各年のノーベル賞受賞者と選考理由


1901年 1902年 1903年 1904年 1905年 1906年 1907年 1908年 1909年 1910年
1911年 1912年 1913年 1914年 1915年 1916年 1917年 1918年 1919年 1920年
1921年 1922年 1923年 1924年 1925年 1926年 1927年 1928年 1929年 1930年
1931年 1932年 1933年 1934年 1935年 1936年 1937年 1938年 1939年 1940年
1941年 1942年 1943年 1944年 1945年 1946年 1947年 1948年 1949年 1950年
1951年 1952年 1953年 1954年 1955年 1956年 1957年 1958年 1959年 1960年
1961年 1962年 1963年 1964年 1965年 1966年 1967年 1968年 1969年 1970年
1971年 1972年 1973年 1974年 1975年 1976年 1977年 1978年 1979年 1980年
1981年 1982年 1983年 1984年 1985年  1986年 1987年  1988年 1989年 1990年
1991年 1992年 1993年 1994年 1995年 1996年 1997年 1998年 1999年 2000年
2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年
2011年 2012年 2013年 2014年  2015年 2016年 2017年      
1901年 
物理 ヴィルヘルム・コンラート・レントゲン(ドイツ) X線の発見 
化学 ヤコブス・ヘンリクス・ファント・ホッフ(オランダ)  熱力学におけるファント・ホッフの式」の発見
溶液の浸透圧の発見 
生理・医学 エミール・アドルフ・フォン・ベーリング(ドイツ)  血清療法(特にジフテリアへの応用) 
文学  シュリ・プリュドム(フランス)  高尚な理想主義と芸術的完成度の高さ、情緒と知性の稀な組み合わせを持った詩的な構成
平和   ジャン・アンリ・デュナン(スイス)  赤十字国際委員会の創設、戦争時の捕虜の扱いを人道的にするジュネーブ条約の案出
(赤十字の旗は、故国スイスの赤と白を逆にしている) 
フレデリック・パシー(フランス)  フランスの経済学者で列国議会同盟や国際平和会議の創設
国際仲裁委員会の提唱者でもある
1902年 
物理 ヘンドリック・ローレンツ(オランダ)
ピーター・ゼーマン(オランダ) 
磁気現象が放射線現象に及ぼす影響の研究
化学 ヘルマン・エミール・フィッシャー(ドイツ)  糖類、プリン類の合成に成功し、様々な化合物合成の基礎を築いた「生物化学の父」
現在の食品工業の基礎を築いたともいえます。「人工甘味料の父」ともいえる人物 
生理・医学 ロナルド・ロス(イギリス)  マラリアに関する研究 
文学  テオドール・モムゼン(ドイツ)  「ローマ史」の著作など生存する歴史家で最高位であること 
平和  シャルルゴバ(スイス)
エリー・デュコマン(スイス) 
常設国際平和局(現・国際平和ビューロー)の創設
1903年 
物理   アンリ・ベクレル(フランス)  <自発的放射線の発見>
 アンリ・ポアンカレの研究などに基づいて、重い元素が放射線を発しながら、軽い元素へと変化してゆくことを確認
ピエール・キュリー、マリー・キュリー(現ポーランド) <放射線の発見とその研究>
 自発的放射線について、より詳しく研究を行い、物質は不変ではないことを証明した
化学  スヴァンテ・アレニウス(スウェーデン)  電解質の解離の理論 
生理・医学  ニールス・フィンセン(デンマーク)  病気、特に狼瘡の光線治療の研究 
文学  ビヨルンスティエルネ ・ビョルンソン(ノルウェー) 崇高で壮大かつ多彩な詩に対する敬意
平和  ウィリアム・ランダル・クリーマー(イギリス)  国際仲裁連盟の書記として国際調停を指揮 
1904年 
物理  ジョン・ウィリアム・ストラット(イギリス)  気体の密度に関する研究とアルゴンの発見 
化学 ウィリアム・ラムゼー(イギリス)  空気中の希ガスの発見と同期律におけるその位置の決定 
生理・医学  イワン・パブロフ(ロシア)  <消化腺の研究>
 犬の唾液がエサを与える合図のベルの音だけでも出ることを発見。「条件反射」と言われる生理現象を明らかにした。
しかし、この時の受賞はその研究ではなく単なる消化腺の研究に与えられたものでした。
受賞講演で彼はこの「古典的条件付け」と言われることになる原理を発表し、この後の研究に大きな影響を与えます。
文学   フレデリック・ミストラル(フランス)  プロヴァンスの言語学者としての業績の他、自然景観と土着の精神を忠実に反映した新鮮な独創性 
ホセ・エチェガライ・イ・アイサギレ(スペイン)  独創的でかつ個性的な手法でスペインの演劇の偉大な伝統を復活させた 
平和  万国国際法学会  国際仲裁の促進と戦時中の法律の遵守を説得 
1905年 
物理  フィリップ・レーナルト(スロヴァキア)  陰極線に関する研究 
化学  アドルフ・フォン・バイヤー(ドイツ)  有機染料とヒドロ芳香族化合物の研究を通して有機化学と化学工業の発展に貢献 
生理・医学  ロベルト・コッホ(ドイツ)  <結核に関する調査と発見>
 フランスのルイ・パスツールと共に「近代細菌学の父」と呼ばれます。多くの細菌学の研究技術を開発しました。
(顕微鏡による観察技術、色素による染色法、滅菌法、寒天培地やシャーレを用いた培養法) 
彼は、1882年3月にエジプト、インドなどでの調査によりコレラ菌を発見。
「ヤーコブ・ヘンレの3原則」に4つ目を加え、「コッホの4原則」を完成させました。
(1)一定の病気には一定の微生物が見出される
(2)その微生物を分離することは可能
(3)分離した微生物を感受性のある動物に感染させて同じ病気を起こさせる
(4)その病巣部から同じ微生物を分離することは可能
彼の弟子には、エミール・ベーリング、パウル・エールリヒ、北里柴三郎らがいます。
文学  ヘンリク・シェンケヴィチ(ロシア)  叙事詩作家としての功績 
平和  ベルタ・フォン・ズットナー(オーストリア)  小説「武器を捨てよ!」の著者であり、アルフレッド・ノーベルにノーベル賞を創設させた女性平和活動家 
1906年 
物理  ジョセフ・ジョン・トムソン(イギリス)  気体の電気伝導に関する理論的かつ実験的研究 
化学  アンリ・モアッサン(フランス)  <フッ素の研究と電気炉の開発>
 多くの科学者が成功しなかったフッ素の分離に成功。
この後、フッ素はデュポン社によって耐熱、耐薬剤性の樹脂としてフライパンや鍋だけでなく多くの分野に利用さえれます。
 ちなみに、この年一票の差で受賞を逃したのは、ロシアの科学者ドミトリ・メンデレーエフです。
彼は1869年に元素の周期表を完成させ、その後の科学の発展に大きな役割を担うことになりました。
生理・医学  カミッロ・ゴルジ(イタリア)
サンティアゴ・ラモン・イ・カハール(スペイン) 
<神経の構造の研究>
 直径0.02mmという神経細胞を調べるため、銀による染色による「ゴルジ染色法」を開発。
カハールは神経細胞が集まってニューロンを構成していることを発見します。その接合部シナプスの発見もしています。
文学  ジ・ズエ・カルドゥッチ(イタリア)  詩作における深い学究と批判的研究、創造的なエネルギー、スタイルの新鮮さ、叙情的な力 
平和  セオドア・ルーズベルト(アメリカ)  米国大統領として日露戦争の講和を斡旋 
1907年 
物理 アルバート・マイケルソン(アメリカ) 干渉計の考案、それによる分光器やメートル原器の研究 
化学 エドゥアルト・ブフナー(ドイツ)  <生化学的研究と無細胞発酵の研究>
 アルコールの製法はそれ以前からありましたが、そのメカニズム(発酵)は科学的に解明されていませんでした。
何らかの微生物によるものか?化学的、薬学的な変化によるものか?
ブフナーは酵母が作り出した物質(酵素)が化学反応を起こさせていることを解明しました。 
生理・医学  シャルル・ルイ・アルフォンス・ラヴラン(フランス)  疾病発生における原虫の役割に関する研究
文学  ラドヤード・キプリング(イギリス)  観察力、想像力の独創性、アイデアの崇高さ、叙事の才能
小説「ジャングル・ブック」、「ガンガディン」
ちなみに「ジャングル・ブック」収録の「リッキ・ティッキ・タヴィ」は山下達郎の名曲「夏への扉」の歌詞にもあります  
平和   エルネスト・テオドロ・モネータ(イタリア)  フランス・イタリア間の緊張緩和のほか国際平和の推進 
ルイ・ルノー(フランス)  ハーブ平和会議を成功させ、ジュネーブ条約を海戦にも適用させた 
1908年 
物理  ガブリエル・リップマン(ルクセンブルク)  <光の干渉現象を利用した天然色写真の技術開発> 
 世界初のカラー写真技術として高い評価を受けたが、3原色を基本とするカラー技術とは異なり、普及せずに終わった
化学  アーネスト・ラザフォード(ニュージーランド)  <元素の崩壊と放射性物質の化学的研究>
 ウランから出る2種類の放射線αとβ線を発見。
1900年にポール・ヴィラール(仏)が発見した放射線が電磁波であることを証明しγ線と名付けた。
後に量子力学の基礎となる核の周囲を電子が回っている「ラザフォード模型」を示した。
ここからニールス・ボーアによる量子力学が発展。「原子物理学の父」とも呼ばれます。
生理・医学  パウル・エールリヒ(ドイツ)
イリヤ・メチニコフ(ロシア) 
免疫に関する研究 
文学  ルドルフ・クリストフ・オイケン(ドイツ)  真実を徹底的に探究し、思考力を広げ、理想主義的な人生哲学を発展させた。 
平和   フレデリック・バイエル(デンマーク)  スカンジナビア半島の和平推進 
ポントゥス・アルノルドソン(スウェーデン)  スウェーデンの平和と仲裁協会の創成 
1909年 
物理  グリエルモ・マルコーニ(イタリア)
フェルディナント・ブラウン(ドイツ) 
無線通信の研究 
化学 ヴィルヘルム・オストヴァルト(ドイツ)  触媒作用、化学平衡、反応速度に関する研究 
生理・医学  エミール・テオドール・コッハー(スイス)  <甲状腺の生理学、病理学および外科学に関する研究> 
 甲状腺の生理学からのホルモン分泌量が身体に様々な影響を与えることを研究。
さらに外科的手術による治療方法を可能にしました。
文学  セルマ・ラーゲルレーヴ(スウェーデン)  <崇高な理想主義、鮮やかな想像力、作品に込められた精神性を賞賛して>
 児童文学「ニルスの不思議な旅」の著者で文学賞初の女性受賞者 
平和   エストゥルネル・ド・コンスタン(フランス)  英仏、独仏の国際仲裁に関する外交実績 
オーギュスト・ベールナールト(ベルギー)  ハーブ平和会議の代表を務め、列国議会同盟を主導 
1910年 
物理  ヨハネス・ファン・デル・ワールス(オランダ)  気体と液体の状態方程式に関する研究 
化学  オットー・ヴァラッハ(ドイツ)  脂環式化合物の先駆的研究による有機化学および化学産業への貢献 
生理・医学 アルブレヒト・コッセル(ドイツ)  <タンパク質、核酸に関する研究>
 遺伝子研究の基礎をつくった人物。
DNAの存在は、1869年にスイスのフリードリヒ・ミーシェルが発見していたが、その構造は謎でした。
コッセルは、DNAを構成する塩基がアデニン、グアニン、チミン、シトシンであることを明らかにしました。
文学  パウル・フォン・ハイゼ(ドイツ)  短編小説家、詩人として長い経歴を通して理想主義を貫いたことへの賞賛 
平和  常設国際平和局  国家間の紛争解決に関する積極的な行動に対して 
1911年 
物理  ヴィルヘルム・ヴィーン(ドイツ)  熱放散に関する法則の発明 
化学  マリ・キュリー(現ポーランド)  <ラジウムとポロニウムの発見>(二度目の受賞)
 ラジウムの単離に成功すると同時に物質が放射線を放出しながら変化していることを明らかにした。
しかし、放射線を利用した治療法の危険性を知らず、彼女自身が再生不良性貧血に苦しむことになります。
そのうえ、そこから原子爆弾という恐るべき兵器が生まれることになりますが、彼女はそれを知らずに世を去ります。
生理・医学  アルヴァル・グルストランド(スウェーデン)  眼の屈折に関する研究 
文学  モーリス・メーテルリンク(ベルギー)  多様な文学活動、特に想像力豊かな戯曲と神秘的で詩的な幻想によって読者に想像力を喚起する作品に対して 
平和   トビアス・アッセル(オランダ)  国際常設仲裁裁判所の創設 
アルフレッド・フリート(オーストリア)  ドイツ平和協会の創設やジャーナリストとしての平和活動 
1912年 
物理  ニルス・グスタフ・ダーレン(スウェーデン)  灯台やブイの照明装置の発明 
化学   フランソワ・グリニャール(ナンシー大学:フランス)  <有機化学を大きく進歩させたグリニャール試薬の開発>
 新しい有機化合物をつくるために重要な役目を果たす「触媒」の元祖といえる「グリニャール試薬」を開発。
ハロゲンとマグネシウムが結合したこの試薬の開発をきっかけに今まで1000万をこえる有機金属が発見されています。
彼はこの後、第一次世界大戦で使用されることになる毒ガスの研究開発の中心となります。 
ポール・サバティエ(トゥールーズ大:フランス) <微細な金属粒子を用いた有機化合物の水素化法の開発>
 元素が水素と化合することで有用な化合物が数多く生まれました。水素化法は現在でも使われている重要な方法です。
サバティエは水素化のために「触媒」を初めて発見しました。
高圧化でニッケル触媒を使うと水素と二酸化炭素から水とメタンを得られることができることを発見。
この「サバティエ反応」は現在でも宇宙での水の生成に利用されている。
生理・医学  アレクシス・カレル
(ロックフェラー医学研究所:フランス) 
血管縫合と血管と器官の移植に関する研究 
文学  ゲアハルト・ハウプトマン
(劇作家、小説家、詩人:ドイツ) 
主に戯曲の領域で多様で傑出した作曲を発表 
平和  エリク・ルート(元国務長官:アメリカ) 紛争は仲裁によって解決するべきとの信念で活動 
1913年 
物理  ヘイケ・カメルリング・オネス(ライデン大:オランダ) 液体ヘリウムの生成を可能にした低温における物性の研究 
化学  アルフレッド・ウェルナー(チューリッヒ大:スイス)  分子内の原子の結合に関する研究、特に無機化学における新しい研究分野を開拓 
生理・医学  シャルル・ロベール・リシェ(ソルボンヌ大:フランス) <アナフィラキシーに関する研究>
 クラゲの毒を犬に注射。数週間後に同じ毒を再度注射するところ同じ量にも関わらずショック死にしています。
これに彼は「アナフィラキシー・ショック」と名付け、「アレルギー研究」の先駆者となりました。
「アナフィラキシーのうちショックを起こさない生体の反応がアレルギーである」という定義もあります。 
文学  アビンドラナート・タゴール(詩人:インド)  <深淵で繊細かつ新鮮で美しい詩を英語で表現し、詩的な思想を西洋の文学の一部とした>
 詩集「ギーターンジャリ」(1910年)を自ら英語に翻訳してイギリスで出版。これが受賞のきっかけとなった。
イギリスに長く留学し、英語に自ら翻訳できなければ、まだ西欧以外の国の文学が受賞することはできなかった。 
平和  アンリ・ラ・フォンテーヌ(法律家、政治家:ベルギー) 数多くの国際機関の創設を提案し、国際平和に貢献した 
1914年 
物理  マックス・フォン・ラウエ(フランクフルト大:ドイツ)  <結晶によるX線の回折の発見>
 物質の構造を調べるために結晶に白色X線というX線を照射して回折写真を得る方法をラウエ法といいます。
このX線による回折現象を発見。1951年からは、マックス・プランク物理化学研究所所長に就任しています。 
化学  セオドア・ドライサー(ハーバード大:アメリカ)  多数の化学元素の原子量を正確に決定 
生理・医学  ローベルト・バーラーニ(ウィーン大:オーストリア)  内耳の前庭器の生理学と病理学の研究 
文学  該当者なし   
平和 該当者なし   
1915年 
物理  ウィリアム・ヘンリー・ブラッグ
(ユニヴァーシティーカレッジロンドン:イギリス)
ウィリアム・ローレンス・ブラッグ
(ヴィクトリア大:オーストラリア) 
<X線による結晶構造の解析>
 X線量の測定を可能にするX線分光計を発明。
これにより、X線を用いることで物質の結晶構造を解析することが可能になった。
これはこの後、様々な分野の研究に役立ちます。
化学  リヒャルト・ヴィルシュテッター(ミュンヘン大:ドイツ) 植物色素、特にクロロフィルに関する研究 
生理・医学  該当者なし   
文学  ロマン・ロラン(作家:フランス)  高尚な理想主義と、多様なタイプの人間を描写した真の同情と愛情に敬意を表して
平和  該当者なし   
1916年 
物理  該当者なし   
化学  該当者なし   
生理・医学  該当者なし   
文学  ヴェルテル・フォン・ヘイデンスタム
(作家、詩人、小説家:スウェーデン) 
文学における新時代を切り開く重要な作家
詩集「巡礼と放浪の歳月」(1888年)、「新詩集」(1916年) 
平和  該当者なし   
1917年 
物理  チャールズ・バークラ(エジンバラ大:イギリス)  元素の特性X線の発見 
化学  該当者なし   
生理・医学  該当者なし   
文学  ロカール・ギェレルプ(詩人、小説家:デンマーク)  崇高な理想に触発された多様で豊かな詩作 
平和  赤十字国際委員会  スイス人アンリ・デュナンの提唱で1864年に設立。
設立目的は、「世界中の紛争において敵味方に関係なく負傷兵を救う」こと 
1918年 
物理 マックス・カール・エルンスト・ルーチヴィッヒ・プランク
(ベルリン大:ドイツ)
<エネルギー量の発見によって物理学の進歩に貢献>
 黒体輻射におけるエネルギー測定から、光のエネルギーが最小単位の整数倍になっていなければならないことを発見。
これによりエネルギーが量子であると示し、「量子力学」という新しい学問の先駆となりました。
化学  フリッツ・ライバー(カイザーヴィルヘルム協会:ドイツ) アンモニアの合成 
生理・医学  該当者なし   
文学  該当者なし   
平和  該当者なし   
1919年 
物理  ヨハネス・シュタルク(ブライスヴァルト大:ドイツ)  <カナル線におけるドップラー効果の発見>
 水素を入れた放電管の陽極に電子線を当てる水素が陽イオン化して陰極へ。
これが細孔(カナル)を抜け、輝線スペクトルを発し放電現象を示す。
シュタルクは水素カナル線の速度を変えることで、発光色が変化することを発見しました。 
化学  該当者なし   
生理・医学  ジュール・ボルデ(ブリュッセル大:ベルギー)  <免疫に関する研究>
 血清を加熱すると抗体は残っているのに血清としての効果が失われることを発見。
血清中に抗体とは別に熱に弱い「補体」があることを発見。 
文学  カール・シュピッテラー(詩人:スイス)  叙事詩「オリンピアの春」など 
平和   ウッドロー・ウィルソン(米国大統領:アメリカ)  国際連盟への貢献 
アルフレッド・フリート(オーストリア) ドイツ平和協会の創設とジャーナリストとしての平和活動 
1920年 
物理  シャルル・エドワール・ギューム(国際度量衡局:スイス) ニッケル鋼合金の開発で物理学の精密測定を可能にした
化学  ヴァルター・ネルンスト(ベルリン大:ドイツ)  熱化学の研究 
生理・医学  アウグスト・クローヴ(コペンハーゲン大:デンマーク)  毛細血管の運動調節機構の発見 
文学  クヌート・ハムスン(小説家:ノルウェー)  田園生活を賛美した代表作「大地の恵み」
米国批判とナチズム礼賛が批判されたが開拓農民の姿を描いた作品は世界的な人気となり、受賞に至る。
戦後は自宅軟禁となるももの、作品の人気は失われませんでした。
平和  レオン・ブルジョク(元フランス首相:フランス)  <国際連盟の創設、初代総会議長を務める>
 司法や教育の分野で活躍後、60代で国際連盟の創設に関わる。
第一次世界大戦後、1920年1月にフランスのパリで初会合が行われ、11月ジュネーヴ本部で初の総会開催
彼はこの時、総会議長を務めた。その後、加盟国が60カ国まで増えるものの、米国の不参加、日独の脱退で崩壊 
1921年 
物理  アルベルト・アインシュタイン
(カイザーウィルヘルム協会:ドイツ)
<理論物理学への貢献、特に光電効果の法則の発見>
 光が「波」と「粒子」両方の性質を持つことで、光電効果を説明できることを証明。
光とは何か?という科学界最大の謎に大きな一歩を踏み出させる研究だった。これは量子力学の構築への第一歩ともなった。
この後、彼は「ブラウン運動の研究」「特殊相対性理論」「一般相対性理論」についての論文を次々と発表。
この年、彼は「相対性理論」ではなく「光電効果の研究」によりノーベル賞を受賞。
人類文化の発展に影響がある研究が「光電効果」だったといわれるが、ユダヤ人であるアインシュタインへの差別とも言われる。
化学  フレデリック・ソディ(オックスフォード大:イギリス)  放射性物質の化学に関する研究、同位体の起源と特性に関する研究 
生理・医学  該当者なし   
文学  アナトール・フランス(詩人、小説家、批評家:フランス) スタイルの高貴さ、人間への深い共感、そして真のガリア人気質であることを特徴とする文学的成果 
平和   カール・ヤルマール・ブランティング(スウェーデン首相) スウェーデン王国首相、国際連盟評議会のスウェーデン代表として活躍 
クリスティアン・ランゲ
(ノーベル委員会の事務局総長:ノルウェー)
ノルウェー・ノーベル委員会の事務総長、列国議会同盟の事務局長としての活動
1922年 
物理 ニールス・ボーア(コペンハーゲン大:デンマーク)  <原子の構造と原子から放出される放射線の研究>
 「量子」の概念を取り入れることで新たな「原子模型」を提唱した。
アインシュタインが発見した光の性質を用いたことで量子の「不確定性原理」を証明。
アインシュタインはボーアとの論争の際、「神はサイコロを振らない」という有名な言葉を残しました。 
化学  フランシス・アストン(ケンブリッジ大:イギリス)  質量分析計の開発を非放射性元素における同位体の発見 
生理・医学  アーチボルド・ヒル(ロンドン大:イギリス)  筋肉中の熱の発生に関する発見 
オットー・マイヤーホフ(キール大:ドイツ) 酵素消費量と筋肉における乳酸生成の関係を発見
文学  ハシント・ベナベンテ(劇作家:スペイン)  傑出した手法でスペインの演劇のレベルを高めた功績 
平和  フリチョフ・ナンセン(科学者、探検家、政治家:ノルウェー) 戦争難民の帰国援助、飢餓難民の救済活動 
1923年 
物理  ロバート・ミリガン(カリフォルニア工科大:アメリカ)  電気素量の計測と光電効果に関する研究 
化学  ルデリック・プレーグル(グラーツ大:オーストリア)  有機物の微量分析法の発明 
生理・医学  フレデリック・バンティング(トロント大:カナダ)
ジョン・ジェームズ・リチャード・マクラウド(トロント大:カナダ)
<インスリンの発見>
 長い間、不治の病と言われてきた「糖尿病」の特効薬を犬の膵臓から抽出して見つけ出した功績。
重い糖尿病の少年がこの抽出物により救われ「バンティング・ベストの奇蹟」と言われました。(ベストは助手の名前)
その抽出物は「インスリン」と名付けられ、1922年には臨床で用いられることになりました。
文学  ウィリアム・バトラー・イエイツ(詩人、劇作家:アイルランド)  高い芸術性を持つ詩、戯曲でアイルランドの文学界に多大な貢献 
平和  該当者なし   
1924年 
物理  マンネ・シーグバーン(ウプサラ大:スウェーデン)  X線分光法の発見と研究 
化学  該当者なし   
生理・医学  ウィレム・アイントホーフェン(ライデン大:オランダ)  <心電図法の発明>
 ルイージ・ガルヴァーニによるカエルの筋肉の電気についての研究以降、生物体内にかすかな電位が生じることが明らかになります。
しかし、その電位は微弱なため測定不能でした。それを可能にしたのがアイントホーフェンでした。彼はその装置により心臓の電位を記録。
それが心臓の状態を示す指標になることを発見。こうして世界初の心電図測定装置が作られました。
文学  ヴワディスワフ・レイモント(小説家:ポーランド)  春夏秋冬のポーランド農民の生活を描いた作品「農民」など 
平和  該当者なし   
1925年 
物理  ジェイムス・フランク(ゲッティンゲン大:ドイツ)
グスタフ・ヘルツ(ハレ大:ドイツ) 
電子と原子の衝突に関する法則を発見 
化学  リヒャルト・ジグモンディ(ゲッティンゲン大:オーストリア)  <コロイド溶液の異質性を実証し、コロイド化学の基盤を確立>
 液体に「コロイド粒子」という直径1ナノmから100ナノmの物質が混ざった物質を「コロイド」といいます。
その研究に必要な限外顕微鏡を開発。
コロイドの持つ様々な特性(チンダル現象など)を研究し、その後の化学実験に大きな影響を与えた。
生理・医学  該当者なし   
文学  ジョージ・バーナード・ショー
(劇作家、批評家、教育家:アイルランド) 
独特の詩的な美しさを持つ刺激的な風刺に満ち、理想主義と博愛主義を貫いた作品
<代表作>「ピグマリオン」(マイ・フェア・レディー)、「シーザーとクレオパトラ」、「人と超人」 
平和   チャールズ・G・ドーズ(米副大統領:アメリカ)  ドイツ経済を安定させることで対仏の緊張を緩和
オースティン・チェンバレン(政治家:イギリス)  ヨーロッパにおける国際紛争の平和的解決を目指すロカルノ条約締結を主導 
1926年(大正15年・昭和元年) 
物理  ジャン・ペラン(ソルボンヌ大:フランス)  <物質の不連続構造に関する研究、特に沈降平衡の発見>
 アインシュタインによって研究された「ブラウン運動」。
それを記述する方程式を用い、容器内の水に浮かぶ微粒子を軽量し、原子の大きさを明らかにした。
化学  テオドール・スヴェドベリ(ウプサラ大:スウェーデン)  高分子のコロイド溶液などの分散系に関する研究 
生理・医学  ヨハネス・フィビゲル(コペンハーゲン大:デンマーク)  <寄生虫によるがん発生に関する研究>
 胃がんのマウスにのみ寄生する線虫を発見。これを健康にマウスに食べさせるとがんを発症した。
ならば、がんの原因はある種の寄生虫であると特定できると説明した。(後にこの説は誤りだったことが明らかになります) 
文学  グラツィア・デレッダ(詩人、小説家:イタリア)  故郷サルディーニャ島を舞台に人間の苦悩と救済をテーマにした物語を展開 
平和  アリスティード・ブリアン(元フランス首相:フランス)
グスタフ・シュトレーゼマン(元ドイツ首相:ドイツ)
ロカルノ条約の締結に尽力 
1927年 
物理   アーサー・コンプトン(シカゴ大:アメリカ)  <光の粒子性を証明するコンプトン効果の発見> 
チャールズ・ウィルソン(ケンブリッジ大:イギリス)  <帯電した粒子の軌跡を可視化する方法の開発>
 気象に興味があったウィルソンは、1894年イギリスのベン・ネヴィス山頂の観測所で光と雲の生み出す絶景に感動。
実験室でその情景を再現することを試みます。密閉容器に水分を含んだ空気を入れて減圧することで霧を発生させることに成功。
その水滴の正体がわからず、埃などの微粒子を取除いてみます。ところがそれでもなお霧ができ、その原因はかもしれないと気づきます。
X線を当てることで電離作用により陽イオンが発生し、より多くの霧を生み出すことに成功。これにより放射線の通り道を明らかにします。
こうして誕生した「ウィルソンの霧箱」はこの後、量子力学の発展に重要な役割を果たすことになります。
化学  ハインリッヒ・ヴィーラント(ケンブリッジ大:イギリス)  胆汁酸と関連物質の構造研究 
生理・医学  ユリウス・ワーグナー=ヤウレック(ウィーン大:オーストリア) 麻痺性認知症の治療におけるマラリア接種の治療効果の発見
文学 アンリ・ベルグソン(哲学者:フランス) 豊かな活気あるアイデアと卓越した技術に対して 
平和  フェルディナン・ビュイソン(政治家:フランス)
ルートヴィッヒ・クヴィデ(平和運動家:ドイツ) 
独仏の緊張緩和のための貢献に対して 
1928年 
物理  オーエン・リチャードソン(ロンドン大:イギリス)  熱電子の研究とリチャードソン効果の発見 
化学  アドルフ・ヴィンダウス(パストゥール研究所:フランス) <ステロイドの構成とビタミンの関連性についての研究>
 ステロイドの一種であるコレステロールの構造研究の過程で「エルゴメテロール」に紫外線をあてるとビタミンDに変化することを発明。
これは後に「くる病」発症の原因究明にも役立つことになります。
生理・医学  シャルル・ジュール・アンリ・ニコル
(パストゥール研究所:フランス) 
<チフスに関する研究>
 チュニジアで流行していた発疹チフスを研究。その原因がシラミであることを発見。
その発見をもとに感染予防の方策を広め、第一次世界大戦中の感染拡大を防いだことが評価されました。
文学 シグリ・ウンセット(小説家:ノルウェー)  主に中世における人生について、堅実な歴史的知識、深い心理的洞察力、鮮やかな想像力を駆使して描写 
平和 該当者なし   
1929年 
物理  ルイ・ド・ブロイ(ソルボンヌ大:フランス)  電子の波としての性質を発見 
化学  アーサー・ハーデン(ロンドン大:イギリス) 
ハンス・フォン・オイラー=ケルビン
(ストックホルム大:スウェーデン)
砂糖と発酵酵素の発酵に関する研究
生理・医学   クリスティアーン・エイクマン(ユトレヒト大:オランダ)  <抗神経炎ビタミンの発見>
 東インドで軍医として赴任し、当時流行していた「脚気」の原因究明を行う。
鶏が同じ状況になることを知り、玄米ではなく白米だけを食べた鶏に症状が出ることも突き止めました。
(玄米に含まれるビタミンB1が効果の原因であることが後に明らかになります) 
フレデリック・ホプキンズ(ケンブリッジ大:イギリス) <成長を促進するビタミンの発見>
 鼠を使った実験により、生体を維持するための栄養素にはタンパク質、炭水化物以外にも必要な物質があることを予見。
それがビタミンの発見につながることになりました。 
文学 トーマス・マン(小説家:ドイツ) 主に現代の古典として認められた長編「ブッデンブローク家の人々」に対して
平和  フランク・ケロッグ(アメリカ国務長官:アメリカ)  戦争の放棄、紛争は平和的手段で解決することを規定したケロッグ・ブリアン条約締結に尽力 
1930年 
物理  チャンドラセカール・ラマン(カルカッタ大:インド)  <光の散乱した関する研究とラマン効果の発見>
 海面が青く光ることへの疑問から「ラマン効果」を発見。後に光ファイバー通信にも応用される技術となりました。 
化学  ハンス・フィッシャー(ミュンヘン工科大:ドイツ)  <ヘミンとクロロフィルの構造の研究、特にヘミン合成の研究>
 動物の赤血球中のヘモグロビンと植物の光合成に関わるクロロフィル(葉緑素)。
そのいずれもポルフィリンという化合物で、似た分子構造を持つことを発見。
生理・医学  カール・ラントシュタイナー
(ロックフェラー医学研究センター:オーストリア) 
<人間の血液型の発見>
 1901年にカール・ラントシュタイナーが血液にA型、B型、O型があることを発見。(AB型は他の研究者が1902年に発見)
これにより輸血による失敗が大幅に減ることになります。
文学  シンクレア・ルイス(小説家、劇作家:アメリカ)  躍動感あふれる描写と社会風刺の利いたユーモアで新しいタイプの文学を創出
平和  ナータン・セーデルブロム(神学者:スウェーデン)  エキュメニズム(キリスト教相互の団結)や教会の世界平和への参画を主導 
1931年 
物理  該当者なし   
化学  カール・ボッシュ(IGファルベン:ドイツ) 
フリードリッヒ・ベルギウス(ゴールドシュミット社:ドイツ)
<高圧化学的方法の発明と開発>
 1913年ベルギウスは高温高圧下で石炭の液化をする「ベルギウス法」を開発。
ボッシュはベルギウス法を活用して、石炭より効率の良いガソリンやメタノール合成の研究を行なった。 
生理・医学  オットー・ワールブルク(カイザーヴィルヘルム協会:ドイツ)  呼吸作用の研究 
文学  エリク・アクセル・カールフェルト(詩人:スウェーデン)  詩作に対して(1931年、受賞前に死去していました) 
平和   ジェーン・アダムズ(社会事業家:アメリカ)  <平和と自由国際女性同盟の設立などの社会事業に対して>
 1889年シカゴの貧民街にあった古い邸宅を活用して「ハルハウス」設立。貧血者の救済だけでなく教育施設としても活用。 
1884年にロンドンに作られたアーノルド・トインビーらによる「トインビー・ホール」がモデルでした。
1週間で2000人の貧困者のケアをできる施設となりました。彼女はその後、児童就労問題移民問題、国際平和運動にも関わりました。
ニコラス・バトラー(コロンビア大総長:アメリカ)  国際司法裁判所の創設、アメリカの不戦条約締結推進 
1932年 
物理  ヴェルナー・カール・ハイゼンベルク(ライプツィヒ大:ドイツ)  <量子力学の創始と不確定原理の発見>
 エルヴィン・シュレディンガーによって同時期に発表された波動力学と共に量子力学の基礎となる原理を発見。
論理だけの学問のようだが、量子力学の誕生により微小な電子回路の設計や製造がシュミレーション可能になった。 
化学  アーヴィング・ラングミュア(GE社:アメリカ)  界面化学における発見と研究 
生理・医学  チャールズ・シェリントン(オックスフォード大:イギリス)
エドガー・エイドリアン(ケンブリッジ大:イギリス)
<ニューロンの機能に関する発見>
 近代神経生理学の基礎を作り上げたコンビで、シェリントンは、「一組の筋肉の一方を収縮させると、もう一方に弛緩が起こる」ことを発見。
ニューロン間の連結構造を「シナプス」と名付けたのもシェリントン。
「シェリントンの法則」
「刺激による諸情報をニューロンが1000分の1秒単位の速さで統合し、指令を繰り出すことで、身体の動きに反映させている」
 エイドリアンは、カエルの視神経に電極を付け、神経細胞に電流が流れていることを発見。
「皮膚に受けた刺激による興奮は、時間経過とともに減少する」
「繰り返し同じ刺激に晒されると、大脳制御により認識が減少する」
文学  ジョン・ゴールズワージー(小説家、劇作家:イギリス)  「フォーサイト物語」を頂点とする高い芸術性をもつ作品 
1933年 
物理  エルヴィン・シュレディンガー(ベルリン大:オーストリア)
ポール・ディラック(ケンブリッジ大:イギリス) 
<原子構造に関する理論の発見>
 1932年、ハイゼンベルクは量子力学を「行列力学」の形で発表。それに対してシュレディンガーは「波動力学」として発表。
二つが同義であることが証明されました。
 ディラックは1928年に電子を表す量子力学の方程式「ディラック方程式」を発表。
「電子と同質量で反対向きの符号を持つ何らかの粒子があるはず」と予見。
1932年、カール・D・アンダーソン(米)が予見通りの存在「陽電子」を発見しました。
化学 該当者なし  
生理・医学  トーマス・ハント・モーガン(カリフォルニア工科大:アメリカ)  <遺伝子における染色体の役割に関する発見>
 概念としてではなく目に見える存在としての物質(遺伝子)が染色体上に存在することを証明。
ここから遺伝子の研究は20世紀を象徴する分野として急速に発展し始めることになります。 
文学  イヴァン・ブーニン(小説家:ソ連)  古典的なロシア伝統の筆致で確固たる散文家としての地位を築いた
平和  ラルフ・ノーマン・エンジェル(政治経済評論家:イギリス)  「大いなる幻影」の著作で戦争を完全否定し、国際平和に貢献 
1934年 
物理  該当者なし   
化学  ハロルド・ユーリー(コロンビア大:イギリス)  <重水素の発見>
 水素の同位体である重水素を発見。一つの元素がもつ原子構造は1種類とは限らず、中性子の数が異なる同位体も存在する。
ユーリーは1932年、電子1陽子1の水素原子に中性子1が加わった同位体の分離に成功した。球上では水素の0.015%が重水素。
しかし、この同位体分離の技術は原子爆弾の開発にも有効なため、彼はマンハッタン計画にも参加することになります。
生理・医学  ジョージ・H・ウィッブル(ロチェスター大:アメリカ)
ジョージ・リチャーズ・マイノット(ハーバード大:アメリカ)
ウィリアム・P・マーフィー(ハーバード大:アメリカ) 
 貧血は当時、命を落としかねない危険な症状でした。3人は肝臓に含まれるビタミンB12が貧血症状を緩和できることを発見。
これにより、貧血症状の改善の方法が明らかになり始めます。
文学  ルイジ・ピランデロ(劇作家、小説家:イタリア)  「作者を探す六人の登場人物」などの戯曲で演劇界に革命を起こした 
平和 アーサー・ヘンダーソン(政治家:イギリス)  <国際連盟の推進、軍縮会議の主催など>
 英国政府外相として国連設立に尽力。1931年ジュネーブ軍縮会議議長就任。
その後、軍縮は失敗するが平和への願いをこめて彼は平和賞が与えられた。 
1935年 
物理  ジェームズ・チャドウィック(リバプール大:イギリス)  <中性子の発見>
 1932年、チャドウィックは電気的に中性な電荷を持たない粒子(中性子)を発見。
この発見から核分裂反応の発見へと発展し、原子爆弾の開発が始まることになります。 
化学  フレデリック・ジョリオ=キュリー(ラジウム研究所:フランス)
イレーヌ・ジュリオ=キュリー(ラジウム研究所:フランス) 
新しい放射性元素の合成 
生理・医学 ハンス・シュペーマン(フライブルク大:ドイツ)  <生物の発生における誘導の発見>
 「発生生物学」の基礎を築いた人物。
受精卵の胚の中に周囲に働きかけることで分化を促す(誘導)部位(形成体、オーガナイザー)があることを発見。
形成体が胚発生の司令塔として機能することを明らかにしました。 
文学 該当者なし  
平和  カール・フォン・オシェツキー(ジャーナリスト:ドイツ)  反戦ジャーナリズム 
1936年 
物理   ヴィクトール・フランツ・ヘス(インスブルック大:オーストリア)  <宇宙放射線の発見>
 気球に電離箱を乗せ、上空5000mで放射線の測定を実施。太陽のあるなしに関係なく地上の2倍を観測。
これは宇宙から届いた放射であることを明らかにした。
1925年、ロバート・ミリカンは、その放射線を「宇宙線」と名付けました。 
カール・デイヴィッド・アンダーソン
(カリフォルニア工大:アメリカ)
陽電子の発見
化学   ピーター・デバイ(ベルリン大:オランダ)  双極子モーメントの研究とガス中のX線と電子の回折による分子構造の研究 
生理・医学 ヘンリー・ハレット・デール(英国国立研究所:イギリス)
オットー・レーヴィ(グラーツ大:オーストリア) 
 シナプスにおける情報伝達が化学的なものであることを発見。
刺激が体内を伝わるには情報伝達物質がシナプスを通る必要がある。その神経伝達物質の一つを1914年に発見したのが H・H・デール。
1920年カエルの心臓を使い、「情報伝達は電気的なものではなく化学物質によって行われる」と発表したのが、O・レーヴィ。
レーヴィが提唱した情報伝達物質がアセチレンであることをデールは後に説明しました。
文学  ユージン・オニール(劇作家:アメリカ)  悲劇の根源的概念を具現化した力強く深みのある感性を持つ劇作家に対して 
平和  カルロス・サアベドラ・ラマス(政治家:アルゼンチン)  パラグアイとボリビアの和平交渉、南米の不戦協定に関する活動 
1937年 
物理  クリントン・デイヴィソン(ベル研究所:アメリカ)
ジョージ・パジェット・トムソン(ロンドン大:イギリス) 
<結晶による電子回折の発見>
 ルイ・ド・ブロイの理論を応用。各物質ごと固有に存在する分子や原子の配列に電子線を当てれば特有の屈折をすると予測。
これが実証されたことで、ド・ブロイによる粒子と波動両方の性質を光が持つという理論は強化されました。 
化学   ウォルター・ハース(バーミンガム大:イギリス)  炭水化物とビタミンCの研究 
ポール・カーラー(チューリッヒ大:スイス)  カロテノイド、フラビン、ビタミンA、ビタミンB2の研究 
生理・医学  アルベルト・セント=ジョルジ(セゲド大:ハンガリー)  <ビタミンCとフマル酸の触媒作用を中心に、生物学的燃焼過程に関する発見> 
 壊血病の治療に効果がある物質として発見されたビタミンC。
1928年にジョルジは副腎からヘキサ・マロン酸を精製。それがビタミンCと同じものであることを発表。アスコルビン酸と改名しました。
文学  ロジェ・マルタン・デュ・ガール(小説家:フランス)  人間の葛藤や同時代の根源的な様相を描写した「チボー家の人々」の芸術性 
平和  ロバート・セシル(政治家:イギリス)  国際連盟を通じて軍縮と集団安全保障のために活動した国際平和運動を主導 
1938年 
物理 エンリコ・フェルミ(ローマ大:イタリア) <中性子照射による新放射性元素の発見と熱中性子による核反応の発見>
 原子核に中性子をぶつけて核分裂を起こさせ、多くの放射性同位体を作り出した。
放射線を発しながら安定に向かうこの放射性同位体を40種類以上作り出し、この後、原子爆弾や原子炉製造の基礎となりました。
化学  リヒャルト・クーン(カイザーヴィルヘルム協会:ドイツ)  カロテノイドとビタミンの研究 
生理・医学  コルネイユ・ハイマンス(ゲント大:ベルギー)  頸動脈洞にあるセンサーが呼吸の調整をすることを発見。人体が自ら酸素量を感知して呼吸や血圧を調整している仕組みを明らかにした。
文学  パール・S・バック(小説家:アメリカ)   中国における農民生活を叙事詩的に描いた一連の著作に対して、1932年40歳の時、「大地」でピュリツァー賞を受賞。
宣教師だった父親と中国で生活した体験から生まれた作品
平和  ナンセン国際難民事務所  難民救助活動に対して 
1939年 
物理 アーネスト・ローレンス
(カリフォルニア大バークレー校:アメリカ)
<サイクロトロンの開発と人工放射性元素の研究>
 サイクロトロンによって、それまでの直線型加速器とは桁違いのエネルギーを持つ粒子を生成することが可能になった。
この技術は医療用検査装置PETや放射線治療にも活かされることになります。
化学  アドルフ・ブーテナント(カイザーヴィルヘルム協会:ドイツ)  <性ホルモンに関する研究>
 女性ホルモンのエストロゲン、プロゲステロンや男性ホルモンのアンドロステロンの結晶を取り出し、化学構造を明らかにした。
この研究は、その後、避妊薬の開発につながることになりました。
レオポルト・ルジチカ(スイス連邦工科大:スイス) ポリエチレンと高級テルペンの研究 
生理・医学  ゲルハルト・ドーマク(ミュンスター大:ドイツ)  <プロントジル(合成抗菌薬)の発見>
 工業用染料プロントジルが抗菌効果があることを発見。感染症の治療に新しい道を切り開いた。
猩紅熱、髄膜炎の原因となるレンサ球菌に効果を示した。しかし、抗生物質ペニシリンの登場に役目を終えることになります。
文学  フランス・エーミル・シランペー(小説家:フィンランド)  祖国の農民層に対する深い理解と、彼らの生き方と自然との関係を描いた高い技術に対して 
平和  該当者なし   
1940年 
1941年 
1942年
第二次世界大戦により休止
1943年
物理 オットー・シュテルン(カーネギー工科大:アメリカ)  分子線法の開発とプロトンの磁気モーメントの発見 
化学  ゲオルク・ヘヴェシー(ストックホルム大:ハンガリー)  化学反応の研究におけるトレーサーとしての同位体使用に関する研究 
生理・医学   カール・ピーター・ヘンリク・ダム
(ポリテクニック研究所:デンマーク) 
<ビタミンKの発見>
 血液凝固ビタミンとも呼ばれる出血を制御する重要な役目を持ちます。彼はビタミンKのこの効果を明らかにしました。
デンマークは当時まだドイツの支配下にあったため、ダムは授賞式に出席できず、翌年にメダルを受け取りました。
エドワード・アダルバート・ドイジー(セントルイス大:アメリカ)  <ビタミンKの化学的性質の発見>
 ビタミンKの化学的構造を明らかにし、その合成にも成功した。ビタミンKは現在も止血薬や骨粗しょう症の治療薬として使用中。 
文学  該当者なし  
平和  該当者なし   
1944年 
物理  イジドール・イザーク・ラービ(コロンビア大:アメリカ)  <原子核の磁気特性を記録する共鳴法の開発>
 核磁気共鳴は当初は原子核内の構造を知る実験法として捉えられていたが、その後、物質の分析や同定にも利用されるようになった。
医療用の検査に使われている核磁気共鳴画像法(MRI)にも利用されています。 
化学  オットー・ハーン(カイザーヴィルヘルム協会:ドイツ)  <原子核分裂の発見>
 ウランに中性子を当て、バリウムの生成に成功。この時、ウランの状態から質量が2分の1になっていました。
その意味が理解できなかったハーンは、ナチスから逃れてスウェーデンに渡っていたリーゼ・マイトナー女史に相談。
すると彼女は核分裂が起き、そこから大量のエネルギーを得られると予測しました。
この現象に「核分裂」と名前をつけたマイトナー女史にもノーベル賞を与えるべきだったという意見は多いようです。(性差別だったのか?)
生理・医学  ジョセフ・アーランガー(ワシントン大:アメリカ)
ハーバート・ガッサー(ロックフェラー医学研究所:アメリカ) 
神経線維の高度に分化した機能に関する発見 
文学  タハネス・ヴィルヘルム・イェンセン(小説家:デンマーク)  広い視野の知的好奇心と斬新なスタイル、詩的想像力の強さと豊かさに対して 
平和  赤十字国際委員会
(2度目の受賞 )
<戦争捕虜に対する人道的支援>
 スイスのジュネーヴに拠点を置き、80カ国以上の国で1万3000人以上の職員が活動する組織に発展しています。
1945年 
物理  ヴォルフガング・パウリ(プリンストン大:オーストリア)  <「パウリの原理」と呼ばれる排他原理の発見>
「一つの原子の中で2つ以上の電子は同じ状態(軌道)では存在しえない」
「電気的に中性で質量の小さな粒子」の存在を予見。1956年に初観測され「ニュートリノ」と名付けられます。 
化学 アルトゥーリ・ヴィルタネン(ヘルシンキ大:フィンランド)  <農業と栄養化学、特に飼料保存法の研究と発明>
 飼料を長持ちさせるため、塩酸や硫酸を使ってPH値を制御するAIV方式を開発。 
生理・医学  アレクサンダー・フレミング(ロンドン大:イギリス)
エルンスト・ボリス・チェーン(オックスフォード大:イギリス)
ハワード・フローリー(オックスフォード大:オーストラリア) 
<ペニシリンの発見と様々な感染症への治療効果の発見>
 フレミングがカビが細菌の生育を抑える現象に着目。アオカビの中に抗菌物質が含まれていることを発見し、「ペニシリン」と名付けました。
1938年にチェーンとフローリーがペニシリンの抽出に成功。そして第二次世界大戦の戦場で多くの兵士の命を救うことになりました。
文学  ガブリエラ・ミストラル(詩人:チリ)  力強い感情に触発された詩は、ラテン・アメリカの理想主義の象徴となりました。 
ラテンアメリカ初のノーベル賞受賞者となり、国連職員、外交官としても活躍しました。
平和  コーデル・ハル(元アメリカ国務長官:アメリカ)  国際連合の発案、国際連合憲章の起草 
1946年 
物理  パーシー・ブリッジマン(ハーバード大:アメリカ)  高圧を生成する装置の発明と高圧物理の分野での発見 
化学   ジェームズ・サムナー(コーネル大:アメリカ)  酵素を結晶化できることを発見 
ジョン・ノースロップ(ロックフェラー研究所:アメリカ)
ウェンデル・スタンリー(ロックフェラー研究所:アメリカ)
酵素とウイルス・タンパク質を結晶化 
生理・医学  ハーマン・J・マラー(インディアナ大:アメリカ)  <X線照射による突然変異生成の発見>
 ショウジョウバエにX線を照射すると高い確率で突然変異を発生させられることを発見。
放射線の危険についてもいち早く警鐘を鳴らし、核兵器廃絶のため「ラッセル・アインシュタイン宣言」にも署名することになります。 
文学  ヘルマン・ヘッセ(小説家、詩人:西ドイツ)   揺るぎない博愛主義と高度な筆力で育まれた作品に対して
代表作「車輪の下」(1906年)は、戦時中、出版が認められませんでした。
平和   エミリー・グリーン・ボルチ(経済学者、社会学者:アメリカ)  平和と自由のための国際婦人連盟の設立などの平和運動 
ジョン・モット(宗教家:アメリカ)  YMCA会長としての活動 
1947年  
物理  エドワード・アップルトン
(キャベンディッシュ研究所:イギリス)
<アップルトン層の発見など上層大気の研究>
 1924年、商業放送用の無線電波を使って、電離層までの距離を確認。地上60~500キロにある電離層の存在を確認。
さらにその内部でも上層ほど電子密度がより高いことを発見。後の電波通信や航空レーダーに活かされるになります。
化学  ロバート・ロビンソン(オックスフォード大:イギリス)  <アルカロイドに関する研究>
 窒素を含む有機化合物アルカロイドの中でも有益な形に精製したものとしてモルヒネ、カフェイン、ニコチンがあります。 
生理・医学   カール・コリ(ワシントン大:アメリカ)
ゲルティー・コリ(ワシントン大:アメリカ)
<グリコーゲンの触媒的作用を発見>
 炭水化物の代謝経路を解明。運動によって糖が消費されることで乳酸が生成され、それが体調不良の原因となります。
しかし、乳酸は肝臓を通ってグルコースとして血中へ放出され、過分な分はグリコーゲンとして筋肉に蓄積され、必要な時に放出される。
この「コリ回路」によって、乳酸の増加は抑制されているというメカニズムが明らかにされました。
バーナード・ウッセイ(実験医学生物学研究所:アルゼンチン) 脳下垂体前葉部から分泌される成分が糖尿病の原因であることを発見
文学 アンドレ・ジッド(作家:フランス) 人間の本質を臆することのない真実への追求と鋭い精神的洞察で描写 
平和   イギリス・フレンズ協議会(イギリス)  国際平和活動と人種や国籍を問わずに行われた人道的援助活動 
アメリカ・フレンズ奉仕団(アメリカ) ユダヤ難民、スペイン内戦の犠牲者、戦争捕虜たちへの支援
1948年 
物理  パトリック・ブラケット(マンチェスター大:イギリス)  核物理と宇宙放射線の分野における発見 
化学  ウィルヘルム・ティセリウス(ウプサラ大:スウェーデン)  <電気泳動法開発、血清タンパク質の特性に関する発見>
 電極間に設置したら紙や寒天ゲルに電気を通して対象物の動きを測定。
構成物の電荷や分子の大きさ、重さ、形により「泳ぎ方」が異なるので分離が可能。これは様々な医学分野での応用が可能となります。 
生理・医学  パウル・ヘルマン・ミュラー(J・R・ガイギー社:スイス)  <DDTの殺虫効果の発見>
 1960年代、食物連鎖によって有害物質が体内に濃縮、蓄積されることで人体に害を与えることが明らかになります。
それでもまだ、一部の開発途上国ではマラリア対策のために使用され続けています。 
文学  T・S・エリオット(詩人:イギリス)  傑出した現代詩の開拓者。「荒地」(1922年)第一次世界大戦後、イギリスの荒廃と不安と希望を描き出した長編詩。 
世界中のアーティストたちに影響を与える存在となりました。
平和  該当者なし   
1949年 
物理  湯川秀樹(京都大:日本)  <原子核の理論的研究に基づいて中間子の存在を予言>
「なぜ陽子と中間子が原子核の中で、バラバラにならないのか?」
「陽子同士ではなく、陽子と中間子の両者をつなぎとめる別の粒子をキャッチボールしているからではないか?」
その粒子はほんの一瞬しか存在しないため発見されていない。
この「中間子理論」がこの後の素粒子論のスタート地点となりました。 
化学  ウィリアム・ジオーク(カリフォルニア大バークレー校:アメリカ) 低温での物質の挙動に関する研究 
生理・医学   ウォルター・ルドルフ・ヘス(チューリッヒ大:スイス)  <内臓の活動を制御する間脳の機能の発見>
 間脳が呼吸、血圧、心拍数、体温、消化液の分泌などの調節機能を持つ自律神経中枢であることを明らかにした。 
エガス・モニス(リスボン大:ポルトガル)  <ある種の精神病に対するロボトミーの治療的価値に関する発見>
 「前頭葉」と「大脳辺縁系」をつなぐ経路にダメージを与えることで精神疾患の治療をする手術法の考案。
後にこの手法の危険性が明らかになり、受賞取り消しの意見も取りざたされることになります。
文学  ウィリアム・フォークナー(小説家:アメリカ)  アメリカの現代小説に対する強力で芸術的な貢献 
平和  ジョン・ボイド・オア(元グラスゴー大総長:イギリス)  国際連合食糧農業機関代表としての活動 
1950年 
物理  セシル・パウエル(ブリストル大:イギリス)  写真撮影による原子核崩壊過程の研究方法の開発および中間子の発見 
化学  オットー・ディールス(キール大:西ドイツ)
クルト・アルダー(ケルン大:西ドイツ)
<ジエン合成の発見と開発>
 ジエン合成は「ディールス・アルダー反応」とも呼ばれる有機化学反応。
その反応を利用してジエン系ゴムや様々な薬品、プラスチック製品、殺虫剤などが生み出されます。 
生理・医学  エドワード・カルビン・ケンダル(メイヨー・クリニック:アメリカ)
タデウシュ・ライヒスタイン(バーゼル大:スイス)
フィリップ・ショウォルター・ヘンチ(メイヨー・クリニック:アメリカ)
副腎皮質ホルモンの構造解明と生物学的作用に関する発見 
文学 バートランド・ラッセル(哲学者、数学者:イギリス) 人道的理念と思想の自由を尊ぶ著作群に対して 
平和  ラルフ・バンチ(政治学者:アメリカ)  <1948年のイスラエル国建国に伴うイスラエルとアラブ諸国の間の戦争で停戦を実現>
 黒人初のノーベル賞受賞者。ハーバード大の教授、研究者から大戦中、米軍戦略諜報局、国務省に勤務。
戦後は国連の設立準備や「世界人権宣言」採択のために尽力。20世紀を代表する平和思想家と呼ばれます。
「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利について平等である」(第一条)
(1948年、国連総会にて採択)
1951年 
物理  ジョン・コッククロフト(ハーウェル研究所:イギリス)
アーネスト・ウォルトン(トリニティ・カレッジ:アイルランド)
加速された陽子による原子核変換に関する研究
化学  エドウィン・マクミラン(カリフォルニア大バークレー校:アメリカ)
グレン・シーボーグ(↑)
<原子番号92のウランよりも重い超ウラン元素の発見>
 原子力発電所や原子爆弾で使用されることになるプルトニウムを含むのが「超ウラン元素」です。 
生理・医学  マックス・タイラー(ロックフェラー財団:南アフリカ)  <黄熱病の研究と治療法の開発>
 野口英世は1918年に黄熱病の病原体を発見したと発表。
しかし、南米で効果があった「野口ワクチン」がアフリカでは効果がなく、そこから原因がより小さな「ウイルス」によるものであることを発見。
「細菌」が原因ではなく「ウイルス」が原因であることを明らかにした。 
文学  ペール・ラーゲルクヴィスト(作家、詩人:スウェーデン)  人類が直面する永遠の課題に対する答えを見つけるための芸術的活力に溢れる詩作 
平和  レオン・ジュオー(労働組合活動家:フランス)  国際労働機関創設への貢献 
1952年 
物理 フェリックス・ブロッホ(スタンフォード大:アメリカ)
エドワード・ミルズ・パーセル(ハーバード大:アメリカ)
核磁気の精密な測定法の開発
化学  アーチャー・マーティン(英国国立医学研究所:イギリス)
リチャード・シング(ローウェット研究所:アメリカ) 
ペーパークロマトグラフィーによる分析法の発明  
生理・医学  セルマン・ワクスマン(ラトガー大:アメリカ)  結核に有効な抗生物質ストレプトマイシンの発見 
文学  フランソワ・モーリアック(小説家、劇作家:フランス)  作品に浸透した精神的な深い洞察と芸術的な強さ 
平和  アルベルト・シュバイツァー(宣教師、医師、音楽家:フランス)  <ガボンのランパレネにおける医療奉仕活動>
 アフリカでの医療活動に生涯を捧げ、ヨーロッパで「密林の聖者」と称賛された人物。 
1953年 
物理  フリッツ・ゼルニケ(フローニンゲン大:オランダ)  位相差顕微鏡の発明、位相コントラスト法の開発 
化学  ヘルマン・シュタウディンガー(フライブルク大:西ドイツ)  高分子化学分野での発見 
生理・医学   ハンス・クレブス(シェフィールド大:イギリス)  尿素回路、クエン酸回路の発見 
フリッツ・アルベルト・リップマン(ハーバード大:アメリカ)  コエンザイムAの発見と中間代謝の重要性を解明 
文学 ウィンストン・チャーチル(政治家、軍人、作家:イギリス) <歴史や伝記の格調高い文体や演説と、人間の価値を認めた作品に対して>
 現役政治家が受賞。歴史的資料を文学の領域にまで高めた人物。
代表作は「世界の危機」、「第二次世界大戦」
平和  ジョージ・C・マーシャル(元国務長官、元国防長官:アメリカ)  第二次世界大戦後の西ヨーロッパの経済回復を目指したマーシャル計画 
1954年 
物理   マックス・ボルン(エジンバラ大:西ドイツ)  量子力学の基礎研究、特に波動関数の統計的解釈 
ワルサー・ボーテ(ハイデルベルク大:西ドイツ)  コインシデンス法による原子核反応とガンマ線に関する研究
化学  ライナス・ポーリング(カリフォルニア工科大:アメリカ)  化学結合の本性と複雑な物質の構造解明の研究 
生理・医学  ジョン・フランクリン・エンダース(ハーバード大:アメリカ)
トーマス・ハックル・ウェーラー(ボストン児童医療センター:アメリカ)
フレデリック・チャップマン・ロビンス(ウエスタンリザーブ大:アメリカ)
ポリオウィルスがさまざまなタイプの培養で増殖することを発見
文学  アーネスト・ヘミングウェイ(小説家:アメリカ)  小説「老人と海」にみられる自然と闘う人間の姿を描く、現代的なスタイルが及ぼした影響 
平和  国際連合難民高等弁務官事務所(UNHCR)  <人道的な活動に対して>
 難民の国際援助活動が財政的危機に陥っていることへの喚起。
1951年に設立され、1991年から2000年まで日本人の緒方貞子が「国際難民高等弁務官」として活躍。
1955年 
物理  ウィリス・ラム(スタンフォード大:アメリカ) 水素スペクトルの微細構造に関する発見
ポリカプ・クッシュ(コロンビア大:アメリカ)  電子の磁気モーメントの精密な決定 
化学  ヴィンセント・デュ・ヴィニョー(コーネル大:アメリカ)  生物における硫黄化合物の働きに関する研究 
生理・医学  ヒューゴ・テオレル(カロリンスカ研究所:スウェーデン) <酸化酵素の性質と作用様式に関する発見> 
 ノーベル賞を選考してきた研究所から初の受賞。
酸化酵素とは、酸化、つまり酸素原子と結合して水素原子と電子を失う現象の触媒(化学反応を速める物質)となる物質。
新薬の研究に大きな役割を果たすことになります。
文学 ハッルドル・ラックスネス(作家:アイスランド)  アイスランドの偉大な物語芸術を再現した鮮やかな文学の力 
平和  該当者なし   
1956年 
物理  ウィリアム・ショックレー(ベックマン研究所:アメリカ)
ジョン・バーディーン(イリノイ大:アメリカ)
ウォルター・ブラッテン(ベル研究所:アメリカ) 
<半導体に関する研究とトランジスタ効果の発見>
 20世紀最大の発明ともいえる「コンピューター」の開発にとって最も必要だった部品がトランジスタでした。
当初は部屋一杯を埋め尽くす巨大な機械だったコンピューターが机の上にのるまでになったのは、トランジスタのおかげでした。
バーディーンとブラッテンが点溶解型トランジスタを開発。不安定だったものを改良し接合型にして量産を可能にしたのがショックレーでした。
バーディーンは、1972年に超電導理論により再び物理学賞を受賞します。
化学  シリル・ヒンシュルウッド(オクスフォード大:イギリス)
ニコライ・セミョーノフ(ソ連科学アカデミー:ソ連) 
化学反応のメカニズムに関する研究 
生理・医学  アンドレ・フレデリック・クルナン(ベルビュー病院:フランス)
ヴェルナー・フォルスマン(コロンビア大:アメリカ)
ディキソン・W・リチャード(コロンビア大:アメリカ) 
心臓カテーテル法と循環器系の病理学的変化に関する発見 
文学  ホセ・ラモン・ヒメネス(詩人:スペイン)  近代詩を確立したスペインの偉大な詩人 
平和  該当者なし   
1957年 
物理  楊振寧(プリンストン高等研究所:中国)
李政道(コロンビア大:中国) 
パリティに関する徹底的な調査研究 
化学  アレクサンダー・トッド(ケンブリッジ大:イギリス)  ヌクレオチドとその補酵素に関する研究 
生理・医学 ダニエル・ボベット(公衆衛生研究所:イタリア) 抗ヒスタミン薬の発見
文学  アルベール・カミュ(小説家、劇作家:フランス)   同時代の人間の良心の問題を真摯な姿勢で照らし出した作品。「異邦人」(1942年)、「反抗的な人間」(1951年)など
努力しても報われなかったり、人生に意義を見出せない「不条理」に抵抗することこそ「生きがい」や「自由」である。
革命を求めるジャン=ポール・サルトルに対し、非暴力による社会改革を望んだカミュは対立。
「絶対的な正義はあらゆる矛盾を制圧する、自由を破壊するものである」
カミュは、1960年46歳で自動車事故で死亡することになります。
平和  レスター・ピアソン(カナダ外相:カナダ)  第二次中東戦争時に国連緊急軍の創設を提唱 
1958年 
物理  パーヴェル・チェレンコフ(PNレベデフ物理研究所:ソ連)
イリヤ・フランカ(↑)、イゴール・タム(↑) 
チェレンコフ効果の発見とその解明 
化学  フレデリック・サンガー(ケンブリッジ大:イギリス)  <タンパク質の構造、特にインスリンの構造に関する研究>
 「インスリン」とは、膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる物質です。
彼の研究によってアミノ酸の分子は鎖状に連結した物質であることが証明されました。
これらの構造についての研究は、医薬開発のために重要な意味を持つことになります。 
サンガーは1980年にDNAの塩基配列決定法の発明で再びノーベル賞を受賞します。
生理・医学   ジョージ・ウェルズ・ビードル(カリフォルニア工科大:アメリカ)
エドワード・ローリー・タータム(ロックフェラー研究所:アメリカ) 
遺伝子が細胞内の生化学過程を制御していることを発見 
ジョシュア・レダーバーグ(ウィスコンシン大:アメリカ)  遺伝子組み換えおよび細菌の遺伝物質の発見 
文学  ボリス・L・パステルナーク(詩人、小説家:ソ連)  現代的な叙情詩と大ロシアの叙事詩の両方における重要な業績 
平和  ドミニク・ピール(司祭:ベルギー)  ヨーロッパにおける難民救済活動 
1959年 
物理  エミリオ・セグレ(カリフォルニア大バークレー校:アメリカ)
オーウェン・チェンバレン(↑) 
反陽子の発見
化学  ヤロスラフ・ヘイロフスキー
(チェコスロバキア科学アカデミー:チェコスロバキア) 
ポーラログラフィーによる分析方法の発見と発展 
生理・医学  セベロ・オチョア(ニューヨーク大:アメリカ)
アーサー・コーンバーグ(スタンフォード大:アメリカ) 
<DNAとRNAの生物学的合成におけるメカニズムの発見>
 オチョアがRNA(リボ核酸)、コーンバーグがDNA(ディオキシリボ核酸)の合成酵素を発見。
この業績によって二人はノーベル賞を受賞。ところが、この後、どちらも結果が間違っていたことが明らかになります。
それでも二人はこの後、様々なアミノ酸の遺伝子暗号の解説に成功し、コーンバーグの子供は2006年に化学賞を受賞します。 
文学  サルヴァトーレ・クァジモド(詩人:イタリア)  同時代の悲劇的な経験を照らし出す叙情的な詩に対して 
平和 フィリップ・ノエル=ベーカー(政治家:イギリス) 軍縮活動のための努力 
1960年 
物理  ドナルド・グレーザー(カリフォルニア大バークレー校:アメリカ)  粒子を観測する泡箱の発明 
化学 ウィラード・リビー(カリフォルニア大ロサンゼルス校:アメリカ)  <考古学、地質学、地球物理学などで年齢決定に炭素14を使用する方法の開発>
 自然界の生物の身体、植物の炭素中には放射性同位体の炭素14がほぼ一定存在している。
死後は減少してゆくのでその減少量によって、年代を測定できます。
ただし、1950~60年代に行われた米ソによる核実験により放射性炭素濃度が倍増。この年以前の測定値しか信頼できなくなりました。
リビーは核兵器開発にも関わっただけでなく、その健康被害を否定するために行われた「サンシャイン作戦」にも参加しています。
 これはノーベル賞剥奪に価しますね!
生理・医学  フランク・マクファーレン・バーネット
(ウォルターエライザホール医学研究所:オーストラリア)
ピーター・メダワー(ユニヴァーシティカレッジ・ロンドン:イギリス)
後天性免疫寛容の発見 
文学  サン=ジョン・ペルス(詩人、外交官:フランス)  高らかな飛翔と幻想的な方法で同時代を反映した喚起力豊かな詩 
平和  アルバート・ルツーリ(政治家:南アフリカ)  アフリカ民族会議議長としての活動、反アパルトヘイト闘争に対して 
1961年 
物理   ロバート・ホフスタッター(スタンフォード大:アメリカ)  原子核における電子散乱の研究、核子の構造に関する発見 
ルドルフ・メスバウアー(カリフォルニア工科大:西ドイツ)  ガンマ線の共鳴吸収についての研究、「メスバウアー効果」の発見 
化学  メルヴィン・カルヴィン(カリフォルニア大バークレー校:アメリカ)  植物における二酸化炭素同化に関する研究 
生理・医学 ゲオルグ・フォン・ベケシ(ハーバード大:ハンガリー) 蝸牛殻内の刺激の物理的メカニズムの発見 
文学  イヴォ・アンドリッチ(小説家、詩人:ユーゴスラヴィア)  自国の歴史の主題と運命を描写し得た叙事詩的力量に対して 
平和  ダグ・ハマーショルド(外交官:スウェーデン)  <効率的かつ独立した国連事務局を創設>
 47歳で国連の事務総長に就任。朝鮮戦争後の米国人捕虜の返還交渉を実施。
第二次中東戦争には、国際連合緊急軍(UNEF)を史上初めて派遣します。
コンゴ動乱にもUNEFを派遣するが泥沼化したため、自ら交渉に向かいそこで飛行機の墜落により死去。
死後にノーベル賞を受賞しています。 
1962年 
物理 レフ・ランダウ(ソ連科学アカデミー:ソ連)  凝縮系物理の理論、特に液体ヘリウムの研究 
化学 マックス・ペルーツ(MRC分子生物学研究所:イギリス)
ジョン・ケンドリュー(↑)
球状タンパク質の構造研究 
生理・医学  フランシス・クリック(MRC分子生物学研究所:イギリス)
ジェームズ・ワトソン(ハーバード大:アメリカ)
モーリス・ウィルキンス(ロンドン大:イギリス) 
<核酸の分子構造および生体の情報伝達における重要性の発見> 
 1953年に発表された「DNAの二重らせん構造」の発見者です。20世紀科学における最大の偉業のひとつ。
彼らの研究により、生物の基本的な性質である自己複製や遺伝の仕組みを分子レベルで完全に説明可能となりました。
ただし、3人の受賞者の他にも、受賞に価する人物がいたことは有名です。
「シャルガフの法則」の発見者であるエルヴィン・シャルガフ(オーストリア)
DNA結晶のX線回折写真の撮影に成功したロザリンド・フランクリン(イギリス)
この年平和賞を受賞しているライナス・ポーリングもまた3人の研究に先行していたと言われます。
文学  ジョン・スタインベック(小説家:アメリカ)  現代的かつ想像力豊かな文章にユーモアと鋭い社会的認識を結合 
平和  ライナス・ポーリング(化学者:アメリカ)  反核運動に対して1954年の化学賞に続く2度目の受賞でした 
1963年 
物理  ユージン・ウィグナー(アメリカ)  <原子核および素粒子に関する理論、特に対称性の基本原理の発見と応用>
 量子力学に抽象代数学の理論「群論」を応用した先駆者。「ウィグナーの定理」「ウィグナー効果」「ウィグナー=ザイツの方法」なども有名。
原子核の構造や核力(陽子や中性子の間に働く力)の性質を理論的に解明。
アメリカに亡命したユダヤ系ハンガリー人ということもあり、核兵器開発に積極的に参加し、商用原子炉の開発でも中心的活躍。
マリア・グッパート=メイヤー(アメリカ)
ヨハネス・ハンス・インゼン(西ドイツ) 
原子核の殻構造に関する発見 
化学  カール・ツィーグラー(マックス・プランク研究所:西ドイツ)
ジュリオ・ナッタ(ミラノ工科大学:イタリア) 
新しい触媒を用いた重合法の発見 
生理・医学  ジョン・カリュー・エクレス(オーストラリア)
アラン・ロイド・ホジキン(イギリス)
アンドリュー・フィールディング・ハックスリー(イギリス)
神経細胞の末梢および中枢部における興奮と抑制に関するイオン構造の発見
文学  イオルゴス・セフェリス(詩人:ギリシャ)  ギリシャ神話の世界観への深い感情から創作された叙情的な詩作 
平和   赤十字国際委員会  二つの世界大戦中の平和活動に対して。この年創立100周年。 
赤十字赤新月社連盟  戦争中のほか洪水や干ばつなどの自然災害時の人道的支援でも活躍 
1964年 
物理  チャールズ・タウンズ(アメリカ) 
ニコライ・バソフ(ソ連)、アレクサンドル・プロホロフ(ソ連)
量子エレクトロニクス分野の基礎研究、メーザー・レーザー原理に基づく振動子・増幅器の開発 
化学  ドロシー・ホジキン(イギリス)  X線回折法による生体物質の分子構造の決定
生理・医学  コンラート・ブロッホ(西ドイツ)
フェオドル・リュネン(西ドイツ)
コレステロールと脂肪酸の代謝の機構と調節に関する発見 
文学  ジャン・=ポール・サルトル(哲学者、小説家、劇作家:フランス)  受賞を辞退!「いかなる人間も生きて神格化されるに値しない」
平和  マーティン・ルーサー・キング(牧師:アメリカ)  <人種差別に反対する非暴力的運動>
 1963年リンカーンの奴隷解放宣言100周年を記念して実施された「ワシントン大行進」に20万人以上が参加。あの演説が行われました。
1965年 
物理  朝永振一郎(日本)
ジュリアン・シュウィンが―(アメリカ)
リチャード・P・ファインマン(アメリカ) 
<量子電磁力学の基礎研究と素粒子物理学についての研究>
 量子論が確立し、それをより広い分野へ拡張するための試みが行われます。
電気や磁気の働く「場」への拡張である「場の量子論」の発展に貢献した3人が選ばれました。
相対性理論を取り入れた「くりこみ理論」により、行き詰っていた「場の量子論」を完成させた。
3人は、それぞれ別々の方向から取り組み、同じ結果に辿り着いたといえます。 
化学  ロバート・ウッドワード(ハーバード大:アメリカ)  有機合成化学における業績 
生理・医学  フランソワ・ジャコブ(パストゥール研究所:フランス)
アンドレ・ルウォフ(↑)、ジャック・モノー(↑) 
酵素とウィルス合成の遺伝的制御に関する発見 
文学 ミハイル・ショーロホフ(小説家:フランス) 小説「静かなるドン」をはじめとするロシア文学への多大なる功績
平和  国際連合児童基金  途上国の母子への食料や教育などの人道的支援
1966年 
物理  アルフレッド・カストレル(エコールノルマル:フランス)  原子のヘルツ波共鳴を研究するための光学的手法の発見および開発 
化学  ロバート・マリケン(シカゴ大:アメリカ)  分子軌道法による化学結合、分子の電子構造に関する研究 
生理・医学   ペイトン・ラウス(ロックフェラー大:アメリカ)  <腫瘍ウイルスの発見>
 ラウスが発ガン性の腫瘍ウイルスを発見したのは1911年でしたが、当時は注目されず、この年やっとの受賞となりました。 
チャールズ・ブレントン・ハギンズ(シカゴ大:アメリカ) <前立腺癌のホルモン療法に関する発見>
 癌治療が化学物質の使用によって可能であることを明らかにしたことで、この後の治療法開発に大きな影響を与えました。 
文学   シュムエル・アグノン(作家:現ウクライナ)  ユダヤ人の生活をモチーフにした深遠かつ個性的な叙述に対して 
ネリー・ザックス(詩人:西ドイツ) ユダヤ人の運命を伝える優れた劇作に対して
平和  該当者なし   
1967年 
物理  ハンス・ベーテ(コーネル大:アメリカ)  星の内部におけるエネルギー生成に関する発見 
化学  マンフレート・アイゲン(マックス・プランク研究所:西ドイツ)
ロナルド・ノーリッシュ(ケンブリッジ物理化学研究所:イギリス)
ジョージ・ポーター(王立協会:イギリス)
液体中の高速化学反応の研究 
生理・医学  ラグナート・グラニト(カロリンスカ研究所:フィンランド)
ハルダン・ケファー・ハートライン(ロックフェラー大:アメリカ)
ジョージ・ワルド(ハーバード大:アメリカ) 
<視覚に関する化学的、生理学的な発見>
 モノを見るとは、「網膜にある視細胞に光として入ってきた情報が電気的信号に変換されて脳に伝えられる」こと。
3人はこのメカニズムを明らかにした。
グラニトは錐体細胞の研究。ハートラインはカブトガニの視細胞を観察することで受容野の研究。ワルドは視細胞に含まれる「視物質」の研究
文学  ミゲル・アンヘル・アストゥリアス(小説家:グアテマラ)  ラテンアメリカの先住民の伝統と国民性に深く根差した文学 
平和  該当者なし  
1968年 
物理  ルイ・アルヴァレ(カリフォルニア大バークレー校:アメリカ)  水素泡箱を用いた素粒子の共鳴状態に関する研究 
化学  ラルス・オンサーガー(イエール大:アメリカ)  不可逆過程の熱力学の研究 
生理・医学  ロバート・W・ホリー(コーネル大:アメリカ)
ハー・ゴビンド・コラナ(ウィスコンシン大:アメリカ)
マーシャル・ニーレンバーグ( 国立衛生研究所:アメリカ)
遺伝暗号とそのタンパク質合成における機能の解明
文学  川端康成(小説家:日本)  <日本の精神の本質を表現する偉大な感性で描かれた物語>
 「伊豆の踊子」、「雪国」が有名だが、審査員に最も評価されたのは1952年の「千羽鶴」でした。(茶道、陶芸、和服などが描かれている)
翻訳者エドワード・サイデンスデッカーは日本文学の研究者でもあり、その役割は大きく川端は賞金の半分を彼に渡したといいます。
平和  ルネ・カサン(法学者:フランス)  国連人権宣言の起草に対して 
1969年 
物理  マレー・ゲルマン(カリフォルニア工科大:アメリカ)  <素粒子の分類およびその相互作用に関する発見> 
 素粒子物理学におけるクオークの理論を確立した人物。
化学  デレック・バートン(インペリアル・カレッジ・ロンドン:イギリス)
オッド・ハッセル(オスロ大:ノルウェー) 
分子の立体配座概念の確立 
生理・医学  マックス・デルブリッツ(カリフォルニア工科大:アメリカ)
アルフレッド・ハーシー(ワシントン・カーネギー協会:アメリカ)
サルバドール・エドワード・ルリア(マサチューセッツ工科大:イタリア)
ウイルスの複製メカニズムと遺伝的構造に関する発見 
文学  サミュエル・ベケット(劇作家、小説家、詩人:アイルランド)  「ゴドーを待ちながら」で有名な不条理演劇の騎手であり、20世紀を代表する劇作家 
平和  国際労働機関(ILO)  <労働条件や生活水準の向上に対する取り組みに対して> 
「国際労働機関の目的に関する宣言」(フィラデルフィア宣言)
(a)労働は商品ではない(b)表現及び結社の自由は不断の進歩のために欠くことができない
(c)一部の貧困は、全体の繁栄にとって危険である。
実は、資本主義諸国は「ロシア革命」の拡散を恐れて、この妥協的左翼化を認めたとも言われます。
経済 ラグナル・フリッシュ(オスロ大:ノルウェー)
ヤン・ティンバーゲン(オランダ経済学院:オランダ)
<計量経済モデル構築の先駆的研究>
フリッシュは、マクロ経済とミクロ経済の2分法を考案
ティンバーゲンは、計量経済学の応用発展の中心的存在
1970年 
物理   ハンス・アルヴェーン(スウェーデン王立工科大:スウェーデ)  電磁流体力学における基礎的研究および発見 
ルイ・ネール(グルノーブル大:フランス) 反強磁性およびフェリ磁性に関する基礎的研究および発見
化学 ルイ・ルロワール(ブエノスアイレス生化学研究所:アルゼンチン)  糖ヌクレオチドの発見とその機能についての研究 
生理・医学  ベルンハルト・カッツ(ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン:イギリス)
ウルフ・ステファンテ・フォン・オイラー
(カロリンスカ研究所:スウェーデン)
ジュリアス・アクセルロッド(国立衛生研究所:アメリカ)
神経末梢部の液性伝達物質に関する発見 
文学  アレクサンドル・ソルジェニーツィン(作家、歴史家:ソ連)  <ロシア文学の伝統を追求したその倫理的な力に対して>
 代表作は、自らの収容所での体験に基づく「イワンデニーソヴィッチの一日」(1962年) 
フルシチョフ時代は反体制的文学が許されたが、その後、「収容所群島」(1973年)の海外出版後、国外追放となった。
1994年ソ連崩壊後に帰国
平和  ノーマン・ボーローグ(農学者:アメリカ)  メキシコで小麦の自給自足を実現 
経済  ポール・サミュエル(マサチューセッツ工科大:アメリカ)  静学的、動学的経済理論に対する業績と分析水準の向上に対する貢献 
1971年 
物理  ガーボル・デーネシュ(インペリアル・カレッジ・ロンドン:ハンガリー)  <ホログラフィーの発明>
 ホログラフィーとは3次元の像を2次元に記録、または再生する技術。
記録されたホログラムを再生するには、記録的に用いたのと同様の参照光(レーザー光)をホログラムに当てる。
すると、記録した時の物体光が示した光がそのまま現れることで、3次元の像が映し出される。
お札やクレジットカードの偽造防止に使われているのは、「レインボーホログラム」
化学  ゲルハルト・ヘルツベルク(カナダ国立研究機関:カナダ)  遊離基の電子構造と幾何学的構造の研究 
生理・医学  エール・サザランド(ヴァンダービルト大:アメリカ)  ホルモンの作用に関する発見 
文学  パブロ・ネルーダ(詩人:西ドイツ)  南米の運命と夢を豊かに創出した諸作 
平和  ヴィリ―・ブラント(西ドイツ首相:西ドイツ)  東欧諸国との関係正常化を目指した東方外交に対して 
経済  サイモン・クズネッツ(ハーバード大:アメリカ)  経済および社会の成長を洞察するための理論を実証的手法を用いて構築 
1972年 
物理 ジョン・バーディーン(イリノイ大:アメリカ)
レオン・クーパー(ブラウン大:アメリカ)
ジョン・ロバート・シュリーファー(イリノイ大:アメリカ) 
<超電導に関する研究>
 1911年にヘイケ・カメルリング・オネスが発見した超電導現象の理論化に成功した3人。(バーディーンは1956年にも受賞)
この現象のメカニズムを分子、原子、原子核、素粒子のレベルで解明しています。
化学   クリスチャン・アンフィンセン(国立衛生研究所:アメリカ)  リボヌクレアーゼ分子のアミノ酸配列の決定 
スタンフォード・ムーア(ロックフェラー大:アメリカ)
ウィリアム・スタイン(↑) 
リボヌクレアーゼ分子の活性部位の構造に関する研究 
生理・医学 ジェラルド・モーリス・エデルマン(ロックフェラー大:アメリカ)
ロドニー・ロバート・ポーター(オックスフォード大:イギリス) 
抗体の化学構造に関する発見 
文学  ハインリヒ・ベル(作家:西ドイツ)  同時代への幅広い洞察と鋭い描写によってドイツ文学の革新に貢献 
平和  該当者なし   
経済  ジョン・ヒックス(オールソウルズ・カレッジ:イギリス)
ケネス・アロー(ハーバード大:アメリカ)
一般経済均衡理論と福祉理論への貢献 
1973年 
物理   江崎玲於奈(トーマスJ・ワトソン研究所:日本)
アイヴァ―・ジュ―ヴァ―(GE社:アメリカ) 
<半導体および超電導体内におけるトンネル効果の発見>
 トンネル効果とは?(発見したのは1896年アンリ・ベクレルによる)
分子・原子の極微(1ナノメートル=10億分の1m)で起こる「壁抜け」つまり古典力学的には粒子が飛び跳ねるような障壁を通過する現象
トランジスタの半導体結晶に大きな電圧をかけ、ある値以上になると電圧が低下してゆく現象を発見したのが発見のきっかけでした。
江崎はこの現象を利用。電圧が一定値を超えると電流が弱まるPN接合型ダイオード(トンネルダイオード)を生み出します。 
ブライアン・ジョセフソン(ケンブリッジ大:イギリス)  ジョセフソン効果の理論的予測 
化学  エルンスト・オットー・フィッシャー(ミュンヘン大:西ドイツ)
ジェフリー・ウィルソン(インペリアルカレッジ・ロンドン:イギリス) 
サンドイッチ構造を持つ有機金属化合物の研究 
生理・医学  カール・フォン・フリッシュ(ミュンヘン工科大:西ドイツ)
コンラート・ローレンツ(コンラート・ローレンツ研究所:オーストリア)
ニコ・ティンバーゲン(オックスフォード大:オランダ) 
近代動物行動学を確立 
文学  パトリック・ホワイト(小説:オーストラリア)  文学に新しい地平を開いた叙事詩的な著作 
平和  ヘンリー・キッシンジャー(米国国務長官:アメリカ)
レ・ドゥク・ト(政治家:ベトナム) 
ベトナム戦争の停戦交渉>
 ただし、レ・ドゥク・トはまだ平和が訪れてはいないとして、受賞を辞退 
経済 ワシリー・レオンチェフ(ハーバード大:アメリカ) 産業関連の応用 
1974年 
物理   マーティン・ライル(ケンブリッジ大:イギリス) 電波天文学における研究(開口合成技術)
アントニー・ヒューイッシュ(ケンブリッジ大:イギリス) 電波天文学における研究(パルサー発見への貢献) 
化学  ポール・フローリー(スタンフォード大:アメリカ)  高分子化学に関する基礎研究 
生理・医学  アルベルト・クラウデ(ルーヴァン・カトリック大:ベルギー)
クリスチャン・ド・ドューブ(ロックフェラー大:イギリス)
ジョージ・エミール・パラーデ(イエール大:アメリカ) 
細胞の構造と機能に関する発見 
文学   エイヴィンド・ユーンソン(小説家:スウェーデン)  各地域、各時代を俯瞰する物語の才能と心理的洞察力 
ハリー・マーティンソン(詩人、小説家:スウェーデン) 露のひとしずくを捉えて宇宙を映し出す作品群に対して 
平和   佐藤栄作(元首相:日本)  <日本国民の平和への意思を表明し、核兵器不拡散条約に署名>
 「非核政策と外交的和解による太平洋地域の安定への努力」「持たず」、「作らず」、「持ち込ませず」(非核三原則)
ショーン・マクブライド(政治家:アイルランド)  欧州評議会を通じて欧州人権条約を規定、アムネスティー・インターナショナルの創設などを行った人物 
経済  グンナー・ミュルダール(ストックホルム:スウェーデン)
フリードリヒ・ハイエケ(ザルツブルク:オーストリア) 
経済的、社会的、制度的現象の相互依存関係に関する分析 
1975年 
物理  オーゲ・ニールス・ボーア(ニールス・ボーア研究所:デンマーク)
ベン・ロイ・モッテルソン(北欧理論物理学研究所:デンマーク)
レオ・ジェームス・レインウォーター(コロンビア大:アメリカ) 
原子核構造に関する理論の開発 
化学   ジョン・コーンフォース(サセックス大:オーストラリア)  酵素による触媒反応の立体化学的研究 
ウラジミール・プレローグ(スイス連邦工科大:スイス) 有機分子および有機反応の立体化学的研究
生理・医学 デヴィッド・ボルティモア(マサチューセッツ工科大:アメリカ)
レナト・ドゥルベッコ(世界研究基金研究所:イタリア)
ハワード・マーティン・テミン(ウィスコンシン大:アメリカ) 
腫瘍ウイルスと細胞内の遺伝物質との相互作用に関する発見 
文学  エウジェーニオ・モンターレ(詩人:イタリア)  日常的な描写で緻密な心象風景を表出しイタリア文学界に多大な貢献をした。
平和  アンドレイ・サハロフ(物理学者:ソ連)  ソ連の水素爆弾の父である彼は権力の乱用に反対し、人権擁護に尽力した。
論文「進歩、平和共存及び知的自由に関する考察」(1968年)
水素爆弾の破壊力を知り、その使用に反対。核実験の中止を政府に進言。
1980年、ソ連のアフガニスタン侵攻を批判したためにモスクワを追放されたKGBの監視下におかれ、1986年まで続いた。 
経済  レオニード・カントロヴィッチ(ソ連科学アカデミー:ソ連)
チャトリング・クープマンス(イエール大:オランダ) 
資源の最適配分理論への貢献 
1976年 
物理  バートン・リヒター
(スタンフォード・リニアアクセラレーターセンター:アメリカ)
サミュエル・ティン(マサチューセッツ工科大:アメリカ)
ジュイプサイ中間子の発見 
化学  ウィリアム・リプスコム(ハーバード大:アメリカ)  ボランの構造研究 
生理・医学  バルチ・サミュエル・ブランバーグ
(フォックス・チェイス癌センター:アメリカ)
ダニエル・カールトン・カジュセック(国立衛生研究所:アメリカ) 
感染症の原因と感染拡大の新しいメカニズムを発見 
文学  ソール・ベロー(小説家:アメリカ)  人間への理解と現代文明の精緻な分析が結合した作品群 
平和  ベティ・ウィリアムズ(平和運動家:イギリス)
マイレッド・コリガン・マグワイヤ(↑) 
北アイルランドの平和運動への貢献 
経済 ミルトン・フリードマン(シカゴ大:アメリカ) <消費分析、金融史、金融理論の分野における業績と安定化政策の複雑性の実証>
 インフレ下での不況に対する処方箋を提示。
政府が公共事業などの財政政策によって需要を喚起するのじゃ間違い。
中央銀行は貨幣供給を一定率で増加させれば、インフレなしで経済は安定する。 
小さな政府を目指し、ピノチェト政権下のチリで働くが、恐怖政治への協力者として批判されることになります。
「新自由主義 ネオリベラリズム」の先導者であり、経済格差を広げた戦犯でもある。
1977年 
物理  フィリップ・アンダーソン(ベル研究所:アメリカ)
ネヴィル・モット(ケンブリッジ大:イギリス)
ジョン・ヴァン・ヴレック(ハーバード大:アメリカ) 
磁性体と無秩序の電子構造の理論的研究 
化学  イリヤ・プリゴジン(ブリュッセル自由大学:ベルギー)  非平衡熱力学、とくに散逸構造の研究 
生理・医学  ロジェ・ギルマン(ソーク研究所:フランス)
アンドリュー・ウィクター・シャリ―(退役軍人病院:アメリカ) 
<脳のペプチドホルモン産生に関する発見>
 体内タンパク質のうち、体に命令を伝え生理状態のバランスを整える「神経伝達物質」として働くものを「ペプチドホルモン」といいます。
(ペプチド=アミノ酸の数が少ないもの) この二人は、その構造決定を行った。
ロサリン・セロー(退役軍人病院:アメリカ) ペプチドホルモンの放射免疫測定の開発
文学 ヴィセンテ・アレクサンドレ(詩人:スペイン) 自然界と現代社会における人間を照らし出す作品、スペイン詩壇での主導的貢献 
平和 アムネスティ・インターナショナル 世界的な人権保護運動に対して 
経済  ベルティル・オリーン(ストックホルム商科大:スウェーデン)
ジェイムズ・ミード(ケンブリッジ大:イギリス) 
国際貿易に関する理論および資本移動に関する理論を開拓 
1978年 
物理   ピョートル・カピッツァ(ソ連科学アカデミー:ソ連) 低温物理学における研究
アーノ・ペンジアス(ベル研究所:アメリカ)
ロバート・W・ウィルソン(↑) 
宇宙マイクロ波背景放射の発見 
化学  ピーター・ミッチェル(グリン研究所:アメリカ)  <生体膜におけるエネルギー転換の研究>
 生命はどのようなメカニズムでエネルギーを取り込むのか?大半は「細胞内の連鎖的な化学反応による」と考えていた。
1961年ミッチェルは「化学浸透説」を発表。「ミトコンドリアの膜でイオンが透過する際に取り込みが起こる」とした。
しかし、誰からも相手にされずに失職し、自宅で研究を続け、農業と牧畜をしながら6人のチームで自費研究。
1966年植物学者アンドレイ・ヤーゲンドルフらの実験でミッチェルの説が証明されました。
生理・医学  ヴェルナー・アルバ―(バーゼル大:スイス)
ダニエル・ネイサンズ(ジョンズ・ホプキンス大:アメリカ)
ハミルトン・O・スミス(↑) 
DNAを切断する酵素の発見と分子遺伝学への応用 
文学  アイザック・バシェヴィス・シンガー(小説家:アメリカ)  ポーランドのユダヤ人社会をイディッシュ語で生き生きと情熱的に描写 
平和  アンワル・サダト(エジプト・アラブ共和国大統領:エジプト)
メナヘム・ベギン(イスラエル首相:現ベラルーシ) 
イスラエル・エジプト間の平和条約締結い尽力 
経済  ハーバート・サイモン(カーネギーメロン大:アメリカ)  経済組織内での意思決定過程における先駆的な研究 
1979年 
物理  シェルドン・グラショー(ライマン研究所:アメリカ)
アブドゥッサラーム(国際理論物理学センター:パキスタン)
スティーブン・ワインバーグ(ハーバード大:アメリカ) 
素粒子間に働く弱い相互作用と電磁相互作用を統一した理論 
化学   ハーバート・ブラウン(パデュー大:アメリカ)  有機ホウ素化学における業績 
ゲオルク・ウィッティヒ(ハイデルベルク大:西ドイツ)  アルケンの合成法(ウッティッヒ反応)の開発 
生理・医学 アラン・マクロード・コーマック(タフト大:アメリカ)
ゴッドフライ・ニューボルド・ハウンスフィールド(EMI社員) 
コンピュータ断層撮影(CT)の開発 
文学  オデッセアス・エリティス(詩人:ギリシャ)  ギリシャの伝統を背景に現代人の自由と創造のために闘いを描いた詩 
平和 マザー・テレサ(修道女:インド) 長期にわたる献身的な働きで苦しみのなかにいる人々に安息をもたらした。
 1910年現マケドニアに生まれ、アイルランドのローマカトリック式修道院に入り、インド行きを志願。
カルカッタで不況しながら、スラム街で貧しい人々の救済活動を開始。
1960年代に映画や伝統により世界的有名人となる。1950年にはインドの市民権を獲得しましたが、1977年にこの世を去りました。
経済  セオドア・シュルツ(シカゴ大:アメリカ)  発展途上国問題の考察を通じた経済発展に関する先駆的な研究
1980年 
物理 ジェイムズ・クローニン(シカゴ大:アメリカ)
ヴァル・フィッチ(プリンストン大:アメリカ)
中性K中間子崩壊におけるCP対称性の破れの発見 
化学  ポール・バーグ(スタンフォード大:アメリカ)  遺伝子工学の基礎としての核酸の生化学的研究 
ウォルター・ギルバート(ハーバード大:アメリカ)
フレデリック・サンガー(MRC分子生物学研究所:イギリス)
核酸の塩基配列の決定 
生理・医学  バルフ・ベナセラフ(ハーバード大:アメリカ)
ジャン・ドーセ(パリ大:フランス)
ジョージ・スネル(ジャクソン研究所:アメリカ) 
免疫反応を調節する細胞表面の構造に関する研究 
文学  チュスワク・ミウォシュ(詩人、小説家:ポーランド)  自主管理労働組合「連帯」がポーランドに誕生。
詩集「救出」(1945年)で文化芸術省賞を受賞するもスターリン政権を批判し、1951年フランスに亡命。 
「囚われの狼」「権力の奪取」などを出版し、体制に屈する知識人を批判し、1960年アメリカに移住。
ノーベル賞の受賞後、1981年ポーランドに帰国し、クラクフに住み2004年没。
平和  アドルフォ・ペレス・エスキベル(建築家、平和活動家:アルゼンチン) 非暴力闘争を通じてアルゼンチンの暴力の暗闇に光をあてた
経済  ローレンス・クライン(ペンシルヴェニア大:アメリカ)  景気変動、経済政策を分析する経済的なモデルと手法の開発 
1981年 
物理   ニコラス・ブルームバーゲン(ハーバード大:アメリカ)  レーザー光への貢献 
アーサー・ショーロー(スタンフォード大:アメリカ)
カイ・シーグバーン(ウプサラ大:スウェーデン) 
高分解能光電子分光法の開発 
化学  福井謙一(京都大:日本)
ロアルド・ホフマン(コーネル大:ポーランド) 
<化学反応過程の理論的研究>
 福井は、化学反応の起こりやすさは、特定の電子殻のみによって決定すると考えた。
最もエネルギーが高い軌道(HOMO)と最も低い軌道(LUMO)の間を電子が移ることで化学反応が起きると説明。
2つの軌道を合わせて「フロンティア軌道」と名付けました。
 ホフマンは、1953年に発表した論文に、福井の「フロンティア軌道理論」を引用したことで世界的に認められました。 
生理・医学   ロジャー・ウォルコット・スペリー(カリフォルニア工科大:アメリカ)  大脳半球の機能分化に関する発見 
デヴィッド・ハンター・フーベル(ハーバード大:アメリカ)
トルステン・ニルス・ウィーセル(ハーバード大:スウェーデン) 
視覚系における情報処理に関する発見 
文学  エリアス・カネッティ(小説家:イギリス)  幅広い見通し、豊かなアイデア、芸術的パワーによって特徴づけられた文章 
平和  国際連合難民高等弁務官事務所  1970年代の難民を本国に送還するための活動。国連への支援と、難民条約遵守の表明 
経済  ジェームズ・トービン(イエール大:アメリカ)  金融市場の分析と支出の決定、雇用、生産、価格の関連性の分析 
1982年 
物理  ケネス・ウイルソン(コーネル大:アメリカ)  相転移に関連した臨界現象に関する理論 
化学  アーロン・クルーグ(MRC分子生物学研究所:イギリス)  電子結晶学の開発と核酸・タンパク質複合体の立体構造の研究 
生理・医学 スネ・カールベルイストレーム(カロリンスカ研究所:スウェーデン)
ベント・インゲマー・サムエルソン(↑)
ジョン・ロバート・ヴェイン(ウェルカム研究所:イギリス) 
重要な生理活性物質の一群であるプロスタグラジンの発見と研究 
文学  ガブリエル・ガルシア=マルケス(小説家:コロンビア)  豊かに構成された想像力の世界に幻想と現実が融合し、大陸の生と葛藤を反映した作品 
平和   アルバ・ライマル・ミュルダール(外交官:スウェーデン)  軍縮会議のスウェーデン代表、ストックホルム国際平和研究所の初代所長としての功績 
アルフォンソ・ガルシア・ロブレス(元外交官:メキシコ) ラテンアメリカとカリブを非核地域と定めたラテンアメリカ核兵器禁止条約の成立に尽力 
経済  ジョージ・スティグラー(シカゴ大:アメリカ)  <産業構造や市場の役割と規制の原因と影響についえの独創的な研究>
 情報公開を徹底し政府の規制を失くして市場原理にまかせることこそ経済発展の基本とする「小さな政府」と「規制緩和」の経済を主張。
「独創的」とか言ってますが、結局、金持ち優先の経済学に過ぎないと僕は思いますがね!
1983年 
物理   スブラマニアン・チャンドラセカール(シカゴ大:現パキスタン)  星の構造と進化の物理的過程に関する理論的研究 
ウィリアム・ファウラー(カリフォルニア工科大:アメリカ) 宇宙における化学元素の生成と原子核反応に関する研究 
化学  ヘンリー・タウベ(スタンフォード大:カナダ)  金属錯体の電子遷移反応機構の解明 
生理・医学 バーバラ・マクリントック
(コールドスプリングハーバー研究所:アメリカ) 
<可動遺伝因子の発見>
 DNA内の可動遺伝因子(トランスポゾン)は、細胞内でゲノム(DNAの遺伝情報)の位置を移動させることを可能にする塩基配列。
この位置変化が突然変異や環境に応じた進化などの要因になる。
 トウモロコシを用いた染色体研究から得たこの説を1951年に発表していますが、1970年代までまったく評価されませんでした。
(彼女が女性だったせいもありそうです・・・)
「トウモロコシに問いかけて、返事をもらう喜びを長年味わってきた私が、賞までもらうなんて、不公平ではないでしょうか?」
(謙虚過ぎです!)
文学 ウィリアム・ゴールディング(小説家:イギリス) 現実的な物語の芸術と多様性と普遍性を備えた現代の世界における人間の状態を明るくする小説
平和  レコ・ヴァウエンサ(労働運動家:ポーランド)  「連帯」の結党とポーランドの民主化運動への貢献に対して 
経済  ジェラール・ドブルー(カリフォルニア大バークレー校:フランス)  一般均衡理論の改良と経済理論に新たな分析手法を取り込んだ 
1984年 
物理 カルロ・ルビア(欧州原子核研究機構:イタリア)
シモン・ファンデルメール(↑:オランダ) 
弱い相互作用を媒介するW粒子およびZ粒子の発見を導いた巨大プロジェクトへの貢献 
化学  ロバート・メリフィールド(ロックフェラー大:アメリカ)  固相反応によるペプチド化学合成法の開発 
生理・医学  ニールス・カイ・ジュルネ(引退:デンマーク)
ゲオルク・J・F・ケーラー(マックス・プランク研究所:西ドイツ)
ケサー・ミルスタイン(MRC分子生物学研究所:イギリス) 
免疫制御機構に関する理論の確立とモノクローナル抗体の作成法の開発 
文学 ヤロスラフ・サイフェルト(詩人:チェコスロバキア) 斬新で官能的、豊かな創造性を持つ詩で不屈の精神と多彩なイメージをもたらした 
平和  デズモンド・ムピロ・ツツ(平和運動家:南アフリカ)  ネルソン・マンデラ が1964年に投獄され。アルバート・ルツーリは1967年に事故死。スティーブン・ビコが1977年に拷問によって死亡。
そんな中、人種隔離政策に対する反抗運動の中心となった人物。
1978年、南アフリカ教会協議会の事務局長に就任しています。
経済  リチャード・ストーン(ケンブリッジ大:イギリス)  国民勘定のシステムに対する貢献と実証的な経済分析法の基礎の大幅な改良 
1985年 
物理  クラウス・フォン・クリッツィング(マックスプランク研究所:ポーランド) 量子ホール効果の発見 
化学  ハーバート・ハウプトマン(バッファロー医療財団:アメリカ)
ジェローム・カール(米国海軍研究所:アメリカ) 
結晶構造の決定に新しい数学的手法を導入しハウプトマンの直接法を確認することに成功 
生理・医学  マイケル・ブラウン(テキサス大:アメリカ)
ジョセフ・L・ゴールドスタイン(テキサス大:アメリカ) 
<コレステロール代謝の調節に関する発見>
 血液中の「低密度リポタンパク質(LDL)」がコレステロールを作ることを発見。
しかし、このLDLは活性酵素によって変性しやすく、それが「泡沫細胞」になり、動脈硬化を起こす原因になる。 
この発見により動脈硬化症の治療法が大きく進歩することになりました。
文学  クロード・シモン(小説家:フランス)  時代に対して深く洞察する詩人と画家の創造を融合した作品 
平和  核戦争防止国際医師会議  核実験禁止措置の勧告、紛争時の核不使用の提言 
経済  フランコ・モディリアーニ(元アメリカ経済学会会長:イタリア)  貯蓄と金融市場に関する先駆的な分析 
1986年 
物理   エルンスト・ルスカ(フリッツハーバー研究所:西ドイツ)  電子を用いた光学に関する基礎研究、特に電子顕微鏡の設計 
ゲルト・ビーニッヒ(チューリッヒ研究所:西ドイツ)
ハインリッヒ・ローラー(↑:スイス)
<走査型トンネル電子顕微鏡の設計>
 世界で初めて電子顕微鏡を開発したのは1931年ルスカによるものです。当初倍率は20倍でしたが、2年後には1万倍になります。
電子顕微鏡は、「透過型」と「走査型」に大別されます。
「透過型」は、薄く切った試料に電子線を当て、透過して電子を拡大する方法。
「走査型」は、試料をいくつも領域に分け、端から電子線の束を当て、領域ごとに放出される電子を読み取り、画面上に像を構築。
この走査型を開発したのがビーニッヒとローラーの二人でした。
化学  ダドリー・ハーシュバック(ハーバード大:アメリカ)
李遠哲(カリフォルニア大バークレー校:中国)
ジョン・ポラニー(トロント大:カナダ) 
化学反応素過程の動力学研究 
生理・医学  スタンリー・コーエン(バンダービルト大:アメリカ)
リータ・レーヴィ=モンタルチーニ(CNR細胞生物研究所:イタリア) 
成長因子の発見 
文学  ウォーレ・ショインカ(劇作家:ナイジェリア)  母国のヨルバ文化に根差した広い文化的な視点でアフリカの混沌とした状況を描いた 
平和  エリー・ウィーゼル(作家:ルーマニア)  ホロコーストをはじめ暴力や圧政、差別を告発する著述および活動に対して 
経済  ジェームズ・M・ブキャナン(ジェームズ・メイソン大:アメリカ)  公共選択論で経済と政治の意思決定理論を結合、体系化 
1987年 
物理  ヨハネス・ベドルツ(チューリッヒ研究所:西ドイツ)
カール・アレクサンダー(↑:スイス) 
セラミックスの超伝導体の発見 
化学 ドラルド・クラム(カリフォルニア大LA校:アメリカ)
ジャン=マリー・レーン(ルイ・パストゥール大:フランス)
チャールズ・ペダーセン(デュポン社:アメリカ)
クラウン化合物の開発と応用 
生理・医学  利根川進(マサチューセッツ工科大:日本) <抗体の多様性に関する遺伝的原理の発見>
 日本人初の生理・医学賞。
体内に侵入する異物と結合し、それを無毒化する「抗体」は体内において、どう変化するかのメカニズムを遺伝子レベルで解明した。
それによると一つの抗体が様々なタイプの抗原に対応する多様性を持っていることが明らかになった。
このことを1957年フランク・マクファーレン・バーネット(オーストラリア)が予見。利根川はこの仮説を証明したわけです。
文学  ヨシフ・ブロツキー(詩人:ソ連)  思考の明快さと詩的な力強さが一体化した作品群に対して 
平和  オスカル・アリアス・サンチェス(コスタリカ大統領:コスタリカ)  中米を壊滅させた内戦を終わらせるための自由選挙、人権保護、外国の内政干渉終結を交渉 
経済  ロバート・ソロー(アメリカ)  経済成長理論への貢献 
1988年 
物理  レオン・レーダーマン(フェルミ国立加速器研究所:アメリカ)
メルヴィン・シュワーツ(ディジタル・パスウェイ社・アメリカ)
ジャック・シュタインバーガー(欧州原子核研究機構:アメリカ) 
ニュートリノビーム法、ミューニュートリノの発見によるレプトンの2重構造の実証 
化学  ヨハン・ダイゼンホーファー(テキサス南西部医療センター:西ドイツ)
ロベルト・フーバー(マックスプランク研究所:西ドイツ)
ハルトムート・ミヒェル(↑)
光合成に必要なタンパク質複合体の三次元構造を解明
生理・医学  ジェームス・ブラック(ロンドン大:イギリス)
トルード・エリオン(ウェルカム研究所:アメリカ)
ジョージ・ヒッチングス(↑) 
薬物療法、創薬における重要な原理の発見
文学  ナギーナ・マフフーズ(小説家:エジプト)  全人類に通じる、リアリズムや象徴主義を駆使したニュアンスに富むアラビア語で書かれた物語 
平和  国連平和維持軍(国際連合)PKF  <中東、カシミール、キプロス、コンゴ、西ニューギニアにおける平和維持活動>
 国連平和維持活動PKO
(1)平和を破壊する国に対して強制的な措置を論じるための実力組織(このために活動したことはまだない)
(2)安全保障理事会の勧告を受けて編成される実力部隊(朝鮮戦争での国連部隊)
(3)停戦後の監視など、戦闘以外の任務。受け入れ先の同意に基づいて編成される。(ほとんどはこの活動)
日本の「PKO5原則」
(1)紛争当事者間の停戦合意の成立(2)紛争当事者の同意(3)中立性の厳守
(4)合意が破綻した場合の撤収(5)必要最小限の武器使用
日本は、1992年9月初めて第二次国連アンゴラ監視団に選挙監視のために派遣された。「国際平和維持活動協力法(PKO協力法)
経済  モーリス・アレ(パリ国立高等鉱業学校:フランス)  市場と資源の効率的な利用に関する理解への貢献 
1989年 
物理   ノーマン・ラムゼー(ハーバード大:アメリカ)  分離振動場法の開発、その水素メーザーや原子時計への応用 
ハンス・デーメルト(ワシントン大:東ドイツ)
ヴォルフガング・パウル(ボン大:西ドイツ) 
イオン・トラップ法の開発 
化学  シドニー・アルトマン(イエール大:カナダ)
トーマス・チェック(コロラド大:アメリカ) 
RNAの触媒機能の発見 
生理・医学  J・マイケル・ビショップ(カリフォルニア大サンフランシスコ校:アメリカ)
ハロルド・ヴァーマス(↑)
ヒトの癌遺伝子であるv-Srcを発見 
文学  カミーロ・ホセ・セラ(小説家:スペイン)  控え目な同情で、人間の脆弱性に挑戦的なビジョンを形成する豊潤で刺激的な作品 
平和  ダライ・ラマ14世(宗教家 :スペイン) 中国のチベット占領に対する非暴力反対派の主導者。
1959年に起きたラサ蜂起の際、10万人の住民と共に国外へ脱出。インドに脱出して亡命政府を樹立。独立運動を非暴力で展開させた。
経済  トリグヴェ・ホーヴェルモ(ノルウェー)  計量経済学の理論的基礎を構築 
1990年   
物理  ジェローム・アイザック・フリードマン(マサチューセッツ工科大:アメリカ)
ヘンリー・ケンドール(↑)
リチャード・E・テイラー(スタンフォード大:カナダ)
素粒子物理学におけるクオーク模型の展開に関する先駆的研究 
化学  イライアス・コーリー(ハーバード大:アメリカ)  有機合成理論および方法論の開発 
生理・医学  ヨセフ・マレー(ブリガム&ウィメンズ病院:アメリカ)
エドワード・ドナルド・トーマス
(フレッド・ハッチンソン癌研究センター:アメリカ) 
ヒトの臓器および細胞移植に関する発見
文学  オクタビオ・パス(詩人:メキシコ)  鋭い知性と確固たるヒューマニズムを特徴とする広い視野を持つ情熱的な作品 
平和 ミハイル・セルゲーヴィチ・ゴルバチョフ(大統領:現ロシア) 冷戦の終結、中距離核戦力全廃条約調印、ペレストロイカなどへの貢献 
経済  ハリー・マーコウィッツ(ニューヨーク市立大:アメリカ)
マートン・ミラー(シカゴ大:アメリカ)
ウィリアム・シャープ(スタンフォード大:アメリカ) 
資産形成の安全性を高めるための一般理論形成 
1991年 
物理  ピエール=ジル・ド・ジャンヌ(コレージュ・ド・フランス:フランス)  液晶や高分子の研究手法に対する業績
化学  リヒャルト・エルンスト(スイス連邦工科大:スイス)  高分解能核磁気共鳴(NMR)の開発 
生理・医学  エルヴィン・ネーアー(マックスプランク研究所:ドイツ)
ベルト・ザウマン(↑) 
細胞内のイオン・チャンネル(タンパク質の一種)の機能に関する発見
文学  ナディン・ゴーディマー(小説家 :南アフリカ) アパルトヘイトの悪を著作を通じて告発し続けた
平和  アウンサン・スーチー(政治家:ミャンマー)  <ミャンマーの民主主義と人権擁護に対する非暴力的な闘い>
 軍によって幽閉状態になっていたため、受賞式を欠席。(出席できても帰国が不可能と判断)
1990年に英国人の夫マイケル・アリスが彼女の演説をまとめた「恐怖からの自由」を発表。これで世界的な知名度を得ることになった。
1995年に自宅軟禁を一時解除されるも実質的には2010年まで軟禁状態が続きました。
2015年国民民主連盟NLDを率いて選挙に勝利。英国籍のために大統領がなれないため影の指導者となった。
しかし、少数民族ロヒンギャへの人権侵害で世界中から批判を受けています。
またも早すぎた平和賞か?
2011年リュック・ベッソンが彼女の人生を映画化しています。「アウンサン・スーチー 引き裂かれた愛」
経済  ロナルド・コース(シカゴ大:アメリカ) 経済の制度構造のための取引コストと財産権の重要性の発見と明確化
1992年 
物理  ジュルジュ・シャルパク(欧州原子核研究所:ポーランド)  <粒子探知器、特に多線式比例計数管の発明と発展>
「粒子探知器とは?」
放射線や高エネルギー粒子を検出、追跡、特定する機器であり、放射量を計測する「ガイガー・カウンター」などと同じ範疇に入る機器。
彼は1968年測定機中にワイヤーを何本も張り巡らせて、粒子の通過を電気信号としてとらえる「多線式比例計数管MWPC」を発明。
データ収集速度を1000倍に高め、空間や位置を識別、測定する能力を改善し、10億回に1回の素粒子の作用を識別できるようになった。
化学  ルドルフ・マーカス(カリフォルニア工大:アメリカ)  溶液中の電子移動反応理論への貢献 
生理・医学  エドモンド・フィッシャー(ワシントン大:アメリカ)
エドウィン・クレープス(ワシントン大:アメリカ) 
生体制御機構としての可逆的タンパク質リン酸化反応の発見 
文学  デレック・ウォルコット(詩人、劇作家:セントルシア)  カリブ海の多様な民族とその文化を歴史的な視野に捉えて描き続けた 
平和  リゴベルタ・メンチュウ(グアテマラ)  先住民族の権利向上と民族間の和解に尽力 
経済  ゲーリー・ベッカー(アメリカ)  非市場を含めた人間の広範囲にわたる行動と相互作用へのミクロ経済学分析の応用
1993年 
物理  ラッセル・ハルス(プリンストン大:アメリカ)
ジョゼフ・テイラー(↑) 
新型連星パルサーの発見 
化学  キャリー・マリス(ミータス社:アメリカ)
マイケル・スミス(ブリティッシュコロンビア大:カナダ) 
DNA化学での手法開発への貢献 
生理・医学  リチャード・ロバーツ(ニューイングランド・ラボ:イギリス)
フィリップ・シャープ(マサチューセッツ:アメリカ) 
分断された遺伝子の発見 
文学 トニ・モリソン(小説家:アメリカ) 幻想的で詩的な小説でアメリカの現実の一面に息吹を与えた 
平和   ネルソン・マンデラ(アフリカ民族会議議長:南アフリカ)  <アパルトヘイト政権の平和的終結、新しい民主的南アの土台を築いた人物>
 1990年にマンデラは釈放され、1991年アパルトヘイトの廃止が決定。
1994年、全人種参加の選挙が実施されマンデラ率いるアフリカ民族会議ANCが勝利。マンデラは大統領に就任します。
フレデリック・ウィレム・デクラーク(大統領:南アフリカ)  マンデラと共にアパルトヘイト政権の平和的終結、新しい民主的南アの土台を築いた人物 
経済 ロバート・フォーゲル(シカゴ大:アメリカ)
ダグラス・ノース(ワシントン大:アメリカ) 
経済理論と計量的手法によって経済史の研究を一新 
1994年 
物理   バートラム・ブロックハウス(マックマスター大:カナダ)  中性子分光法の開発 
クリフォード・シャル(マサチューセッツ工科大:アメリカ) 中性子回折技術の開発
化学  ジョージ・オラー(カリフォルニア大LA校:アメリカ)  カルボカチオン化学への貢献 
生理・医学  アルフレッド・ギルマン(テキサス大:アメリカ)
マーティン・ロッドベル(国立環境衛生研究所:アメリカ)
Gタンパク質とその細胞内情報伝達における役割の発見 
文学  大江健三郎(小説家:日本)  <現実と神話が混交、融合する世界を詩的言語で創造>
 大江受賞講演「あいまいな日本の私」より
「西欧に向けて全面的に開かれていたはずの近代の日本文化は、それでいて、西欧側にはいつまでも理解不能の・・・・・
暗部を残し続けました」
 彼の文学手法は、グロテスクリアリズム(崇高なものを、大地と地続きの身体的、物質的なものに格下げするような手法)とも言われます。
そんな彼の文学は西欧化する日本の不安を描くことで世界に受け入れられました。 
平和  ヤーセル・アラファート(パレスチナ自治政府大統領:パレスチナ)
シモン・ペレス(元首相:現ベラルーシ)
イツハク・ラビン(首相:現イスラエル) 
オスロ合意など中東における平和構築への努力 
経済  ジョン・ハーサニ(カリフォルニア大バークレー校:アメリカ)
ジョン・ナッシュ(プリンストン大:アメリカ)
ラインハルト・ゼルテン(ラインフリードリヒ・ヴィルヘルム大:ドイツ) 
非協力ゲームの均衡の分析に関する理論の開拓 
1995年 
物理   マーチン・パール(スタンフォード大:アメリカ) タウ粒子の発見 
フレデリック・ライネス(カリフォルニア大アーバイン校:アメリカ)   ニュートリノの検出 
化学 パウル・クルッツェン(マックス・プランク研究所:オランダ)
マリオ・モリーナ(マサチューセッツ工科大:メキシコ)
シャーウッド・ローランド(カリフォルニア大アーバイン校:アメリカ)
<大気化学、特にオゾンの生成と分解に関する研究> 
 オゾンの発見者はスイスの化学者クリスチャン・シェーンバイン(1839年)
クルッツェンは、大気圏に「オゾン層」があることを理論的に証明。
モリーナとローランドは、多くの製品に使用されているフロンガスがオゾン層を破壊していることを明らかにした。
環境破壊の原因を明らかにしたことでノーベル賞を獲得したのはこれが初めてのことでした。
生理・医学  エドワード・ルイス(カリフォルニア工大:アメリカ)
クリスティアーネ・ニュスライン=フォルハルト
(マックス・プランク研究所:ドイツ)
エリック・ヴィーシャウス(プリンストン大:アメリカ) 
初期胚発生における遺伝的制御に関する発見 
文学  シェイマス・ヒーニー(詩人:イギリス)  日々の奇跡、過去を賞賛する叙情的な美しさと民族的な深みを持つ作品 
平和 ジョセフ・ロートブラット(物理学者、平和活動家、現ポーランド)
パグウォッシュ会議(1957年設立)
核兵器を縮小し、長期的には廃絶するための努力 
経済  ロバート・ルーカス(シカゴ大:アメリカ)  合理的期待仮説の理論で1970年代以降のマクロ経済理論に大きな影響を与えた(だからどうなの?って感じですけどね) 
1996年 
物理  デヴィッド・リー(コーネル大:アメリカ)
ダグラス・D・オシェロフ(スタンフォード大:アメリカ)
バート・リチャードソン(コーネル大:アメリカ) 
ヘリウム3の超流動の発見 
化学 ロバート・カーライル(ライス大:アメリカ)
ハロルド・クロトー(サセックス大:イギリス)
リチャード・スモーリー(ライス大:アメリカ) 
炭素第三の同素体フラーレン(C60)の発見者
 炭素の取り得る安定形態は「ダイヤモンド」と「グラファイト(黒鉛)」だけとされていました。
星間物質(恒星間に分布する希薄物質)の中の炭素化合物の中から新たな存在が発見されました。
炭素原子60個からなり、五角形×12と六角形×20からなるサッカーボール状の構造をもつ物質 
生理・医学  ピーター・ドハーティー(セントジェームス児童病院オーストラリア)
ロルフ・ツィンカーナーゲル(チューリッヒ大:スイス) 
細胞性免疫防御の特異性に関する研究 
文学  ヴィスワヴァ・シンボルスカ(詩人:ポーランド) 皮肉をはらんだ緻密な詩によって、人間の現実における歴史的および生物学的文脈を照らした 
平和  カルロス・フェリペ・シメネス・ベロ(司教:東ティモール)
ホセ・ラモス=ホルタ(東ティモール民族抵抗評議会代表)
東ティモール紛争の公正な平和的解決への取り組み 
経済  ジェームズ・マーリーズ(ケンブリッジ大:イギリス)
ウィリアム・ヴィックリー(コロンビア大:カナダ) 
情報の非対称の下での経済的誘因の理論への貢献 
1997年 
物理  スティーブン・チュー(スタンフォード大:アメリカ)
クロード・コーエン=タタージ(コレージュ・ド・フランス:フランス)
ウィリアム・ダニエル・フィリップス
(米国国立標準技術研究所:アメリカ) 
レーザー光を持ちいて原子を冷却、捕捉する手法の開発
化学   ポール・ボイヤー(カリフォルニア大LA校:アメリカ)
ジョン・ウォーカー(MRC分子生物学研究所:イギリス) 
ATP合成の基礎となる酵素機構の解明 
イエンス・スコウ(オークス大:デンマーク)  ナトリウム・カリウム・ポンプの発見 
生理・医学 スタンリー・B・プルシナー
(カリフォルニア大サンフランシスコ校:アメリカ)
感染を引き起こす新たな原因物質としてのプリオンの発見 
文学 ダリオ・フォ(劇作家:イタリア)  中世的な権威を喜劇で風刺し、抑圧された人の尊厳を守った 
平和  地雷禁止国際キャンペーン(1992年結成)
ジョディ・ウィリアムズ(平和活動家:アメリカ) 
地雷の禁止および除去に対する貢献 
経済  ロバート・マートン(ハーバード大:アメリカ)
マイロン・ショールズ(スタンフォード大:カナダ) 
<金融派生商品の価格決定の新手法に対して>
 金融派生商品とは、あの悪名高きデリバティブのこと。
この年、アジア新興国(タイなど)でアメリカのヘッジファンドなどによる通貨危機が起きていました。
この商品はこの後も多くの人々の資産を奪うことになります。無駄な賞というよりも、詐欺ともいえる受賞です。 
1998年  
物理 ロバート・B・ラフリン(スタンフォード大:アメリカ)
ホルスト・ルートヴィヒ・シュテルマー(コロンビア大:ドイツ)
ダニエル・ツイ(プリンストン大:中国) 
分子量子ホール効果の発見 
化学   ウォルター・コーン(カリフォルニア大サンタバーバラ校:アメリカ)  電子の状態を計算する密度汎関数法の開発 
ジョン・ポープル(ノースウェスタン大:イギリス) 量子科学における計算化学的方法の開発 
生理・医学  ロバート・ファーチゴット(ブルックリン健康科学センター:アメリカ)
ルイ・イグナロ(カリフォルニア大LA校:アメリカ)
フェリド・ムラド(テキサス・メディカル・スクール大:アメリカ) 
循環器系における情報保険物質としての一酸化窒素に関する発見 
文学  ジョゼ・サラマーゴ(作家:ポーランド)  想像、哀れみ、皮肉を織り込んだ物語で捉え難い現実を描いた 
平和  ジョン・ヒューム(政治家:イギリス)
デヴィッド・トリンブル(政治家:イギリス) 
北アイルランド紛争の平和的解決策を模索する活動 
経済  アマルティア・セン(ケンブリッジ大:インド)  <所得分配の不平等に関わる理論、貧困と飢餓に関する研究についての貢献>
 貧困や飢餓の原因は、社会の生産性の低さや食料の供給不足ではない。
民主主義が不安定で所得分配の平等や情報の公開がなされていないことにあると、データや数学的理論によって証明。
アジア人初の経済学賞受賞で、異なる視点から生まれた賞でもありました。
1999年 
物理 ゲラルド・トフーフト(ユトレヒト大:オランダ)
マルティヌス・フェルトマン(ミシガン大:オランダ)
電弱相互作用の量子構造の解明 
化学  アハメッド・ズウェイル(カリフォルニア工大:アメリカ)  超短時間のパルスで発光するフェルムト秒レーザーをを用いた化学反応の遷移状態の研究 
生理・医学  ギュンター・ブローベル(ロックフェラー大:ドイツ)  タンパク質が細胞内での輸送や局在化を指示する信号を内在している事の発見 
文学  ギュンター・グラス(小説家:劇作家:ドイツ)  陽気かつグロテスクな寓話によって歴史の忘れられた側面を描き出した 
平和  国境なき医師団MSF(1971年設立) <自然災害や戦場で医療倫理と人道援助に対する人間の権利に従い実施した多数の援助活動>
 赤十字社が”沈黙する中立”を旨とするのに対し、MSFは”医療と証言”を身上としている。
ワクチンの特許を独占し価格維持をはかる企業からのワクチン提供を拒絶するなど、「意見する」組織として活動
経済  ロバート・マンデル(コロンビア大:カナダ)  さまざまな通貨体制における金融、財政政策と最適通貨圏についての分析 
2000年 
物理 ジョレス・アルフョーロフ(AFヨッフェ物理技術研究所:ロシア)
ハーバート・クレーマー(カリフォルニア大サンタバーバラ校:アメリカ)
ジャック・キルビー(テキサス・インスツルメンツ:アメリカ)
高速および光エレクトロニクスに利用される半導体ヘテロ構造の開発 
化学 アラン・ヒーガー(カリフォルニア大サンタバーバラ校:アメリカ)
アラン・マクダイアミッド(ペンシルヴェニア大:ニュージーランド)
白川英樹(筑波大:日本)
<導電性高分子の発見と開発>
 ヨウ素をポリアセチレンに混ぜることで高分子内の電子が動きやすくなり金属に相当する伝導性を持たせることに成功しました。
ATMやスマホのタッチパネルやコピー機など様々な分野で使用される画期的発明となりました。
生理・医学  アービド・カールソン(ヨーテボリ大:スウェーデン)
ポール・グリーンガード(ロックフェラー大:アメリカ)
エリック・カンデル(コロンビア大:アメリカ) 
神経系における情報伝達に関する発見
文学 高行健(小説家、劇作家:中国)  普遍的な妥当性と痛烈な洞察力、独創的な言語で描写した作品で中国の小説や劇作に新たな道を開いた。 
平和  金大中(大統領:韓国)  韓国と東アジアの民主主義と人権、特に北朝鮮への太陽政策に対して 
経済 ジェームズ・ヘックマン(シカゴ大:アメリカ)
ダニエル・マクファデン(カリフォルニア大バークレー校:アメリカ)
ミクロ計量経済学で個人や家計、企業の細かい経済活動を実証的に分析する理論と手法の構築 
2001年 
物理  エリック・コーネル(コロラド大:アメリカ)
ヴォルフガング・ケターレ(マサチューセッツ工科大:西ドイツ)
カール・ワイマン(コロラド大:アメリカ) 
極低温で希薄なルビジウム原子のガスでボース・アインシュタイン凝縮の実現など 
化学   ウィリアム・ノールズ(モンサント社:アメリカ)
野依良治(名古屋大:日本) 
<キラル触媒による不斉合成反応の研究>
 鏡像体または光学異性体の作り分け(不斉合成)を銅を触媒にして選択的にどちらのキラル分子を合成できることを発明。
さらにそれを改良することで、完全な作り分けが可能になりました。
(それまでは、右・左の鏡像体は一対一の割合で作れても選んで作ることは不可能とされていた) 
バリー・シャープレス(スクリプス研究所:アメリカ) キラル触媒による不斉酵素化反応の研究 
生理・医学  リーランド・ハートウェル
(フレッドハッチンソン癌研究センター:アメリカ)
ティモシー・ハント(インペリアル癌研究基金:イギリス)
ポール・ナース(↑)
細胞周期の主要な制御因子の発見 
文学 V・S・ナイポール(作家:イギリス)  明晰かつ陳腐化しない洞察で抑圧された歴史の存在を訴えた作品 
平和 国際連合(1945年設立)
コフィー・アナン(国連事務総長:ガーナ)
グローバル組織の構築で世界平和への貢献 
経済  ジョージ・アカロフ(カリフォルニア大バークレー校:アメリカ)
マイケル・スペンス(スタンフォード大:アメリカ)
ジョセフ・E・スティグリッツ(コロンビア大:アメリカ) 
情報の非対称性が持つ市場の分析 
2002年   
物理  レイモンド・デイヴィス(ペンシルヴェニア大:アメリカ)
小柴昌俊(「東京大:日本) 
<天体物理学への先駆的貢献、特に宇宙ニュートリノの検出>
 パウリによって存在を予見されながら他の物質と相互作用することがないため検出困難だった素粒子のニュートリノ。
この幻の物質の存在を初めて確認したことが受賞理由。
デイヴィスは、サウスダコタ州の金鉱脈の地下の巨大タンク。小柴は、岐阜県神岡町の地下に建設した「カミオカンデ」を使用。
それぞれのタンクに当たる太陽光のうちニュートリノ以外は光センサーによって検出し成功。
1996年には改良型の「スーパーカミオカンデ」を用いてニュートリノにも質量があることを証明した。
化学   ジョン・フェン(バージニア・コモンウェルス大:アメリカ)  生体高分子分析のためのエレクトロスプレーイオン化法の開発 
田中耕一(島津製作所:日本) 生体高分子分析のためのソフトレーザー脱離イオン化法の開発
 熱を加えずに分析する方法を開発することで、対象物を変質させずに済んむようになった。(他の二人も同様)
生命現象の解明や新薬の開発に役立つことになりました。
クルト・ヴュートリッヒ(スイス連邦工大:スイス)  生体高分子分析のための多次元核酸磁気共鳴法の開発 
生理・医学  シドニー・ブレナー(カリフォルニア大:南アフリカ)
ロバート・ホロヴィッツ(マサチューセッツ工科大:アメリカ)
ジョン・サルストン(ウェルカム・トラスト・ザンガー研究所:イギリス) 
器官発生とプログラム細胞死の遺伝制御に関する研究 
文学  ケルテース・イムレ(小説家:ハンガリー)  野蛮な歴史の恣意性に対抗する脆弱な個人の経験を支える作品 
平和  ジミー・カーター(元アメリカ大統領:アメリカ)  国際紛争の平和的解決策を見つけ、民主主義と人権を進歩させる努力を何十年も続けた 
経済   ダニエル・カーネマン(プリンストン大:現イスラエル)  経済学と認知科学を統合した行動経済学の開拓 
バーノン・スミス(ジョージメイソン大:アメリカ)  経済学的な問題に対して実験的な手法で研究を行う実験経済学の開拓 
2003年 
物理  アレクセイ・アブリコソフ(アルゴンヌ国立研究所:ロシア)
ヴィクター・ギンツブルク(レベデフ物理研究所:ロシア)
アンソニー・レゲット(イリノイ大:イギリス) 
超電導と超流動の理論に関する貢献 
化学   ピーター・アグン(ジョンズ・ホプキンス大:アメリカ)  細胞膜に存在するアクアポリンの発見 
ロデリック・マキノン(ロックフェラー大:アメリカ)  細胞膜に存在するイオン・チャンネルの構造および機構の研究 
生理・医学  ポール・ラウターバー(イリノイ大:アメリカ)
ピーター・マンスフィールド(ノッティンガム大:イギリス) 
<核磁気共鳴画像法に関する発見>
 原子を強力な磁場の中に置くと原子核の向きは一定方向にそろう。ここで磁場をかけるのをやめると元に戻ろうとします。
そして、その時間はそれぞれの組織や状態によって異なります。この差を画像化したものがMRL。
この技術を生み出したのがラウターバーで、それを改良し、より高度なレベルにしたのがマンスフィールドです。
文学 ジョン・M・クッツェー(小説家:南アフリカ) アウトサイダーが現実に巻き込まれていく様を無数の手法を用いて意表をつく物語で描写。 
平和  シーリーン・エバーティー(弁護士、人権運動家:イラン)  民主主義と人権のための努力、特に女性と子供の権利のための闘争 
経済  ロバート・エングル(ニューヨーク大:アメリカ)
クライブ・グレンジャー(カリフォルニア大サンディエゴ校:イギリス) 
時系列分析手法の確立 
2004年 
物理  デヴィッド・ブロス(カリフォルニア大サンタバーバラ校:アメリカ)
H・デヴィッド・ポリツァー(カリフォルニア大:アメリカ)
フランク・ウィルツェック(マサチューセッツ工科大:アメリカ) 
素粒子の強い相互作用における漸進的自由性の理論的発見 
化学  アーロン・チカノーバー(テクニオン・イスラエル工大:現イスラエル)
アブラハム・ハーシェコ(↑:ハンガリー)
アーウィン・ローズ(カリフォルニア大アーバイン校:アメリカ) 
<ユビキチンを介するタンパク質分解の発見>
 長い間謎だったタンパク質の分解を解明。76個のアミノ酸からなる小さなタンパク質「ユビキチン」が、分解の単位であることを発見。
これが「タンパク質分解酵素」によって分解される。このシステムの異常がアルツハイマー病やパーキンソン病の原因となるらしい。 
生理・医学  リチャード・アクセル(コロンビア大:アメリカ)
リンダ・バック(フレッドハッチンソン癌センター:アメリカ) 
嗅覚受容体と嗅覚系組織の発見 
文学  エルフリーデ・イェリネク(小説家、劇作家:オーストリア)  名声的かつ圧倒的な言語的熱意で社会の偽善をその征服力の不合理を明らかにした 
平和  ワンガリ・マータイ(環境保護活動:ケニア)  グリーンベルト運動などの持続可能な開発、民主主義、平和への貢献 
経済  フィン・キドランド(カーネギーメロン大:ノルウェー)
エドワード・プレスコット(アリゾナ州立大:アメリカ) 
動物学的マクロ経済への貢献 
2005年 
物理   ロイ・グラウバー(ハーバード大:アメリカ)  光学コヒーレンスの量子論への貢献 
ジョン・ホール(コロラド大:アメリカ)
テオドール・ヘンシュ(マックスプランク研究所:ドイツ) 
光周波数コム技術などのレーザーを用いた精密な分光法の開発 
化学  イヴ・ショーヴァン(フランス石油研究所:フランス)
ロバート・グラブス(カリフォルニア工大:アメリカ)
有機合成におけるメタセシス法の開発 
生理・医学  バリー・マーシャル
(NHMRCヘリコバクターピロリ研究所:オーストリア)
ロビン・ウォレン(王立パース病院:オーストラリア) 
ヘリコバクター・ピロリとその胃炎や胃潰瘍における因果関係の発見 
文学  ハロルド・ピンター(劇作家:イギリス)  日々の会話に潜在する危機をさらけ出し、見る者を 
平和  国際原子力機関IAEA(1957年設立)
ムハンマド・ムスタファ・エルバラダイ(IAEA長官:エジプト) 
<原子力の軍事利用を防ぎ、安全な方法で平和利用されることを促進>
 核兵器の不拡散と原子力の平和利用促進のために設立された国連保護下の自治機関。(2016年時点で159カ国が加盟)
その背景には米ソ軍など核保有国が自らの軍事的優位性を維持するためという思惑もあった。
軍縮と原発の廃止が目的の組織ではない!
加盟国のうち核兵器の非保有国は、核兵器の製造や取得が禁止され、現地査察を含む「保障措置(セーフガード)」の受け入れが義務。 
経済  ロバート・オーマン(ヘブライ大:ドイツ)
マス・シェリング(メリーランド大:米)
ゲーム理論の分析を通じて対立と協力の理解を深めた功績
2006年 
物理 ジョージ・スムート(NASAゴダード宇宙飛行センター:アメリカ)
ジョン・マザー(カリフォルニア大バークレー校:アメリカ)
<宇宙マイクロ波背景放射の黒体放射性の発見>
 ベル研究所のアーノ・ペンジアスとロバート・W・ウィルソンが1964年に発見した宇宙空間に広なぐ謎の電波「宇宙背景放射」。
宇宙背景放射探査機COBEによる観測で、空間ごとの宇宙背景放射のわずかな温度差をとらえることに成功。
これにより、ビッグバン時の宇宙の熱に偏りがあったこともわかった。
これらの観測により、宇宙の起源が明らかになって行きます。
化学 ロジャー・コーンバーグ(スタンフォード大:アメリカ)  真核生物における転写の研究 
生理・医学  アンドリュー・ファイアー(スタンフォード大:アメリカ)
クレイグ・メロー(マサチューセッツ医大:アメリカ) 
RNAiの発見 
文学  オルハン・パムク(小説家:トルコ)  故郷イスタンブールの憂うつな魂を探求し、文明の衝突と混交を表現する新たな手法を獲得 
平和  ムハマド・ユヌス(経済学者:バングラディッシュ)  <経済社会の発展を貧困層から創造するグラミン銀行などの活動>
 グラミン銀行は1976年の設立。経済社会の発展を貧困層の経済発展から支えようとする試み。
これこそが、経済学賞を受賞すべきだと思うのですが?貧しき人々を救う経済学は、賞に値しないのでしょうか?
経済  エドムンド・フェルプス(コロンビア大:アメリカ)  マクロ経済政策における時間的なトレードオフの分析 
2007年  
物理  アルベルト・フェールト(パリ第11大:フランス)
ペーター・グリューンベルク(ユーリヒ総合研究機構:現チェコ)
巨大磁気抵抗効果の発見 
化学  ゲルハルト・エルトゥル(マックスプランク協会:ドイツ)  固体表面の化学反応過程の研究 
生理・医学  マリオ・カペッキ(ユタ大:アメリカ)
マーティン・エヴァンズ(カーディフ大:イギリス)
オクバー・スミティーズ(ノースカロライナ大:アメリカ) 
マウスの胚性幹細胞を用いた特定の遺伝子を改変する原理の発見 
文学  ドリス・レッシング(作家:イギリス)  懐疑主義と情熱、洞察力で分断された文明を精査する女性の経験を描く叙事詩的な長編 
平和  気候変動に関する政府間パネルIPCC(1988年設立)
アル・ゴア(元アメリカ副大統領) 
<人為的な気候変動(地球温暖化問題)に対する啓蒙>
 第35回G8サミットで「温室効果ガスを2050年までに半減する」と目標が掲げられました。
この年IPCCは、2006年ゴアの活動はドキュメンタリー映画「不都合な真実」にまとめられました。
「100年後の地球の平均気温が、20世紀末に比べて1.1℃から6.4℃上昇し、約2億人は難民となる」と予測。
地球温暖化問題を世界中に広めましたが。その後の世界はそれに対応することなく経済活動を続けます。・・・ 
経済  レオニード・ハーヴィッツ(ミネソタ大:ロシア)
エリック・マスキン(プリンストン高等研究所:アメリカ)
ロジャー・マイヤーソン(シカゴ大:アメリカ) 
メカニズム・デザインの設計理論の基礎を確立した 
2008年   
物理   南部陽一郎(シカゴ大:日本)  素粒子物理学の基礎への多大な貢献、自発的対称性の破れの発見 
小林誠(高エネルギー加速器研究機構:日本)
益川敏英(京都産業大:日本) 
<自然界にクオークが3世代以上存在することを予言する対称性の破れの起源の発見>
 ビッグバンと共に生まれた素粒子には、素粒子と対称な性質をもつ「反粒子」があったと考えられています。
しかし、互いに衝突すると消えてしまうため、宇宙が存在するためにはどちらかが多いのではないかと考えられます。
 南部は1960年の「自発的対称性の破れ」の中で対称性が自発的に破れるケーズがあり、その時、素粒子は質量を持つことを証明。
 小林と益川は、この対称性の破れを実証するためには、陽子と中性子を構成するクオークが3世代6種あることが必要と解明。
後に当時未発明だったクオークが発見され、この理論は証明されることになります。
化学  下村修(ボストン大:日本)
マーティン・チャルフィー(コロンビア大:アメリカ)
ロジャー・Y・チェン(カリフォルニア大サンディエゴ校:アメリカ) 
<緑色蛍光タンパク質GPPの発見とその応用> 
 細胞やタンパク質の挙動を観察するため、ターゲットに発光性の”目印”をつけて見えやすくするための「標識(マーキング)」を用いる。
下村は、そのマーキングに仕える発光物質「ルシフェリン」をウミホタルから採取し、その結晶化に成功。
その他の二人も、生物から発光物質を採取し、それを遺伝子操作によって使いやすくすることに成功しました。
ips細胞を発見した山中伸弥も細胞内にこのGTFP遺伝子を導入することで挙動操作を行っています。
生理・医学   ハラルド・ツア・ハウゼン(ドイツ癌研究センター:ドイツ)  ヒト免疫不全ウイルスの発明 
フランソワーズ・バレ=シヌシ(パストゥール研究所:フランス)
リュック・モンタニエ(世界エイズ研究予防財団:フランス)
子宮頸癌の原因になるヒトペピローマ・ウイルスの発見
文学  ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオ(小説家:フランス) 新しい旅立ち、詩的冒険と官能的悦楽を描き、文明の支配を超越する人間性の探求
平和  マルティ・アハティサーリ(元フィンランド大統領:現ロシア)  世界各地で30年以上にわたり国際紛争を解決 
経済  ポール・クルーグマン(プリンストン大:アメリカ)  貿易のパターンと経済活動の立地の分析 
2009年   
物理   チャールズ・K・カオ(元香港中立大など:中国)  光通信を実現する光ファイバーに関する研究 
ウィラード・ボイル(ベル研究所:カナダ)
ジョージ・E・スミス(↑) 
撮像半導体回路であるCCDセンサーの発明 
化学  ヴェンカトラマン・ラクリシュナン(MRC分子生物学研究所:インド)
トマス・スタイツ(イエール大:アメリカ)
エイダヨ・ヨナス(ワイツマン科学研究所:現イスラエル) 
リボソームの構造と機能の研究 
生理・医学  エリザベス・H・ブラックバーン
(カリフォルニア大サンフランシスコ校:オーストラリア)
キャロル・W・グライダー(ジョンズ・ホプキンズ大:アメリカ)
ジャック・W・ショスタク(ハーバード大医学部大学院:アメリカ)
テロメアとテロメアーゼによる染色体保護の発見
文学  ヘルタ・ミュラー(作家:ドイツ)  濃密な詩的表現と素直な散文で故郷喪失の風景を描いた 
平和  バラク・フセイン・オバマ・ジュニア(アメリカ大統領)  <外交と民族間の協力を強化するための卓越した努力>
 核兵器廃絶に向けた世界への移行を宣言したことで受賞した。でも、削減は実現するどころかトランプが登場。
これまた早すぎた名ばかり受賞でした!
経済  エリノア・オストロム(インディアナ・ユニバーシティ:アメリカ)
オリバー・ウィリアムソン(カリフォルニア大バークレー校:アメリカ) 
経済的ガバナンスに関する分析 
2010年   
物理  アンドレ・ガイム(マンチェスター大:ロシア)
コンスタンチン・ノボセロフ(↑) 
二次元物質グラフェンに関する革新的実験 
化学  根岸英一(パデュー大:日本)
鈴木章(北大:日本)
リチャード・ヘック(デラウエア大:アメリカ)
<有機合成によるパラジウム触媒クロスカップリング>
 「クロスカップリング反応」とは何か?
2種類の異なる構造をもつ有機化合物つまり炭素原子を骨格に結合している物質(石油、木材、プラなど)同士を結合させる化学反応。
様々な分野で利用可能な技術で、それを可能にしたのは「パラジウム」「亜鉛」などを触媒として用いる技術の開発でした。
3人は、そのための技術開発により、医薬品、農業、液晶材料など様々な分野で貢献することになりました。
生理・医学  ロバート・G・エドワース(ケンブリッジ大:イギリス)  体外授精技術の開発 
文学  マリオ・バルガス・リョサ(作家:ペルー)  権力の構造と個人の抵抗と反抗、そしてその敗北を鮮烈なイメージ描いた 
平和  劉曉波(文芸評論家、人権擁護活動家:中国)  中国における基本的な人権獲得のための闘争
経済  ピーター・ダウヤモンド(マサチューセッツ工科大:アメリカ)
デール・モーテンセン(ノースウエスタン大:アメリカ)
クリストファー・ピサリデス
(ロンドンスクールオブエコノミクス:キプロス) 
労働経済のサーチ理論による分析を可能にした。
2011年   
物理  ソール・パールマッター(ローレンスバークレー国立研究所:アメリカ)
ブライアント・P・シュミット(オーストラリア国立大:アメリカ)
アダム・リース(ジョンズホプキンズ大:アメリカ) 
超新星の観測による宇宙の加速膨張の発見 
化学  ダニエル・シェヒトマン(テクニオン・イスラエル工大:現イスラエル)  結晶ともアモルファス(非晶質)とも異なる準結晶の発見
生理・医学   ブルース・ボイトラー(テキサス大南西部医療センター:アメリカ)
ジュール・ホフマン(ストラスブール大:フランス) 
<自然免疫の活性化に関する発見>
「自然免疫システム」とは?
 TLRというタンパク質が病原体から発せられる何らかの分子を認識すると指令を出し、免疫細胞を活性化させたり炎症を起こします。
そのおかげで、病原体は囲い込まれ感染域の拡大は防がれます。  
ラルフ・スタイマン(ロックフェラー大:カナダ) <樹状細胞と獲得免疫におけるその役割の発見> 
 「自然免疫」では手に負えない場合に、「獲得免疫」として樹状細胞が体内をパトロールしながら情報を伝え抗体を作ることを発見。
そのシステムを利用することで、HIVワクチンや癌治療を発展させることに成功しました。
文学  トーマス・トラストロンメル(詩人:スウェーデン)  凝縮された半透明のイメージを通して現実の新たな捉え方を示した。
平和  エレン・ジョンソン・サーリーフ(リベリア大統領:リベリア)
レイマ・ボウィ(平和運動家:リベリア)
タワックル・カルマン(ジャーナリスト:イエメン) 
女性の安全と平和運動に不自由なく参加できる権利獲得のための非暴力的闘争 
経済  トーマス・サージェント(ニューヨーク大:アメリカ)
クリストファー・シムズ(プリンストン大:アメリカ) 
マクロ経済の原因と結果に関する実証的な研究 
2012年   
物理  セルジュ・アロシュ(コレージュド・フランス:フランス)
デーヴィッド・ワインランド( 
個別の量子系の計測と制御を可能にした画期的な手法の開発 
化学  ロバート・レフコウィッツ(デューク大:アメリカ)
ブライアン・コビルカ(スタンフォード大:アメリカ) 
Gタンパク質共役受容体の研究 
生理・医学  ジョン・ガードン(ガードン研究所:イギリス)
山中伸弥(京大:日本) 
<成熟した細胞の初期化で多能性を持たせることの発見>
「一度成長した細胞は二度と元には戻らない」この常識を覆したのが、ips細胞でした。 
ガードンは1960年代にクローン技術の先駆者となった人物。細胞の指示書ともいえるプログラムをリセットして書き換えることに成功。
身体のどんな細胞にも成長しうるips細胞の開発に成功した。(ips=induced pluripotent stem cells)
文学  莫言(小説家:中国)  幻覚的なリアリズムで民話、歴史、現代を融和させた文学(映画「紅いコーリャン」の原作者) 
平和  欧州連合(EU)  民主主義と人権の発展に寄与 
経済  アルヴィン・ロス(ハーバード大:アメリカ)
ロイド・シャープレー(カリフォルニア大ロサンゼルス校:アメリカ) 
安定配分理論と市場設計の実践に関する功績 
2013年   
物理  フランソワ・アングレール(ブリュッセル自由大:ベルギー)
ピーター・ヒッグス(エジンバラ大:イギリス) 
存在が証明されたヒッグス粒子に基づく、質量の起源を説明する機構の発見 
化学  マーティン・カープラス(ストラスブール大:アメリカ)
マイケル・レヴィット(スタンフォード大:南アフリカ)
アリー・ウォーシェル(南カリフォルニア大:現イスラエル) 
複雑な化学系のためのマルチ・スケール・モデルの開発 
生理・医学  ジェームス・ロスマン(イエール大:アメリカ)
ランディ・ショウマン(カリフォルニア大バークレー校:アメリカ)
トーマス・スードフ(スタンフォード大:アメリカ)
細胞内で生成されたタンパク質が目的の場所まで運ばれる仕組みを解明
文学  アリス・マンロー(小説家:カナダ)  現代における短編小説の巨匠 
平和  化学兵器禁止機関OPCW(設立は1997年)  化学兵器を排除するための広範な努力
経済  ユージン・ファーマ(シカゴ大:アメリカ)
ラース・ハンセン(シカゴ大:アメリカ)
ロバート・シラー(イエール大:アメリカ) 
資産価格の実証分析 
2014年   
物理  赤崎勇(名城大:日本)
天野浩(名古屋大:日本)
中村修二(カリフォルニア大サンタバーバラ校:日本) 
<高輝度で省電力の白色光源を実現する青色発光ダイオードの発明>
 1962年、最初の赤のLEDが誕生。1988年、緑のLEDが誕生していますが、青には時間がかかりました。
サファイア基板に「窒化アルミニウム」を低温で結合させ、その層の上に窒化ガリウムを高温で吹き付ける。
これで結晶の向きが均一な高品質LEDが生まれました。
 中村はその後、大容量ブルーレイディスクに使われる「青紫色半導体レーザー」の開発にも成功。これで光の3原色がそろいました。
それらを混ぜることで「白色LED]が可能となり、LED照明による大幅な省エネルギーを支えることになります。
化学  エリック・ベツィグ(ジャネリア・リサーチ・キャンパス大:アメリカ)
シュテファン・ヘル(マックスプランク研究所:ルーマニア)
ウィリアム・モーナー(スタンフォード大:アメリカ) 
超高解像度の蛍光顕微鏡の開発 
生理・医学  ジョン・オキーフ(ユニヴァーシティー・カレッジ・ロンドン:アメリカ)
マイブリット・モーセル(ノルウェー化学技術大:ノルウェー)
エドバルド・モーセル(↑) 
脳の空間認知システムを構成する細胞の発見 
文学  パトリック・モディアノ(小説家:フランス)  人間の捉え難い運命を呼び起こし、占領下の出来事を明らかにした記憶の芸術 
平和  カイラシュ・サティーアーライ(人種擁護活動家:インド)
マウラ・ユスフザイ(人権擁護活動家:パキスタン)
子供と若者への抑圧とすべての子供は教育を受けられる権利に対する闘い 
経済 ジャン・ティロール(トゥールーズ経済学院:フランス)  市場の力と規制に関する研究 
2015年 
物理  梶田隆章(東京大:日本)
アーサー・B・マクドナルド(クイーンズ大:カナダ) 
<ニュートリノが質量を持つことを示すニュートリノ振動の発見>
  スーパーカミオカンデによる観測により、地球の裏側からくるニュートリノの「ミュー」は真上からのそれに比べ半分しかないと分かった。
(ニュートリノは「ミュー」「電子」「タウ」よりなります)「ミュー」は地球を通り抜ける間にタウに変化していることも分かりました。
この変化は「ニュートリノ振動」と名付けられました。この変化が起きるのは、ニュートリノが質量を持っていることの証拠と考えられます。
 梶田とマクドナルドは、それぞれ別々に「ニュートリノ振動」の観測に成功しました。
化学 トマス・リンダール(フランシス・クリック研究所:スウェーデン)
ポール・モドリッチ(ハワード・ヒューズ医学研究所:アメリカ)
アジズサンジャル(ノースカロライナ大:トルコ) 
DNAの修復の仕組みの研究 
生理・医学 ウィリアム・C・キャンベル(ドル―大:アイルランド)
大村智(北星大:日本) 
<線虫の寄生で起こる感染症に対する新治療法の発見>
大村はで採集した土の中から見つけた微生「ストレプトマイセスアベルメクチニウス」から化学物質「エバーメクチン」を発見。
これが寄生虫を麻痺させることがわかり、キャンベルは「イベルメクチン」という新薬の開発に成功します。 
文学  スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチ(ジャーナリスト:ウクライナ)  現代における苦難と勇気の記念碑といえる多性的な著述に対して(ジャーナリストとしては初の受賞者) 
平和  チュニジア国民対話カルテット(設立は2013年)  2011年のジャスミン革命の後、チュニジアの多元的民主主義の構築に多大な貢献をしました。
経済  アンガス・ディートン(プリンストン大:イギリス)  消費、貧困、福祉に関する分析 
2016年 
物理  デイヴィッド・J・サウレス(ワシントン大:イギリス)
ダンカン・ホールデン(プリンストン大:イギリス)
ジョン・M・コステリッツ(ブラウン大) 
トポロジカル相転移と物質のトポロジカル相の理論的発見
化学  ジャン=ピエール・ソヴァージュ(ストラスブール大:フランス)
フレイザー・ストッダート(ノースウエスタン大:イギリス)
ベルナルト・L・フェリンハ(フローニンゲン大:オランダ) 
分子マシンの設計と合成に関する研究 
生理・医学  大隅良典(東工大:日本)  <オートファジーの仕組みの解明>
 細胞内の不要な物質の除去についての現象が「オート・ファジー」。そのためのシステムの一つが「ユビキチン」によるものでした。
オートファジーは細胞内の物質をランダムに分解するシステムのことです。
 オートファジーでは、細胞内に「隔離膜」が現れ不要物を包み込みます。完全に包み込んだものが「オートファゴソーム」。
これにタンパク質分解酵素を含む「リソソーム」と呼ばれる小器官が融合し不要物が分解されることになります。
これに関わる遺伝子(ATG遺伝子)も発見され、メカニズムが明らかになりつつあります。
文学  ボブ・ディラン(ミュージシャン:アメリカ)  米国音楽の伝統の中に新しい詩的な表現を創出した 
平和  フアン・マヌエル・サントス(コロンビア大統領:コロンビア)  50年以上の長い内戦を終わらせるための断固たる努力に対して 
経済  オリバー・ハート(ハーバード大:イギリス)
ベント・ホルムストローム(マサチューセッツ工科大:フィンランド)
契約理論に関する功績
2017年   
物理 キップ・ソーン(カリフォルニア工大:アメリカ)   LIGO設立と重力波観測への貢献  
化学 ジャック・ドゥボシェ(ローザンヌ大:スイス)
ヨアヒム・フランク(コロンビア大:ドイツ)
リチャード・ヘンダーソン(MRC分子生物学研究所:イギリス)
溶液中で生体分子を高解像度で構造解析できるクライオ電子顕微鏡の開発 
生理・医学  ジェフリー・ホール(メイン大:アメリカ)
マイケル・ロスバシュ(ブランダイス大:アメリカ)
マイケル・ヤング(ロックフェラー大:アメリカ) 
体内時計を制御する分子メカニズムの発見
文学  カズオ・イシグロ(小説家:イギリス)  壮大な力強さを持つ小説を通して、我々は世界とつながっているという幻想に潜む深淵を暴いた 
平和  核兵器廃絶国際キャンペーンICAN(2007年設立)  核兵器禁止条約の成立に貢献 
経済  リチャード・セイラー(シカゴ大:アメリカ)  行動経済学に関する功績 


<参考>
「ノーベル賞 117年の記録」
 2017年
(編)ノーベル賞の記録編集委員会
(執)澤入政芝、横森慶信、工楽真澄
山川出版

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