ジャズ映画の名作たち


「バード」、「ラウンド・ミッドナイト」、「ブルーに生まれついて」、「真夏の夜のジャズ」・・・
<ジャズ映画の名作たち>
 「ジャズ」を描いた映画には名作が多い。このことは、下記のリストを見ていただければ納得していただけるのではないかと思います。とはいえ、同じように名作が多いボクシング映画に比べると、いかんせん娯楽性が不足していることから、ジャズファン以外の方はあまり見ていないかもしれません。
 というか、ジャズファン以外の方は、ほとんど見たことがないかもしれません。でも、それはもったいない。最近も結構名作、話題作が作られているのですが、ジャズファン以外には見られていない作品が多いのではないでしょうか?
 「ジャズ映画」は、ジャズファンでなくても面白い作品が多いはずです。それは、ボクシングファンでなくても「ロッキー」に熱狂できるのと同じかもしれません。
 そんなわけで、ジャズ映画の名作を紹介して見ようと思います。

 と、その前にボクシング映画とジャズ映画には共通点について考えてみました。実の、その共通する点にこそ、二つの映画に名作が多い理由だと思えるからです。

(1)長い歴史が積み上げてきた物語
 スポーツにおけるボクシングの歴史は、あらゆる競技の中でも最も古いものの一つです。スポーツとして正式な競技になったのも20世紀以前からありました。イギリスでは18世紀初めには、グローブを使わないベアナックル・ボクシングのチャンピオンが誕生しています。
 ジャズもまた音楽ジャンルの中、大衆音楽としての歴史は古く19世紀にはすでに存在していました。どちらとも、映画が誕生した20世紀初めにはすでに存在していた大衆文化だったわけです。
(2)エンターテイメントであると同時にバトルでもあるパフォーマンス
 ボクシングという競技はもちろん1対1のバトルです。それに対し、ジャズもまたその歴史の初め頃は、演奏者がライバルとソロ演奏のバトルを行って優劣を決めていました。そうした演奏者同士のジャムセッションにおける戦いがあるからこそ、ジャズのライブはドラマチックなのです。

(3)人生を映し出すパフォーマンス
 ボクシングもジャズも無駄のないシンプルなパフォーマンスであるがゆえに、そこにはそれぞれの人生が映し出されます。だからこそ、上手く表現すれば、そこには観客の心をわしづかみにする可能性があるのです。

(4)優れた監督による演出
 絵的にはどちらも地味なものになりがちなので、興行的にも厳しいことが予想されます。それだけに、優れた脚本をもとに一流の監督が作るのでなければ出資者は現れません。必然的に名作が生まれる可能性は高いといえます。

(5)ドラマがつまった物語
 ボクシング映画の多くは実在の選手や実際にあった試合をもとに描かれています。それだけボクシングには優れたドラマがあるのです。ジャズ映画の場合も、同じようにミュージシャンの波乱万丈の人生がもとになっている作品がほとんどです。富、名声、女性、麻薬、酒、賭け事、そして新しいサウンドを生み出そうとする苦難を描くだけで十分にドラマが生まれるといえます。

「愛情物語」
「5つの銅貨」
「永遠のジャンゴ」
「ギター弾きの恋」 
「グラン・ミラー物語」 
「五線譜のラブ・レター」
「コットンクラブ」 
「この世の外へ クラブ進駐軍」
「坂道のアポロン」 
「死刑台のエレベーター」 
「ジャズシンガー」(1927年版)
「ジャズシンガー」(1952年版) 
「ジャズ大名」 
「ジャズ・ミー・ブルース」
「上海バンスキング」(1984年) 
「上海バンスキング」(1988年)
「情熱の狂想曲(ラプソディ)」 
「ジョルスン物語」
「スウィングガールズ」 
「ストーミー・ウェザー」
「セッション」 
「ニューヨーク・ニューヨーク」
「バード」  
「ブルーに生まれついて」 
「ベニイ・グッドマン物語」
「MILES AHEAD/ マイルス・デイヴィス空白の5年間」 
「真夏の夜のジャズ」
「モ’・ベター・ブルース」
「夜も昼も」 
「ラウンド・ミッドナイト」 
「ラ・ラ・ランド」
「レッツ・ゲット・ロスト」 
「ロバート・アルトマンのジャズ」




「ジャズ・シンガー The Jazz Singer」 1927年 
(監)アラン・クロスランド(脚)アルフレッド・A・コーン(原)サムソン・ラファエルソン(撮)ハル・モーア(音)ルイス・シルヴァース
(出)アル・ジョルスン、メイ・マカヴォイ、ワーナー・オーランド、マーナ・ロイ、ユージニー・ベッセラー
 「お楽しみはこれからだ!」の名セリフでも知られるトーキー映画の歴史的第一弾作品
 ジャズ・シンガーに憧れるユダヤ人青年が家を勘当され、ニューヨークで黒塗りで黒人の役を演じて成功するエンターテイメント作品
 白人が顔を黒塗りにして黒人を演じるミンストレル・ショーの映画版 
1940年代
「ストーミー・ウェザー Stormy Weather」 1943年 
(監)アンドリュー・L・ストーン(製)ウィリアム・ルバロン(脚)フレデリック・ジャクソン、テッド・ケーラー(原案)ジェリー・ホーウィン、シーモア・ロビンソン(撮)レオン・シャムロイ
(音)エミール・ニューマン、ベニー・カーター(出)ビル・ロビンソン、レナ・ホーン、キャブ・キャロウェイ、ファッツ・ウォーラー、キャサリン・ダナム
 戦前の黒人エンターテイメントのオールスター終結のライブを生かしたエンターテイメント映画
 本物スターたちが最高峰のパフォーマンスを披露する貴重な作品
 ハロルド・アーレンのタイトル曲は、レナ・ホーンのテーマ曲となり、ジャズを代表するスタンダード曲のひとつになりました
「 ジョルスン物語 The Jolson Story」 1946年
(監)アルフレッド・E・グリーン(製)シドニー・ブックマンほか(脚)スティーブン・ロングストリートほか(撮)ジョセフ・ウォーカー(音)モリス・W・ストロフ
(出)ラリー・パークス、イブリン・キース、ウィリアム・デマレスト 
 「ジャズ・シンガー」のモデルとなったアル・ジョルスンの伝記映画
 主演俳優ラリー・パークスの吹替えは、当時存命だったアル・ジョルスン自身でした。 
「夜も昼も Night and Day」 1946年 
(監)マイケル・カーティス(製)アーサー・シュワルツ(脚)チャールズ・ホフマン、レオ・タウンゼントほか(撮)J・ぺヴァレル・マーレイ、ウィリアム・V・スコール
(作曲)マックス・スタイナー(音)コール・ポーター、レイン・ハインドーフ
(出)ケイリー・グラント、アレクシス・スミス、メアリ―マーティン、モンティ・ウーリー 
 ジャズというよりもポピュラー音楽の作曲家と呼ぶべきかもしれませんが、ジャズのスタンダードを数多く生み出した作曲家コール・ポーターの伝記映画
「情熱の狂想曲(ラプソディ) Young man with a Horn」 1949年 
(監)マイケル・カーティス(製)ジェリー・ウォルド(脚)カール・フォアマン、エドマンド・H・ノース(原)ドロシー・ベイカー(撮)テッド・マッコード(音)レイ・ハインドーフ
(出)カーク・ダグラス、ドリス・デイ、ローレン・バコール、ホーギ―・カーマイケル 
 ビッグバンドのリーダーとして活躍したハリー・ジェームズが吹替え演奏を担当
 ジャズ界の初期の白人トランペット奏者ビッグス・バイダーベックの伝記的要素もあると言われています
1950年代
「ジャズ・シンガー The Jazz Singer」 1952年 
(監)マイケル・カーティス(製)ルイス・F・エデルマン(脚)サムソン・ラファエルソン、フランク・デイヴィス(撮)カール・E・ガスリー(音)マックス・スタイナー
(出)ダニー・トーマス、ペギー・リー
 1927年「ジャズ・シンガー」のリメイク 
「グレン・ミラー物語 The Grenn Miller Story」 1954年 
(監)アンソニー・マン(製)アーロン・ローゼンバーグ(脚)ヴァレンタイン・デイヴィス、オスカー・ブロドニー(撮)ウィリアム・H・ダニエルズ(音)ジョセフ・ガーシェンソン、ヘンリー・マンシーニ
(出)ジェームズ・スチュワート、 ジューン・アリスン、ルイ・アームストロング、ベン・ポラック
 偉大な白人ジャズ・ミュージシャン、グレン・ミラーの伝記映画
 黒人の音楽だったジャズを白人層にまで広げた功労者。スウィング・ジャズの創始者とも言われるジャズ界の大御所のドラマチックな人生を描いています。
 ゲスト的存在としてルイ・アームストロングが登場し、映画を盛り上げています。 
「ベニイ・グッドマン物語 The Benny Goodman Story」 1955年 
(監)(脚)ヴァレンタイン・デイヴィス(製)アーロン・ローゼンバーグ(撮)ウィリアム・H・ダニエルズ(音)ジョセフ・ガーシェンソン
(出)スティーヴン・アレン、ドナ・リード、サミー・デイヴィス、ジーン・クルーパ、テディ・ウィルソン 
 ジャズ界を代表する白人クラリネット奏者の伝記映画
 「グレン・ミラー物語」のヒットにあやかって作られたものの、彼の人生が順風満帆過ぎたため、ドラマ的には盛り上がりに欠けるらしい。
 ただ有名な1938年のカーネギーライブの場面や本物のジーン・クルーパ、テディ・ウィルソンらの出演はジャズファンには価値ありか? 
「愛情物語 THE EDDY DUCHIN STORY」 1956年 
(監)ジョージ・シドニー(製)ジェリー・ウォルド(脚)サミュエル・テイラー(原案)レオ・カッチャー(撮)ハリー・ストラドリング(音)モリス・ストロフ(演奏)カーメン・キャバレロ
(出)タイロン・パワー、キム・ノヴァク、ヴィクトリア・ショウ、ジェームズ・ホイットモア、ジャック・アルバートソン 
 ジャズというよりもポピュラー音楽に近いジャンルの実在のピアニスト、エディ・デュ―チンの伝記映画
 ジャズ映画というよりも恋愛映画の名作として映画史に残る作品です
「死刑台のエレベーター ASCENSEUR POUR L'ECHAFAUD」 1957年 
(監)(脚)ルイ・マル(製)ジャン・スイリエール(原)ノエル・カレフ(脚)ロジェ・ニミエ(撮)アンリ・ドカエ(音)マイルス・デイヴィス
(出)モーリス・ロネ、ジャンヌ・モロー、ジョルジュ・プージュリイ、リノ・ヴァンチュラ、ジャン=クロード・ブリアリ
 犯罪サスペンス映画の名作でジャズに関する映画ではありません。
 しかし、完成した映画に合わせてマイルス・デイヴィスが即興演奏で緊張感に溢れた音楽を生み出したという異色の作品。
 これぞマイルスの真骨頂であり、ザ・モダン・ジャズともいえる作品です
「5つの銅貨 THE FIVE PENNIES」 1959年
(監)(脚)メルヴィン・シェイヴルソン(製)(脚)ジャック・ローズ(撮)ダニエル・L・ファップ(作詞・作曲)シルヴィア・ファイン(音)リース・スティーヴンス
(出)ダニー・ケイ、バーバラ・ベル・ゲデス 、ルイ・アームストロング、チューズデイ・ウェルド、ボブ・クロスビー、ハリー・ガーディノ
 娘の看病のために若くして引退し、その後奇跡の復活を遂げた実在の白人コルネット奏者、レッド・バトンズの伝記映画
 ダニー・ケイとルイ・アームストロングの素晴らしい共演が見られるだけでも、音楽映画として十分に楽しめる名作 
「真夏の夜のジャズ Jazz on a Summer's Day」 1959年
(監)バート・スターン、アラム・アバキアン(製)ハーヴェイ・カーン(撮)コートニー・ヘイフェラ、レイ・フェアラン(編)アラム・アバキアン(音)ジョージ・アバキアン
(出)ルイ・アームストロング、セロニアス・モンクアニタ・オデイ、ダイナ・ワシントン、チャック・ベリー、ジェリー・マリガン、マヘリア・ジャクソン、チコ・ハミルトン
 第5回ニューポート・ジャズ・フェスティバルの記録映画
 数多くある音楽ものの記録映画の中でも別格の作品
 映像の美しさ、編集の素晴らしさ、出演陣の豪華さ、観客たちのお洒落さ、音楽以外の魅力もどれも凄い!
 この作品だけは決して古くならないし、逆にその価値は増してゆくでしょう。
1970年代
「ニューヨーク・ニューヨーク」 1977年 
(監)マーティン・スコセッシ(製)アーウィン・ウィンクラー、ロバート・チャートフ(脚)(原案)アール・マック・ローチ(脚)マーディック・マーティン(撮)ラズロ・コヴァックス
(音)ジョン・カンダー、フレッド・エッブ、ラルフ・バーンズ(出)ロバート・デニーロ、ライザ・ミネリ、ライオネル・スタンダー、バリー・プリマス 
 ニューヨークの街を舞台にサックス奏者と歌手の恋を描いたラブ・ストーリー。
 テーマ曲「ニューヨーク・ニューヨーク」は今やニューヨークのテーマ曲的スタンダードとなりました。
 デニーロのサックスよりは、ライザ・ミネリが演じる素晴らしいミュージカル場面を楽しむべき作品
1980年代
「コットンクラブ The Cotton Club」 1984年 
(監)(原案)(脚)フランシス・F・コッポラ(製)ロバート・エヴァンスほか(脚)(原案)ウィリアム・ケネディ(原案)マリオ・プーゾ(撮)スティーヴン・ゴールドブラット(音)ジョン・バリー
(出)リチャード・ギア、ダイアン・レイン、グレゴリー・ハインズ、ボブ・ホスキンス、ニコラス・ケイジ、アレン・ガーフィールド、トム・ウェイツ、ラリーフィッシュバーン 
 伝説的な黒人エンターテイメントの殿堂コットンクラブを舞台にタップダンサーの兄弟がスターになって行く姿を描いた人生ドラマ。
 デューク・エリントンキャブ・キャロウェイ、ビックス・バイダーベック、レナ・ホーンなどが登場
 1920年代から1930年代にかけての黒人音楽、エンターテイメント黄金期の輝きを再現した豪華な作品 
「上海バンスキング」 1984年 
(監)(脚)深作欣二(製)織田明(製総)奥山融(原)斎藤憐(脚)田中陽造(撮)丸山恵司(音)越部信義
(出)松坂慶子、風間杜夫、宇崎竜童、志穂美悦子、ケン・フランクル、夏八木勲、平田満、三谷昇 
 1936年太平洋戦争を前に日本の支配下にあった上海を舞台にしたジャズメンたちの物語
 斎藤憐の戯曲による大ヒット舞台劇(オンシアター自由劇場)の映画化
「ジャズ大名」 1986年 
(監)(脚)岡本喜八(原)(音)筒井康隆(脚)石堂淑郎(撮)加藤雄大(美)竹中和雄(音)山下洋輔
(出)古谷一行、財津一郎、神崎愛、山下洋輔タモリミッキー・カーティス、殿山泰司、唐十郎細野晴臣
 幕末の駿河の国が舞台。黒船を迎えたジャズ好きの大名が城内でジャムセッションを繰り広げる異色の時代劇
 ジャズ映画というよりもジャムセッション映画、ラストの長ーいジャムセッションは誰もが驚く前衛映画でもある。ただし、日本の芸能もしっかりと取り込んでいるところがさすが!  
「ラウンド・ミッドナイト 'Round Midnight」 1986年 
(監)(脚)ベルトラン・タヴェルニエ(製)アーウィン・ウィンクラー、ロバート・チャートフ(脚)デヴィッド・レイフィール(撮)ブリュノ・ド・ケイゼル(音)ハービー・ハンコック
(出)デクスター・ゴードン、フランソワ・クリュゼ、マーティン・スコセッシハービー・ハンコックウェイン・ショーターロン・カータートニー・ウィリアムズフレディ・ハバード
 アメリカからフランスに渡り、パリで活躍した黒人ジャズ・ピアニスト、バド・パウエルがモデル
 この作品では、サックス奏者のデクスター・ゴードンが主役となって、物語を演じています。
 豪華なミュージシャンが出演しているので、演奏シーンも見ごたえあり。それだけにサントラ盤も素晴らしい!
「バード Bird」 1988年 
(監)(製)クリント・イーストウッド(製総)デヴィッド・バルデス(脚)ジョエル・オリアンスキー(撮)ジャック・N・グリーン(音)レニー・ニーハウス
(出)フォレスト・ウィテカー、ダイアン・ヴェノーラ、マイケル・ゼルニカー、サミュエル・E・ライト、キース・デヴィッド 
 ジャズ界のレジェンド、「バード」ことチャーリー・パーカーの伝記映画
 史実に基づきリアルに天才サックス奏者の悲劇的な人生を描き出しています
 自らも演奏しジャズを最も愛する映画監督クリント・イーストウッド入魂の傑作
「レッツ・ゲット・ロスト Let's Get Lost」 1988年 
(監)(製)ブルース・ウェバー(撮)ジェフ・プライス 
 ファッション写真家のブルース・ウェバーが白人ジャズ・トランぺッターのチェット・ベイカーの生き様を撮影したドキュメンタリー映画 
「上海バンスキング」 1988年 
(監)(製)(脚)串田和美(原)斎藤憐(撮)丸池納(音)越部信義
(出)串田和美、吉田日出子、笹野高史、小日向文世
 前作のリメイクではなく舞台劇を映画に収めるように作られた作品 
「モ’・ベター・ブルース MO' BETTER BLUES」 1990年 
(監)(製)(脚)スパイク・リー(撮)アーネスト・ディッカーソン(音)ビル・リー、ブランフォード・マルサリス
(出)デンゼル・ワシントン、スパイク・リー、ロビン・ハリス、ウェズリー・スナイプス、ルベン・ブラデス、ジャンカルロ・エスポジート 
 若手ジャズ・トランぺッターの人生を描いた人間ドラマ
 「ドゥ・ザ・ライト・シング」と「マルコムX」の間に撮られた作品で、それらの重い作品とは雰囲気がことなる
 スパイク・リーのジャズ好きが生み出した作品 
1990年代 
「ジャズ・ミー・ブルース Jazz Me Blues」 1991年 
(監)(脚)プピ・アヴァティ(イタリア)(製)(脚)アントニオ・アヴァティ(脚)リノ・パトルノ(撮)バスクァーレ・ラキーニ(音)ボブ・ウィルバー
(出)ブライアント・ウィークス、サリー・グロス、エミール・レヴィセッティ
 1920年代に活躍した白人コルネット奏者ビックス・バイダーベックの伝記映画
「ロバート・アルトマンのジャズ ROBERT ALTMAN'S JAZZ '34: REMENBERANCES OF KANSAS CITY SWING JAZZ '34 」 1996年
(監)(製)ロバート・アルトマン(撮)オリヴァー・ステイプルトン
(出)ハリー・ベラフォンテ、ジョシュア・レッドマン、ロン・カーター、サイラス・チェスナット、クリスチャン・マクブライド 
 ジャズの黄金期、アフター・アワーズのセッションをカンザスシティのクラブを舞台に再現したノンフィクション・タッチのライブ映画
 日本未公開でBSNHKで以前放送された貴重な作品です
 インデペンデント映画界を代表する巨匠ロバート・アルトマンのジャズ・マニアぶりが生んだ傑作です 
「ギター弾きの恋 Sweet and Lowdown」 1999年
(監)(脚)ウディ・アレン(製)ジーン・ドゥーマニアン(撮)フェイ・チャオ(音)ディック・ハイマン
(出)ショーン・ペン、サマンサ・モートン、ユマ・サーマン、ウディ・アレン、グレッチェン・モル、ジョン・ウォーターズ
 1930年代のシカゴが舞台。ジャンゴ・ラインハルトに憧れるジャズ・ギタリストの恋物語
 自らもジャズ・クラリネット奏者として活躍するウディ・アレンらしいジャズ愛溢れた作品
2000年代
「この世の外へ クラブ進駐軍」 2003年 
(監)(脚)阪本順治(プロ)椎井友紀子(撮)笠松則通(美)原田満生(音監)立川直樹
(出)萩原聖人、オダギリ・ジョー、松岡俊介、村上淳、真木蔵人、大杉漣、根岸季衣、光石研、哀川翔、高橋かおり
 太平洋戦争に破れた日本でジャズを演奏することで生き延びたミュージシャンたちの物語
 米軍基地内のクラブで演奏するために集められたそれぞれのミュージシャンたちの人間ドラマ
 そこから日本のポピュラー音楽シーンが生まれてくる過程も興味深い作品です。  
「スウィング・ガールズ」 2004年 
(監)(脚)矢口史靖(製)亀山千広ほか(脚)矢口純子(撮)柴主高秀(音)ミッキー吉野、岸本ひろし
(出)上野樹里、本仮屋ユイカ、貫地谷しほり、平岡裕太、竹中直人、白石美帆、小日向文世、渡辺えり子 
 東北の高校に通う高校生たちがビッグ・バンド・ジャズを演奏するために練習し、大会に出場するまでを描いた大ヒット作
 出演者たちが本当にジャズを演奏し、アメリカでもライブを行うなど、リアルさが見る者を感動させた名作 
「五線譜のラブ・レター DE-LOVELY」 2004年 
(監)(製)アーウィン・ウィンクラー(脚)ジェイ・コックス(撮)トニー・ピアース=ロバーツ(出)ケヴィン・クライン、アシュレイ・ジャッド、ジョナサン・プライス、ケヴィン・マクナリー、サンドラ・ネルソン、ロビー・ウィリアムス、エルヴィス・コステロ、ナタリー・コール、シェリル・クロウ、ダイアナ・クラール、アラニス・モリセット
 コール・ポーターの人生をヨーロッパでの暮らしを中心に描いた伝記映画です。彼の同性愛と妻との関係についてもしっかりと描かれています。
 伝記映画として、音楽映画として、十分に見ごたえがある作品です。ハリウッドを代表する製作者アーウィン・ウィンクラーによる3本の監督作品のうちの1本です。  
2010年代 
「セッション Whiplash」 2014年 
(監)(脚)デイミアン・チャゼル(製)ジェイソン・ブラム、ヘレン・エスタブルック(撮)シャロン・メール(PD)メラニー・ペイジス=ジョーンズ
(音)ジャスティン・ハーウィッツ(音監)アンディ・ロス(出)マイルズ・テラー、J・K・シモンズ(アカデミー助演男優賞)、ポール・ライザー、メリッサ・ブノワ
 名門のシェイファー音楽院に入学したドラム奏者の若者が、伝説的教師からの授業を受けられることになります。
 しかし、ミスの許されない完璧な演奏を求める教師によって彼は精神的に追い込まれて行くことになります。
 ジュリアード音楽院をモデルにビッグバンド・ジャズの緊張感たっぷりの演奏が繰り広げられます
MILES AHEAD/ マイルス・デイヴィス空白の5年間 MILES AHEAD」 2015年
(監)(製)(原案)(脚)ドン・チードル(原案)(脚)スティーブ・ベーグルマン(撮)ロベルト・シェイファー(PD)ハンナ・ビークラー(音)ロバート・グラスパー(音監)エド・ジェラード
(出)ドン・チードル、ユアン・マクレガー、エマヤツィ・コーリナルディ、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ロバート・グラスパー、ゲイリー・クラークJr
 ジャズ界最大のレジェンド、マイルス・デイヴィスの伝記映画。ただし、マイルスが薬物などにより音楽から離れていた5年間とその終わりにスポットを当てた作品
 監督、主演は、俳優のドン・チードル。まさに入魂の作品ですが、ジャズ界の巨人で様々な逸話があるだけに、まだまだ何か凄い作品が作れる気もします。 
「ブルーに生まれついて Born To Be Blue」 2015年 
(監)(製)(脚)ロバート・バドロー(製)ジェニファー・ジョナス、レナード・ファーリンジャ―(撮)スティーブ・コーセンス(PD)エイダン・ルルー(音)トドール・カバコフ、スティーヴ・ロンドン
(出)イーサン・ホーク、カーメン・イジョゴ、カラム・キース・レニー、トニー・ナッポ、ケダー・ブラウン(マイルス)、ケヴィン・ハンチャード(ディジー・ガレスピー)
 白人ジャズ・トランぺッター&ヴォーカリスト、チェット・ベイカーの伝記映画
 イタリアの警察に留置されているところを助け出され、映画に出演するところから映画は始まります。
 彼は薬物依存から抜け出せず、麻薬の売人から暴行を受け、トランペットを吹けなくなってしまいます。
 そんな再起不能状態から、女優志望の恋人に助けられ復活するまでが描かれています。
 映画のため主演のイーサン・ホークは半年かけてトランペットの訓練を受け、歌も歌っています。
 劇中には、マイルス・デイヴィス、ディジー・ガレスピーも登場し、ビル・エヴァンスらしき人物もいました。
「ラ・ラ・ランド LA LA LAND」 2016年 
(監)(脚)デイミアン・チャゼル(製)フレッド・バーガー、ジョーダン・ホロウィッツ(撮)リヌス・サンドグレン(PD)デヴィッド・ワスコ(音)ジャスティン・ハーウィッツ(音監)スティーヴン・ギジッキ
(出)ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、ジョン・レジェンド、J・K・シモンズ、ローズマリー・デウィット、ソノヤ・ミズノ
 ジャズ・ピアニストと無名の歌手の恋物語をミュージカル仕立てで描いた作品
 ジャズ映画というよりもミュージカル映画ですが、デイミアン・チャゼルのジャズ趣味がここでも成功しています
「永遠のジャンゴ DJANGO」 2017年 
(監)エチエンヌ・コマール(製)オリヴィエ・デルヴォス、マルク・ミソニエ(脚)エチエンヌ・コマール(原)(脚)アレクシ・サラトコ(撮)クリストフ・ボーカルヌ(音)ジャンゴ・ラインハルト
(出レダ・カテブ、セシル・ドゥ・フランス、ベアタ・バーリャ、ビンバム・メルシュタイン、ガブリエル・ミレテ
ジャンゴ・ラインハルトの吹替え演奏は、オランダ生まれのジプシー・ジャズ・ギターの大御所ストーケロ・ローゼンバーグ 
 ジプシー出身の天才ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトの伝記映画
 ナチス・ドイツの支配下にあったフランスで演奏を続けるジャンゴは、ジプシー出身であるが故に家族と共に危機が迫りつつありました。
 天才、ギタリストとしてジャズの本場アメリカからも高い評価を受けていたギタリストの第二次世界大戦中の苦難の時期を描いていた作品
「坂道のアポロン」 2017年 
(監)三木孝浩(製)豊島雅郎(原)小玉ユキ(脚)高橋泉(撮)小宮山充(音)鈴木正人 
(出)知念侑李、中川大志、小松菜奈、真野恵里菜、山下容莉枝、ディーン・フジオカ
 アニメ版は素晴らしかった学園祭でのライブ・シーンは最高です。でも実写版はどうなのでしょう?

トップページヘ