロムウェル(原)(脚)ロバート・シャーウッド(撮)ジェームス・ウォング・ホー(出)レイモンド・マッセイ、ジーン・ロックハート
「海外特派員」〈監)アルフレッド・ヒッチコック(脚)チャールズ・ベネット、ジョーン・ハリソン〈出)ジョエル・マクリー、ラレイン・デイ
「西部の男」(監)ウィリアム・ワイラー(主)ゲイリー・クーパー(助)ウォルター・ブレナン(アカデミー助演男優賞
「バグダッドの盗賊」〈監)ルドウィッヒ・ベルガー、マイケル・パウエル他〈出)サブー、コンライト・ファイト
「フィラデルフィア物語」(監)ジョージ・キューカー(主)ジェームス・スチュアート(アカデミー主演男優賞
「レベッカ」(監)アルフレッド・ヒッチコックアカデミー作品賞
「恋愛手帖」(監)サム・ウッド(主女)ジンジャー・ロジャース(アカデミー主演女優賞
「我等の町」〈監)サム・ウッド(原)ソーントン・ワイルダー〈出)ウィリアム・ホールデン、マーサ・スコット
「幽霊紐育を歩く」(監)アレキサンダー・ホール(原)ハリー・シーガル(脚)シートン・ミラー(出)ロバート・モンゴメリー、クロード・レインズ
「ピノキオ」〈アニメ版)〈監)ベン・シャープスティーン、ハミルトン・ラスケ

「小島の春」〈監)豊田四郎(脚)八木保太郎〈出)夏川静江、菅井一郎、杉村春子
「支那の夜」(監)伏見修(出)李香蘭(大ヒットとなる)
「西住戦車長伝」(監)吉村公三郎(原)菊池寛〈出)佐分利信、上原謙
「風の又三郎」〈監)嶋耕二(原)宮沢賢治(出)片山明彦、大泉晃
「浪花女」〈監)〈原)溝口健二〈脚)佐田義賢(出)阪東好太郎、高田浩吉
1941年
「市民ケーン」(監)(出)オーソン・ウェルズ
「マルタの鷹」(監)ジョン・ヒューストン(原)ダシール・ハメット(出)ハンフリー・ボガート(この作品のヒットからフィルム・ノワールのブームが始まります)
「偽りの花園」〈監)ウィリアム・ワイラー〈原)(脚)リリアン・ヘルマン〈出)ベティ・デイヴィス、テレサ・ライト
「ジキル博士とハイド氏」〈監)ヴィクター・フレミング(原)ロバート・スティーブンソン(出)スペンサー・トレイシー、イングリッド・バーグマン
「わが谷は緑りなりき」(監)ジョン・フォード(出)ジョン・ウェイン、ドナルド・クリスプ(アカデミー作品、監督、助演男優賞
「ヨーク軍曹」(監)ハワード・ホークス(出)ゲイリー・クーパー(アカデミー主演男優賞
「断崖」(監)アルフレッド・ヒッチコック(出)ジョーン・フォンティン、ケーリー・グラント(アカデミー主演女優賞
「偉大な嘘」(監)エドマンド・グールディング(出)ジョージ・ブレント、メアリー・アスター(アカデミー助演女優賞
「幽霊紐育を歩く」(監)アレクサンダー・ホール(原)ハリー・シーガル(出)ロバート・モンゴメリー、クロード・レインズ
「ダンボ」〈アニメ版)〈監)ベン・シャープスティーン

「戸田家の兄妹」〈監)小津安二郎(原)〈脚)池田忠雄〈出)藤野秀夫、葛城文子
「馬」〈監)〈脚)山本嘉次郎〈出)藤原鶏太、竹久千恵子
「みかえりの塔」〈監)〈脚)清水宏(出)笠智衆、日守新一
敵性国家の映画上映禁止となる
1942年
「カサブランカ」
(監)マイケル・カーティス(出)ハンフリー・ボガート、イングリッド・バーグマン、クロード・レインズ(
アカデミー作品賞、監督賞
ハリウッドの映画界が戦時体制に入り、戦意高揚のための映画を撮り始める
「悪魔が夜来る」〈監)マルセル・カルネ(脚)ジャック・プレヴェール、ピエール・ラローシュ(出)アルレッティ、マリーデア
「運命の饗宴」(監)ジュリアン・デュヴィヴィエ(脚)ドナルド・オグデン・スチュアート(撮)ジョセフ・ウォーカー(出)シャルル・ボワイエ、リタ・ヘイワース
「疑惑の影」(監)アルフレッド・ヒッチコック(原)ゴードン・マクドネル(脚)ソーントン・ワイルダーほか(撮)ジョセフ・バレンタイン(出)テレサ・ライト、ジョセフ・コットン
「雲の中の散歩」(監)アレッサンドロ・ブラゼッティ(音)アレッサンドロ・チコニーニ(出)ジーノ・チェルヴィ、アドリーナ・ベネッティ
「心の旅路」(監)マーヴィン・ルロイ(製)シドニー・フランクリン(出)ロナルド・コールマン、グリア・ガーソン
「逃走迷路」(監)アルフレッド・ヒッチコック(脚)ピーター・ヴィアテル他(出)ロバート・カミングス、プリシラ・レイン
「ミニヴァー夫人」(監)ウィリアム・ワイラー(主女)グリア・ガーソン(助女)テレサ・ライト
アカデミー作品賞、監督賞、主演女優賞、助演女優賞
「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディー」(監)マイケル・カーティス(主男)ジェームス・キャグニー(アカデミー主演男優賞
「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(監)(脚)ルキノ・ヴィスコンティ(出)マッシモ・ジロッティ、クララ・カラマーイ
「Joohooy Yeager」(ヴァン・へフリンがアカデミー助演男優賞
「打撃王」(監)サム・ウッド(主演)ゲーリー・クーパー(原)ポール・ギャリコ
「肉体と幻想」(監)ジュリアン・デュヴィヴィエ(原)オスカー・ワイルド(脚)アーネスト・パスカルほか(撮)ポール・エヴァンス(出)シャルル・ボワイエ、バーバラ・スタンウィック
「バンビ」(監)デヴィッド・D・ハンド(ディズニー・アニメの傑作)黒人歌手リナ・ホーンがMGMと契約(黒人として初)

「ハワイ・マレー沖海戦」(監)(脚)山本嘉次郎(特)円谷英二(出)伊藤薫、英百合子
(この映画で用いられた特殊撮影の技術が戦後「ゴジラ」を生み出すことになります)
「父ありき」(監)(脚)小津安二郎(出)笠智衆、佐野周二
「元禄忠臣蔵 後編」(監)溝口健二(原)真山青果(出)市川歌右衛門、山路ふみ子
「独眼流正宗」(監)(脚)稲垣浩(出)片岡千恵蔵、月形龍之介
1943年
第二次世界大戦と戦意高揚映画
「ラインの監視」(監)ハーマン・シュムリン(原)リリアン・ヘルマン(脚)ダシール・ハメット(出)ポール・ルーカス(アカデミー主演男優賞
「オペラの怪人」(監)アーサー・ルービン(原)ガストン・ルルー(出)クロード・レインズ、ネルソン・エディ
「キュリー夫人」(監)マーヴィン・ルロイ(原)イーブ・キュリー(脚)ポール・オズボーン(出)グリア・ガーソン、ウォルター・ピジョン
「聖処女」(監)ヘンリー・ジョーンズ(出)ジェニファー・ジョーンズ(アカデミー主演女優賞
「誰が為に鐘は鳴る」(監)サム・ウッド(出)ゲーリー・クーパー、イングリッド・バーグマン(カティーナ・パクシヌーがアカデミー助演女優賞
「町の人気者」〈監)〈製)クラレンス・ブラウン〈原)ウィリアム・サロイヤン〈出)ミッキー・ルーニー、ドナ・リード
「密告」(監)アンリ=ジョルジュ・クルーゾー(脚)H・G・クルーゾー、L・シャーバンス(出)ピエール・フレネー、ジネット・ルクレール
「肉体と幻想」(監)(製)ジュリアン・デュヴィヴィエ(原)オスカー・ワイルド(出)シャルル・ボワイエ、バーバラ・スタンウィック
「キャビン・イン・ザ・スカイ」「ストーミー・ウェザー」(ハリウッド製オールキャスト黒人による映画)

「姿三四郎」(監)黒澤明(出)藤田進、大河内伝次郎
この年の邦画について
1944年
「王国の鍵」(監)ジョン・M・スタール(製)ジョセフ・L・マンキウィッツ(原)A・J・クローニン(脚)ジョセフ・L・マンキーウィッツ(出)グレゴリー・ペック、トーマス・ミッチェル
「ジェーン・エア」(監)ロバート・スティーブンソン(製)ウィリアム・ゲッツ(出)オーソン・ウェルズ、ジェーン・フォンティン
「深夜の告白」(監)(脚)ビリー・ワイルダー(脚)レイモンド・チャンドラー(出)フレッド・マクマレイ、バーバラ・スタンウィック、エドワード・G・ロビンソン
「我が道を往く」(監)レオ・マッケリー(脚)フランク・バトラー、フランク・キャベット(出)ビング・クロスビー、バリー・フィッツジェラルド(アカデミー作品、監督、主演、助演男優賞
「ガス燈」(監)ジョージ・キューカー(出)シャルル・ボワイエ、イングリッド・バーグマン(アカデミー主演女優賞
「世紀の女王」(監)ジョージ・シドニー(出)エスター・フィリップス(驚きの水中ミュージカル超大作)
「百万人の音楽」(監)ヘンリー・コスター(原)(脚本)マイルス・コノリー(出)マーガレット・オブイエン
「若草の頃」(監)ヴィンセント・ミネリ(製)アーサー・フリード(出)ジュディ・ガーランド、マーガレット・オブライエン

この年の邦画について
1945年
「無防備都市」
(監)ロベルト・ロッセリーニ(原)(脚)セルジオ・アミディ(出)アルド・ファブリッツィ、アンナ・マニャーニ
イタリアでネオ・リアリズモの時代が始まる
「映画は50歳、つまりわたしと同じ年である。人間の尺度では年寄りだが、詩の女神としては若い」
ジャン・コクトー
天井桟敷の人々(監)マルセル・カルネ(脚)ジャック・プレヴェール(出)アルレッティ、ジャン=ルイ・バロー(ドイツ占領下のフランスで作られた歴史的名作)
アメリカでテレビの実用放送始まる(テレビ時代始まる)
「逢びき」(監)デヴィッド・リーン(原)(脚)(製)ノエル・カワード(出)セリア・ジョンソン、トレヴァー・ハワード
「失われた週末」(監)ビリー・ワイルダー(出)レイ・ミランド(アカデミー作品、監督、主演男優賞
「白い恐怖」(監)アルフレッド・ヒッチコック(製)デヴィッド・O・セルズニック(出)グレゴリー・ペック、イングリッド・バーグマン
「第七のベール」(監)コンプトン・ベネット(脚)シドニー・ボックス(出)ジェームス・メイスン、アン・トッド
「鉄路の闘い」(監)(脚)ルネ・クレマン(撮)アンリ・アルカン(出)トニ・ローラン、リュシアン・ドュザニョオ
「ブルックリン横丁」(監)エリア・カザン(出)ペギー・アン・ガーナー、ジェイムズ・ダン(アカデミー助演男優賞
「ヘンリィ五世」〈監)〈製)(出)ローレンス・オリヴィエ(原)ウィリアム・シェイクスピア(出)ロバート・ニュートン
「南部の人」(監)(脚)ジャン・ルノアール(原)ジョージ・セッション・ベリー(出)ザカリー・スコット、ベティ・フィールド
「緑園の天使」(監)クラレンス・ブラウン(出)エリザベス・テーラー、ミッキー・ルーニー、アン・リヴィア(アカデミー助演女優賞
「らせん階段」(監)ロバート・シオドマーク(原)エセル・リナ・ホワイト(出)エセル・バリモア、ジョージ・ブレント
「われわれは長い道を歩んできた」(アメリカン・ニグロ史のドキュメンタリー映画)

この年の邦画について

<参考>
「ハリウッド100年史講義」北野圭介(著)
「フランス映画史の誘惑」中条省平(著)
「ワールド・シネマ・ヒストリー」アンドレア・グローネマイヤー著
「キネマ旬報ベスト・テン80回全史」青木真弥(編)

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