ウルトラ・ヒーローの時代


- ウルトラマンからウルトラマンギンガまで -
<ウルトラ第一世代>
 1960年生まれの僕は、リアルタイムで「ウルトラQ]、「ウルトラマン」、「ウルトラセブン」を見た「ウルトラ第一世代」の一人です。当時からマニアックだった僕は、一銭店屋で袋入りの写真(怪獣のブロマイド?)を集めたり、「ウルトラ怪獣図鑑」を丸暗記して怪獣博士と呼ばれたり、ソフビの人形を集めるだけでなく当時ブームだったプラネンドで怪獣を作って並べたりしたものです。
 当時、ウルトラマンやウルトラセブンから与えられた倫理観や正義感は、明らかにその後の人生の基準になった気がします。今にして思うと、ウルトラマンの活躍は当時の時代の空気を色濃く反映していました。そのため、ウルトラ・シリーズは時代の変化に少しずつ対応しながら変化することになりましたが、その本質的な思想は基本的に変わることなく21世紀まで続いているようです。(原点回帰した「ウルトラマン・マックス」は、その表れだったように思います)
 ウルトラ・シリーズが子供たちに示してくれた「倫理観の枠組み」。
 同時代に僕がはまっていたプロレスが示してくれた「世界の多様性」。(当時のプロレスは世界の国、民族の見本市のようでした)
 この二つの「世界の見方=モノサシ」は、当時小学生だった僕にしっかりと刻み込まれました。
 思えば、このモノサシを手にして僕はその後、ロックミュージックと出会い、映画を見て、本を読んで育つことになりました。このサイトの底流には、そんな「ウルトラ・モノサシ」があるのです。ちなみに、僕が恋した最初のアイドルは、ウルトラセブンのアンヌ隊員でした!
 ここでは改めてウルトラ・シリーズを年代順にふり返ってみます。正直、僕が見ていたウルトラ・シリーズは「帰ってきたウルトラマン」までで、その後、ウルトラマン・マックスを子供と見るまでは長く離れていました。(どちらにしても、1980年から1986年までウルトラマン空白の時代があったのですが・・・)
 僕が見ていない間にも、けっこう奥深いウルトラマンが活躍していたことがわかりました。
 平成の少年たちにとってもウルトラマンは、「モノサシ」になっているのでしょうか?

<様々なウルトラ戦士たち>
 改めて、現在までのウルトラ・シリーズを調べてみると、それぞれのシリーズが様々な挑戦を行っていたことがわかりました。なんとか過去の作品を越えようとしてり、なんとか視聴者層の幅を広げようとしたり、企業とのタイアップを試みたり、徹底的にパロディー化したり、出身地を変えたり、性別を変えたり、様々なキャラクターのウルトラ戦士と彼に変身する人間の主人公が現れました。
 どれもそれなりに面白そうで、見てみたいけど、きりがなさそう・・・でも時代を反映した作品が作られていたのは確かなようです。ウルトラマンには、意外に自由度がありそうです。ウルトラマンであるためには、どうやらなんの制約もないようですが、ただ一つだけ制約がありました。それは「視聴率」をとらなければならないという至上命令です。それができなくて、打ち切りになったり、方向転換をするはめになったり、企業とタイアップしたり、予算を大幅削減され古い怪獣を使いまわしたり・・・様々なトラブルもあったようです。


「ウルトラマン」 
1966年7月17日~1967年4月9日 全39話(平均視聴率は36.8%、最高視聴率は42.8%)
<ウルトラシリーズの原点>
M78星雲から犯罪怪獣ベムラーを護送していたウルトラマンは、逃亡したベムラーの追跡中に地球上空で科学特捜隊ハヤタの乗る機と衝突。瀕死のハヤタを生かすために彼と一体化します。そして、彼と共に地球を襲う怪獣たちと戦う役目を担うことになります。
「変身」、「人類との協力」、「怪獣たちへの愛」、「人類文明の罪」、その後も受け継がれるウルトラマンの基本要素がすべて詰まっている作品群です。
第1話「ウルトラ作戦第1号」 ベムラー ウルトラ戦士との出会い
第2話「侵略者を撃て」 バルタン星人 宇宙人が人類よりも優秀だったら?
第3話「科特隊出撃せよ」 ネロンガ 電気を食べると見えてくる透明怪獣
第4話「大爆発5秒前」 ラゴン ウルトラQからの人気キャラクター
第5話「ミロガンダの秘密」 グリーンモンス 歩いてしまう巨大食虫植物
第6話「沿岸警備命令」 ゲスラ チョコレート大好き怪獣
第7話「バラージの青い石」 アントラー 砂地獄に潜む強くてかっこいい元祖ムシキング
第8話「怪獣無法地帯」 レッドキング、チャンドラー、マグラー、スフラン、ピグモン 怪獣オールスター作品と人気キャラ、ピグモン登場
第9話「電光石火作戦」 ガボラ 顔が花開く怪獣?デザインが斬新だった
第10話「謎の恐竜基地」 ジラース  予算削減策にゴジラを借用
第11話「宇宙から来た暴れん坊」 ギャンゴ  アナログ系電波怪獣 
第12話「ミイラの叫び」 ドドンゴ、ミイラ人間  古代から来た呪いの怪獣
第13話「オイルSOS」 ぺスター  一足早いオイルショック
第14話「真珠貝防衛作戦」 ガマクジラ  高度経済成長の象徴としての真珠の危機
第15話「恐怖の宇宙線」 ガヴァドン  宇宙を意識するようになった時代が生んだシュールな怪獣
第16話「科特隊宇宙へ」 バルタン星人  大人気キャラクター再び
第17話「無限へのパスポート」 ブルトン  理論物理が生んだ四次元怪獣
第18話「遊星から来た兄弟」 ザラブ星人、偽ウルトラマン  偽ヒーローという定番のドラマ展開
第19話「悪魔はふたたび」 バニラ、アボラス  泡泡怪獣だったような?
第20話「恐怖のルート87」 ヒドラ  交通戦争が生んだ呪いの怪獣
第21話「噴煙突破せよ」 ケムラー  毒ガス怪獣 
第22話「地上破壊工作」  テレスドン、地底人  地底人対人類という新たな展開
第23話「故郷は地球」  ジャミラ  「悲劇の宇宙飛行士」との悲しい戦い
第24話「海底科学基地」  グビラ  海の中が舞台となった深海怪獣との闘い
第25話「怪彗星ツイフォン」  レッドキング、ギガス、ドラコ  人気キャラ、レッドキング再登場
第26話、第27話「怪獣殿下(前編)(後篇)  ゴモラ、スフラン  シリーズ中、最強怪獣登場。大阪万博を先取り
第28話「人間標本5.6」 ダダ  ダダイズムが生んだシュールな人気キャラ初登場
第29話「地底への挑戦」  ゴルドン 黄金怪獣の死体の値打ちは?
第30話「まぼろしの雪山」 ウー 「ウーよ」の叫び声が忘れられない感動作
第31話「来たのは誰だ」 ケロニア 植物人間の恐怖
第32話「果てしなき逆襲」 ザンボラー  インドから来た真里アンヌ隊員登場!
第33話「禁じられた言葉」 メフィラス星人 、バルタン星人(三代目)
ザラブ星人(二代目)、ケムール人(二代目)、巨大フジ隊員
宇宙人との闘いは、次作ウルトラセブンへと発展することに
第34話「空の贈物」 スカイドン  史上最重量という愛すべきポチャ怪獣
第35話「怪獣墓場」 シーボーズ  怪獣供養という日本人ならではの世界観が生んだ人気怪獣
第36話「射つなアラシ」 ザラガス  サブ・キャラ、アラシ隊員が活躍
第37話「小さな英雄」  ジェロニモン、ピグモン、テレスドン、ドラコ  シリーズ最高視聴率を獲得したオールスター戦
第38話「宇宙船救助命令」 キーラ、サイゴ  宇宙時代を予見する物語(ソ連が無人探査機を月面に送り込んだのがこの年)
第39話「さらばウルトラマン」 ゼットン星人、ゼットン、ゾフィー  シリーズを伝説化することになった衝撃の最終回
 ウルトラセブン
1967年10月1日~1968年9月8日 全49話
<人類文明への疑問に答えることができるのは愛>
恒点観測員だったウルトラセブンは地球を愛するようになり、薩摩次郎という青年と一体化し、モロボシ・ダンと名乗り地球を守る役目につく。
しかし、人類は様々な過ちを繰り返していて、疑問を感じながらの闘いが続きます。
自分を愛してしまったアンヌ隊員に自分がセブンであることを告白するという展開が実にロマンチックでした。
政治闘争の時代と高度経済成長による歪みが明らかになりつつあった時代である、1960年代末を映し出す内容でした。
それでもなお、「愛こそはすべて」というのがこの時代「ラブ&ピース」を象徴していました。
ウルトラファイト
1970年9月28日~1971年9月24日 
<低予算が生んだシュールなバトル>
「ウルトラマン」+「ウルトラセブン」に当時大人気だったプロレスの実況を加えたある意味怪獣プロレスともいえる番組。
当初は再放送に近い内容だったが、その後、屋外での新規撮影による新作となった。低予算であるがゆえにシュールな作品が誕生した。
帰ってきたウルトラマン
1971年4月2日~1972年3月31日 全51話
<ウルトラマンの大衆化>
犬を救おうとして死んだ郷秀樹という名の自動車工場勤務の青年を救うために一体化して地球を救う役割についたウルトラマン・ジャックの物語。
郷が所属するのは、「MAT(Monster Attack Yeam)」の日本支部。
ウルトラマンA
1972年4月7日~1973年3月30日 全52話
<男女共同参画ヒーロー>
北斗星司と南夕子が合体することで変身するヒーロー。異次元人ヤプールが組織的な悪役として主な敵となり、彼らが送り込む超獣をAが倒す物語。
2人が所属するのは、TAC(Terrible-monster Attacking Crew)
ウルトラマンタロウ
1973年4月6日~1974年4月5日 全53話
<カンフーブームが生んだ格闘系戦士>
東光太郎はボクサーを目指す放浪青年でした。怪獣に素手で立ち向かう東青年を見たウルトラの母(緑のおばんさんとして登場)は彼にウルトラバッジを託し、6番目の子の誕生と同時にウルトラマンタロウとして一体化。格闘系で母に見守られて成長する新たなタイプのヒーローの誕生。
2人が所属するのは、ZAT(Zariba of All Territory)
ウルトラマンレオ 
1974年4月12日~1975年3月28日 全51話
<流れ者ヒーロー誕生>
マグマ星人によって故郷の獅子座L77星を滅ぼされ地球に逃げ延びてきたレオ(M78星雲出身ではない!)は、ウルトラセブンからの依頼を受け、スポーツクラブのトレーナー、ゲンの体を借りて地球を守ることになります。そのウルトラセブンこと、モロボシ・ダンが地球を守るMAC(Monster Attacking Crew)の隊長として活躍しているが、彼は部隊のメンバーと共に命を落とすことになります。(衝撃的!)
このシリーズではウルトラマンキングが初登場しています。
ウルトラマン80
1980年4月2日~1981年3月25日 全50話
<昭和最期のウルトラマン>
前半は、ウルトラマン80が変身した教師、矢的猛を中心とする学園怪獣ドラマ。(このシリーズのウルトラマンは主人公と一体化するのではない)
教師として人間の心にふれ、心を救うのも役割となった。(もちろんこれは当時ブームになっていた学園青春ドラマの影響)ただし、評判は今一つで後半は従来に近いスタイルにもどった。
後半は、光の国から来た王女、ユリアン(星淳子)が登場。男女共学の学園が舞台なら、女性ウルトラ戦士の登場も当然の流れ。
ウルトラマン80と共に怪獣と戦うのは、UGM(Utility Government Members)という国連直属の地球防衛軍の怪獣専門部門のチーム。
しかし、この作品でシリーズは長きに渡る休眠状態に入ることになります。
海を渡ったウルトラマンたち
「ウルトラマンUSA」1989年~(アメリカ版のウルトラマンで監督は日本人の日下部光雄、脚本はアメリカ人のジョン・エリック・シーワード)
「ウルトラマンG」(オーストラリア版ウルトラマン)
「ウルトラマン・パワード」(アメリカ版ウルトラマン)
ウルトラマンゼアス
1996年映画「ウルトラマンゼアス」、1997年映画「ウルトラマンゼアス2」(映画のみの企画)
<パロディ版広告塔戦士誕生>
Z95星雲から来た半人前のウルトラマンで、目的は地球をきれいにすること?ウルトラマン史上初の企業とのタイアップ・キャラクター。
出光興産のガソリン・ブランド「ゼアス」とのタイアップ!?なんと変身に使うのは電動歯ブラシ?そして人類を守る超宇宙防衛機構の日本支部隊長はとんねるずの二人でした。
ゲストにも過去のウルトラシリーズのメンバーが多数出演。ウルトラシリーズ30周年企画だったとはいえ、・・・面白すぎる。
ウルトラマンティガ
1996年9月7日~1997年8月30日 全52話
<古代から来た戦士>
3000万年前の超古代の遺跡から復活した戦士。どの星から来たのかは不明。遺跡から発見された石像とGUTS隊員のダイゴが一体化して誕生した。
GUTS(Global Unlimited Task Squad)は、地球平和連合TPCの超常現象探査チームとして編成されたチーム。
ウルトラマンダイナ
1997年9月6日~1998年8月29日 全51話
<ご近所からきた戦士>
GUTSが発展した部隊スーパーGUTSの隊員アスカが火星で危機に陥ったとき、ダイナが彼を助け一体化。
ダイナはM78星雲の出身ではなく火星圏の出身とされています。
ウルトラマンガイア
1996年9月5日~1999年8月28日 全51話
<地球が生んだ地元戦士>
天才科学者集団(アルケミー・スターズ)のひとり高山我夢。彼が「地球の意志」にアクセスした時にガイアが誕生しました。地球出身のウルトラマンなので、活動時間の制限はありません。
同じくアルケミー・スターズ出身の藤宮博也は、コンピューターの出した結論により人類を滅ぼすことを計画。ウルトラマン・アグルとなってガイアと敵対します。
しかし、それが根源的破滅招来体の干渉によって導かれた結果としり、アグルの力をガイアに渡します。こうして2つの能力を持つガイアV2が誕生しました。
彼が所属するのはXIG(eXpauded Interceptive Guardians)、汎地球防衛機構(G.UARD)のエリート隊員で結成されました。
ウルトラマンコスモス
2001年7月7日~2002年9月28日 全65話
<絶滅危惧種保護戦士>
ウルトラシリーズ35周年記念、円谷英二生誕100周年記念作品。
出身地不明のウルトラマンと春野ムサシが一体化して誕生した。彼が所属するTEAM EYESは怪獣保護が目的のチームで、カオス・ヘッダーによって狂暴化している怪獣を救うのが仕事。
ウルトラマンネクサス
2004年10月2日~2005年6月25日 全37話(視聴率の低迷により途中打ち切り)
<ダークサイド・ウルトラマン登場>
孤門 一輝はTLT(非公然防衛組織)の実働攻撃部隊ナイトレイダーに所属し、銀色の巨人(ネクサス)と共に怪獣を倒してゆきます。
主人公がウルトラマンに変身せず、デュナミスト(適応者)がウルトラマン(複数)に変身するという設定など、かなり変更が加えられ、そのために従来ファンに批判された。
それまでと違い大人向けに内容変更した重い内容となっていて、ちょっと気になるシリーズです。最終形態?でウルトラマンノアとなります。
ウルトラマンマックス
2005年7月2日~2006年4月1日 全39話(当初から3クールとなっていた)
<原点回帰のウルトラ戦士>
原点回帰をテーマに作られたシリーズで、ウルトラマン、ウルトラセブンの怪獣たちを復活させただけでなく、過去作品へのオマージュ、パロディ的作品も多かった。
災害ボランティアだった青年トウマ・カイトは、怪獣に挑む勇気を買われ、M78星雲から来たマックスと協力関係をもちます。
チームDASHに入隊した彼は、マックスに変身して怪獣たちと戦うことになります。
中盤からは、ウルトラマンゼノンが登場。マックスに新装備マックス・ギャラクシーを与えます。
ウルトラマンメビウス
2006年4月8日~2007年3月31日 全50話
<最後の王道ウルトラ戦士>
ウルトラマンシリーズ誕生40周年記念作品
メビウスはウルトラの父から使命を与えられ、地球人ヒビノ・ミライに変身し、怪獣たちと戦います。
彼が所属するGUYSは、ウルトラマン80に登場したUGM解散後に再結成された組織。
このシリーズで主人公は正体がウルトラマンであることをスクープされてしまいますが、そのままGUYSたちと共に戦い続けます。
ウルトラマンゼロ
2009年映画「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」、2010年「ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国」
2012年映画「ウルトラマンサーガ」、2015年 映画「ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!」
ウルトラマンギンガ
2013年7月10日~8月14日、11月20日~12月18日 全11話「新ウルトラマン列伝」にて登場
<学園ヒーロー・ウルトラ戦士>
円谷プロ50周年記念作品
高校生、礼堂ヒカルがウルトラマンタロウにより指名され、変身した。なんと彼はウルトラ6兄弟の技を使うことができる!学園ものウルトラマンでもあった。
なにものかによってスパーク・ドールズという名の人形にされたウルトラ戦士や怪獣たちが地球に流れ着いてしまい、ウルトラマンギンガが対決することになる
ウルトラマンギンガS
2014年7月15日~12月23日 全16話「新ウルトラマン列伝」、2015年 映画「ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!」
<ウルトラ戦士の成長物語>
ウルトラマンギンガの続編。礼堂ヒカルが特捜チームUPGに所属してからの物語。友人のショーが変身する古代から来たウルトラマンビクトリーもこのシリーズから登場
<参考>
「ウルトラマンの愛した日本」 2013年
(著)ウルトラマンタロウ
(訳)和智正喜
宝島社

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