近代・現代文学大全集
History of Books

- 近代・現代文学を代表する作品と作家たち -
 「文学」とは何か?
 その質問に対し、大江健三郎氏はインタビューでこんなふうに言っていました。
「文学とは『新しい人』を創造し、描き出す行為である」
 確かに文学と呼ぶに値する作品とは、ドンキホーテやハムレット、ホビット族、エイハブ船長、天吾と青豆、坊ちゃんと赤シャツなど、それまで描かれていなかった新しい人物像を創造したものなのかもしれません。このコーナーはそんな観点に立って、ジャンルに関らずにできるだけ多くの「文学」を載せて行こうと思っています。(ただし、「宇宙戦争」や「タイムマシン」のような例外的作品もあります)
 さらに、できるだけ多くの作家、できるだけ多くの国、よできるだけ多くの年代の作品を取り上げるようにしています。その分、広く浅くなっているかもしれませんが、そこはご勘弁を・・・。

 このサイトでは、当初は20世紀のポピュラー音楽と映画の歴史を取り上げていました。それはどちらも僕が自分で気に入ったものを年代ごとに集めたごく一部の歴史にすぎませんが、それでもそれぞれの時代を象徴したり代表したりしている作品を選んだつもりです。
 しかし、「文学の歴史」となると、そうした個人的趣味の範囲で作品を選ぶのでは視野が狭くならざるをえません。例え僕が児玉清さんやジャイアント馬場さん並みに読書をしても、けっして追いつくことはないでしょう。それでも最近は我が家のすぐ近くにある小樽市立図書館を利用させてもらういようになり、大いに確かっています。(このサイトで扱っている本の多くは小樽市立図書館で借りられるでしょう)
 改めて考えてみると、映画館で毎週封切られる新作映画など、本屋に並ぶ新刊本の数に比べると微々たるものです。それはCDに比べても同じでしょう。おまけに本屋さんには、はるか昔に発表された「聖書」のような本も未だに並び、その歴史の長さは映画や音楽の歴史を大きく上回っています。(巨大本屋さんに行くとその量を実感することができます)
 わずか100年とはいえ、20世紀の文学史を振り返るのも、限りなく不可能に近い作業だと思います。それでもなお、僕はこのコーナーを実に楽しく制作しています。今後も、随時新しい作品を追加しながら作成を進めたいと考えています。末永きお付き合いをお願いします。

 なお、映画化されている作品については、映画版のタイトルなども記しておきます。参考にしてください。
 バックがピンク色に塗られた作品(小説、映画)は、僕個人が特に大好きな作品もしくはお奨めの作品です。(あまり知られていない作品も選んでみましたので、参考にして下さい)
「好きな本を読みながら、好きな音楽を聴くのが最高の贅沢」そんなあなたに是非読んでいただきたいと思います。

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<参考>
<世界の6大文学賞と直木賞・芥川賞>
 
<ベストセラーと時代>
「ベストセラー=名作文学ではない」
 これはある意味常識過ぎる見解かもしれません。ただし、それぞれの時代に売れた本には、それが売れた理由があるだろうし、名作文学の多くが発表当時ベストセラーのなっている場合が多いのも事実です。
 というわけで、日本文学における「ベストセラー」について調べた本があったので読んでみました。確かにベストセラー作品のリストからは、それぞれの時代の雰囲気が伝わってきます。その時代を知るために参考にして下さい。
明治時代のベストセラー 大正時代のベストセラー 戦前・戦中のベストセラー
1900年代 1910年代 1920年代 1930年代 1940年代 1950年代 1960年代 1970年代
1980年代  1990年代  2000年代 2010年代 2020年代      
作品名
作者(国籍・出身国) 
コメント 
映画化タイトル(異なる場合のみ)監督・製作年・出演俳優 
 1605年
ドン・キホーテDon Quixote
ミゲル・デ・セルバンテス Miguel de Cervantes(スペイン)  
「近代小説」の金字塔であり、究極の完成型
ファンタジーであり社会批判でもあり自伝的内容もある多重構造小説 
「ドン・キホーテ」(1933年)(米)(監)G・W・バブスト(出)フェオドール・シャリアピン・Sr 
 「ドン・キホーテ」(1972年)(米)(監)アーサー・ヒラ―(原)デイル・ワッサーマン
(出)ピーター・オトゥール、ソフィア・ローレン
「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」(2018年)(監)テリー・ギリアム(米)
(出)アダム・ドライバー、ジョナサン・プライス、オルガ・キュリレンコ  
1682年
「好色一代男」Kosyoku Itidaiotoko
井原西鶴 Ihara Saikaku
江戸文学の代表作
金持ち坊ちゃんの日本全国色街放浪記 
「好色一代男」(1961年)(日)(監)増田保造(1961年)(脚)白坂依志夫(出)市川雷蔵、若尾文子、中村玉緒 
1776年 
「雨月物語」 Ugetsu Monogatari 
上田秋成 Akinari Ueda 
江戸「読本」の代表作
元祖ジャパニーズ・ホラー文学の傑作 
「雨月物語」(1953年)(日)
(監)溝口健二(1953年)(脚)川口松太郎、依田義賢(出)京マチ子、水戸光子、田中絹代、森雅之  
1787年 
「通言総籬」 Tsugensoumagaki
山東京伝 Santokyouden 
江戸の流行発信カタログ小説
1818年
「フランケンシュタイン」 Frankenstein : or,The Modern Prometheus
メアリー・シェリー(英)Mary Wolostonecroft Shelly 
科学によって人間の本質を追求した元祖SF小説
オリジナルは今読んでも十分に素晴らしく奥が深い作品です。 
「フランケンシュタイン」(1931年)(米)(監)ジェイムズ・ホエール(出)ボリス・カーロフ 
「ミツバチのささやき」(1973年)(スペイン)(監)ビクトル・エリセ(出)アナ・トレント  
「フランケンシュタイン」(1994年)(米)(監)ケネス・ブラナー(出)ロバート・デニーロ、ケネス・ブラナー
「メアリーの総て」(2017年)(英)(監)ハイファ・アル=マンスール(出)エル・ファニング、ダグラス・ブース 
著者メアリー・シェリーの物語 
1832年 
春色梅児誉美Shyunsyokuumegoyomi 
為永春水Tamenaga Shunsui 
江戸人情本の代表作  
1835年 
ウェイクフィールドWakefield 
ナサニエル・ホーソンNathaniel Hawthorne 
「都会」の「孤独」と「仮面性」を描いたアメリカ文学の原点 
1841年
「モルグ街の殺人」The Murders in the Rue Morgue 
エドガー・アラン・ポーEdgar Allan Poe 
残虐過ぎる殺人事件を扱った異色の推理小説  
1851年
「白鯨」Moby-Dick 
ハーマン・メルヴィルHerman Melville 
海洋冒険小説であると同時に「鯨」に関する博物学的研究書でもある異色の超大作だが発表時はまったく評価されなかった 
「白鯨」(1956年)(米)(監)ジョン・ヒューストン (出)グレゴリー・ペック、リチャード・ベースハート 
「白鯨との闘い」(2015年)(米)(監)ロン・ハワード(出)クリス・ヘムズワース、キリアン・マーフィ
この作品は「白鯨」が原作ではないので要注意!   
1853年 
書写人バートルビーBartleby,the Scrivener  
ハーマン・メルヴィルHerman Melville 
ウォール街の法律事務所で働く謎の書写人の物語  
1854年
「ウォールデン 森の生活WALDEN ; OR ,LIFE IN THE WOODS 
ヘンリー・D・ソロー(アメリカ)Henry D. Thoreau 
ロック世代の先駆となった森の哲学者によるエコロジーの聖書 
1857年
ボヴァリー夫人Madame Bovary 
ギュスターヴ・フローベール(仏)Gustave Flaubert  
不倫文学の原点であると同時に「近代小説」初期の傑作 
「ボヴァリー夫人」(1949年)(米)(監)ヴィンセント・ミネリ(出)ジェニファー・ジョーンズ、ジェームス・メイソン
「ボヴァリー夫人」(1989年)(ロシア)(監)アレクサンドル・ソクーロフ(出)セシル・ゼルブダキ、オベルト・ヴァープ  
1861年 
「ある奴隷少女に起こった出来事」 Incidents In The Life of A Slave Girl  
ハリエット・ジェイコヴズ(米)Harriet Ann Jacobs 
発表されたのは自費出版で白人女性が書いたと思われていた。
1987年になり実在の人物であることが明らかになり再出版されてベストセラーになった。  
1877年 
「黒いダイヤモンド」 
ジュール・ヴェルヌ(フランス) 
イギリスの炭鉱を舞台にした地下世界ファンタジー小説 
1883年
「ボヌール・デ・ダム百貨店」  
エミール・ゾラ(仏)  
百貨店のボン・マルシェやルーブルなどの資料をもとに書かれた内幕小説 
1885年
ハックルベリー・フィンの冒険Adventure of Huckleberry Fin  
マーク・トウェイン(アメリカ)Mark Twain  
青春冒険文学永遠の名作であり、アメリカ文化の象徴でもある作品
柴田元幸(訳)がお薦めです! 
「ハックルベリー・フィンの冒険」(1975年)(米)(監)ロバート・トッテン(出)ロン・ハワード、ドニー・モスト 
1886年
「ジーキル博士とハイド氏 」A Strange Case of Dr.Jekyll and Mr.Hyde 
ロバート・ルイス・スティーブンソンRobert Louis Stevenson(イギリス) 
 心理学によって人間の心の闇を描き出した元祖内宇宙SF小説
「ジキル博士とハイド氏」(1932年)(米)(監)ルーベン・マムーリアン(1932年)(出)フレデリック・マーチ、ミリアム・ホプキンス 
「ジキル博士とハイド氏」(1941年)(米)(監)ヴィクター・フレミング(1941年)(出)スペンサー・トレイシー、イングリッド・バーグマン  
1887年 
「もう森へなんか行かない」 
エドゥアール・デュジャルダン(仏) 
ジョイスが「ユリシーズ」で用いた「意識の流れ」を描写する手法
それをいち早く用いていたと言われる恋愛小説  
1889年
「アーサー王宮廷のヤンキー」
マーク・トゥエインMark Twain(アメリカ) 
19世紀から20世紀を見た異色の並行宇宙歴史SF作品 
1893年
「本物」 The Real Things 
ヘンリー・ジェームズ(アメリカ)Henry James 
「本物」とは?「絵画・芸術」とは?アメリカ文学初期の名作短編 
1894年
「半処女」Les Demi-Vierges  
マルセル・プレヴォ(仏) 
19世紀末上流階級の恋の駆け引きを描いた恋愛風俗小説  
1895年
「タイムマシン」 
H・G・ウェルズ(イギリス)Herbert George Wells
ウェルズの悲観論が生んだ悲劇の未来像は、今読んでも奥が深い
いち早く人類の終末を予見したタイム・トラベルものの古典的SFの名作
「タイムマシン」(2002年)(米)(監)サイモン・ウェルズ(出)ガイ・ピアース、ジェレミー・アイアンズ 
1896年
「ワーニャ伯父さん」
アントン・チェーホフ(ロシア)Anton Pavlovich Chekhov
貴族たちの没落と市民社会の始まりを描写
20世紀文学の先駆となったチェーホフの傑作戯曲
「ワーニャ伯父さん」(1971年)(ソ連)(監)アンドレイ・ミハイロフ=コンチャロフスキー(出)インノケンティ・スモクトゥノフスキー  
「モロー博士の島」  
H・G・ウェルズ(イギリス)Herbert George Wells  
フランケンシュタインの発展形ともいえる人体改造SF
映像的にインパクトがあり、映画化もされている作品です。
原作は人間の醜さを描き出した心理ホラーSFでもあることに要注意です。 
「ドクター・モローの島」(1977年)(米)(監)ドン・テイラー(出)バート・ランカスター 
「D・N・A」(1996年)(米)(監)ジョン・フランケンハイマー(出)マーロン・ブランド、ヴァル・キルマー
「地獄の黙示録」のSF版のような不気味な映画です。   
1897年
「透明人間」 
H・G・ウェルズ(イギリス)Herbert George Wells 
人間の進化が生む心の変化を描いたSF小説の古典的名作 
「透明人間」(1933年)(米)(監)ジェームズ・ホエール(出)クロード・レインズ 
「透明人間」(1992年)(米)(監)ジョン・カーペンター(出)チェビー・チェイス、ダリル・ハンナ 
「透明人間」(2020年)(米)(監)リー・ワネル(出)エリザベス・モス、オルディス・ホッジ 
「ドラキュラ」 
ブラム・ストーカー(アイルランド)Abraham "Bram" Stoker 
吸血鬼ドラキュラの原作であり、すべての「ドラキュラもの」の原点 <その他映画化された作品一覧>
「魔人ドラキュラ」(1931年)(英)(監)トッド・ブラウニング
オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ」(2013年)(米)(監)J・ジャームッシュ 
1898年
「宇宙戦争」
H・G・ウェルズ(イギリス)Herbert George Wells 
人類は戦争を正当化するため、敵をエイリアンと見なしてきました。
戦争の本質をついた古典的SF小説 
「宇宙戦争」(1953年)(米)(監)バイロン・ハスキン(出)ジーン・バリー 
「宇宙戦争」(2005年)(米)(監)スティーブン・スピルバーグ(出)トム・クルーズ、ダコタ・ファニング  
1899年
「闇の奥」 
ジョセフ・コンラッド(ポーランド)Josef Konrad 
アフリカを舞台に展開される植民地主義とエスニック文化の衝突
20世紀の世界を描いた予見的作品であり、様々な作品に影響を与えた冒険小説 
「地獄の黙示録」(1979年)(米)(監)F・F・コッポラ(出)マーロン・ブランド、マーティン・シーン  
1900年代
1900年
「オズの魔法使い」
ライマン・フランク・ボーム(アメリカ)Lyman Frank Baum
小学校の図書館で借りてきたその日のうちに二度読んだことを今でも憶えています。
大人も楽しめるファンタジー児童文学の傑作 
「オズの魔法使」(1939年)(米)(監)ヴィクター・フレミング(出)ジュディ・ガーランド
「ウィズ」(1978年)(米)(監)シドニー・ルメット(出)ダイアナ・ロス  
「ロード・ジム」Lord Jim
ジョセフ・コンラッド(ポーランド)Joseph Conrad 
生きる意味を問いかける異色の海洋冒険小説 
「ロード・ジム」(1965年)(英)(監)リチャード・ブルックス(出)ピーター・オトゥール、ジェイムス・メイソン  
「夢判断」 
シグムント・フロイト(オーストラリア)Sigmund Freud 
20世紀の小説、映画、美術に、これほど大きな影響を与えた書物は他にないかも?
心理学の研究書
「笑い」
アンリ・ベルグソン(フランス)Henri-Louis Bergson 
哲学の枠を越えて人間の本質に迫ったベルグソンの人間学
哲学・心理学の名著
1901年
「バスカヴィル家の犬」
コナン・ドイル(イギリス)Arthur Conan Doyle
麻薬中毒でボロボロの英雄シャーロック・ホームズの復帰作
シリーズ中の最高傑作とも言われる推理小説
「バスカヴィルの犬」〈英)(1959年未公開)(監)テレンス・フィッシャー(出)ピーター・カッシング 
「ブッデンブローク家の人々」 
トーマス・マン (ドイツ)Paul Thomas Mann 
マンの一族をモデルにした4代にわたるドイツの名門一族の年代記
ノーベル文学賞の対象となった大河小説の傑作
ドイツでは3回映画化されているがいずれも日本未公開 
1902年
「猿の手」(短編) 
W・W・ジェイコブズ(イギリス) 
願いを叶えてくれる魔法の猿の手を入手してしまった家族
彼らはそこからまさかの恐怖に・・・「オーソン・ウェルズ劇場」でドラマ化 
「どん底」(戯曲) 
マキシム・ゴーリキー(ロシア) 
世界中で映画化されている古典的名作戯曲
帝政ロシアの場末の宿を舞台にどん底にあえぐ人々の生活をリアルに描いた小説。作者の生い立ちがもとになった作品でもある。 
「どん底」(仏)(1937年)(監)ジャン・ルノワール(出)ジャン・ギャバン、ルイ・ジューベ
「どん底」(日)黒沢明(1957年)(出)中村鴈治郎、山田五十鈴   
「ピーター・ラビットの話」 
ビアトリクス・ポター(イギリス)Helen Beatrix Potter 
大人気キャラ「ピーター・ラビット」の原点となった動物を主役とした児童文学の名著
「ミス・ポター」(2006年)(英米)(監)クリス・ヌーナン(出)レニー・ゼルウィガー(ビアトリクス・ポターの伝記映画)  
1903年
「荒野の呼び声」 
ジャック・ロンドン(イギリス)Jack London
動物小説の古典であり、ジャック・ロンドンの最高傑作のひとつ
「野生の叫び」(1935年)(米)(監)ウィリアム・A・エルマン(出)クラーク・ゲイブル、ロレッタ・ヤング 
「野生の叫び」(1972年)(米)(監)ケン・アナキン(出)チャールトン・ヘストン 
「トニオ・クレーゲル」
トーマス・マン(ドイツ)Paul Thomas Mann 
文学に魅せられた少年トニオ・クレーゲルが「芸術」と「生活」の間で苦悩する青春小説。作家の自伝ともいえる作品
1904年
「怪談」Kwaidan 
小泉八雲 ラフカディオ・ハーン Lafcadio Hearn
日本人以上に日本を知る男による日本昔話集
「怪談」(日)(1965年)(監)小林正樹(出)三国連太郎、岸恵子、新珠三千代、仲代達也ほか
カンヌ映画祭審査員特別賞  
「金色の盃」 
ヘンリー・ジェームス(アメリカ)Henry James 
没落しつつある英国を舞台に米国の富豪の娘とその父、没落貴族の青年、そして彼の元恋人の不倫関係を描いた退廃的な人間ドラマ 
「金色の嘘」(2000年)(英・米・仏)(監)ジェームズ・アイヴォリー(出)ユマ・サーマン、ケイト・ベッキンセイル  
「桜の園」(戯曲)
アントン・チェーホフ(ロシア) 
農奴解放により没落が始まった貴族階級を皮肉交じりに描いた戯曲 
「櫻の園」(日)(この芝居を上演する女子学生の物語で原作は漫画)
(1990年)(監)中原俊(出)中島ひろ子、つみきみほ
(2008年)(監)中原俊(出)福田沙紀、寺島咲  
「ジャン・クリストフ」 
ロマン・ロラン(フランス) 
ベートーヴェンをモデルにした音楽家の生涯を描いたエンターテイメント大河小説
ロランはベートーヴェンやミケランジェロの伝記作者でもある 
1905年
「賢者の贈り物」The Gift of the Magi
O・ヘンリー(アメリカ) 
アメリカを代表する大衆娯楽短編小説作家  
「海潮音」 
上田敏(日本) 
ヨーロッパの名作を翻訳した訳詩集
多くの文学者に影響を与えた 
「吾輩は猫である」 
夏目漱石(日本) 
猫目線で飼い主である英語教師一家を描いた異色の風刺小説 
「吾輩は猫である」(日)(1936年)(監)山本嘉次郎(出)徳川夢声
「吾輩は猫である」(日)(1975年)(監)市川崑(出)仲代達也  
1906年
「車輪の下」
ヘルマン・ヘッセ(ドイツ)Hermann Hesse 
秀才として期待された少年ハンスが、いつしか道を誤り、落伍者となり、そこから立ち直るまでの物語。作者の自伝的小説。 
「破戒」
島崎藤村(日本) 
被差別部落問題を扱った近代日本文学を代表する人間ドラマの名作
「破戒」(日)(1962年)(監)市川崑(出)市川雷蔵
「破戒」(日)(1948年)(監)木下恵介(出)池部良 
「坊ちゃん」 
夏目漱石(日本) 
学園青春小説永遠の名作
個性豊かな人物描写は今でも古くない娯楽小説 
「坊ちゃん」
(日)(1935年)(監)山本嘉次郎(出)宇留木造
(日)(1953年)(監)丸山誠治(出)池部良
(日)(1966年)(監)市村泰一(出)坂本九
(日)(1977年)(監)前田陽一(出)中村雅俊ほか  
1907年
「怪盗紳士アルセーヌ・ルパン」 
モーリス・ルブラン(フランス)Maurice Leblanc 
今ではその孫であるルパン3世の方が有名になったかも?
泥棒が主役という異色の犯罪推理冒険小説
「ルパン」(2004年)(仏)(監)ジャン=ポール・サロメ(出)ロマン・デュリス、クリスティン・スコット・トーマス  
「ジャック・ロンドン放浪記」 The Road
ジャック・ロンドン(アメリカ)Jack London 
アメリカ放浪文化の源流となったホーボー生活体験記
偉大なる放浪作家の原点となった青春時代の記録を綴った冒険エッセイ集 
「創造的進化」
アンリ・ベルグソン(フランス)Henri-Louis Bergson 
哲学者でありながら宇宙論、進化論まで研究したベルグソンの代表作
進化を扱った哲学書 
「蒲団」 
田山花袋(日本)
自らの弟子との不倫を暴露したスキャンダラスな内容で話題となった
徹底したリアリズムに基づく悲劇の恋の物語
1908年
「青い鳥」 L'Oiseau bleu 
モーリス・メーテルリンク(ベルギー)Maurice Maeterlinck 
幸福を探して青い鳥を追いかけるティルティルとミティルの旅
「見果てぬ夢」を追い続ける「青い鳥症候群」の象徴となった20世紀を代表する童話 
「青い鳥」(米、ソ)(1976年)(監)ジョージ・キューカー(出)エリザベス・テイラー、エヴァ・ガードナー  
「赤毛のアン」 
ルーシー・モード・モンゴメリー(カナダ)Lucy Maud Montgomery 
孤児院育ちの女の子アンが成長する様子を描いた少女文学の金字塔 
「赤毛のアン」(カナダ、米、独)(監)ケヴィン・サリヴァン  
「異次元を覗く家」 
W・H・ホジスン(イギリス)William Hope Hodgson 
イギリス的で怖い世界を描いた独特のオカルト文学
後の文学、映画にも多大な影響を与えた恐怖世界の描写はとにかく怖い! 
1909年
「ギーターンジャリ」 
ラビーンドラナート・タゴール(インド)Rabindranath Tagore 
欧米以外で初のノーベル賞(1963年)を受賞したインド人作家による詩集 
「邪宗門」 
北原白秋(日本) 
日本を代表する詩人の代表的詩集 
「狭き門」 
アンドレ・ジッド(フランス)Andre Paul Guillaume Gide 
「神への愛」と「男女の愛」の対立を描いたキリスト教に関する問いかけの書。
1947年にジッドはノーベル文学賞受賞。宗教・人間文学の傑作
1910年代
1910年
「遠野物語」 
柳田邦夫(日本) 
岩手県遠野市周辺の伝承を収集した民話集
日本における民俗学の転換点となった重要な作品 
「マルテの手記」 
ライナー・マリア・リルケ(オーストリア)Rainer Maria Rilke
デンマーク出身の無名の詩人をモデルとした長編小説。
作者自身の芸術や人生に対する思いをこめた伝記的小説でもある。 
1911年
「ピーター・パンとウェンディ」
ジェームス・マシュー・バリーJames Matthew Barrie 
「ピーター・パン」シリーズの決定版となった児童冒険文学の傑作 
「ピーター・パン」(米)(1953年)(監)ハロルド・ラスケディズニー・アニメ 
「ピーター・パン」(米)(1991年)(監)スティーブン・スピルバーグ
(出)ロビン・ウィリアムス、ダスティン・ホフマン
「ピーター・パン」(米)(2003年)(監)P・J・ホーガン(出)ジェレミー・サンプター 
1912年
「失われた世界」
コナン・ドイル(イギリス)Arthur Conan Doyle
元祖「ロスト・ワールド」でもある冒険SF小説の歴史的名作
「失われた世界」(米)(1960年)(監)アーウィン・アレン(出)クロード・レインズ 
「ヴェニスに死す」Morte A Venezia 
トーマス・マン(ドイツ)Paul Thomas Mann 
マーラーをモデルに自らの人生を描いた伝記的人間ドラマ 
「ヴェニスに死す」(伊)(1971年)(監)ルキノ・ヴィスコンティ(出)ダーク・ボガート、ビヨルン・アンデルセン  
「神々は渇く」 
アナトール・フランス (フランス)Anatole France
ノーベル文学賞を受賞したフランスを代表する作家の代表作 
「類猿人ターザン」 
エドガー・ライス・バロウズ(アメリカ)Edgar Rice Burroughs 
元祖「ターザンもの」の原点となった冒険小説 
「ターザン」(米)(1918年)(監)スコット・シドニー(出)エルモ・リンカーン 
「ターザン」(米)(1932年)(監)W・S・ヴァンダイク二世(出)ジョニー・ワイズミュラー 
「グレイ・ストーク ターザンの伝説」(英)(1983年)(監)ヒュー・ハドソン
(出)ラルフ・リチャードソン、クリストファー・ランバート
その他、ジョセフ・M・ニューマン、ジョン・デレクなどの監督作あり    
1913年
「阿部一族」 
森鴎外(日本) 
官営18年、肥後細川家に仕えていた阿部一族を襲った不運と悲劇の大河小説 
「阿部一族」(日)(1938年)(監)熊谷久虎(出)河原崎長十郎(4代目)、橘小三郎  
失われた時を求めて第一部「スワンの恋」 
マルセル・プルースト(フランス)Marcel Proust 
完成は1927年になります!
近代文学史に残る大長編小説
「スワンの恋」(1983年)(仏独)(監)フォルカー・シュレンドルフ(出)ジェレミー・アイアンズ 
「見出された時」(1999年)(仏ポ伊)(監)ラウル・ルイス(出)カトリーヌ・ドヌーブ、ジョン・マルコビッチ   
「ピグマリオン」 
ジョージ・バーナード・ショー(イギリス)George Bernard Shaw
元祖「マイ・フェア・レディ」であり、その後多くのバリエーションが誕生した 
「マイ・フェア・レディ」(1964年)(米)(監)ジョージ・キューカー(出)オードリー・ヘップバーン  
「モーヌの大将」 
アラン=フルニエ (フランス)Alain Fournier 
27歳の若さで戦場に散った作者の永遠の青春小説 
1914年
「こころ」 
夏目漱石(日本) 
この世を去った「先生」の遺書をとおして「明治精神」の終わりを象徴したともいわれる夏目漱石の代表的作品であり、究極の人間ドラマ 
「こころ」(日)(1955年)(監)市川崑(出)森雅之、新珠三千代  
「心」(日)(1973年)(監)新藤兼人(出)松橋登、乙羽信子  
「ダブリン市民」 
ジェイムズ・ジョイス(アイルランド)James Joyce 
アイルランドの首都ダブリンに暮らす人々を描いた初期短編小説集 
「ザ・デッド」(1988年)(英)(監)ジョン・ヒューストン(出)アンジェリカ・ヒューストン  
1915年
「人間の絆」 
サマセット・モーム(アメリカ)William Somerset Maugham 
作者であるモームの自伝的な人間ドラマ
主人公の旅、フランスやドイツそしてロンドンでの体験から成長する姿を描く
「痴人の愛」(1934年)(米)(監)ジョン・クロムウェル(出)ベティ・デイヴィス 
「人間の絆」(1964年)(米)(監)ケネス・ヒューズ(出)キム・ノヴァク、ローレンス・ハーヴェイ   
「変身」 
フランツ・カフカ(チェコ) Franz Kafka 
文学だけでなく世界中の文化、思想に影響を与え続ける20世紀を代表する文学であり元祖不条理小説 
「変身」(2002年)(露)(監)ワレーリイ・フォーキン(出)エヴゲーニイ・ミローノフ  
「羅生門」 
芥川龍之介(日本)
平安時代を舞台に「生きるため」に人間が犯す罪について描いた複雑な人間ドラマ
黒沢明の「羅生門」の原作は同じ芥川の「藪の中」
ただし、舞台設定など一部はこの作品が元になっている 
1916年
「高瀬舟」 
森鴎外(日本) 
弟殺しの兄はなぜ殺人を犯したのか?江戸時代の随筆を元に安楽死などの問題を描いた短編小説 
「高瀬舟」(1930年)(日)(監)仏生寺弥作(出)小川隆、久米譲  
1917年
「城の崎にて」 
志賀直哉(日本) 
自らの体験を元に「生と死」の問題を描いた短編心象小説 
「月に吠える」 
萩原朔太郎(日本) 
大正から昭和にかけて活躍した日本を代表する詩人の代表的詩集 
1918年
「狂人日記」 
魯迅(中国) 
口語文体を用いた中国文学の先駆け
被害妄想狂の心理を描いた短編小説 
「蜘蛛の糸」、「地獄変」 
芥川龍之介(日本) 
日本文学を代表する芥川龍之介の短編小説 
「地獄変」(1969年)(日)(監)豊田四郎(出)中村錦之助、内藤洋子 
「西洋の没落」 
オスバルト・シュペングラー (ドイツ)Oswald Spengler 
アメリカ、ソ連の台頭からヨーロッパ中心の世界観の終わりを告げた歴史研究書の名著
1919年
月と六ペンス 
サマセット・モーム(アメリカ)William Somerset Maugham
タヒチに渡った画家ゴーギャンをモデルに創作された画家の実録伝記小説 
「田園交響楽」 
アンドレ・ジッド (フランス)Andre Paul Guillaume Gide 
プロテスタントとカトリック、性、欲望、家庭などの問題を正面から取り上げた問題作 
「或る女」 
有島武郎(日本) 
一人の女性の自由奔放な人生を描いたリアリズム小説 
1920年代
1920年
「アルクトゥールスへの旅」 
デヴィッド・リンゼイ (イギリス)David Lindsay 
古典的宇宙旅行SF、かなりファンタジーというよりも哲学的な物語 
「皇帝ジョーンズ」〈戯曲) 
ユージン・オニール(アメリカ)Eugene Gladstone O'Neill 
脱走してカリブの島で皇帝となった元奴隷の黒人ジョーンズの半生 
「杜子春」 
芥川龍之介(日本) 
中国の古典を元に子供向けに書いた短編小説
「ロボット R・U・R」(戯曲) 
カレル・チャペック (チェコ)Karel Capek 
ロボット」という言葉を生み出した古典的SFの傑作 
1921年
「阿Q正伝」 
魯迅(中国) 
阿Qという人物を通して、辛亥革命の失敗や中国の問題点を描き出した中国文学を代表する小説 
「藪の中」 
芥川龍之介(日本) 
多くのカバー作品を生み出した日本を代表する文学作品
人間心理の複雑さを描いた海外にまで影響を与えた作品
「羅生門」(1950年)(日)(監)黒沢明(出)三船敏郎、京マチ子、森雅之 
「暴行」(米)(1964年)(監)マーティン・リット(出)ポール・ニューマン、ローレンス・ハーヴェイ
「バツアラ」 
ルネ・マラン(仏) 
仏領ギアナ出身の黒人作家によるゴンクール賞受賞作  
「われら」 
エフゲニイ・ザミャーチン(ソ連)Evgenii Ivanovich Zamyatin 
アンチ・ユートピアSF小説の古典
共産主義大国ソ連が向かう先に警鐘を鳴らした問題作
1922年
「荒地」 
T・S・エリオット(英国・米国生まれ)Thomas Stearns Eliot 
20世紀を代表する詩人の代表作 
「ガルソンヌ」 
ヴィクトル・マルグリット(仏) 
フラッパーの風俗を描いてベストセラーとなった小説
19歳の少女モニクによる旧体制、両親への反抗と奔放な生き方を描写   
「世界史概観」(「世界史大系」) 
H・G・ウェルズ(イギリス)Herbert George Wells 
SF作家であると同時に歴史家でもあったウェルズの歴史大著 
「チボー家の人々」(第一部)灰色のノート 
ロジェ・マルタン・デュ・ガール(フランス)Roger Martin du Gard 
フランス文学を代表するチボー一族の歴史を描いた歴史大河家族小説 
「ユリシーズ」 
ジェームス・ジョイス (アイルランド)James Joyce
アイルランドが生んだ20世紀を代表する作家によるかなり難解な小説
現代文学の最高峰とも言われる作品 
「夜の太鼓」(戯曲) 
ベルトルト・ブレヒト(ドイツ)Bertolt Brecht 
革命から離れた青年の苦悩を描いた初期の代表的戯曲 
1923年
「山椒魚」 
井伏鱒二(日本) 
岩屋に閉じ込められた山椒魚の悲哀を描いた処女短編小説
後に結末を変更したことで話題になったことでも知られる 
「肉体の悪魔」 
レイモン・ラディゲ(フランス)Raymond Radiguet 
世界各地で映画化されている「人間の性」を扱った20世紀を代表する文学作品
作者は18歳という若さで本作を書き、20歳の若さでこの世を去りました 
「肉体の悪魔」(1947年)(仏)(監)クロード・オータン・ララ(出)ジェラール・フィリップ
「肉体の悪魔」(1977年)(日)(監)西村昭五郎(出)野平ゆき
「肉体の悪魔」(1986年)(伊)(監)マルコ・ベロッキオ(出)マルーシュカ・デートメルス  
1924年
「魔の山」 
トーマス・マン(ドイツ)Paul Thomas Mann 
近代ドイツ文学の代表作
重いけど素晴らしい長編小説です 
「痴人の愛」 
谷崎潤一郎(日本) 
耽美主義文学を生んだ日本を代表する作家の代表作 
「痴人の愛」(1949年)(日)(監)木村恵吾(出)宇野重吉、京マチ子
「痴人の愛」(1967年)(日)(監)増村保造(出)小沢昭一、安田道代  
「注文の多い料理店」 
宮澤賢治 Kenji Miyazawa 
宮澤賢治が生前発表した数少ない作品のひとつでブラックなファンタジー小説 
「楡の木陰の欲望」(戯曲) 
ユージン・オニール(アメリカ)Eugene Gladstone O'Neill 
ニューイングランドの農場を舞台にしたセクシャルな愛憎劇
近親相姦など当時としては衝撃的な問題を扱い大きな話題となった戯曲 
「楡の木陰の欲望」(米)(1958年)(監)デルバート・マン(出)ソフィア・ローレン、アンソニー・パーキンス 
「わが闘争 
アドルフ・ヒトラー(ドイツ)Adolf Hitler 
牢獄で書かれた20世紀の世界を変えた自伝 
1925年
「グレート・ギャツビー」(偉大なるギャツビー) 
スコット・フィッツジェラルド (アメリカ)Scott Key Fitzgerald 
アメリカの古き良き黄金時代「ローリング・トゥエンティーズ」を象徴するバブリーな青年の華麗で悲しい人生を人生を描いた傑作
スコット・フィッツジェラルドによる20年代アメリカを舞台にした青春文学 
「華麗なるギャツビー」(米)(1974年)(監)ジャック・クレイトン(出)ロバート・レッドフォード、ミア・ファロー  
「華麗なるギャツビー」(米)(2012年)(監)(脚)(製)バズ・ラーマン(出)レオナルド・ディカプリオ、トビー・マグワイア、キャリー・マリガン  
「審判」 
フランツ・カフカ(チェコ)Franz Kafka 
20世紀を代表する不条理文学の傑作 
「審判」(仏、独、伊)(1963年)(監)オーソン・ウェルズ(出)アンソニー・パーキンス 
「トライアル/審判」(英)(1992年)(監)デヴィッド・ジョーンズ(出)カイル・マクラクラン、アンソニー・パーキンス   
「ダロウェイ夫人」 
ヴァージニア・ウルフ (イギリス)Virginia (Adeline) Woolf 
この小説をテーマとした小説&映画「めぐり逢う時間たち」もお忘れなく!
既婚女性の自立を描いた女性文学初期の傑作 
「ダロウェイ夫人」(英)(1997年)(監)マルレーン・ゴリス(出)バネッサ・レッドグレープ  
「檸檬」 
梶井基次郎(日本) 
1926年
SF雑誌「アメージングストーリーズ」(創刊号)
ヒューゴ・ガーンズバック(アメリカ)Hugo Gernsback 
SF文学だけでなくSF映画などの担い手を数多く育てた重要なSFパルプ・フィクション雑誌の代表的存在 
「城」 
フランツ・カフカ(チェコ)Franz Kafka 
不条理文学の大作としてその後の芸術にも大きな影響を与えたカフカの代表作 
「カフカの『城』」(1997年未公開)(独)ミヒャエル・ハネケ(出)ウルリッヒ・ミューエ  
「黄昏のウィーン」 
ジャン・カヌー(仏)  
べートーベン、シューベルトも登場するロマン派時代の恋愛小説  
「ニグロと河」 
ラングストン・ヒューズ(アメリカ)Langston Hughes 
初期アメリカ黒人文学を代表する存在
「パリの農夫」 
ルイ・アラゴン(フランス)Louis Aragon 
シュルレアリスムの中心人物による小説
「日はまた昇る」 
アーネスト・ヘミングウェイ(アメリカ)Ernest Hemingway 
第一次世界大戦後、享楽の日々を送る若者たちの姿を描いた「ロスト・ジェネレーション」の代表作 
「陽はまた昇る」(1957年)(米)(監)ヘンリー・キング、グレゴリー・ラトフ(出)タイロン・パワー、エヴァ・ガードナー  
「夢がたり」 
アルトゥール・シュニッツラー 
妻の一言から嫉妬にかられた夫が、街を彷徨い夢と現実が交錯する世界を体験する不思議な物語
巨匠キューブリックが映画化 
「アイズ・ワイド・シャット」(米英)(監)スタンリー・キューブリック(出)トム・クルーズ、ニコール・キッドマ  
1927年
「伊豆の踊り子」 
川端康成(日本) 
何度も映画化されている日本文学を代表する小説 
「伊豆の踊子」(日)(監)五所平之助、野村芳太郎、西河克己、恩地日出夫など  
失われた時を求めて(この年完成) 
マルセル・プルースト(フランス)Marcel Proust 
1913年から発表され、この年ついに完成した20世紀を代表する大河小説 
「スワンの恋」(仏独)(1983年)(監)フォルカー・シュレンドルフ(出)ジェレミー・アイアンズ  
「見出された時」(仏ポ伊)(1999年)(監)ラウル・ルイス(出)カトリーヌ・ドヌーブ、ジョン・マルコビッチ  
「荒野のおおかみ」 
ヘルマン・ヘッセ(ドイツ)Hermann Hesse 
「Born to be Wild」のステッペンウルフはこの作品から来ている。
60年代ヒッピー・ムーブメントにも大きな影響を与えた「アウトサイダー物語」 
「人類の星の時間」(初版) Sternstunden Der Menschheit  
シュテファン・ツヴァイク(オーストリア)Stefan Zweig 
英雄たちの歴史的な瞬間を描いた伝記小説集
ナポレオン、トルストイ、レーニン、スコット大佐、ドストエフスキー・・・  
1928年
「陰獣」
江戸川乱歩(日本) 
日本を覆った「エロ・グロ・ナンセンス」ブームを象徴する作品
エロチック・サスペンス小説の先駆作 
「陰獣」(日)(1977年)(監)加藤泰(出)あおい輝彦、香山美子 
「陰獣」(仏)(2008年)(監)バーベット・シュローダー(出)ブノワ・マジメル、源利華  
「エーミールと探偵たち」 
エーリッヒ・ケストナー(ドイツ)  
少年文学の名作  
「ギャング・オブ・ニューヨーク」(ノンフィクション) 
ハーバート・アズベリー (アメリカ)Herbert Asbury 
NYそしてアメリカの原点を知ることの出来る歴史ドキュメント 
「ギャング・オブ・ニューヨーク」(米)(2002年)(監)マーティン・スコセッシ(出)レオナルド・ディカプリオ、ダニエル・デイ・ルイス  
凍える海(ノンフィクション)  
ヴァレリアン・アルバーノフ(ロシア) 
北極海の流氷に閉じ込められて1年。船を離れ陸を求めて、旅立った探検隊の苦闘を記録   
「三文オペラ」 
ベルトルト・ブレヒト(ドイツ)Bertolt Brecht 
18世紀に書かれたジョン・ゲイの風刺劇「乞食オペラ」を改作した作品
ブルジョアへの風刺劇である以上に音楽と演劇の新しい関係を生み出した歴史的な戯曲
現代の演劇、映画、オペラ、ミュージカルに多大な影響を与えた作品。 
「三文オペラ」(独米)(1930年)(監)G・W・パブスト(出)ルドルフ・フォルスター
「三文オペラ」(英)(1952年)(監)ピーター・ブルック(出)ローレンス・オリヴィエ 
「三文オペラ」(独)(1963年)(監)ヴォルフガング・シュタウテ(出)クルト・ユルゲンス
「三文オペラ」(米)(1989年)(監)メナハム・ゴーラン(出)ラウル・ジュリア、リチャード・ハリス 
「サン・ルイ・レイの橋」 
ソーントン・ワイルダー(アメリカ)Thornton Niven Wilder 
アメリカを代表する戯曲作家のピューリッツアー賞受賞小説 
「サン・ルイ・レイの橋」(西、英、仏)(2004年)(監)マリー・マクガキン(出)ロバート・デ・ニーロ、ハーヴェイ・カイテル、キャシー・ベイツ
なぜ日本未公開なの?こんなに豪華な顔ぶれなのに?  
「チャタレー夫人の恋」 
デヴィッド・ロレンス(イギリス)David Herbert Richards Lawrence
セックスを真正面から描いたことで社会を揺るがせ、時代を変えた問題作 
「チャタレイ夫人の恋人」(仏)(1955年)(監)マルク・アレグレ(出)レオ・ゲン  
「チャタレー夫人の恋」(仏)(1982年)(監)ジュスト・ジャカン(出)シルビア・クリステル
「チャタレイ夫人の恋人」(英)(1995年)(監)ケン・ラッセル(出)ジョエリー・リチャードソン、ショーン・ビーン
 「レディ・チャタレー」(英、仏、ベルギー)(2007年)(監)パスカル・フェラン(出)マリナ・ハンズ
「ナジャ」 
アンドレ・ブルトン(フランス)Andre Breton 
シュルレアリスムを代表する不条理小説
元祖不思議ちゃん「ナジャ」はその運動のアイドルだった 
1929年
「赤い収穫」 
ダシール・ハメット(アメリカ) Dashiell Hammett 
ハードボイルド小説の古典的名作 
「恐るべき子供たち」 
ジャン・コクトー(フランス)Jean Cocteau 
元祖「青春残酷物語」 
「恐るべき子供たち」(仏)ジャン=ピエール・メルヴィル(1950年)(出)ニコール・ステファーヌ 
「蟹工船」 
小林多喜二(日本) 
日本のプロレタリア文学を代表する傑作 
「蟹工船」(日)山村聡,(1953年)(出)山村聡、日高澄子 
「蟹工船」(日)SABU(2009年)(出)松田龍平、西島秀俊
「白い黒人」Passing 
ネラ・ラーセン(アメリカ)Nells Larsen 
人種の壁に挑み「愛のタブーに挑戦した危険な物語」 
「白い黒人」(英)レベッカ・ホール(2021年)(出)テッサ・トンプソン、ルース・ネッガ
「スフィンクス」 
フランシス・ピカビア(フランス)Francis Picabia 
ニューヨーク・ダダの代表的作家による詩画集 
「響きと怒り」 
ウィリアム・フォークナー(アメリカ)William Cuthbert Faulkner 
アメリカ南部の没落した一家の苦悩を視点を変えた複雑な手法で描いた20世紀を代表する重要作 
「武器よさらば」 
アーネスト・ヘミングウェイ(アメリカ) Ernest Hemingway 
第一次世界大戦に従軍記者として参加した著者の実体験をもとに描かれた戦乱の中の恋物語 
「武器よさらば」(米)チャールズ・ビダー(1957年)(出)ロック・ハドソン、ジェニファー・ジョーンズ
「戦場よさらば」(米)フランク・ボーゼージ(1932年)(出)ゲーリー・クーパー
「無関心な人々」 
アルベルト・モラヴィア (イタリア)Alberto Moravia 
1920年代のローマを舞台に中産階級の人々の退廃的な生活を描いた小説
その後、ファシスト政権によって発禁とされた 
「夜明け前」 
島崎藤村(日本) 
幕末の人間群像を描き出した大作文学  
「夜明け前」(日)吉村公三郎(1953年)(出)滝沢修
1930年代
1930年
「王道」 
アンドレ・マルロー(フランス)Andre Malraux 
仏領カンボジアでの作者の体験にもとずくアンコールワットを舞台にした女神像を巡る物語
「最後にして最初の人類」 
オラフ・ステープルドン(イギリス)William Olaf Stapledon 
人類の歴史をその滅亡まで20億年に渡って描いた壮大なSF神話 
「マルタの鷹」 
ダシール・ハメット(アメリカ)Dashiell Hammett 
ハードボイルド小説の古典的名作 
「マルタの鷹」(米)ジョン・ヒューストン(1941年)(出)ハンフリー・ボガート
1931年
「大地」 
パール・バック(アメリカ)Pearl Sydenstricker Buck 
中国に住んでいたアメリカ人女性による中国人を主人公にした大作小説 
「大地」(米)シドニー・フランクリン(1937年)(出)ポール・ムニ、ルイーゼ・ライナー
「カンテ・ホンドの詩」 
ガルシア・ロルカ(スペイン)Federico Garcia Lorca 
スペインを代表する詩人の代表作 
「サンクチュアリ」 
ウィリアム・フォークナー(アメリカ)William Cuthbert Faulkner 
アメリカ南部を舞台に暴力渦巻く世界を描いたノーベル賞作家の代表作 
ファビアン あるモラリストの物語Fabian 
エーリッヒ・ケストナー(ドイツ)Erich Kastner 
ワイマール共和国の終末を生きたあるモラリスト青年の人生
「飛ぶ教室」の作者による本格小説
1932年
「すばらしい新世界」 
オルダス・ハクスレー(イギリス)Aldous Leonard Huxley 
名門科学者一家の一人によるディストピア小説の名作 
「八月の光」 
ウィリアム・フォークナー(アメリカ)William Cuthbert Faulkner 
アメリカ南部の架空の街ジェファーソンを舞台にしたシリーズ
「ヨクナバトーファ・サーガ」の代表作
「開かれたる処女地」 
ミハイル・ショーロホフ(ロシア) 
ソ連共産党のもとで活躍した作家による農村改革の物語 
「夜の果てへの旅」
ルイ・フェルディナン・セリーヌ(フランス)Louis-Ferdinad Celine 
医師でもあった作者が反植民地主義、反ユダヤ主義、超個人主義など、反社会的な破天荒な物語で世界中の批難を浴びた小説 
1933年
「血の婚礼」 
ガルシア・ロルカ (スペイン)Federico Garcia Lorca 
アントニオ・ガデスのダンスによって世界中に知られることになったスペインを代表する作品 
「血の婚礼」(スペイン)カルロス・サウラ(1981年)(出)アントニオ・ガデス 
「特性のない男」(未完の小説) 
ローベルト・エードラー・フォン・ムジール(オーストリア)Robert Musil 
第一次世界大戦勃発前のオーストリアを描いた20世紀を代表する大河小説(全6巻)ナチスにより発禁処分となった作品でもある 
「飛ぶ教室」 
エーリッヒ・ケストナー(ドイツ) 
少年文学の代表作 
「飛ぶ教室」(ドイツ)トミー・ヴィガント(2003年)(出)ウルリッヒ・ヌーテン、セバスチャン・コッホ
「ニグロ」(アンソロジー) 
(編)ナンシー・キュナード(英)ヒュー・D・フォード  
「ハーレム・ルネッサンス」を体感した編者による黒人文化のアンソロジー 
1934年
「影なき男」 
ダシール・ハメット(アメリカ)Dashiell Hammett 
探偵夫婦ニックとノラの活躍を描いたシリーズ第一作 
「影なき男」(米)W・S・ヴァンダイク2世(1934年)(出)ウィリアム・パウエル
「北回帰線」 
ヘンリー・ミラー(アメリカ)Henry Miller 
自らの性遍歴を題材に綴ったアメリカ文明と道徳批判をこめたスキャンダラスな作品。当初アメリカ国内では発禁になるも、その後大ヒットとなる 
「銀河鉄道の夜」 
宮澤賢治Kenji Miyazawa 
生前発表されることのなかった宮澤賢治によるファンタジー文学の傑作 
「銀河鉄道の夜」(日)杉井ギサブロー(1985年)アニメ(脚)別役実(音)細野晴臣
「風の又三郎」 
宮澤賢治Kenji Miyazawa
少年ファンタジー文学の名作
「風の又三郎」(日)島耕二(1940年)(出)片山明彦(日)
「風の又三郎 ガラスのマント」伊藤俊也(1989年)
1935年
<芥川賞>石川達三「蒼茫」
<直木賞> 川口松太郎『鶴八鶴次郎』『風流深川唄』『明治一代女』
「オッドジョン」 
オラフ・ステープルドン(イギリス)William Olaf Stapledon 
超人類として生まれた人々が南海の無人島で新たな文明を作り上げてゆくSF年代記
「蒼茫」
石川達三(日本) 
神戸から海外への移民として旅立つ人々の苦難の移民大河物語
第一回芥川賞 
「風土」 
和辻哲郎(日本) 
気象など風土のもつ特質から人間性の違いを分析した名著 
「明治一代女」
川口松太郎(日本) 
柳橋の有名芸者お梅と彼女を巡る人々の人生大河物語
第一回直木賞 
「明治一代女」(日)(監、脚)伊藤大輔(1955年)(脚)成沢昌茂(出)木暮実千代、北上弥太郎、田崎潤
1936年
<芥川賞>小田嶽夫「城外」、鶴田知也「コシャマイン記」
<直木賞>鷲尾雨工 『吉野朝太平記』、海音寺潮五郎『天正女合戦』
「アブサロム、アブサロム!」 
ウィリアム・フォークナー(アメリカ)William Cuthbert Faulkner 
旧約聖書の「アブサロムの物語」を下敷きに南北戦争時代を舞台にした農民一家の悲劇の物語 
「風立ちぬ」 
堀辰雄(日本) 
結核で亡くなった自分の婚約者をモデルにしたサナトリウムを舞台にした
生と死を見つめた小説 
「風立ちぬ」(日)島耕二(1954年)(出)久我美子
「風立ちぬ」(日)若杉光夫(1976年)(出)山口百恵、三浦友和
「風と共に去りぬ」 
マーガレット・ミッチェル(アメリカ)Margaret Munnerlyn Mitchell 
映画の方が有名なアメリカ南部の変遷をバックに描いた大恋愛大河小説 
「風と共に去りぬ」(米)ヴィクター・フレミング(1939年)(出)ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲイブル
「山椒魚戦争」 
カレル・チャペック (チェコ)Karel Capek 
人種差別問題を皮肉ったSF小説の古典的名作。ブラックで哲学的な比喩は今でも通じます 
「普賢」 
石川淳(日本) 
私小説作家である著者の代表作、第4回芥川賞受賞作 
「駱駝祥子」 
老舎 ロウ・シャ(中国) 
1920年代の中国を生きた主人公の厳しい人生を描いた小説
作者は文化大革命において批判の対象となり自殺に追い込まれた 
1937年
<芥川賞>石川淳「普賢」、冨沢有為男「地中海」、尾崎一雄「暢氣眼鏡(のんきめがね)」
<直木賞>木々高太郎『人生の阿呆』
「アフリカの日々」Out of Africa 
イサク・ディネセンIsak Dinesen 
1920年代古き良きアフリカに生きた白人女性の記憶 
「愛と哀しみの果て」 (米)シドニー・ポラック(1985年)ロバート・レッドフォード、メリル・ストリープ
「ホビットの冒険」 
J・R・R・トールキン (イギリス)J.R.R.Tolkin
「指輪物語」誕生のきっかけとなった序章的ファンタジー作品 
「ホビット思いがけない冒険」(2012年)「竜に奪われた王国」(2013年)「決戦のゆくえ」(2014年)
(監)ピーター・ジャクソン(出)マーティン・フリーマン 
「ジョン万次郎漂流記」 
井伏鱒二(日本) 
江戸時代にアメリカに渡ったジョン万次郎のドキュメント本 
「スターメイカー」 
オラフ・ステープルドン(イギリス)William Olaf Stapledon 
宇宙の誕生からその終末までを描いた長大なSF宇宙年代記 
「墨東奇譚」 
永井荷風(日本) 
作者をモデルとする作家と娼婦の出会いと別れを描いた荷風の代表作 
「墨東奇譚」(日)豊田四郎(1960年)(出)山本富士子、芥川比呂志
(日)新藤兼人(1992年)(出)津川雅彦、墨田ユキ 
「雪国」 
川端康成(日本) 
川端康成のノーベル文学賞受賞によって海外でも知られることになった日本文学の金字塔 
「雪国」(日)豊田四郎(1957年)(出)池部良、岸恵子、八千草薫 
「雪国」(日)大庭秀雄(1965年)(出)岩下志麻、木村功、加賀まりこ 
1938年
<芥川賞>火野葦平「糞尿譚(ふんにょうたん)」、中山義秀「厚物咲(あつものざき)」
<直木賞>井伏鱒二『ジョン万次郎漂流記』、橘外男『ナリン殿下への回想』
「生きている兵隊」 
石川達三(日本) 
南京陥落後に中国を訪れた著者による戦場の記録文学 
「嘔吐」 
ジャン・ポール・サルトル(フランス)Jean-Paul Charles Aymard Sartre 
哲学の枠を越えて世界に影響を与えた文学作品でありサルトルの処女小説 
「カタロニア讃歌」 
ジョージ・オーウェル(イギリス)George Orwell 
スペイン戦争に参加した作者のスペイン、カタロニア地方に捧げた作品 
「スクープ」SCOOP 
イーヴリン・ウォー(イギリス)Evelyn Waugh 
架空の北アフリカの国を舞台に紛争を取材するアマチュア記者の物語
ブラックですが、ありそうな話なのは著者の体験が基になっているから 
「善意の殺人」Excellent Intentions 
リチャード・ハル(イギリス)Richard Hull 
法廷を舞台にした異色の推理ドラマ 
「マラカンドラ(沈黙の惑星をはなれて)」 
C・S・ルイス(イギリス)Clive Staples Lewis 
「ナルニア国物語」で有名な作家の異色のファンタジーSF小説 
「麦と兵隊」 
火野葦平(日本) 
従軍日記の体裁をもつ戦記文学 
「わが町」(戯曲)
ソーントン・ワイルダー(アメリカ)Thornton Niven Wilder 
ある町の日常を描いた大きな事件の起きないドラマ 
「我等の町」(米)サム・ウッド(1947年)(出)ウィリアム・ホールデン、マーサ・スコット
1939年
<芥川賞>中里恒子「乗合馬車」、長谷健「あさくさの子供」、半田義之 「鶏騒動」
<直木賞>大池唯雄『兜首』『秋田口の兄弟』
「怒りの葡萄」 
ジョン・スタインベック(アメリカ)John Steinbeck 
大恐慌時代の労働者をリアリズムで描いた20世紀プロレタリア文学の代表作 
「怒りの葡萄」 (米)ジョン・フォード(1940年)(出)ヘンリー・フォンダ、ジェーン・ダーウェル
「大いなる眠り」 
レイモンド・チャンドラー(アメリカ)Raymond Chandler 
ハードボイルド小説の歴史を代表する名作
「三つ数えろ」 (米)ハワード・ホークス(1946年)(出)ハンフリー・ボガート、ローレン・バコール
「大いなる眠り」(英)マイケル・ウィナー(1978年未公開)(出)ロバート・ミッチャム
「人間の土地」 
サン・テグジュペリ(フランス)Saint Exupery 
「星の王子さま」の作者が残した感動的な人間賛歌のエッセイ 
「南回帰線」 
ヘンリー・ミラー(アメリカ)Henry Miller 
電報配達会社に勤める主人公の性の遍歴を描いた問題作
「北回帰線」とともに発禁となった書 
1940年代
1940年
<芥川賞>寒川光太郎「密獵者」、高木卓「歌と門の盾」(受賞辞退)
<直木賞>河内仙介『軍事郵便』、堤千代『小指』
「アメリカの息子」 Native Sun 
リチャード・ライト(アメリカ)Richard Wright 
アメリカの黒人作家が人種差別に抗議を唱えた問題作 
「巨匠とマルガリータ」 
ミハイル・ブルガーコフ(ソ連) 
スターリン独裁下で反体制的小説を書き続け、ほとんどが発禁処分となった悲劇の作家が発表される可能性のないまま書いた幻のファンタジー文学 
「心は孤独な狩人」 
カーソン・マッカラーズ(アメリカ)Carson McCullers 
聾唖者のシンガーを囲む人々の叶わぬ恋を描いた不毛の愛の物語 
「さよなら、愛しき人」/「さらば愛しき女よ」(旧訳)Farewell ,My Lovely 
レイモンド・チャンドラー(アメリカ)Raymond Chandler 
多くのハードボイルド作品に影響を与え続ける名作中の名作 
「さらば愛しき女よ」(米)ディック・リチャーズ(1975年)(出)ロバート・ミッチャム、シャーロット・ランプリング 
「スラン」 
A・E・ヴァン・ヴォークト(カナダ)Alfred Elton van Vogt 
超能力を持つ新人類スランと彼らを恐れる旧人類との対立
「Xmenn」などその後の超能力ものSFに大きな影響を与えた歴史的名作 
「誰がために鐘は鳴る」 
アーネスト・ヘミングウェイ(アメリカ)Ernest Hemingway 
多くの芸術家、文化人とともにヘミングウェイが参戦したスペイン戦争での体験をもとにした小説 
「誰がために鐘は鳴る」(米)サム・ウッド(1943年)(出)ゲイリー・クーパー、イングリッド・バーグマン 
「チボー家の人々」(第8部)エピローグ 
ロジェ・マルタン・デュ・ガール(フランス)Roger Martin du Gard 
二つの大戦の間、フランスのブルジョア社会の変化を追った大河小説 
「ぼくは多くの河を知っている」 
ラングストン・ヒューズ(アメリカ)Langston Hughes
ハーレム・ルネッサンスの中心人物としてアフリカに渡った黒人作家の自伝 
「我が名はアラム」My Name is Aram 
ウィリアム・サローヤン(アメリカ)William Saroyan
アルメニヤからの移民たちのファンタジックな物語
ノスタルジックな古き良きアメリカの移民社会 
1941年
<芥川賞>桜田常久「平賀源内」、多田裕計「長江デルタ」
<直木賞>村上元三『上総風土記』、木村荘十『雲南守備兵』
「知恵子抄」 
高村光太郎(日本) 
亡くなった妻、知恵子について書かれた作品を中心とする詩集 
1942年
<芥川賞>芝木好子「青果の市」
<直木賞>該当者なし(二期とも)
「異邦人」 
アルベール・カミュ(フランス)Albert Camus 
太陽がまぶしかったから、と殺人を犯してしまった青年の物語
不条理小説の代表作 
「異邦人」(伊)ルキノ・ヴィスコンティ(1968年)(出)マルチェロ・マストロヤンニ、アンナ・カリーナ
「高い窓」 
レイモンド・チャンドラー(アメリカ)Raymond Chandler 
ご存じチャンドラーのフィリップ・マーローものハードボイルド小説 
「無常という事」 
小林秀雄(日本) 
日本を代表する文芸評論家の代表作 
1943年
<芥川賞>倉光俊夫「連絡員」、石塚貴久三「纏足(チャンズウ)の頃」
<直木賞>神崎武雄『寛容』、田岡典夫『強情いちご』、山本周五郎(受賞辞退)『日本婦道記』
「人類の星の時間」(完全版) Sternstunden Der Menschheit 
シュテファン・ツヴァイク(オーストリア)Stefan Zweig 
英雄たちの歴史的な瞬間を描いた伝記小説集
ナポレオン、トルストイ、レーニン、スコット大佐、ドストエフスキー・・・ 
「尼僧ヨアンナ」 
ヤロスラフ・イヴァシュキェヴィッチ(ポーランド) 
17世紀フランスの修道院で起きた悪魔憑きの事件を元に書かれた小説 
「尼僧ヨアンナ」(ポーランド)イェジー・カヴァレロヴィッチ(1961年)(出)ルチーナ・ウィンニッカ 
「星の王子さま」 
サン・テグジュペリ(フランス)Saint Exupery 
児童文学というよりも大人のために書かれたファンタジー小説の代表作 
「星の王子さま」(米)スタンリー・ドーネン(1974年)(出)スティーブン・ワーナー、リチャード・カイリー
1944年
<芥川賞>東野辺薫「和紙」、小尾十三「登攀(とうはん)」、八木義徳「劉廣福」
<直木賞>森荘巳池『山畠』『蛾と笹舟』、岡田誠三『ニューギニヤ山岳戦』
「剃刀の刃」 
サマセット・モーム(アメリカ)William Somerset Maugham 
アメリカの上流社会に生きる人々の虚栄に満ちた人生を描いた長編人間ドラマ 
「剃刀の刃」(米)エドマンド・グールディング(1946年)(出)タイロン・パワー、ハーバート・マーシャル
「剃刀の刃」 (米)(監、脚)ジョン・バイラム(1984年)(出)ビル・マーレイ、テレサ・ラッセル
「シリウス」 
オラフ・ステープルドン(イギリス)William Olaf Stapledon 
進化し人間と同等の知性をもった犬シリウスの物語
進化SFの代表作
「宙ぶらりんの男」 
ソール・ベロー(アメリカ)Saul Bellow 
ベトナム戦争に徴兵されながら召集されないまま宙ぶらりんになった男 
「伝奇集」 
ホルヘ・ルイス・ボルヘス(アルゼンチン)Jorge Louis Borges 
南米幻想文学の一大ブームを巻き起こした作家の代表作 
1945年
<芥川賞>清水基吉「雁立」
<直木賞>該当者なし
高村光太郎「一億の号泣」、大沸次郎「丹前屏風」、火野葦平「悲しき兵隊」、太宰治「惜別」「パンドラ匣」、島木健作「黒猫」、生島遼一「小説について」、正宗白鳥「文学人の態度」
「西洋哲学史」 
バートランド・ラッセル(イギリス)Bertrand Russell 
様々な分野で活躍した知の巨人による哲学の歴史書
1950年にノーベル文学賞受賞 
「動物農場」 
ジョージ・オーウェル(イギリス)George Orwell 
動物農場での争いを擬人化して描かれた反スターリニズム的ファンタジー小説 
「アニマル・ファーム」(英)ジョン・スティーブンソン(1999年) 
「動物農場」(英)ジョン・ハラス、ジョイ・バチェラー(1954年)アニメ 
「ドリナの橋」 
イヴォ・アンドリッチ(ユーゴスラヴィア)Ivo Andri 
トルコとヨーロッパの間に作られた橋を巡る歴史大河小説 
1946年
芥川賞><直木賞>選定なし
「死霊」埴谷雄高、「砂の砦」三好達治、「死の影の下に」中村真一郎、「弥勘」稲垣足穂、「焼跡のイエス」石川淳、「復興期の精神」花田清輝、「可能性の文学」織田作之助
「ことばたち」 
ジャック・プレヴェール 
「すべて王の臣」All the King's Men 
ロイバート・ペン・ウォーレンRobert Penn Warren 
権力を用いることで「善」を生み出すことは可能なのか?
不完全な人間は何をなすべきなのか?政治小説永遠の名作 
「オール・ザ・キングスメン」 (米)ロバート・ロッセン(1949年)
「オール・ザ・キングスメン」 (米)スティーヴン・ザイリアン(2006年)
「暗い絵」 
野間宏(日本) 
軍国主義に反抗する芸術家の暗い人生とブリューゲルの絵画 
「堕落論」 
坂口安吾(日本) 
堕落といってもモラルを失うということではなく、戦争に敗れ基盤を失った日本人にゼロからの出発、モラルの再構築を促した書 
「薔薇の奇蹟」 
ジャン・ジュネ(フランス)Jean Genet
泥棒からフランスを代表する作家となった異色の存在の代表作 
1947年
<芥川賞><直木賞>選定なし
「五勺の酒」中野重治、「ノンちゃん雲に乗る」石井桃子、「ヴィヨンの妻」太宰治、「ビルマの竪琴」竹山道雄、「肉体の門」田村泰次郎、「土曜婦人」織田作之助、「1946文学的考察」加藤周一、中村真一郎、福永武彦
「モオツァルト」小林秀雄、「宇宙論入門」稲垣足穂、「ひとつの道」草野心平
「青い山脈」 
石坂洋次郎(日本) 
戦後日本の青春文学を代表する小説 
「青い山脈」 (日)今井正(1949年)(出)原節子、池部良
「青い山脈」(日)西河克己(1963年)(出)吉永小百合、浜田光夫
「青い山脈」(日)河崎義祐(1975年)(出)三浦友和、片平なぎさ
「犠牲者」
ソール・ベロー(アメリカ)Saul Bellow 
被害妄想に取り付かれたユダヤ人の男が、浮浪者に脅迫され自分が加害者の側にいたことを知る現代社会の不安を描いた名作 
「斜陽」 
太宰治(日本) 
戦後、没落する上流階級の家族を描いた太宰の代表作
「斜陽」という言葉は、その後、「落ち目になること」を示す用語となった 
「斜陽」(日)秋原正俊(2009年)(出)佐藤江梨子、温水洋一、高橋ひとみ
「ペスト」 
アルベール・カミュ(フランス)Albert Camus 
ペストの蔓延を描いた小説だがカミュだけに不条理な世界観に基づくお話 
「ペスト」(仏)(監、脚)ルイス・プエンソ(1995年)ウィリアム・ハート、ロバート・デュバル
1948年
<芥川賞><直木賞>選定なし
「崩壊感覚」野間宏、「気違い部落周遊紀行」きだみのる、「落下傘」金子光晴、「夢の中での日常」島尾敏雄、「予感」長谷川四郎、「逃亡奴隷と仮面紳士」「小説の方法」伊藤整、「テニヤンの末日」中山義秀
「国民統一の象徴」和辻哲郎 
「叫べ、愛する国よ」  
アラン・ペイトン(南ア)  
「都市と柱」 
ゴア・ヴィダル(アメリカ)Gore Vidale 
アメリカ初の本格的同性愛小説となった問題作 
「遠い声 遠い部屋」 
トルーマン・カポーティ(アメリカ)Truman Capote 
カポーティーの処女作、若々しい青春小説 
「花のノートルダム」 
ジャン・ジュネ(フランス)Jean Genet 
実在の死刑囚に捧げられた男娼と美少年の過激な青春物語 
「俘虜記」 
大岡昇平(日本) 
レイテ島で米軍捕虜となった著者の体験記とその後の心境を綴った連作 
「人間失格」 
太宰治(日本) 
命を賭けて残された人間失格の歴史、永遠の青春物語 
「人間失格」(日)荒戸源次郎(2010年)(出)生田斗真、伊勢谷友介、寺島しのぶ 
「裸者と死者」 
ノーマン・メイラー(アメリカ)Norman Mailer 
太平洋の島で日本軍と戦う米軍内部の現実を描いた戦場長編小説 
「若き獅子たち」 
アーウィン・ショー(アメリカ)Irwin Shaw 
3人の若者がそれぞれの人生を生き、ヨーロッパ戦線で出会い殺しあうことになるまでの悲劇的運命 
「若き獅子たち」(米)エドワード・ドミトリク(1958年)(出)マーロン・ブランド、モンゴメリー・クリフト 
1949年
<芥川賞>由紀しげ子「本の話」、小谷剛「確証」
<直木賞>富田常雄「面」、「刺青」
「火の鳥」伊藤整、「みそっかす」幸田文、「私の東京地図」佐多稲子、「宗方姉妹」大佛次郎、「本日休診」井伏鱒二、「闘牛」井上靖
「黄金の腕」 
ネルソン・オルグレン(アメリカ)Nelson Algren 
ドラマーになりたかった男がトランプ賭博と麻薬によって人生を崩壊させてゆく悲劇の物語 
「黄金の腕」 (米)O・プレミンジャー(1955年)(出)フランク・シナトラ、エリノア・パーカー
「仮面の告白」 
三島由紀夫(日本) 
太平洋戦争前後の社会を舞台にした著者の伝記的小説
同性愛者であることを告白することで大きな話題ともなった 
「夜の樹」 
トルーマン・カポーティ (アメリカ)Truman Capote 
カポーティによる都市生活者の孤独を描いた傑作短編集
「細雪」 
谷崎潤一郎(日本) 
大阪の上流社会を生きる4人の女性たちを関西弁で描いた小説
(次女は谷崎の妻) 
「細雪」(日)阿部豊(1950年)(出)花井蘭子
「細雪」(日)島耕二(1959年)(出)轟夕起子
「細雪」 (日)市川崑(1983年)(出)岸恵子
「シェルタリング・スカイ」 
ポール・ボウルズ(アメリカ)Paul Bowles 
モロッコに移り住んだビート作家による半自伝的作品 
「シェルタリング・スカイ」(英)B・ベルトルッチ(1990年)(出)デブラ・ウィンガー、ジョン・マルコビッチ
「1984年」 
ジョージ・オーウェル(イギリス)George Orwell 
近未来の管理された悪夢の社会を描いた反ユートピア小説の歴史的傑作 
「1984年」 (英)マイケル・ラドフォード(1984年)(出)ジョン・ハート、リチャード・バートン
「発狂した宇宙」 
フレデリック・ブラウン(アメリカ)Fredric William Brown 
ロケットの爆発により、もう一つの地球の未来へと飛ばされた男
彼が体験する近未来の地球とは?「並行宇宙もの」の傑作SF小説 
「宮本武蔵」 
吉川栄治(日本)
剣豪、宮本武蔵の伝記
日本人が大好きな時代劇もので、当然、何度も映画化されています 
「宮本武蔵」(日)溝口健二(1944年)(出)河原崎長十郎
「宮本武蔵」(日)稲垣浩(1954年)(出)三船敏郎
「宮本武蔵」(日)内田吐夢(1961年)(出)中村錦之助
「宮本武蔵」(日)加藤泰(1973年)(出)高橋英樹、田宮二郎
1950年代
1950年
<芥川賞>井上靖「闘牛」、辻亮一「異邦人」
<直木賞>山田克郎「海の楽園」、今日出海「天皇の帽子」、小山いと子「執行猶予」
「武蔵野夫人」大岡昇平、「薔薇販売人」吉行淳之介、「民主主義文学論」加藤周一、山岡荘八「徳川家康」、「自由学校」獅子文六、「虚空」埴谷雄高、「おはん」宇野千代、「愛の渇き」三島由紀夫
「藝術とはなにか」福田恒存
「宇宙船ビーグル号の冒険」 
A・E・ヴァン・ヴォークト(カナダ)Alfred Elton van Vogt 
ダーウィンのビーグル号をはるかに超えた不思議生物
彼らと出会うことになる探検隊のSF冒険物語 
「火星年代記」 
レイ・ブラッドベリ(アメリカ)Raymond Bradbury 
架空の火星人の歴史を描いた詩的美しさに満ちたSF大河小説 
「火星年代記」(米)テレビ・ドラマ 
「ピーナッツPeanuts」連載漫画) 
チャールズ・M・シュルツ(アメリカ)Charles M. Schulz 
ご存知チャーリー・ブラウンとスヌーピー、ライナス、ルーシーの物語 
「ピーナッツ」(米)アニメ映画 
「見知らぬ乗客」 
パトリシア・ハイスミス(アメリカ)Patricia Highsmith 
ヒッチコックによる映画化で知られるミステリー小説 
「見知らぬ乗客」(英)A・ヒッチコック(1951年)(出)ファーリー・グレンジャー 
「ナルニア国物語第一章ライオンと魔女」 
C・S・ルイス(イギリス)Clive Staples Lewis 
20世紀ファンタジー文学の代表作「ナルニア・シリーズ」の第一作 
「ナルニア国物語第一章ライオンと魔女」(米)(監)(脚)アンドリュー・アダムソン(2005年)(出)ティルダ・スウィントン 
「私はロボット」 
アイザック・アシモフ(アメリカ)Izaac Asimov 
ロボット三原則を生み出したロボットSFの歴史において重要な小説 
「アイ、ロボット」 (米)アレックス・プロヤス(2004年)(出)ウィル・スミス
1951年
<直木賞>檀一雄「長恨歌」、「新説石川五右衛門」 、源氏鶏太「英語屋さん」
<芥川賞>安倍公房「壁 - S・カルマ氏の犯罪」、石川利光「春の草」
「ゴッホの手紙」小林秀雄、「野火」大岡昇平、「真空ゾーン」(「真空地帯」の冒頭部分)野間宏、「禁色」三島由紀夫、「壁 - S・カルマ氏の犯罪」安倍公房、「やまびこ学校」無着成恭、「めし」林芙美子
「原民喜詩集」原民喜、源氏鶏太「三等重役」、「ある偽作家の生涯」井上靖、「社会心理学」清水幾太郎、「原色の街」吉行淳之介
「アルファンウイ」Alfanhui 
ラファエル・サンチェス・フェルロシオ(スペイン)Rafael Sanchez Ferlosio 
ビートニク誕生前に書かれたサイケな少年成長物語
スペインを代表する作家のデビュー作 
「悲しき酒場の唄」 
カーソン・マッカラーズ(アメリカ)Carson McCullers 
アメリカ南部の小さな酒場を舞台にした人間ドラマ 
「銀河帝国興亡史」 
アイザック・アシモフ(アメリカ)Isaac Asimov 
ローマ帝国の繁栄と衰退の歴史を宇宙空間に持ち込んだ壮大な大河SF 
「潟湖ラグーン」  
ジャネット・フレイム(ニュージーランド)  
「草の竪琴」 
トルーマン・カポーティ (アメリカ)Truman Capote 
若きカポーティーの新鮮な魅力にあふれた出世作であり青春小説の傑作 
「ケイン号の反乱」 
ハーマン・ウォーク(アメリカ)Herman Wouk 
駆逐艦ケイン号で起きた艦長への反乱事件の真相を追う海洋裁判小説 
「ケイン号の叛乱」 (米)エドワード・ドミトリク(1954年)(出)ハンフリー・ボガート、ホセ・ファーラー
「前哨」 
アーサー・C・クラーク(イギリス)Arthur Charles Clarke 
映画史に残る名作「2001年宇宙の旅」の原作となったSF中編小説 
「2001年宇宙の旅」 (米)スタンリー・キューブリック(1968年)(出)キュア・デュリア
「地上より永遠に」 
ジェイムズ・ジョーンズ(アメリカ)James Jones 
日本軍による真珠湾攻撃を前にしたハワイの米軍基地を舞台にした戦争人間ドラマ 
「地上より永遠に」(米)フレッド・ジンネマン(1953年)(出)バート・ランカスター、フランク・シナトラ、デボラ・カー
「トリフィドの日」 
ジョン・ウィンダム(イギリス)John Wyndham 
植物から進化した生物に侵略された人類が、再び文明を築くために
ワイト島に拠点を築くまでの侵略ものSFの名作 
「人類SOS!」(米)スティーブ・セクリー、フレディ・フランシス(1962年)(出)ハワード・キール
「ライ麦畑でつかまえて」 
J・D・サリンジャー(アメリカ)J.D.Salinger 
世紀を越えて受け継がれる永遠の青春ストーリー
サリンジャー氏は2010年1月27日永眠されました。 
「闇の中に横たわりて」 
ウィリアム・スタイロン(アメリカ)William Styron 
自殺した娘ペイトンを中心にアメリカ南部の名家が没落する様を描いた小説 
1952年
<芥川賞>堀田善衛「広場の孤独」「漢奸(かんかん)」
<直木賞>久生十蘭「鈴木主水」、柴田錬三郎「イエスの裔」、藤原審爾「罪な女」
「玄界灘」金達寿、「日本文壇史」伊藤整、「真空地帯」野間宏、「駱駝にまたがって」三好達治、「二十億光年の孤独」谷川俊太郎、「春の城」阿川弘之、「昭和文学盛衰史」高見順
「戦艦大和の最期」吉田満、「或る『小倉日記』伝」松本清張、「小銃」小島信夫、「日本政治思想史研究」丸山眞男
「やし酒飲み」The Palm-wine Drinkard 
エイモス・チュツォーラ(ナイジェリア)Amos Tutuola 
英語で書かれたアフリカン・ファンタジー文学の傑作はいかにして書かれたのか? 
「鉄腕アトム」 
手塚治虫(日本) 
ロボットと人間の共存を描いたSFアニメ
世界中のSFファンに影響を与え、アニメ時代の先駆けとなった作品 
「宇宙商人」 
フレデリック・ポール(アメリカ)Frederik George Pohl, Jr、C・M・コーンブルース共著
コマーシャリズムをとりげた社会派のSF。しかし、実に面白くできてます
1950年代、すでにこうしたコマーシャリズム批判があったのはさすがアメリカ! 
「奇蹟のヒーロー」The Natural 
バーナード・マラマッド(アメリカ)Bernard Malamud 
映画化で有名になったアメリカ大リーグものの傑作 
「ナチュラル」 (米)バリー・レヴィンソン(1984年)(出)ロバート・レッドフォード
「ゴドーを待ちながら」(戯曲) 
サミュエル・ベケット(イギリス)Samuel Beckett 
世界の演劇を変えた不条理演劇の代表作
ベケットはこの後、1969年ノーベル文学賞を受賞 
「都市」 
クリフォード・D・シマック(アメリカ)Clifford Donald Simak 
人類がいなくなった地球に生きる犬族たち
彼らが都市の歴史を紐解いてゆく詩的な歴史大河SF小説 
「二十四の瞳」 
壺井栄(日本) 
戦争により悲劇的運命をたどる子供達
小豆島を背景に彼らを見つめる女性教師との物語 
「二十四の瞳」(日)木下恵介(1954年)(出)高峰秀子、笠智衆、天本英世
「プレイヤー・ピアノ」 
カート・ヴォネガット(アメリカ)Kurt Vonnegut 
ヴォネガット初の記念すべきSF長編小説
すでに彼の科学文明批判が始まっていた 
「分解された男」 
アルフレッド・ベスター(アメリカ)Alfred Bester 
超能力により心を透視できる捜査官と犯罪者の闘いを描いた近未来SF 
「まっぷたつの子爵」 
イタロ・カルヴィーノ(イタリア)Italo Calvino 
カルヴィーノの出世作となった左右まっぷたつにされた男の物語
物語として楽しみつつ、寓話の意味が気になる深い作品 
「老人と海」 
アーネスト・ヘミングウェイ(アメリカ)Ernest Hemingway 
ヘミングウェイはこの作品でピューリッツァー賞を受賞
犯罪物ではないハードボイルド海洋文学の傑作 
「老人と海」(米)ジョン・スタージェス(1958年)(出)スペンサー・トレーシー
1953年
<芥川賞>松本清張「ある『小倉日記』伝」、五味康祐「喪神」 、安岡章太郎「悪い仲間」「陰気な楽しみ」
<直木賞>立野信之「叛乱」
「女性に関する十二章」伊藤整、「第三の新人」山本健吉、「鷹」石川淳、「自由の彼方へ」椎名麟三、「人口庭園」阿部知ニ、「頽廃の根源について」小田切秀雄、「転移のための十篇」吉本隆明、「風林火山」井上靖
「世にも不思議な物語」宇野浩二、「日本人の性生活」篠崎信男、「時間」堀田善衛、「流木」庄野潤三、「六十二のソネット」谷川俊太郎
「失われた足跡」 
アレッホ・カルペンティエル(キューバ) 
未開部族の幻の楽器を探しに南米のジャングルへ向かう音楽家の冒険 
「オーギー・マーチの冒険」 
ソール・ベロー(アメリカ)Saul Bellow 
シカゴの貧民街に生まれた少年の成長をとうしてアメリカ社会の矛盾を描いた社会派冒険物語 
華氏451度Fahreheit 451 
レイ・ブラッドベリ(アメリカ)Raymond Bradbury
焚書を行なう近未来管理社会を描いたディストピアSF小説の古典的名作 
「華氏451」(仏)F・トリュフォー(1966年)(出)オスカー・ウェルナー 
「九つの物語」 
J・D・サリンジャー(アメリカ)J.D,Salinger 
「バナナフィッシュに最適な日」など、傑作短編を集めた代表作 
「三時十分ユマ行き」Three-Ten to Yuma 
エルモア・レナード(アメリカ)Elmore Leonard 
村上春樹(訳)
エルモア・レナード初期の西部劇小説 
「決断の3時10分」 (米)デルマー・デイヴィス(1957年)(出)グレン・フォード
「3時10分、決断のとき」(米)ジェームズ・マンゴールド(2007年)(出)ラッセル・クロウ
「ジャンキー」 
ウィリアム・バロウズ(アメリカ) William Burroughs 
そのタイトルのとおり麻薬中毒者のぶっ飛んだ世界観をそのまま文章化したビート・ジェネレーションの代表作
「重力の使命」 
ハル・クレメント(アメリカ)Hal Clement
超重力が支配する惑星に住む生物と人類の対話は可能か?
ハードSF界の鬼才による傑作SF小説 
「長いお別れ」 
レイモンド・チャンドラー(アメリカ)Raymond Chandler 
ハード・ボイルド探偵小説の代表作 
「ロング・グッドバイ」(米)ロバート・アルトマン(出)エリオット・グールド
「人間以上」 
シオドア・スタージョン(アメリカ)Theodore Sturgeon 
集団で初めて能力を発揮する超人類、彼らは人類とはまったく異なる考え方をもつ新人類だった。彼らの存在は何を意味するのか?進化SFの代表作 
「見えない人間」 
ラルフ・エリソン(アメリカ)Ralph Ellison 
地下生活をする名前のない黒人青年の人生回顧録
ドストエフスキーの「地下室の手記」を下敷きにした長編小説 
「山にのぼりて告げよ」
ジェームス・ボールドウィン(アメリカ)James Baldwin 
ハーレムの黒人教会に集う人々の回想により黒人社会の過去から現在へを振り返る問題作 
「幼年期の終わり」 
アーサー・C・クラーク(イギリス)Arthur Charles Clarke
人類が超人類へと進化するという「2001年宇宙の旅」をより具体化
クラークによる進化SF作品の最高傑作! 
1954年
<芥川賞>吉行淳之介「驟雨」
<直木賞>有馬頼義「終身未決囚」
「むらぎも」中野重治、「驟雨」吉行淳之介、「飢餓同盟」安部公房、「ひかりごけ」武田泰淳、「近代絵画」小林秀雄、「草の花」福永武彦、「遠来の客」曽野綾子、「虹」石川淳、「潮騒」三島由紀夫
「樅の木は残った」山本周五郎、「乳房喪失」中城ふみ、「今日の芸術 - 時代を創造するものは誰か」岡本太郎、「プールサイド小景」庄野潤三
「アメリカン・スクール」 
小島信夫(日本) 
占領下の日本、アメリカン・スクールを見学する中学教師の可笑しくて悲しい様子を描いた小説 
「悲しみよ、こんにちは」Bonjour Tristesse 
フランソワーズ・サガン(フランス)Francoise Sagan 
フランス文学を代表する女流作家の出世作、永遠の青春小説
17歳の少女が父親を失うことを恐れて繰り広げる策略が生んだ悲劇 
「悲しみよ、こんにちは」(英米)オットー・プレミンジャー(1957年)(出)ジーン・セバーグ 
「寓話」 
ウィリアム・フォークナー(アメリカ)William Cuthbert Faulkner 
第一次世界大戦において戦線を休止状態にしてしまった一人の伍長と12人の部下の物語 
「蠅の王」Lord of the Fiies 
ウィリアム・ゴールディング(イギリス)William Golding 
リアル十五少年漂流記ともいえる怖いお話、基本は終末SF小説 
「脳波」 
ポール・アンダーソン(アメリカ)Poul William Anderson 
ある日突然世界中の生物の知能が増大。そのために世界中が大混乱となる。いったいなぜそうなったのか?世界はどうなるのか?進化SFの代表作 
「指輪物語」 
J・R・R・トールキン(イギリス)J.R.R.Tolkin 
映画化もされた20世紀ファンタジー文学の金字塔 
「ロード・オブ・ザ・リング」ピーター・ジャクソン(2001年)(出)イライジャ・ウッド 
「指輪物語」(米)ラルフ・バクシ(アニメ)(1978年) 
1955年
<芥川賞>遠藤周作「白い人」、小島信夫「アメリカン・スクール」、庄野潤三「プールサイド小景」
<直木賞>梅崎春生「ボロ家の青春」、戸川幸夫「高安犬物語」 
大岡信「現代詩試論」、加藤周一「日本文化の雑種性」、小島信夫「島」、伊藤整「若い詩人の肖像」、谷川俊太郎「愛について」、島尾敏雄「われ深きふちより」、遠藤周作「黄色い人」、石川達三「四十八歳の抵抗」
椎名麟三「美しい女」、村上兵衛「軍旗」
「火星人ゴーホーム」 
フレデリック・ブラウン(アメリカ)Fredric William Brown 
火星人を生み出したのは作家の想像力だったのか?
コメディ・タッチのハチャメチャSF 
「太陽がいっぱい」 
パトリシア・ハイスミス(アメリカ)Patricia Highsmith 
青春の光と影を描いた永遠の青春文学の傑作 
「太陽がいっぱい」(仏)ルネ・クレマン(1960年)(出)アラン・ドロン、マリー・ラフォレ 
「リプリー」 (米)アンソニー・ミンゲラ(1999年)(出)マット・デイモン、グウィネス・パルトロー
「太陽の季節」 
石原慎太朗(日本) 
昭和日本の青春文学を代表する作品 
(日)古川卓巳(1956年)(出)長門裕之、南田洋子 
「人間の樹」 
パトリック・ホワイト(オーストラリア)Patrick White 
オーストラリアを代表する作家の代表作 
「覗く人」 
アラン・ロブ=グリエ(フランス)Alain Robbe-Grillet 
ヌーヴォー・ロマンを代表するフランスの作家、視線派とも呼ばれた作家の代表作 
「ペドロ・パラモ」 
ファン・ルルフォ(メキシコ)Juan Rulfo 
母親に教えられた父親ペドロに会いに旅に出た主人公が父が住むはずの土地で幽霊と出会い、過去について聞いた話とは? 
「吠える」 
アレン・ギンズバーグ(アメリカ)Allen Ginsberg 
ケルアックの「路上」と並びビート族に影響を与えた詩集 
「メメド、わが鷹」 
ヤシャル・ケマル(トルコ)  
「ロリータ」 
ウラジミール・ナボコフ(アメリカ)Vladimir Nabokov 
ロリータ・コンプレックス(ロリ・コン)の原点ともなった少女性愛の物語
発表当初は異常性愛小説とした批判されたが文章の巧みさもあり
しだいに高い評価を受けるようになり、映画化し話題となった作品 
「ロリータ」(英)スタンリー・キューブリック(1961年)(出)ジェームズ・メイソン、スー・リオン
「ロリータ」(米)エイドリアン・ライン(1997年)(出)ジェレミー・アイアンズ、メラニー・グリフィス
1956年
<芥川賞>石原慎太郎「太陽の季節」、近藤啓太郎「海人舟(あまぶね)」
<直木賞>邱永漢「香港」、新田次郎「強力伝」、今官一「壁の花」、南條範夫「灯台鬼」
「地唄」有吉佐和子、「鍵」谷崎潤一郎、「おとうと」幸田文、「もはや戦後ではない」中野好夫、「処刑の部屋」石原慎太郎、「四千の日と夜」田中隆一、「金閣寺」「近代能楽集」三島由紀夫、「永久革命者の悲哀」埴谷雄高
「昭和の精神史」竹山道夫、「駅前旅館」井伏鱒二、「芸術は何のためにあるか」伊藤整、「挽歌」原田康子、「家郷の霧」飯田蛇笏、「杏っ子」室生犀星、「氷壁」井上靖、「紫苑物語」石川淳、「人間の条件」五味川純平
「アウトサイダー」 
コリン・ウィルソンColin Wilson 
「アウトサイダー」という言葉とともに反体制のシンボルともなった文学評論集 
「怒りをこめてふりかえれ」(戯曲) 
ジョン・オズボーン(イギリス) John Osborne 
イギリスにおける反体制文学の代表作
映画版はマルコム・マクドウェルの出世作となった 
「怒りのこめてふりかえれ」(英)リンゼイ・アンダーソン(1980年未公開)(出)マルコム・マクドウェル 
「大いなる奥地」 
ジョアン・ギマランエス=ローザ(ブラジル)  
「荒野を歩め」 
ネルソン・オルグレン(アメリカ)Nelson Algren 
不況下のアメリカ社会の底辺で生きる人々の生き様をリアルに描いた社会派小説
「時間割」 
ミシェル・ビュトール(フランス)Michel Butor 
小説家、詩人、批評家であるヌーヴォー・ロマンの旗手による代表作
「その日をつかめ」 
ソール・ベロー(アメリカ)Saul Bellow 
ノーベル文学賞を受賞したアメリカを代表する作家の代表作 
「都市と星」 
アーサー・C・クラーク(イギリス)Arthur Charles Clarke 
仮想現実に逃げ込み外部との接触を嫌う人々。そこに外部への接触を求める青年が現れ星を変えてゆくことになります。大河SF小説
「虎よ、虎よ!」 
アルフレッド・ベスター(アメリカ)Alfred Bester 
「モンテ・クリスト伯」をモチーフとした大河冒険SF小説 
1957年
<芥川賞>菊村到「硫黄島」
<直木賞>今東光「お吟さま」、穂積驚「勝鳥」、江崎誠到「ルソンの谷間」
<読売文学賞>三島由紀夫「金閣寺」
「けものたちは故郷をめざす」安部公房、「梨の花」中野重治、「女坂」円地文子、「われに五月を」寺山修司、「点と線」松本清張、「闘鶏」今東光、「天平の甍」井上靖、「美徳のよろめき」三島由紀夫
「白頭吟」石川淳、「愛のかたみ」田宮虎彦&田宮千代、「海と毒薬」遠藤周作、「アポロンの島」小川国男、「硫黄島」菊村到、「死者の奢り」大江健三郎、「完全なる遊戯」石原慎太郎、「巨人と玩具」「裸の王様」開高健
「文学はもう芸術ではない」武智鉄二
「宇宙の眼(虚空の眼)」 
フィリップ・K・ディック(アメリカ)Philip K.Dick 
後にディックが描くことになる神の視点を描いた初期の傑作
後期のものよりずっとわかりやすいSF小説になっている 
「ヴォス」 
パトリック・ホワイト(オーストラリア)Patrick White 
オーストラリア文学を代表する作家の代表作 
「嫉妬」  
アラン・ロブ=グリエ(フランス)  
「ドクトル・ジバゴ」 
ボリス・パステルナーク(ソ連) 
革命時代のロシアを舞台にした大河人間ドラマ 
「ドクトル・ジバゴ」 (英)デヴィッド・リーン(1965年)(出)オマー・シャリフ、ジュリー・クリスティ
「渚にて」 
ネヴィル・シュート(イギリス)Nevil Shute Norway 
核戦争後、生き残った南半球に住む人類の静かな終末の日々を描いた終末SF 
「渚にて」(米)スタンリー・クレイマー(1959年)(出)グレゴリー・ペック、エヴァ・ガードナー 
「夏への扉」 
ロバート・A・ハインライン(アメリカ)Robert Anson Heinlein 
タイム・トラベルSFの最高傑作
なぜ映画化しない?プロットが複雑すぎるから?
山下達郎の名曲「夏への扉」はここから生まれました。 
「夏への扉」 (日)三木孝浩(2021年)(出)山ア賢人、清原果耶
「呪われた村」 
ジョン・ウィンダム(イギリス)John Wyndham 
異星人による地球侵略SFの代表作 
「光る眼」(米)ウォルフ・リラ(1960年)(出)ジョージ・サンダース 
「光る眼」(米)ジョン・カーペンター(1995年)(出)クリストファー・リーブ
「路上」 
ジャック・ケルアック (アメリカ)Jack Kerouac 
ビート族の聖典となった自伝的小説
1958年
「不道徳教育講座」三島由紀夫、「にあんちゃん 十才の少女の日記」安本末子、「僧侶」吉岡実、「人形浄瑠璃」有吉佐和子
<芥川賞>開高権「裸の王様」、大江健三郎「飼育」
<直木賞>榛葉英治「赤い雪」、山崎豊子「花のれん」
「青い果実」大谷藤子、「現代小説作法」大岡昇平、「吉本隆明詩集」吉本隆明、「ヒロシマ」土門拳、「ガダルカナル戦詩集」井上光晴、「芽むしり仔撃ち」大江健三郎、「修羅」石川淳、「野獣死すべし」大藪春彦
「第四間氷期」安部公房
海と毒薬 
遠藤周作(日本) 
第二次世界大戦中、実際にあった生体解剖実験をもとにしたノンフィクション・ノベル 
「海と毒薬」(日)熊井啓(脚)(1986年)ベルリン映画祭銀熊賞(出)奥田瑛二、渡辺謙、根岸季衣、田村高広 
「崩れゆく絆」  
チアヌ・アチュベ(ナイジェリア)  
「誰?」 Who? 
アルジス・バドリス(アメリカ/リトアニア出身) 柿沼瑛子(訳)
米ソ冷戦中、極秘計画の研究者ルーカスは研究中の事故で瀕死となり、駆けつけたソ連の組織に救われ捕虜になります。
数か月後、回復した彼は米国に戻されますが、彼には顔と片腕がなくなっていました。彼は誰か? 
「地下街の人々」 
ジャック・ケルアック (アメリカ)Jack Kerouac 
ビート族を象徴する主人公たちによる即興的な小説 
「ティファニーで朝食を」 
トルーマン・カポーティ (アメリカ)Truman Capote 
時代の先を行く飛んでる女性の冒険談
映画でのオードリー・ヘップバーンは本当は線が細い気がします。 
「ティファニーで朝食を」(米)ブレイク・エドワーズ(1961年)(出)オードリー・ヘップバーン 
「時の凱歌」(宇宙都市シリーズ) 
ジェイムス・ブリッシュ(アメリカ)James Benjamin Blish 
シリーズ化された未来都市を舞台にしたながーい大河SF小説 
「土曜の夜と日曜の朝」 
アラン・シリトー(イギリス)Alan Sillitoe 
アラン・シリトーの出世作としてイギリス反体制文学を代表する小説
映画化作品はカレル・ライスとアルバート・フィニーの出世作 
「土曜の夜と日曜の朝」(英)カレル・ライス(1960年)(出)アルバート・フィニー 
「魔法の樽」 
バーナード・マラマッド(アメリカ)Bernard Malamud 
ユダヤ人を代表する作家による短編小説集
全米図書賞受賞作 
「モデラート・カンタービレ」 
マルグリット・デュラス(フランス)Marguerite Duras 
フランスを代表する女性作家が狂気に向かう女性を描いた不思議な小説 
1959年
<芥川賞>斯波四郎「山塔」
<直木賞>城山三郎「総会屋錦城」、多岐川恭「落ちる」、平岩弓枝「鏨師」、渡辺喜恵子「馬淵川」
「敦煌」井上靖、「紀ノ川」有吉佐和子、「日本三文オペラ」開高健、「芸術的抵抗と挫折」吉本隆明、「死者の時」井上光晴、「廃市」福永武彦、「考へるヒント」小林秀雄、「われらの時代」大江健三郎
「サド復活 - 自由と反抗思想の先駆者」澁澤龍彦、「蒼き狼」井上靖、「灰色の午後」佐多稲子、「工作者宣言」谷川雁、「海辺の光景」安岡章太郎、「忍ぶ川」三浦哲郎、「神聖喜劇」大西巨人
「エデン」 
スタニスワフ・レム(ポーランド)Stanislaw Lem 
ソ連を代表するSF作家の代表作が描く名作。生命とは何か?に迫る傑作思弁SF 
「さよならコロンバス」 
フィリップ・ロス(アメリカ)Philip Roth 
アメリカを代表するベストセラー作家が描いたユダヤ人青年を主人公とした青春小説 
「さよならコロンバス」(米)ラリー・ピアース(1969年)(出)リチャード・ベンジャミン、アリ・マッグロー 
「人生のちょっとした煩い」The Little Disturbances of Man 
グレイス・ペイリー Grace Paley 
「なんだか?な人々を描いたカルトな短編集」 
「タイタンの妖女」 
カート・ヴォネガット(アメリカ)Kurt Vonnegut 
若者たちの間でカルト的人気を獲得したヴォネガット初期SFの代表作 
「地下鉄のザジ」 
レイモン・クノー(フランス)Raymond Queneau 
田舎から母親とやって来た少女ザジによるパリ冒険物語 
「地下鉄のザジ」(仏)ルイ・マル(1960年)(出)カトリーヌ・ドモンジョ、フィリップ・ノワレ 
「長距離奏者の孤独」The Loneliness of the Long Distance Runner 
アラン・シリトー(イギリス)Alan Sillitoe 
イギリスでブームとなった反体制派文学の代表作
映画化作品はトニー・リチャードソンとトム・コートネイの出世作 
「長距離ランナーの孤独」 (英)トニー・リチャードソン(1962年)(出)トム・コートネイ
「裸のランチ」 
ウィリアム・バロウズ (アメリカ)William Burroughs 
ビート族の間でカルト的人気となった20世紀を代表するぶっ飛び小説 
「裸のランチ」(英)デヴィッド・クローネンバーグ(1991年)(出)ピーター・ウェラー
「薔薇と革命」 
P・H・ニュービー(アメリカ)Percy Howard Newby 
エジプトを舞台に起きたナセルの革命を描いた作品
ブッカー賞受賞作 
「ブラームスはお好き」 
フランソワーズ・サガン(フランス)Francoise Sagan 
独身生活を謳歌する女性の自由な恋の物語 
「さよならをもう一度」 (米)アナトール・リトヴァク(1961年)(出)イヴ・モンタン、イングリッド・バーグマン
「ブリキの太鼓」Die Blechtrommel 
ギュンター・グラス(ドイツ)Gunter Grass 
ドイツの戦後文学を代表する歴史大河ファンタジー小説
ナチスの時代に生きた不思議な少年が見たドイツ社会のグロテスクな姿
映画版もドイツ映画を代表する作品 
「ブリキの太鼓」(独)フォルカー・シュレンドルフ(1979年)(出)ダーヴィット・ベネント
「黙示録3174年」A Canticle For Leibcwitz 
ウォルター・M・ミラー Walter M.Miller,Jr 
文明化を拒否し中世ヨーロッパに似た社会へと退化した核戦争後の人類を描いた終末世界SF。「科学と宗教の対立」を予見 
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