1943年 |
7月 |
米軍主体の連合軍がシチリア島に上陸
イタリアの指導者ベニト・ムッソリーニが逮捕される。 |
9月 |
ドイツ軍が侵攻しムッソリーニを救出。
ドイツ占領下の北部イタリアにファシスト共和国が設立される。
ここからイタリア国内における内戦状態が始まります。 |
1944年 |
3月 |
共産党書記長パルミーロ・トリアッティが帰国
反ファシズム勢力の統一を呼びかけます。 |
6月 |
ボノーミを首相とする国民解放委員会による新政権誕生 |
7月 |
「サン・ミニアート村虐殺事件」
パオロ&ヴィットリオ・タビアーニ監督の映画「サン・ロレンツォの夜」で描かれます。 |
11月 |
イタリアが誇るローマの映画スタジオ、チネチッタが再開 |
12月 |
グリェルモ・ジャンニーニ編集の週刊誌「凡人」創刊
(反左翼運動の拡大を支持する雑誌) |
1945年 |
4月 |
北部イタリア国民解放委員会による一斉蜂起により全土が解放。 |
6月 |
フルッチョ・パッリ(行動党)臨時政権成立 |
12月 |
アルチーデ・デ・ガスペリ(キリスト教民主党)政権誕生 |
「無防備都市」
(監)ロベルト・ロッセリーニ(出)アルド・ファブリッツィ、アンナ・マニャーニ
(まだ瓦礫の街で撮影された映画史に残る傑作) |
1946年 |
6月 |
国民投票により共和制支持派の勝利 |
7月 |
第2次アルチーデ・デ・ガスペリ政権組閣
キリスト教民主党、プロレタリア統一社会党、共産党、共和党が参加。
<議会選挙の結果>
キリスト教民主党35%、プロレタリア統一社会党21%、共産党19%、その他25%
左派と右派が妥協した統一政権
パリ講和会議開始。(イタリアは戦勝国とは認められず) |
「自転車泥棒」
(監)ビットリオ・デ・シーカ(出)ランベルト・マジョラーニ、エンゾ・スタヨーラ |
「戦火のかなた」
(監)ロベルト・ロッセリーニ(出)マリア・ミーキ、ガール・ムア |
「平和に生きる」(監)ルイジ・ザンパ(脚)スーゾ・チェッキ・ダミーコ(音)ニーノ・ロータ |
「靴みがき」(監)ヴィットリオ・デ・シーカ |
1947年 |
5月 |
キリスト教民主党、社共両党が対立し、第3次デ・ガスペリ政権総辞職。
しかし、他にトップに立てる人物がなく第4次デ・ガスペリ政権が誕生。
(キリスト教民主党、自由党など左派を除いた政権) |
「荒野の抱擁」(監)ジュゼッペ・サンティス
「ドイツ零年」(監)ロベルト・ロッセリーニ |
1948年 |
1月 |
共和国憲法施行開始。
共産党と社会党が選挙協定を結ぶ。 |
4月 |
<資本主義VS社会主義>
第一回総選挙実施
共産主義か、資本主義かを選択する選挙となり、激しい戦いとなりました。
結果的には、資本主義陣営の与党中道連合の勝利。
下院574議席中、キリスト教民主党が得票率48.5%で単独過半数305を獲得。
カトリック教徒の力が結集された結果で反共宣伝が成功した結果。
社共両党合同の民主人民戦線は183議席にとどまった。 |
5月 |
イタリア共和国初代大統領に自由党ルイージ・エイナウディが選出される。
第5次デ・ガスペリ政権が誕生。(中道4党による連合政権) |
7月 |
共産党書記長パルミーロ・トリアッティが極右青年に襲撃され重傷を負う。
労働総同盟がゼネスト宣言 |
「にがい米」(監)ジュゼッペ・サンティス(出)シルバーナ・マンガーノ
「揺れる大地」(監)ルキノ・ビスコンティ |
1949年 |
3月 |
北大西洋条約機構NATOへの加盟承認される。 |
10月 |
南部で農地分配を要求する農業労働者の運動が拡大し始めます。 |
「無法者の掟」(監)ピエトロ・ジェルミ |
1950年 |
5月 |
シーラ法公布。
土地改革のため土地を収用するシーラ公社設立。
(農業改革法にしたがって、土地の分割と分配を実施) |
「ストロンボリ」(監)ロベルト・ロッセリーニ
「神の道化師 フランチェスコ」(監)ロベルト・ロッセリーニ
「越境者」(監)ピエトロ・ジェルミ(脚)フェデリコ・フェリーニ
「ある愛の記憶」(監)ミケランジェロ・アントニオーニ(デビュー作) |
1951年 |
3月 |
再軍備法が反対運動が起きる中で、下院議会で可決。 |
「ウンベルトD」(監)ビットリオ・デ・シーカ
「パルチザンに気をつけろ」(監)カルロ・リッツァーニ(デビュー作) |
1952年 |
|
ローマ市議会選挙実施。
右翼とカトリック教徒の同盟を模索したが「ストゥルツ作戦」は失敗。 |
小説「まっぷたつの子爵」(著)イタロ・カルヴィーノ |
「ヨーロッパ1951年」(監)ロベルト・ロッセリーニ 「2ペンスの希望」(監)レナート・カステラーニ |
1953年 |
1月 |
ローマで多数派に2/3議席を与える新選挙法案が提案され、各地で反対運動活発化 |
8月 |
ユーロスラヴィアによるトリエステ占領に対しイタリア軍が派遣される。 |
「ローマの休日」(監)ウィリアム・ワイラー(脚)ダルトン・トランボ
(敗戦国を支援するための資金を使って、イタリア国内で製作された作品の一つ)
「イタリア旅行」(監)ロベルト・ロッセリーニ
「ミラノの奇蹟」(監)ビットリオ・デ・シーカ
「終着駅」(監)ビットリオ・デ・シーカ(出)ジェニファー・ジョーンズ、モンゴメリー・クリフト
(デ・シーカ監督のハリウッド進出作品) |
1954年 |
1月 |
国営テレビRAIが放送開始 |
「道」(監)フェデリコ・フェリーニ(出)ジュリエッタ・マッシーナ、アンソニー・クイン
(アカデミー外国語映画賞)
「夏の嵐」(監)ルキノ・ヴィスコンティ
「ロミオとジュリエット」(監)レナート・カスティラーニ |
1955年 |
4月 |
キリスト教民主党グロンキが左派勢力の支持も得て大統領に選出される。 |
12月 |
国際連合への加盟が承認される。 |
「女ともだち」(監)ミケランジェロ・アントニオーニ
「崖」(監)フェデリコ・フェリーニ
「失われた大陸」ドキュメンタリー(製)レオナルド・ポンツィ、エンリコ・グラース他
(カンヌ映画祭審査員特別賞) |
1956年 |
10月 |
社会党と共産党が統一行動協定を破棄。左派が分裂。 |
「鉄道員」(監)ピエトロ・ジェルミ |
1957年 |
7月 |
フィアット社が新車種500を発表。自動車産業が本格的に発展開始。 |
「カビリアの夜」(監)フェデリコ・フェリーニ
「さすらい」(監)ミケランジェロ・アントニオーニ
「わらの男」(監)(脚)(出)ピエトロ・ジェルミ(脚)アルフレード・ジャンネッティ、L・ベンベヌーティ |
1958年 |
10月 |
ヨハネス23世が新ローマ教皇に選出されバチカンの新体制スタート。 |
「挑戦」(監)フランチェスコ・ロージ(デビュー作) |
1959年 |
「刑事」(監)ピエトロ・ジェルミ
「ロべレ将軍」(監)ロベルト・ロッセリーニ(ベネチア国際映画祭金獅子賞)
「狂った夜」(監)マルロ・ボロニーニ
「戦争」(監)マリオ・モニチェッリ(ベルリン国際映画祭金獅子賞)
「激しい季節」(監)ヴァレリオ・ズルリーニ |
1960年 |
8月 |
第17回ローマ・オリンピック開催 |
「甘い生活」(監)フェデリコ・フェリーニ(カンヌ国際映画祭グランプリ)
「情事」(監)ミケランジェロ・アントニオーニ
「若者のすべて」(監)ルキノ・ヴィスコンティ(出)アラン・ドロン、アニー・ジラルド
「汚れた英雄」(監)カルロ・リッツァーニ
「二人の女」(監)ヴィットリオ・デ・シーカ(出)ジャンポールベルモンド
(ソフィア・ローランがアカデミー主演女優賞、カンヌ国際映画祭主演女優賞)
「ローマで夜だった」(監)ロベルト・ロッセリーニ
「ゼロ地帯」(監)ジッロ・ポンテコルヴォ
「残酷な夜」(監)フロレスターロ・ヴァンチーニ |
1961年 |
1月 |
ミラノで初の中道左派市長が誕生 |
「イタリア式離婚狂想曲」(監)ピエトロ・ジェルミ
「アッカトーネ」(監)ピエロ・パオロ・パゾリーニ(デビュー)
「夜」(監)ミケランジェロ・アントニオーニ |
1962年 |
2月 |
第4次アミントーレ・ファンファーニ政権誕生 |
11月 |
下院で電力国有化法案可決 |
「太陽はひとりぼっち」(監)ミケランジェロ・アントニオーニ
(カンヌ国際映画祭審査員特別賞)
「シシリーの黒い霧」(監)フランチェスコ・ロージ(ベルリン国際映画祭銀熊賞)
「殺し」(監)ベルナルド・ベルトルッチ(デビュー作)
「祖国は誰のものぞ」(監)ナンニ・ロイ
「マンマ・ローマ」(監)ピエロ・パオロ・パゾリーニ
「家族日誌」(監)ヴァレリオ・ズルリーニ(出)マルチェロ・マストロヤンニ
(ヴェネチア国際映画祭金獅子賞) |
1963年 |
12月 |
社会党が参加した初の本格的中道左派政権として第1次モーロ内閣誕生 |
「8 1/2」(監)フェデリコ・フェリーニ(アカデミー外国語映画賞)
「山猫」(監)ルキノ・ヴィスコンティ」(カンヌ国際映画祭グランプリ)
「昨日・今日・明日」(監)ヴィットリオ・デ・シーカ(アカデミー外国語映画賞)
「ヴェローナ裁判」(監)カルロ・リッツァーニ
「明日に生きる」(監)マリオ・モリチェッリ
「ブーベの恋人」(監)ルイジ・コメンチーニ
「都会を動かす手」(監)フランチェスコ・ロージ(ヴェネチア国際映画祭金獅子賞) |
1964年 |
3月 |
インフレ・資本逃避による経済危機発生。
アメリカや国際通貨基金からの緊急融資で乗り切る。 |
10月 |
ミラノ=ナポリ間の高速道路全面開通 |
「荒野の用心棒」(監)セルジオ・レオーネ
「奇跡の丘」(監)ピエロ・パオロ・パゾリーニ
「革命前夜」(監)ヴェルナルド・ヴェルトルッチ
「誘惑されて棄てられて」(監)ピエトロ・ジェルミ(サロ・ウルツイがカンヌ映画祭主演男優賞)
「赤い砂漠」(監)ミケランジェロ・アントニオーニ(ヴェネチア国際映画祭金獅子賞) |
1965年 |
5月 |
大学での教育環境の悪化などへの反発が強まり、グイ文相が大学改革案を発表。 |
「夕陽のガンマン」(監)セルジオ・レオーネ
「続・荒野の用心棒」(監)セルジオ・コルブッチ
「魂のジュリエッタ」(監)フェデリコ・フェリーニ
「熊座の淡き星影」(監)ルキノ・ヴィスコンティ 「蜜がいっぱい」(監)ピエトロ・ジェルミ(カンヌ国際映画祭パルムドール)
「ポケットの中の握り拳」(監)マルコ・ベロッキオ(デビュー作) |
1966年 |
4月 |
ローマ大学で左右グループが衝突し、左派学生ロッシが死亡。 |
「欲望」(監)ミケランジェロ・アントニオーニ(カンヌ国際映画祭グランプリ)
「アルジェの戦い」(監)ジッロ・ポンテコルヴォ(ヴェネチア国際映画祭グランプリ)
「アッシジのフランチェスコ」(監)ベルナルド・ベルトルッチ
「群盗荒野を裂く」(監)ダミアーノ・ダミアーニ |
1967年 |
11月 |
ミラノ・カトリック大学で大学が学生に占拠され、全国の大学へ広がる。 |
「アポロンの地獄」(監)ピエロ・パオロ・パゾリーニ |
1968年 |
イタリア全土で学生運動が拡大し、教育活動が停止。社会不安が広がる。 |
「ロミオとジュリエット」(監)フランコ・ゼフェレッリ
「テオレマ」(監)ピエロ・パオロ・パゾリーニ(出)テレンス・スタンプ、ラウラ・ベッティ
(ヴェネチア国際映画祭主演女優賞)
「異邦人」(監)ルキノ・ヴォスコンティ(原)アルベール・カミュ(出)マルチェロ・マストロヤンニ |
1969年 |
9月 |
主要3大労組、金属機械労働者のゼネスト宣言により「熱い秋」始まる。 |
12月 |
ミラノ・フォンターナ広場の全国農業銀行で爆破テロ事件発生。
極右による「緊張の戦略」が本格化。
極左組織「赤い旅団」が誕生。 |
「サテリコン」(監)(脚)フェデリコ・フェリーニ
「地獄に堕ちた勇者ども」(監)ルキノ・ヴィスコンティ
「王女メディア」(監)ピエロ・パオロ・パゾリーニ
「シシリアン」(監)セルジオ・レオーネ 「砂丘」(監)ミケランジェロ・アントニオーニ |
1970年 |
1月 |
普通州の設置が法制化。 |
5月 |
労働者憲章が可決。 |
社会が混乱する中、多くの名作が生まれたイタリア映画の黄金期
「死刑台のメロディ」(監)ジュリア―ノ・モンタルド(カンヌ国際映画祭男優賞)
「悲しみの青春」(監)ヴィットリオ・デ・シーカ
「殺人捜査」(監)エリオ・ペトリ(出)ジャン・マリア・ボロンテ
(アカデミー外国語映画賞、カンヌ国際映画祭グランプリ)
「暗殺の森」(監)ベルナルド・ベルトルッチ
「わが青春のフロレンス」(監)マウロ・ボロニーニ
(オッタビア・ピッコロがカンヌ映画祭主演女優賞受賞)
「歓びの毒牙」(監)ダリオ・アルジェント
「フェリーニの道化師」(監)フェデリコ・フェリーニ
「ジェラシー」(監)エットーレ・スコラ(マルチェロ・マストロヤンニがカンヌ国際映画祭男優賞) |
1971年 |
3月 |
元軍人の極右ボルゲーゼによるクーデター計画が発覚。
これから1973年までは「右翼の3年」と呼ばれることになります。 |
「警視の告白」(監)ダミアーノ・ダミアーニ(モスクワ国際映画祭グランプリ)
「死刑台のメロディ」(監)(脚)ジュリアーノ・モンタルド
(リカルド・クッチョーラがカンヌ国際映画祭男優賞)
「ベニスに死す」(監)ルキノ・ヴィスコンティ(カンヌ国際映画祭25周年記念賞)
「父の名によって」(監)マルコ・ベロッキオ
「労働者階級は天国に入る」(監)エリオ・ペトリ(出)ジャン・マリア・ボロンテ
(カンヌ国際映画祭パルム・ドール) |
1972年 |
3月 |
極左組織「赤い旅団」によるジーメンス幹部マッキアリーニ誘拐事件発生。 |
「ラスト・タンゴ・イン・パリ」(監)ベルナルド・ベルトルッチ
「黒い砂漠」(監)フランチェスコ・ロージ(カンヌ国際映画祭グランプリ)
「ブラザー・サン・シスター・ムーン」(監)フランコ・ゼフェレッリ
「フェリーニのローマ」(監)フェデリコ・フェリーニ
「ルードウィッヒ 神々の黄昏」(監)ルキノ・ヴィスコンティ |
1973年 |
第一次オイルショックにより、インフレと失業急増により経済が危機的状態になる。
翌年、IMFと西ドイツから多額の緊急融資を受けることでかろうじて危機を脱します。 |
「アマルコルド」(監)フェデリコフェリーニ(フェリーニの少年時代を描いた自伝的作品) 「愛の嵐」(監)リリアーナ・カヴァーニ(出)シャーロット・ランプリング
「青い体験」(監)サルヴァトーレ・サンペリ(ラウラ・アントネッリ主演のお色気コメディ) |
1974年 |
カトリック活動団の加盟数が1959年の300万人からこの年には60万人に急減。
最大勢力だったカトリックの力が急速に弱まりました。 |
5月 |
離婚法廃止に関する投票実施されるが、廃止反対派が勝利し、法律維持が決定 |
9月 |
「赤い旅団」レナート・クルチョとアルベルト・フランチェスキーニが逮捕される。 |
「家族の肖像」(監)ルキノ・ヴィスコンティ(出)バート・ランカスター
「流されて・・・」(監)リナ・ヴェルトミュラー(ヴァルトミュラーの世界的ブレイク作品)
「最後の晩餐」(監)マルコ・フェレーリ(カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞) 「イノセント」(監)ルキノ・ヴィスコンティ
「あんなに愛しあったのに」(監)エットーレ・スコラ |
1975年 |
テロ対策のための治安法「レアーレ法」が制定される。
ソ連共産党との共闘ではなく民主主義の制度を重視する「ユーロ・コミュニズム」広まる。 |
「ローマに散る」(監)フランチェスコ・ロージ
「イアママコラータとコンチェッタ」(監)サルヴァトーレ・ピシチェック |
1976年 |
「1900年」(監)ベルナルド・ベルトルッチ(イタリア近代史を描いた超大作)
「カサノバ」(監)フェデリコ・フェリーニ
「セブン・ビューティーズ」(監)リナ・ヴェルトミュラー(出)ジャン・カルロ・ジャンニーニ
「凱旋行進」(監)マルコ・ベロッキオ |
1977年 |
「パードレ・パドローネ」(監)タヴィアーニ兄弟(カンヌ国際映画祭グランプリ)
「サスペリア」(監)ダリオ・アルジェント
「特別な一日」(監)エットーレ・スコラ
「善悪の彼岸」(監)リリアーナ・カヴァーニ 「バイバイ・モンキー/コーネリアスの夢」(監)マルコ・フェレーリ(カンヌ国際映画祭グランプリ) |
1978年 |
第4次アンドレ・オッティ政権成立(3月)
共産党の支持も受けた「国民的連帯政権」の誕生。
「赤い旅団」によるアンドレ・モーロ誘拐事件(5月に遺体発見される)
モーロは、連帯の仕掛け人だったが極左によって狙われ、左派分裂を招いた。
「暗い秋」と呼ばれ、共産党は政権を離脱。
この後、極左組織への警察の圧力が増し、組織は崩壊することになります。 |
「木靴の木」(監)エルマンノ・オルミ(カンヌ国際映画祭グランプリ)
「青春のくずや-おはらい」(監)ナンニ・モレッティ |
1979年 |
6月 |
総選挙実施され、共産党の党勢が後退。 |
「ルナ」(監)ベルナルド・ベルトルッチ
「エボリ」(監)フランチェスコ・ロージ(出)ジャン・マリア・ボロンテ、イレーネ・パパス
「食人族」(監)ルッジェロ・デオダート
「きらいな袋」(監)カルロ・ヴェルドーネ |
1980年 |
8月 |
ボローニャ駅で爆弾テロ事件発生 |
10月 |
トリノでフィアット社中間管理職を中心に労組がゼネスト突入。
その運動への反対でもが4万人規模で展開され、組合への反発が強まる。
左派の分裂が決定的となる。 |
「パッション・ダモーレ」(監)エットーレ・スコラ
「女の都」(監)フェデリコ・フェリーニ
「もうひとりの女」(監)ピーター・デル・モンテ(ヴェネツィア国際映画祭審査員特別賞) |
1981年 |
5月 |
中絶法廃止の国民投票が否決される。 |
6月 |
共和党ジョバンニ・スパドリーニ首相による初の非キリスト教民主党首班政権成立。 |
「監督ミケーレの黄金の夢」(監)ナンニ・モレッティ(ヴェネチア国際映画祭金獅子賞)
「町いちばんの美女/ありきたりな狂気の物語」(監)マルコ・フェレーリ(原)C・ブコウスキー
「三からやり直し」(監)マッシモ・トロイージ
「ローザのチャンス」(監)サルヴァトーレ・ピシチェッリ
「サン・ロレンツォの夜」(監)(脚)タヴィアーニ兄弟(脚)トニーノ・グエッラ |
1982年 |
9月 |
反マフィア対策の責任者ダッラ・キエーザ将軍が暗殺される |
「グリッロ侯爵」(監)マリオ・モニチェッリ(ベルリン国際映画祭銀熊賞)
「ある女の存在証明」(監)ミケランジェロ・アントニオーニ
「心のいたみ」(監)ジャンニ・アメリオ |
1983年 |
8月 |
第一次クラクシ政権成立 |
「追憶の旅」(監)プーピ・アヴァーティ
「ピエラ愛の遍歴」(監)マルコ・フェレーリ
「そして船は行く」(監)フェデリコ・フェリーニ
「カルメン」(監)フランチェスコ・ロージ |
小説「マンゾーニ家の人々」(著)ナタリア・ギンズブルグ |
1984年 |
9月 |
パレルモの判事が政治家・マフィアの犯罪に関して366通の逮捕状を発送。 |
「ル・バル」(監)エットーレ・スコラ(ベルリン国際映画祭銀熊賞)
「未来は女のものである」(監)マルコ・フェレーリ
「カオス・シチリア物語」(監)タヴィアーニ兄弟(ヴェネチア国際映画祭批評家賞)
「鍵」(監)ティント・ブラス
「僕のビアンカ」(監)ナンニ・モレッティ |
1985年 |
10月 |
アキーレ・ラウロ号乗っ取り事件発生。米軍によりイタリア領内に強制着陸
イタリア政府ベッティーノ・クラクシは、米国への犯人引き渡しを拒否する。 |
東京国際映画祭でのベルナルドベルトルッチのインタビューより
「イタリア映画は瀕死の状態だ」
「マカロニ」(監)エットーレ・スコラ
「ミランダ」(監)ティント・ブラス
「ジュリオの当惑」(監)ナンニ・モレッティ
「メトロポリタン・ブルース」(監)サルヴァトーレ・ピシチェッリ
「実録マフィア戦争/暗黒の首領」(監)ダミアーノ・ダミアーニ(ベルリン国際映画祭銀熊賞) |
1986年 |
2月 |
シチリアのパレルモでマフィア関係の「大裁判」開始 |
「肉体の悪魔」(監)マルコ・ベロッキオ |
1987年 |
6月 |
総選挙実施。社会党が躍進。 |
「グッドモーニング・バビロン!」(監)タヴィアーニ兄弟
「インテルビスタ」(監)フェデリコ・フェリーニ
「偽りの晩餐」(監)エルマンノ・オルミ(ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞)
「流されて2」(監)リナ・ヴェルトミュラー
「予言された殺人の記録」(監)フランチェスコ・ロージ
「僕の妹」(監)カルロ・ヴェルドーネ
「ラスト・エンペラー」(監)ベルナルド・ベルトルッチ(アカデミー作品賞など) |
1988年 |
4月 |
第一次チリアーコ・デミータ政権成立 |
「ニューシネマ・パラダイス」(監)ジュゼッペ・トルナトーレ(アカデミー外国語映画賞)
「聖なる酔っぱらいの伝説」(監)エルマンノ・オルミ(ヴェネチア国際映画祭金獅子賞)
「リトル・デビル」(監)ロベルト・ベニーニ |
1989年 |
「フランチェスコ」(監)リリアーナ・カヴァーニ
「いつか見た風景」(監)プーピ・アヴァーティ
「永遠のマリー」(監)マルコ・リージ
「赤いシュート」(監)ナンニ・モレッティ
「シャボン泥棒」(監)マウリツィオ・ニケティ(モスクワ国際映画祭グランプリ) |
1990年 |
10月 |
共産党穏健主流派の新政党として左翼民主党PDS誕生(共産党の消滅) |
「宣告」(監)ジャンニ・アメリオ
「シェルタリング・スカイ」(監)ベルナルド・ベルトルッチ
「太陽は夜も輝く」(監)タヴィアーニ兄弟
「みんな元気」(監)ジュゼッペ・トルナトーレ |
1991年 |
2月 |
ボッシ書記長のもと北部同盟の結成。第一回大会開催 |
「ウルトラ」(監)リッキー・トニャッツィ(ベルリン国際映画祭監督賞)
「ジョニーの事情」(監)ロベルト・ベニーニ
「エーゲ海の天使」(監)ガブリエーレ・サルヴァトレス(アカデミー外国語映画賞) |
1992年 |
2月 |
ミラノの養護老人ホーム経営者マリオ・キエーザが収賄により逮捕される。
政界から汚職を一掃するための「清い手」作戦開始。 |
5月 |
ジョバンニ・ファルコーニ判事らがマフィアにより暗殺される。 |
6月 |
社会党アマートによる5党連立政権誕生。
政党からではなく選出された専門家テクノクラートによる初の政権誕生。 |
7月 |
ボルセリーノ判事と護衛4名がマフィアによって殺害される。 |
9月 |
経済危機により通貨リラが大幅下落。欧州通貨制度からも離脱。 |
「小さな旅人」(監)ジャンニ・アメリオ(ヴェネチア国際映画祭グランプリ)
「兄弟と姉妹」(監)プーピ・アヴァーティ |
1993年 |
3月 |
ジュリオ・アンドレオッティにマフィアとの共謀容疑での捜査通告。 |
4月 |
イタリア銀行総裁チャンピによる新政権成立。非政党のテクノクラート政権。 |
8月 |
小選挙区制を基本とする新選挙法成立。 |
「親愛なる日記」(監)ナンニ・モレッティ(カンヌ国際映画祭監督賞) |
1994年 |
1月 |
シルヴィオ・ベルルスコーニが政界参入を宣言。 |
3月 |
総選挙が実施され、フォルツォ・イタリアのベルルスコーニ率いる右派連合が勝利。 |
5月 |
第一次ベルルスコーニ政権成立。 |
10月 |
全国で予算案に抗議するゼネスト実施。参加者300万にに達する。 |
11月 |
ベルルスコーニ首相に対する汚職捜査開始。 |
12月 |
ベルルスコーニ政権が総辞職を表明。 |
「愛の告白」(監)プーピ・アヴァーティ |
1995年 |
1月 |
ランベルト・ディーニ非政党テクノクラート政権成立。 |
5月 |
政府と労組が年金改革について合意成立。 |
12月 |
ブローディが中道左派連合「オリーブの木」の政策綱領を発表。 |
「イル・ポスティーノ」(監)マイケル・ラドフォード
「明日を夢みて」(監)ジュゼッペ・トルナトーレ
「心のおもむくままに」(監)クリスティーナ・コメンチーン
「愛のめぐりあい」(監)ミケランジェロ・アントニオーニ、ヴィム・ヴェンダース
(ヴェネチア国際映画祭国際評論家賞) |
1996年 |
4月 |
総選挙で「オリーブの木」が中道右派連合の「自由の極」に勝利。 |
5月 |
第一次プローディ政権誕生。共産主義再建党は閣外協力することになる。 |
「雨上がりの駅で」(監)ピーター・デル・モンテ
「謎の魔術師」(監)プーピ・アヴァーティ |
1997年 |
5月 |
上院で地方分権についてのバッサニーニ法可決される。 |
「ニルヴァーナ」(監)ガブリエレ・サルヴァトレス(近未来SF) |
1998年 |
1月 |
チャンピ国庫相、財政赤字の削減がユーロ参加の基準を満たしたことを表明 |
「いつか来た道」(監)ジャンニ・アメリオ(ヴェネチア国際映画祭金獅子賞)
「シャンドライの恋」(監)ベルラルド・ヴェルトルッチ
「もうひとつの世界」(監)(脚)ジュゼッペ・ピッチョーニ(出)マルゲリータ・ブイ
「ライフ・イズ・ビューティフル」(監)ロベルト・ベニーニ
「花婿の立会人」(監)プーピ・アヴァーティ |
1999年 |
3月 |
プローディがEU委員会委員長に指名される。 |
「海の上のピアニスト」(監)ジュゼッペ・トルナトーレ
「真夏の夜のダンス」(監)プーピ・アヴァーティ |
2000年 |
4月 |
欧州議会選挙で中道左派与党が大敗。
マッシモ・ダマーレ首相が辞職 |
「夜のメイド」(監)サルヴァトーレ・ピシチェッリ
「血の記憶」(監)エドアルド・ウィンスピア |
2001年 |
5月 |
総選挙が実施され中道右派が圧勝 |
7月 |
ジェノヴァでG8開幕し、抗議デモと警察との衝突で死亡者も出る。 |
「遠征の騎士たち」(監)プーピ・アヴァーティ
「息子の部屋」(監)ナンニ・モレッティ |
2002年 |
3月 |
労働法改革の立役者マルコ・ピアージ教授が「赤い旅団」により暗殺される。 |
7月 |
労働総同盟を除く政労使間で「イタリアのための協定」締結される。 |
2003年 |
3月 |
イラク戦争開戦。
ベルルスコーニは米国ブッシュ政権側に立ち協力の姿勢を表明。 |
4月 |
議会超党派でイラク復興への派兵を決定。 |
2004年 |
6月 |
欧州議会議員選挙実施。中道左派連合「オリーブの木」が最大議席(24)を獲得 |
「愛の神、エロス」(監)ミケランジェロ・アントニオーニ(オムニバス映画) |
2005年 |
4月 |
州選挙で野党だった中道左派連合が勝利。 |
「ミルコの光」(監)クリスティアーノ・ボルトーネ |
2006年 |
4月 |
総選挙実施され僅差で中道左派が勝利し、第二次ブローディ政権が成立。 |
「結婚演出家」(監)マルコ・ベロッキオ |
2007年 |
3月 |
議会上院、アフガニスタン派遣部隊に関する財政支出法案を可決 |
2008年 |
4月 |
総選挙実施され中道右派が勝利 |
7月 |
議会上院にて「アルフォン裁定」(高位公職者への訴追免除)成立。
(偉い人は悪いことをしても訴えられない!?) |
「ゴモラ」(監)マッテオ・グローネ(カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ)
「ボローニャの夕暮れ」(監)プーピ・アヴァーティ
「セント・アンナの奇跡」(監)スパイク・リー(第二次大戦中トスカーナ地方が舞台の米国映画)
「人生、ここにあり!」(監)ジュリオ・マンフレドニア(精神障碍者の協同組合を描いたヒット作) |
2009年 |
10月 |
憲法裁判所が前年成立の「アルフォン裁定」に意見判定を下す。 |
2010年 |
2月 |
ラクイラ地震復興責任者グイード・ベルトラーゾに対する汚職捜査開始。 |
7月 |
ジャンフランコ・フィーニ下院議長と支持勢力の自由国民党を離脱。
「イタリアの未来と自由」を結成。 |
2011年 |
6月 |
原発再開発を巡る国民投票で開発反対派が勝利。
この結果は東日本大震災の影響で、ベルルスコーニ政権に大きな打撃となった。 |
11月 |
財政改革法案可決後、第4次ベルルスコーニ政権が総辞職。 |
「きっとここが帰る場所」(監)パオロ・ソレンティーノ |
2012年 |
12月 |
緊縮策への批判が集中したマリオ・モンティ首相が辞意表明。 |
「フォンターナ広場 イタリアの陰謀」(監)マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ
「堀の中のジュリアス・シーザー」(監)タヴィアーニ兄弟 |
2013年 |
2月 |
総選挙実施され、第3の勢力「五つ星運動」がIT技術などを駆使して下院第1党に進出。 |
4月 |
レッタ大連合政権成立。 |
12月 |
民主党のプライマリーでフィレンツェ市長のマッテオ・レンツィが大差で勝利し党首となる。 |
「グレート・ビューティー 追憶のローマ」(監)パオロ・ソレンティーノ
「フェデリコという不思議な存在」(監)エットーレ・スコラ
「ローマ環状線 めぐりゆく人生たち」(監)ジャン・フランコ・ロージ
「ローマに消えた男」(監)ロベルト・アンドー |
2014年 |
2月 |
レンツィ首相の大連合政権成立。 39歳の史上最年少首相が誕生。
閣僚を16名に減らし、そのうち8名に女性が指名されました! |
「ハングリー・ハーツ」(監)サベリオ・コスタンツォ(ヴァネチア国際映画祭主演男優・女優賞)
「夏をゆく人々」(監)アリーチェ・ロルヴァケル(カンヌ国際映画祭グランプリ) |
2015年 |
5月 |
ミラノ万国博覧会開催 |
2016年 |
「修道士は沈黙する」(監)ロベルト・アンドー |
2017年 |
「愛と銃弾」(監)アントニオ&マルコ・マネッティ
「エマの瞳」(監)シルヴィオ・ソルディーニ(白杖ガールとプレイボーイの恋物語)
「チャンブラにて」(監)ジョナス・カスピニャーノ(ロマの家族をドキュメンタリーで描いた作品) |
2018年 |
「君の名前で僕を呼んで」(監)ルカ・ヴァダニーノ
「盗まれたカラヴァッジョ」(監)ロベルト・アンドー
「ローロ 欲望のイタリア」(監)パオロ・ソレンティーノ(ベルルスコーニの伝記映画) |
2019年 |
「シチリアーノ 裏切りの美学」(監)マルコ・ベロッキオ
「マーティン・エデン」(監)ピアノロ・マルチェッロ |
2021年 |
「Hand of God 神の手が触れた日」(監)パオロ・ソレンティーノ
(マラドーナが登場するソレンティーノの青春時代を描いた伝記映画) |