<マトリックス3部作>
「マトリックス3部作」は「指輪物語」と同じく3部作で、後半2作は同時に撮影されています。1作目からの期間は、ちょっとありましたが、見事に3作をひとつの物語に仕上げたという点で映画史に残る作品だと言えるでしょう。(考えてみると、「バック・トゥー・ザ・フューチャー」も同じ様な3部作でした)しかし、この作品は斬新なアイデアから生まれた驚異的なアクションの連続があまりにも話題を独占してしまい、内容的な奥深さについて語られることが少なくなってしまったような気もします。
<複雑さを増した内容>
1作目「マトリックス」については、仮想現実の世界(マトリックス)とそれに対する現実の世界、この二つだけを理解すれば十分ストーリーを追うことができました。
しかし、2作目以降では、その二つの世界の構造がしだいに崩れはじめます。境界線は曖昧に、そして境界線を行ききする存在がどんどん進化してしまうことで、ストーリーは複雑さを増してゆきました。(ネオだけでなく、スミスまでもが境界線を越えてしまいます)こうして、2作目以降ストーリーが急激に複雑になったにも関わらず、あれだけ世界中でヒットしたのは、奇跡的なことかもしれません。ストーリーの奥深さを全面に押し出していたら、こうもヒットしなかったでしょう。(押井守のアニメ映画「イノセント」は、この逆を狙い見事にヒットしなかったのかも、・・・)
かつてSF小説界の奇才フィリップ・K・ディックは、自分の作品におけるメイン・テーマについて、こう書いていました。
「われわれは宇宙を現実とみなすことができるか、また、もしできるとすれば、どんな方法によってか?」
「ザ・ベスト・オブ・P・K・ディックV」より
「マトリックス」は、そんなディックの意志を継ぐ本格的SF作品だとも言えるのです。
そして、この作品においては、もうひとつ「宇宙は現実かどうかを知ることは、人間にとって本当に幸福なことなのか?」という重いテーマも重要な柱になっています。それはこの作品においては、「赤いピルと青いピルどちらを選択すべきか?」という問いに象徴されています。もちろん、作者は「現実を直視しろ!」という強い意思表示を示しています。どんなに厳しい現実でも、それを認めることで道は開けるというポジティブなメッセージが、この映画のメイン・テーマということになるのでしょう。そして、元はと言えば、この作品は日本が誇る映像作家、押井守の「攻殻機動隊」を作者の二人が実写かしたものということも忘れてはいけません。
<ウォシャウスキー兄弟>
アンディ Andy とラリー Larry のウォシャウスキー Wachowski兄弟は、アンディが1968年、ラリーが1965年、ともにイリノイ州シカゴで生まれています。もともと二人はB・ワイルダー、A・ヒッチコック、J・ヒューストン、F・F・コッポラなどの巨匠たちの作品を徹底的に研究していたオタク系映画ファンだったといいます。その後、二人は共同で脚本を書き始め、それが映画関係者の目に留まり、「暗殺者」というタイトルで映画化、それもシルベスター・スタローンが主演というメジャー作品となります。1996年、レズビアンの女性コンビがマフィアの金を奪うという異色のサスペンス・アクション映画「バウンド」(1996年)で監督デビューを果たした彼らは、そのヒットによって2作目でいきなり大作を任されることになります。その作品が、二人の深い映画知識と最新のSFX、コンピューター・グラフィックスの技術を組み合わせて作られたSF映画の傑作「マトリックス」(1999年)だったわけです。
(注)この後、ウォシャウスキー兄弟は性転換し、ラナ・ウォシャウスキーとリリー・ウォシャウスキーと改名していますので、ご注意ください!
<現実はもっと複雑なのでは?>
この映画で描かれている人類の悲惨な現実を見れば青いピルを飲みたくなって当たり前かもしれませんが、よく考えてみると、夢を見せられて眠っている人々よりも、もっと悲惨な人生を送っている人々が、今現在地球上に数多くいるような気がしてなりません。(もちろん、日本にも数多くいることは、最近の家庭内での虐待事件のニュースを見れば明らかです)
もしかすると、この映画を見て現実社会の危うさに気づいた!と、すなおに納得、感動してしまうことは、「今自分が生きているまわりの環境だけが唯一の世界である」という誤った認識をもつことにつながるかもしれません。そして、それは、今のハリウッド映画のほとんどがもつ限界ではないかと思います。一時の夢を見せてくれる現実逃避の世界。それはディズニー・ランドの映像版ということになるのでしょうか。(なんてことを書いていたら、当のディズニーが悪夢の現実を暴こうとするマイケル・ムーアの新作を公開中止に追い込んだというニュースが飛び込んできました。現実の恐ろしさと嘘臭さは映画の比ではなさそうです・・・)
もちろんこの映画は、真実はそれでけではないのだという感覚を与えてくれる毒のある映画という意味で画期的作品だと思います。ただし、それは見る人の感性しだいかもしれませんが、・・・。
<仮想空間で行われたイラク戦争>
「あー良かった。今の自分が住んでいる世界こそリアルなんだから。・・・」と映画を見終わって一安心。でも本当にそれだけでしょうか?
例えば、この考え方は、アメリカ人の多くが「キリスト教と資本主義に基づく自分たちの民主的社会こそ唯一幸福に至る道である」と思いこんでいる事実を思い起こさせないでしょうか?彼らにとって、モハメッドの教えに基づくイスラム社会の存在は、まさに仮想空間並みのありえない世界なのです。
9.11.のテロ事件は、そんな仮想空間からの次元を越えた直接攻撃であり、イスラム社会が現実の存在であることの証明でもありました。残念なことに、多数の市民が犠牲になることで、やっとアメリカ国民の目が開かれたわけです。しかし、暴力によって引き起こされたこの目覚めは「盲目的な怒り」を生み出すことにつながり、その状況を利用する人物、ブッシュ、ラムズフェルドを後押しすることにもなってしまいました。
彼らは、アルカイーダによるテロ事件を理由に、仮想空間ならぬ仮想敵国イラクをでっちあげ、現実の世界に気づきつつあったアメリカ国民の目を再びそらさせてしまったのです。それどころか、「アメリカこそ、世界の自由と安全を守る偉大なである」というベトナム戦争以前の古くて思い上がった仮想世界秩序を甦らせてしまったのです。(いや、アルカイーダによるテロ事件すらCIAなどアメリカの組織によるやらせではないのか?これも現実を帯びた意見になりつつあります)
もちろん、そんなちゃちな仮想世界秩序が長続きするわけもなく、今やアメリカはその反動によって、ベトナム以来の泥沼にはまろうとしています。馬鹿げた仮想空間を信じさせるために繰り返された嘘は、いつしか真実へと変わりつつあり、アメリカという最も危険なテロ国家はイスラム諸国全体を敵に回すはめに陥ってしまいました。
<仮想敵国は他人事か?>
もちろん、我々日本人にとっても、これは他人事ではないはずです。ブッシュ政権やそれに追随する小泉政権の嘘をわかっていながら、その愚かな仮想現実につき合おうとする日本という国。それは、マトリックスの本質を知っていながら、それを悪事に利用しているメロビンジアンのような存在ではないでしょうか。
かなり妄想的に考えてきましたが、個人の意識範囲をどこまで覚醒できるのかというのは人間にとって非常に重要なことです。それを意識的に行えない人が、あまりに増えてしまったからこそ、非現実的な異常な事件が多発するのだと僕は思います。自分が考えていることを、常に別の視点から見られるかどうか、それが重要だということです。
<肉体と精神>
もうひとつ、この映画で忘れてならないのは、「肉体と精神」の関係です。例えば、マトリックスの中とはいえ、そこで肉体的に傷つくことは現実界でのダメージにつながるというのは、この映画の重要な原則のひとつです。こうした「肉体と精神」の関係は、この作品のもつ東洋的な思想と関係しているのでしょう。
ネオが「キリスト」であり、モーフィアスが「洗礼者ヨハネ」であることは明らかで、この物語自体がイエス・キリストの誕生と「犠牲としての張り付けの死」をモチーフにしていると思われます。(「復活」については謎のままですが・・・)しかし、この映画が東洋思想の影響の元で作られているのもまた確かです。
例えば、ネオはマトリックスの歴史上6人目の変革者であり、それまで5人が同じ運命を繰り返してきたということになっています。これなどは、実に仏教的な繰り返しの概念です。そしてなにより、この映画の最も重要な思想は東洋武術からきたものです。それは単に格闘技術が美しかったから、採用されたわけではありません。「肉体の鍛錬」こそが、精神的な壁を乗り越えて新しい境地に達することができる道であるという東洋の武術思想が元になっているということです。(ついでながら、この映画には中国系とインド系の人物が登場します。西洋人にとって、東洋思想はある程度は認知された存在になってきたことの証かもしれません。それに比べ、この映画にはアラブ系の登場人物は一人もいません)
<「アニマトリックス」より>
この映画の重要な姉妹編「アニマトリックス」に100メートル走の世界記録保持者の話があります。彼はある競技会で走っている最中、突然自らの力で現実の世界(チューブにつながれた自分)をのぞき見てしまいます。それは最高のスポーツマンだからこそ獲得できた意識を覚醒する能力のおかげでした。
スポーツを本気でやったことのある人なら、一度くらいは体験したことがあるのではないでしょうか?
今なら、どんなボールが来ても打てると思える瞬間とか。
この調子なら、どこまでも走り続けられそうだと思える瞬間とか
どこからシュートを蹴っても入りそうな気がする時とか
それは、時に「ランナーズ・ハイ」と呼ばれたりもします。化学的には、脳内物質「エンドルフィン」によって引き起こされた覚醒状態とも言われています。
しかし、もしかするとその瞬間こそが人間にとって、本当の生きている状態なのではないだろうか?僕にはそう思えたりもします。もしかすると、人類のもつ本当の力は眠らされているのではないだろうか?そうも思ったりします。
人類はかつて肉体のもつ力を補うために精神という新たな能力を生み出し、地球を代表する生命体へとのし上がりました。しかし、精神を生み出したのがあくまで肉体である限り、肉体ぬきにリアリティー(現実)を理解することはありえないはずです。
そう言えば、ブルース・リーは、映画「燃えよドラゴン」の中でこう言っていました。
「頭で考えるな。肌でつかめ」
<最後に>
願わくば、このサイトがあなたにとって、自分がマトリックスの一部である現実を知る助けとなりますように。もちろん、このサイトをご覧になっている時点で、すでにあなたはその存在を理解しているのかもしれませんが・・・。
<卵子と精子>(追記2014年4月)
この映画のラスト近く、人類の住む地域へ侵入する攻撃兵器はまるで精子のようです。先日、NHKスペシャルの体内のミクロな世界をCGで描いた画像を見ていて驚いたのですが、精神が卵子と出会うために卵巣に侵入する映像が「マトリックス」におけるその攻撃場面とそっくりでした。
あの攻撃の場面は、人類を攻撃しているように見えて、実はあらたな生命を生み出すための過程を描いた生命誕生の瞬間のドラマ化だったのかもしれません!深い!
<締めのお言葉>
「偽造という主題は、わたしを魅惑してやまない。どんなものでも偽造は可能だ、と私は信じている。・・・いったん贋の観念を受け入れる心のドアを開いたが最後、きみの自己はまったく別種の現実のなかへずるずるはまりこんでいく。それは帰り道のない旅だ。そして、たぶん健康的な旅でもあるだろう・・・・・もし、きみがさほどそのことを真剣にとらなければ」フィリップ・K・ディック「ザ・ベスト・オブ・P・K・ディックV」より
「マトリックス・レヴォリューションズ The Matrix Revolutions」 2004年
(製作) ジョエル・シルバー Joel Silver
(監)(脚)(製) ウォシャウスキー兄弟 The Wachowski Brothers
(製総指揮) グラント・ヒル Grant Hill、ブルース・バーマン Bruce Berman
(撮影) ビル・ポープ Bill Pope
(編集) ザック・ステインバーグ Zach Staenberg
(音楽) ドン・デイヴィス Don Davis
(視覚効果) ジョン・ゲイター John Gaeta
(衣装) キム・バレット Kym Barrett
(美術) オーウェン・パターソン Owen Paterson
(ファイト) ユアン・ウー・ピン Yuen Wo Ping
(音響) デーン・A・デイヴィス Dane A. Davis
(出演) キアヌ・リーブス Keanu Reeves
ローレンス・フィッシュバーン Laurence Fishburne
キャリー・アン・モス Carrie-Anne Moss
ヒューゴ・ウイービング Hugo Weaving
ジャダ・ピルケット・スミス Jada Pirkett Smith
コリン・チュー Collin Chou
「マトリックス レザレクションズ」 THE MATRIX RESURRECTIONS (2021年) (監)(製)(C創)(脚)ラナ・ウォシャウスキー(アメリカ)
(製)ジェームズ・マクティーグ、グラント・ヒル(C創)リリー・ウォシャウスキー(脚)デヴィッド・ミッチェル、アレクサンダル・ヘモン
(撮)ダニエレ・マッサチェージ、ジョン・トール(視効)ダン・グラス(PD)ヒュー・ベイトアップ、ピーター・ウォーポル(衣)リンジ―・ピュー
(編)ジョセフ・ジェット・サリー(音)ジョニー・クリメック、トム・ティクヴァ
(出)キアヌ・リーヴス、キャリー=アン・モス、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世、ジェシカ・ヘンウィック、ジョナサン・グロフ(スミス)
ニール・パトリック・ハリス(アナリスト)、プリヤンカー・チョープラ・ジョナス、ランベール・ウィルソン(メロビンジアン)、ジェイダ・ピンケット=スミス(ナイオビ)<あらすじ>
トーマス(ネオ)はAIによって作られた世界に閉じ込められ、ゲーム・クリエイターとして働いていて、トリニティーはティファニーとして結婚し子育て中。
しかし、ある日モーフィアスが彼の目の前に現れ、この世界が現実ではないことを再び知らされます。
そして、彼はトリニティーを救い出し、再び世界を作り変える作業に挑戦することになりますが・・・「マトリックス」シリーズに続く新作ですが、ラナ・ウォシャウスキー単独作。片割れが反対した時点で少々残念なスタートでした。
新たな現実世界ではメカが生物として生きていて、人類の協力者となります。
「マトリックス」がゲームの世界の出来事になっているという設定はまあそれほど新規性はないし、アクションも新鮮味は薄い。
それぞれクオリティは高く、過去の作の登場人物が出て、なるほどと思わせたり、メロビンジアンのように笑わせてくれます。
シリーズを覚えていれば十分に楽しめる作品。スミスの変化と活躍はちょっと予測できました。
ジェファーソン・エアプレインの「ホワイト・ラビット」がかかるシーンあたりまでは謎めいていて面白い。
いっそのこと「マトリックス」の原点となるあの装置の誕生秘話の方が面白いかも!(そこはちょっと明かされますが・・・)
韓国映画「シュリ」が世界的に大ヒットし、韓国映画ブーム
映画のデジタル上映始まる(映画のデジタル化が急速に進む)
「アイズ・ワイド・シャット」(監)(脚)スタンリー・キューブリック(原)アーサー・シュニッツラー(出)トム・クルーズ、ニコール・キッドマン
「あの子を探して」(監)チャン・イーモウ(脚)シー・シャンシェン(出)ウェイ・ミンジ(ヴェネチア映画祭金獅子賞)(中国映画)
「アメリカン・ビューティ American Beauty」(監)サム・メンデス(アカデミー作品、監督、主演男優賞ケヴィン・スペイシー)(病的アメリカン・ライフを描いた異色のラブ・ストーリー)
「オースチン・パワーズ・デラックス Austin Powers Delux」(監)ジェイ・ローチ
(マドンナ、レニー・クラヴィッツ、エルビス・コステロ&バート・バカラックなど
「オール・アバウト・マイ・マザー」(監)(脚)ペドロ・アルモドバル(カンヌ映画祭監督賞受賞)(スペイン映画)
「オルフェ」(監)カルロス・ディエギス(原)ヴィニシウス・ジ・モライス(出)トニー・ガヒード、パトリシア・フランサ(ブラジル映画)
「風が吹くまま」(監)アッバス・キアロスタミ(出)ベーザード・ドラーニー(ヴェネチア映画祭グランド審査員賞)(イラン映画)
「彼女を見ればわかること」(監)(脚)ロドリゴ・ガルシア(撮)エマニュエル・ルベツキ(出)グレン・クローズ、ホリー・ハンター、キャシー・ベイカー
「暗い日曜日」(監)ロルフ・シューベル(出)エリカ・マロージャン、ステファノ・ディオニジ(ハンガリー・ドイツ)
「ゴースト・ドッグ」(監)(製)(脚)ジム・ジャームッシュ(出)フォレスト・ウィテカー、ジョン・トーメイ、クリフ・ゴーマン、ヘンリー・シルヴァ、イザック・ド・ヴァンコレ
「こころの湯」(監)チャン・ヤン(出)チュウ・シュイ、プー・ツンシン(中国映画)
「サイダー・ハウス・ルール The Cider House Rules」(監)ラッセ・ハルストレム(マイケル・ケインがアカデミー助演男優賞)(原)ジョン・アーヴィング
「ザ・カップ 夢のアンテナ」(監)ケンツェ・ノルブ(出)ジャムヤン・ロドゥ、ネテン・チョックリン(サッカーが出ないサッカー映画!ブータン映画)
「始皇帝暗殺」(監)(脚)チェン・カイコー(主)コン・リー(カンヌ映画祭芸術貢献賞受賞)(中国映画)
「シックス・センス」(監)(脚)M・ナイト・シャマラン(撮)タク・フジモト(出)ウルース・ウィリス、ハーレイ・ジョエル・オスメント
「十七歳のカルテ Girl, interrupted」(監)ジェームズ・マンゴールド(アンジェリーナ・ジョリーがアカデミー助演女優賞)
「ストレイト・ストーリー」(監)デヴィッド・リンチ(脚)ジョン・ローチ、メアリー・スウィーニー(出)リチャード・ファーンズワース、シシー・スペイセク
「ただいま」(監)チャン・ユアン(出)リウ・リン、リー・ビンビン(ヴェネチア映画祭監督賞)
「蝶の舌」(監)ホセ・ルイス・クエルダ(出)フェルナンド・フェルナン・ゴメス、マヌエル・ロサノ(スペイン映画)
「ノッティングヒルの恋人」(監)ロジャー・ミッシェル(出)ジュリア・ロバーツ、ヒュー・グラント(ジュリア・ロバーツの美しさ満開の英国式ラブ・コメディ)
「マルコヴィッチの穴」(監)スパイク・ジョーンズ(脚)チャーリー・カウフマン(出)ジョン・キューザック、ジョン・マルコヴィッチ、キャメロン・ディアス
「モレク神」(監)アレクサンドル・ソクーロフ(脚)ユーリー・アラボフ(カンヌ映画祭脚本賞受賞)(ロシア映画)
「初恋のきた道」(監)チャン・イーモウ(脚)パオ・シー(出)チャン・ツィイー、チョン・ハオ(中国映画)
「ビートニクBeatnik」(監)(製)(脚)チャック・ワークマンJack Kerouac、Allen Ginsberg
「ファイト・クラブ Fight Club」(監)デヴィッド・フィンチャー(原)チャック・パラニューク(出)エドワード・ノートン、ブラッド・ピット
「ブレアウィッチ・プロジェクト」(監)ダニエル・マイリック、エドゥアルド・サンチェス(カンヌ映画祭ユース賞受賞)
「ペパーミント・キャンディー」(監)(脚)(原)イ・チャンドン(製)ミヨン・ケナム、上田信(出)ソル・ギョング、キム・ヨジン(韓国映画)
「ボーイズ・ドント・クライ Boys Don't Cry」(監)キンバリー・ピアース(ヒラリー・スワンクがアカデミー主演女優賞受賞)
「ユマニテ」(監)(脚)ブリュノ・デュモン(セガリーヌ・カネルがカンヌ映画祭グランプリ、主演女優賞)
「ロゼッタ」(監)ダルデンヌ兄弟(主)エミリー・ドゥケンヌ(カンヌ映画祭パルムドール、主演女優賞受賞)
「あ、春」(監)相米慎二(脚)中島丈博(原)村上政彦(出)佐藤浩市、斉藤由貴、山崎努
「雨あがる」(監)小泉堯史(出)寺尾聡、宮崎美子(ヴェネチア映画祭緑の獅子賞)
「大阪物語」(監)市川準(脚)犬童一心(撮)小林達比古、蔦孝洋(出)池脇千鶴、沢田研二、田中裕子、ミヤコ蝶々
「菊次郎の夏」(監)(脚)北野武(撮)柳島克巳(音)久石譲(出)ビートたけし、関口雄介、岸本加世子、吉行和子
「金融腐食列島[呪縛]」(監)原田眞人(原)(脚)高杉良(脚)鈴木智、木下麦太(出)役所広司、椎名桔平、仲代達矢
「コキーユ 貝殻」(監)中原俊(原)山本おさむ(脚)山田耕大(出)小林薫、風吹ジュン
「39 刑法第三十九条」(監)森田芳光(原)永井泰宇(脚)大森寿美男(音)佐橋俊彦(出)鈴木京香、堤真一、岸部一徳
「鉄道屋(ぽっぽや)」(監)(脚)降旗康男(原)浅田次郎(脚)岩間芳樹(出)高倉健、大竹しのぶ、広末涼子
「どこまでもいこう」(監)(脚)塩田明彦(撮)鈴木一博(出)鈴木雄作、水野真吾
「のど自慢」(監)(脚)井筒和幸(脚)安部照男(音)藤野浩一(出)室井滋、大友康平、尾藤イサオ、竹中直人
「M/OTHER」(監)(脚)諏訪敦彦(主)三浦友和、渡辺真紀子(カンヌ映画祭国際批評家連盟賞受賞)
コンピューター2000年問題の対応に世界が追われる
<アメリカ>
NY株初の1万ドル突破、アメリカの好景気が本格化
コロラド州の高校で武装した生徒による無差別殺戮
<ヨーロッパ>
ユーゴスラビア連邦セルビア共和国コソボ自治州へNATOが空爆
ヨーロッパの統一通貨ユーロ実現へ向けて、スタート
<アフリカ・中東>
トルコでマグニチュード7の大地震発生(死者3万人を越える)
<アジア>
北朝鮮核ミサイル疑惑、農作物の不作による飢餓深刻化
台湾でもM7.6の大地震発生
<日本>
日米ガイドライン関連法が成立
日銀ゼロ金利政策を導入
東海村核燃料加工工場で爆発事故発生
キレる子供急増、「学級崩壊」が多発
ストーカー事件、警察による不祥事の多発
「日の丸」「君が代」法制化、国旗国家法成立
ピルを医療用医薬品として正式承認
日本国内で初の脳死臓器移植実施
日本の中田、セリエAのペルージャで大活躍
<芸術、文化、商品関連>
「恥辱」J・M・クッツェー著(ブッカー賞受賞)
「待ち暮らし」ハ・ジン著(全米図書賞)
NTTドコモがiモードサービス開始
ソニー、ロボット犬「AIBO」発売
<音楽関連>
MP3の登場で音楽の著作権侵害が可能になり、大きな問題となる
日本国内でゴスペル・ブームが本格化
モーニング娘「LOVEマシーン」が大ヒット
槇原敬之が覚醒剤取締法違反で逮捕される
パンク「君が代」の発売禁止に対抗し、自主制作盤で忌野清志郎「冬の十字架」発売される。
北海道で日本人ロック・アーティスト中心の野外音楽フェスティバル「Rising Sun」がスタート
この年の音楽については、ここから!