ニューヨークの街が生み出す12の愛の物語


「ニューヨーク、アイ・ラブ・ユー New York ,I Love You」

- エマニュエル・ベンビイ Emmanuel Benbihy -
<街から生まれる映画>
 良く出来たドラマは、どんな背景でも面白くなるものですが、その背景となる「街」がそこでなければ成り立たないドラマもあります。その街だからこそ生まれた映画は、映画により深みを与えることになります。
 そして、その街がニューヨークのように多彩な顔をもつ場合、これまでも様々な魅力的な映画が生まれてきました。(「ニューヨーク映画のページ」参照)
 そんな多彩な街の顔を一本の映画に詰め込もうという発想から生まれたのが、12の短編からなるこのオムニバス映画です。
 ニューヨークには、成立した歴史や住み着いた人々の民族性などにより、実に個性的な地区があります。そのため、それぞれの地区でそれぞれの物語が生まれることになります。当然、登場する人物も世代、人種、仕事など、どれも多彩で、ニューヨークの街の国際性を感じさせます。
 このページでは、そうした多様性に注目し、監督や俳優の出身国や舞台となっている地区についてもわかりやすくしてみました。別ページにある「ニューヨーク地図と名所&歴史」も参考にしてください!
 僕はアメリカの東海岸には行ったことがありません。(ハワイ、西海岸、アラスカはあるのですが・・・)それでもニューヨークの地図を描きながら、頭の中に絵が浮かべられるようになってきました。あなたの頭の中にも、ニューヨークの街のイメージが湧くようになれば、映画を見るときにきっと役立つのではないかと思います。

「ニューヨーク、アイ・ラブ・ユー New York ,I Love You」 (2008年)
(製)エマニュエル・ベンビイ Emmanuel Benbihy(「パリ、ジュテーム」(2004年)、「リオ、アイ・ラブ・ユー」(2014年)もあります)
その他のスタッフ・俳優、それぞれの「あらすじ」などに関しては下記の一覧表をご覧ください!
ちなみに、それぞれの作品には、僕が勝手にタイトルをつけちゃいました!撮影場所の名前しかついていなかったので・・・。ご参考まで。


「チャイナタウンの対決」 
(監)チアン・ウェン Jiang Wen
(脚)Hu Hong,Meng Yao(撮)Mark Lee Ping Bing(編)Affonso Goncalves(音)Tonino Baliardo
(出)ヘイデン・クリステンセン Hayden Christensen、アンディ・ガルシア Andy Garcia、レイチェル・ビルセン Rachel Bilsen 
<あらすじ>
 スリの若者(ヘイデン)と彼を上まわる大物スリ?実は大学教授(アンディ・ガルシア)との財布と心の泥棒合戦
チャイナタウン」はマンハッタン島の南に位置し、名前のとおり中国系移民が作った街です。
 チアン・ウェンは中国出身の監督、俳優、脚本家
 中国映画の名作「芙蓉鎮」「紅いコーリャン」の出演、「スター・ウォーズ ローグワン」にも出演、「鬼が来た!」の監督・脚本などでも知られる名匠 
 主演のヘイデン・クリステンセンは、この年、SF映画「ジャンパー」で瞬間移動の能力を持つ青年を演じています。彼ならスリなんて簡単なはず・・・。
「ダイヤモンド街の戸惑う愛」
(監)ミーラ・ナーイル Mira Nair
(脚)Suketu Mehta(撮)Declan Quinn(編)Allyson C.Johnson(音)Mychael Danna
(出)ナタリー・ポートマン Natalie Portman、イルファン・カーン Irrfan Khan 
<あらすじ>
 ユダヤ人女性リフカ(ナタリー)は、付き合いの長いインド人ジャイナ教徒のダイヤモンド商人(イルファン)に結婚の報告をします。
 そのために彼女は頭をそり、カツラを付けていることも告白します。彼はその美しさを誉めますが、彼女は結婚に不安を感じています。
ダイヤモンドの問屋が並ぶ「ダイヤモンド街」は、マンハッタン島の中央部「ミッドタウン」にあります。
映画「ティファニーで朝食を」で有名なティファニーも、5番街にあります。
 ミーラ・ナーイルは、1988年「サラーム・ボンベイ!」でデビューしたインド出身の女性監督。
 2009年にはアメリア・イヤハートの伝記映画「アメリア 永遠の翼」を監督
「アッパー・ウエストサイドでの恋の芽生え」 
(監)(脚)(編)岩井俊二 Shunji Iwai
(撮)MiChael McDonough(音)Shoji Mitui
(出)オーランド・ブルーム Orlando Bloom、クリスチィナ・リッチ Christina Ricci
<あらすじ>
 映画音楽を部屋にこもって作曲する音楽家(オーランド)に指示を出す監督のアシスタント(クリスティーナ)
 監督に次々にダメ出しをされ、風邪をひき、作業が進まない彼に電話で元気づけるアシスタント。
 彼はしだいにアシスタントが好きになっていきますが、彼女と会うことも出来ず締め切りが近づきます。
アッパー・ウエストサイド」は、マンハッタン島北部セントラル・パークの西側 
ジュリアード音楽院、ジョン・レノンが住んだダコタ・アパートなどがある芸術地区です
 岩井俊二は、日本を代表する監督なのに海外での評価は今一かも?日本的過ぎるから?
 クリスティナ・リッチと言えば「アダムス・ファミリー」の少女ですが、その後も個性派の女優として活躍を続ける実力派です。
「ソーホーでの出会い Part1」 
(監)イヴァン・アタル Yvan Attal
(脚)Olivier Lecot(撮)Benoit Debie(編)Jennifer Auge
(出)マギー・Q Maggie Q、イ-サン・ホーク Ethan Hawke
<あらすじ>
 チョイ悪イケメンのライター(イーサン・ホーク)が美人の人妻(マギーQ)に声をかけて言い寄るが・・・実は彼女は・・・
 イーサン・ホークがいい味を出していますが、マギー・Qの色っぽさがその上を行っています。
ソーホー」は、マンハッタン島南部中央に位置する芸術の街 。オフブロードウェイがあります。
 意外なラストが待っている二つの大人の恋の物語のパート1です。
 イヴァン・アタルは、イスラエル出身で俳優としてフランスでデビューした監督。共演したシャルロット・ゲンズブールとの間に子供有り。
「セントラル・パークでの初体験」 
(監)ブレット・ラトナー Brett Ratner(アメリカ、フロリダ出身)
(脚)Jeff Nathanson(撮)Pawel Edelman(編)Mark Helfrich(音)Mark Mothersbaugh
(出)アントン・イェルチン Anton Yelchin(ロシア出身)、オリビア・サールビー Olivia Thirlby、ジェイムズ・カーン James Caan、ブレイク・ライブリー Blake Lively
<あらすじ>
 薬局のリッコリさんは恋人がいない青年(アントン)に娘がプロムに行くための相手をしてほしいと依頼。
 プロム当日、家に迎えに行った彼は、彼女(オリビア)が車椅子であることを知りビックリ。
 二人はリムジンに乗って会場に行き、その後、セントラル・パークへ。そして、その夜二人は公園の木を使って初体験を果たします。
 ところが、彼女を家に送って行った彼は驚きの事実を知ることに・・・
セントラル・パーク」は、マンハッタン島北部の真ん中にある巨大な公園。
ニューヨークといえば、必ずと言っていいほど登場する公園です。 
 ブレット・ラトナーはマドンナやマライア・キャリーのPVなどでキャリアをスタート。その後、「ラッシュアワー」、「X-men ファイナルデシジョン」などを監督。
 ジェイムズ・カーンと言えば、フランシス・フォード・コッポラの「ゴッドファーザー」の次男、「ミザリー」での作家役も有名。
 ブレイク・ライブリーは、「ロスト・バケーション」では主役として活躍。 
「グリニッチヴィレッジの燃える恋」 
(監)アレン・ヒューズ Allen Hughes
(脚)Xan Cassavetes,Stephen Winter(撮)Michael McDonough(編)Cindy Mollo(音)Atticus Ross,Leopold Ross,Claudia Sarne
(出)ブラッドリー・クーパー Bradley Cooper、ドレア・ド・マッテオ Drea De Matteo 
<あらすじ>
 バーで出会って一夜のセックスに燃えた男女。その再会までを音楽、映像、ナレーションで描き出した
グリニッチヴィレッジ」は、マンハッタン島の中央部で50年代から60年代にかけて、芸術の中心となっていた地域です。 
 アレン・ヒューズはアメリカのデトロイト出身の黒人監督で、暗い犯罪ドラマを得意とする。
 この作品は犯罪こそ描かれていないものの、強烈なセックスのことを忘れられない男女がお互いを求めて、再会するまでを描いた作品。
 作品中にも主人公が語ったように、世界に衝撃を与えた問題作「ラスト・タンゴ・イン・パリ」を意識した作品といえそうです。 
「アッパー・イーストサイドのホテルにて」 
(監)シェカール・カプール Shekhar Kapur
(脚)アンソニー・ミンゲラ Anthony Minghella(撮)Benoit Debie(編)Jacob Craycroft(音)Hila Plitmann「Un Bouget Des Violettes」
(出)ジュリー・クリスティー Julie Christie、シャイア・ラブーフ Shia LaBeouf、ジョン・ハート John Hurt 
<あらすじ>
 古いホテルを舞台に老いた女性オペラ歌手(ジュリー)が久々に訪れますが、彼女はどこか悲し気です。
 彼女を部屋に案内した障害者のボーイのヤコブ(シャイア・ラブーフ)は、彼女が自殺するのではと疑いますが・・・
アッパー・イーストサイド」は、マンハッタン島の北部セントラル・パークの東側の地域。
 シェカール・カプールは、パキスタン出身の監督。「女盗賊プーラン」(1994年)で評価されイギリスで「エリザベス」(1998年)を監督。
 この作品の脚本はアンソニー・ミンゲラ。この映画公開の2004年3月18日に54歳の若さで死去。(癌手術後の合併症)
 この映画は、このアンソニー・ミンゲラに捧げられています。
「サントラル・パークでの子育て」 
(監)(脚)ナタリー・ポートマン Natalie Portman
(撮)Jean-Louis Bompoint(編)Tricia Cooke(音)Nicholas Britell
(出)カルロス・アコスタ Carlos Acista、テイラー・ギア Tayler Geare、ジャシンダ・バレット Jacind Barrett 
<あらすじ>
 サントラル・パークで娘の相手をする黒人青年。彼は周囲の母親から子守のバイトと勘違いされます。
 実は彼は有名なバレーダンサーで、その娘は別れた妻との間の子供でした。
 主演のカルロス・アコスタはキューバ出身のダンサーです。
 この作品の監督は、ナタリー・ポートマンです。人種問題にも取り組むナタリーらしい作品です。
 この後、彼女は2010年に「ブラック・スワン」で自らバレリーナとなり、アカデミー主演女優賞を獲得することになります。 
「チャイナタウンにて、画家とモデル」 
(監)(脚)ファティ・アキン Fatih Akin
(撮)Mauricio Rubinstein(編)Melody London(音)Ilhan Ersahin
(出)ウグル・ユーセル Ugur Yucel、スー・チー Shu Qi、バート・ヤング Burt Young 
<あらすじ>
 チャイナタウンで見つけた美しい中国人女性(スー・チー)にモデルにならないかと声をかけた老画家(ウグル・ユーセル)。
 一度は断ったものの、渡された住所を訪れると、画家はその日に部屋で倒れなくなっていました。
 画家を演じているウグル・ユーセルは、トルコ、イスタンブール出身の俳優です。
 スー・チーは、ホオ・シャオシェン監督の傑作「黒衣の刺客」(2015年)の主演女優!
 ファティ・アキンは、トルコ系ドイツ人監督。2017年には「女は二度決断する」でカンヌ国際映画祭女優賞を獲得。ドイツの巨匠の地位を獲得。
 画家とニューヨークと言えば、僕はマーティン・スコセッシの「ニューヨーク・ストーリー」のニック・ノルティとスザンナ・アークェットを思い出します!
「ソーホーでの出会い Part2」
(監)イヴァン・アタル Yvan Attal
(脚)Olivier Lecot(撮)Benoit Debie(編)Jennifer Auge
(出)クリス・クーパー Chris Cooper、ロビン・ライト・ペン Robin Wright Penn 
<あらすじ>
 人妻のアンナ(ロビン・ライト・ペン)は見ず知らずの男性(クリス・クーパー)に声をかけ、言い寄ります。
 今日から私は今までとは違う人生を送る!そう宣言した彼女は、レストランの中で待つ夫のもとへと向かいますが・・・
 クリス・クーパーは、ジョン・セイレズの名作「メイトワン1920」(1987年)でデビュー。最初から渋い俳優でしたが、とにかく名作に数多く出演しています。
 2015年の「ライ麦畑で出会ったら」ではJ・D・サリンジャーを演じています。
 ロビン・ライト・ペンは、「フォレスト・ガンプ」で一躍有名になり、その後も数多くの名作に出演していますが、地味ながら印象深い名女優です。
「ブライトン・ビーチでデートを」 
(監)(脚)ジョシュア・マーストン Joshua Marston
(撮)Andrij Parekh(編)Affonso Goncalves(音)Marcelo Zarvos
(出)イーライ・ウォラック Eli Wallach、クロリス・リーチマン Cloris Leachman
<あらすじ>
 結婚63周年の記念日に懐かしいブライトン・ビーチを訪れた老夫婦。
 口喧嘩が絶えない二人ですが、いつしか良い雰囲気になります。
 寂れた海辺のリゾートがなんともいい雰囲気を醸し出しています。 
ブライトン・ビーチ」は、マンハッタン島ではなくその東ブルックリンの海側にある海辺のリゾートで、ロシア、東欧系移民が多い地域です。 
 ジョシュア・マーストンは、アメリカの監督。デビュー作「そして、ひと粒のひかり」(2004年)で 一躍注目を浴び、この作品に参加。
 イーライ・ウォラックと言えば、1956年のエリア・カザンの「ベビードール」から「荒野の七人」、「続夕陽のガンマン」、「ゴッドファーザーPartⅢ」、
「ミスティック・リバー」、「ウォール・ストリート」、「ゴーストライター」など数多くの作品で脇役として活躍。
 クロリス・リーチマンは、1955年ロバート・アルドリッチの「キッスで殺せ!」でデビュー。その後、「明日に向かって撃て」、「デリンジャー」、「ラスト・ショー」
「ヤング・フランケンシュタイン」・・・こちらも数多くの映画、テレビの脇役で活躍を続けています。
「ニューヨークで会いましょう」
(監)ランディ・バルスマイヤー Randy Balsmeyer
(脚)Hall Powell,Israel Horovitz,James Strouse(撮)Michael McDonough(編)Affonso Goncalves(音)Jack Livesey,Peter Washel
(出)エミリー・オハナ Emilie Ohana、ジャスティン・バーサ Justin Bartha、エヴァ・アムリ Eva Amurri
<あらすじ>
 ビデオ・アーティストのゾーイは、ニューヨークの街を背景に撮影を行っています。様々な人と出会い、様々な人々の人生の一部を切り取り作品に・・・。 
 この映画全体を一つにまとめる重要な役目といえます。
 エミリー・オハナはキューバ出身の女優。ジャスティン・バーサは「ナショナル・トレジャー」の天才ハッカー役で有名。
 サラ役のエヴァは、見覚えある顔と思ったらアメリカを代表する女優の一人スーザン・サランドンの娘でした! 

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