<世界のワイン産地>
<フランス>
品質の高さでは他の国の追随を許さないワイン王国。
フランス国内ほぼ全域でぶどうが栽培され、様々な個性のワインが造られています。
AOCによるしっかりとした品質管理がなされているのもフランスワインならではです。
<シャブリ>
ブルゴーニュ地方の代表的ワイン産地。
気候は冷涼、キンメリジャンと呼ばれる白亜質の土壌がミネラルを多く含んだワインを生み出します。
しっかりとしたボディの辛口ワインがこの地域の名産。
<ブルゴーニュ>
世界的に有名なワインの山地。ほとんどの赤ワインはピノノワール種、ガメイ種から造られていて、高い芳香が特徴。
白ワインはシェルドネ種、アソゴテ種から造られ、フルーティーな味わいが特徴。
<ボジョレー>
ガメイ種で造られる赤ワインが多く、飲み口の軽やかなライト・タイプのワインが特徴。
上品ながら気楽に楽しめる生き生きとしたワインの風味を持ち日本人にも愛されています。
<コート・ド・ボーヌ>
ブルゴーニュ地方屈指の銘醸地。
ボーヌ市から東および北に広がる地域では赤ワインが中心、南側では白ワインが造られています。
中でもモンラッシュは世界で最も偉大な白ワイン産地と言われます。
<ソーテルヌ>
フランス南部、ガロンヌ川流域に位置し、糖度の高い貴腐ぶどうを原料に上質のワインが造られている。
フルーツや花を想わせる香り、とろりとした濃厚な風味が特徴。
<コート・デュ・ローヌ>
生産量の95%が赤ワインでフランス第2位のAOCワインの産地で様々なワインが造られています。
<ボルドー>
フランス西部、海洋性気候の土地。ジロンド川をはさんだ両岸が産地になっています。
川の右岸では、渋みがあり穏やかで女性的な味わいのメルローが主なワイン。
サン・テミリオンとボムロルが主な産地。
左岸では、主な品種としてカベルネソーヴィニヨンが栽培されています。
長期熟成の赤ワインが中心でオー・メドック、グアーヴ、ソーテルヌなどが有名。
他にカベルネフランが造られています。
<メドック>
ジロンド川左岸でボルドー市北部から河口にかけての地域。
サン・テステフ村より上流側は「オー・メドック」と呼ばれます。
格付けの高いシャトーを中心に高級ワインが造られています。
<サン・テミリオン>
中世以来、ブドウ栽培やワイン醸造が盛んで、ボルドーワインの主要ブランド名の一つ。
芳醇な香りとまろやかで果実味あふれる味わいの人気ワインが多く造られています。
<イタリア>
温暖な地中海性気候により、世界で最もブドウ栽培に適した国とも言われる国。
国土のほぼ全域でブドウが栽培されている。
生産量、輸出量のトップをフランスと争う国。
南北に細長い地形により気候・風土は変化に富み、品種などバラエティ豊かです。
<シチリア>
イタリア南部に位置する島で国内1,2位を争うほどのワインの生産量。
かつてはブレンド用のバルクワインがほとんどだったが、そこから脱却しつつあります。
<トスカーナ>
ピエモンテと共にイタリアを代表する銘醸地。
栽培品種の6割がサンジョヴェーゼ。
その他、メルロー、カベルネソーヴィニヨンなどフランスの品種も多い。
<ピエモンテ>
トスカーナと並ぶ銘醸地。
「イタリアワインの王様」バローロはここで造られます。
その他にもバルバレスコ、ガヴィなども有名です。
<プーリア>
温暖な地中海性気候で、イタリア国内でも1,2位を争うほどの生産量を誇ります。
かつてはブレンド用ワインが多かったが、最近は独自品種も増えている。
<アブルッツォ>
アブルッツォはアドリア海に沿った南北に長い州。
穏やかな気候の土地故に古いブドウ栽培の歴史があります。
モンテプルチアーノ、ダブルッツォが有名。
<ヴェネト>
北オーストリアに続く山岳地帯で東はアドリア海に面し、バラエティに富んだワインが造られる。
代表的なのは陰干しブドウを使用して造られるアマローネやソアーヴェなど。
<スペイン>
フランス、イタリアに並ぶ世界三大ワイン生産地。
ブドウ栽培面積に関しては世界一の約100万ヘクタール。
ワイン造りの歴史も3000年を越えています。
国土全体で約140種に及ぶブドウの品種が栽培されています。
<ラ・リオハ>
スペインを代表するワイン産地。
テンプラリーリョ、ガルナッチャなどの黒ブドウを中心に生産され、幅広いタイプのワインを生産しています。
<カタルーニャ>
スペイン北東部、南はピレネー、東は地中海に面しています。主な産地はペネデス。
マカベオ、チャレロ、パレリャーダなどから造られるフレッシュな白ワインが有名です。
<マドリード>
ワイン造りの歴史は古く、ローマ時代にはすでにワインが造られていました。
年間生産量は400万本以上に及び、数々の受賞歴を誇ります。
<カスティーリャ・イ・レオン>
マドリードの北西に位置し、ポルトガルまで流れるドゥエロ川沿いに主な産地があります。
リベラ・デル・ドゥエロ、ピエルソ、ルエダなどの産地が有名。
<ドイツ>
ブドウ栽培が盛んな国では最も寒いと言われます。そのため圧倒的に白ワインの生産が多い。
夏季は穏やかな暑い日が続くことから、凝縮感のあるフルーティーで独特な酸味を持つ特色があります。
繊細かつ分かりやすい味わいは日本でも人気が高い。
<モーゼル・ザール・ルーヴァー>
モーゼル川、ザール川、ルーヴァー川の3つの川の流域に位置する生産地。
生産量の9割が白ワインで一般的には華やかな香りと繊細な酸味が特徴と言われています。
<ラインヘッセン>
ライン川を挟んでラインガウ地域の対岸に位置する地域。
栽培面積、生産量ともにドイツ最大の産地。
リープフラウミルヒ発祥の地としても有名。
(マイルドで甘口のフルーティーな白ワインで価格も廉価)
<ファルツ>
北をラインヘッセン、南をフランスのアルザスに接する地域。
ドイツでは2番目に大きいワインの産地。
特に北部のミッテルハートではリースリングが多く生産され高水準のワインが造られています。
<ナーエ>
1971年にワイン生産地に指定された新しい産地。
モーゼル川とライン川の間に位置します。
リースリングの重要な産地であり、多種多様なワインを造るドイツワインの魅力が凝縮した地域。
リースリングは、リンゴやマンゴーのような甘い香りを持ち、ジューシーで親しみやすい中辛口の白ワイン。
<ポルトガル>
ポートワイン、マデイラなどフォーティファイドワインで有名な国。
北部の微発砲ヴィーニョ・ヴェルデ(白ワイン)、ダン、バイラーダ、アレンテージョなどの人気も上昇中。
<アルゼンチン>
アルゼンチンではアンデス山脈の麓で厚みがあり、しっかりとした風味のワインが造られています。
近年は高品質化が進んでいます。
<ウルグアイ>
南米で2番目に小さな国ながらワインの生産量は第4位の国。
タンニンが名前の由来になっている銘柄「タナ」は素朴な力強い味わいで有名。
<チリ>
ほぼ中央部にあるセントラル・ヴァレーがワイン生産の中心。
ワイン造りに適した土壌と乾燥した気候、製造技術の遊歩により発展したエリア。
<コノスル>
ヴィーニャ・コノスル社は高品質チリ・ワインの代名詞となっているブランド。
<アメリカ>
アメリカの主な産地は、その9割を占めるカリフォルニア州。
ナパ・ヴァレーやソノマを中心に数多くの良質なワインが造られています。
その他、オレゴン州、ワシントン州で造られています。
<メキシコ>
アメリカ大陸最古のワイン生産地と言われ、その歴史は400年以上と言われます。
現在10以上の州でワインが生産され、カリフォルニアと類似した気候・土壌で良質のワインが造られています。
<オーストラリア>
ワイン造りの歴史は200年余りとまだ浅いものの生産量はトップ10に入るワイン生産大国。
<ニュージーランド>
ワイン造りの歴史はオーストラリア同様短いものの、栽培が難しいとされるピノノワールの栽培にいち早く成功。
南島北部のマールボロが国内最大のワイン産地。白ワインが生産の中心です。
<モロッコ>
大西洋と地中海に面した北アフリカのモロッコはフランス領だった20世紀始めにワイン作りが発展。
フランスなどヨーロッパ系の品種を中心にワインが生産しています。
<インド>
紀元前4世紀頃からワイン造りの文化が栄えた歴史のある地域。
しかし、宗教的に禁酒が広がり、産業としては衰退。
近年になって再び国内向け、輸出などに向けて生産が急増している。
赤ワイン、白ワイン共にスパイスの効いたアジア料理にあう味。
<特殊なワイン>
<ポートワイン>
ポルトガル北部で造られる酒精強化ワイン。
発行途中にブランデーを添加すると発酵が止まり糖分が残ります。これが甘さのもとになります。
華やかな香りと深いコクの味わいが人気。
<マデイラ・ワイン>
ポルトガル領の小さな島マデイラで造られた酒精強化ワイン。
赤道付近を航海している船の中に置いていたワインが酸化熟成され、独自の風味を持って美味しくなったことから始まった。
<サングリア>
サングリアとは赤ワインを甘いソーダやオレンジジュースなどで割り、果実と甘味料を加えたもの。
スペインでは日常的に飲まれています。
<スパークリング・ワイン>
昔は発泡性のワインを「シャンパン」と呼んでいましたが、そう呼ばれるのは限られたものだけです。
ブドウの品種、製法に細かな規定があり、それをクリアして初めて「シャンパン」と呼ばれます。
ブドウの種類としては、ピノノワール、シャルドネ、ピノムニエなどをブレンドして造ります。
それ以外のスパークリング・ワインはフランスでは、「ヴァン・ムスー」と総称されます。
「JP・シエネ」「アン・プルミエール」などが有名。
<シャンパーニュ>
「シャンパン」の聖地ですが、ここで造ればすべてシャンパンというわけではありません。
有名なブランドとしては、「ローラン・ペリエ」「メゾンマム」「ポメリー」「ジャカール」「ランソン」「コント・ドラ・、モット」・・・
「ペリエ・ジュエ」「ヴランケン」「テルモン」「パイパー・エドシック」「ルイナール」「ボジェ・ジュエット」・・・
中でも最高峰とされるのは「ルイ・ロデレール」「アルマン・ビリニャック」などがあります。
<フランチャコルタ>
イタリア製のスパークリング・ワインの中でもシャンパンに引けを取らない銘柄。
主にシャルドネ、ビノビアンコ、ピノネロなどを使います。
他にも「ベルルッキ」「ジオイア」などが有名。
<スプマンテ>
「スプマンテ」はイタリア製スパークリング・ワインの総称。
「フェッラーリ」「ミオネット」「チンザノ」「マルティーニ」「サンテロ」「ベッレンダ」「ゴッドファーザー」「ガンチア」・・・
「ジオイア」「プリモーネ」「ボルゴ・インペリアル」などが有名。
<カヴァ>
シャンパンと同じ瓶内二次発酵方式で造られるスペイン産のスパークリング・ワイン。
主にマカベオ、チャレロ、パレリャーダなどスペインの固有種ブドウで造られます。
「セグラヴェーダス」「ロジャーグラート」「カヴァムッサ」「フレシネ」「アンジェール」などが有名。
<ゼクト>
ドイツのスパークリング・ワインの総称は「シャウムヴァイン」と言います。
その中の高級品質を「ゼクト」と呼びます。「ヘンケル」「フェリスタ」などが有名。
<その他のスパークリング・ワイン>
「ナイティンバー」(イギリス)、「KWV」(南アフリカ)、「コノスル」(チリ)、「リンデマス」「シャンドン」(オーストラリア)
「カフェ・ド・パリ」(フランス)
<フルーツ・スパークリング・ワイン>
ブドウ以外のフルーツを用いた発泡酒も世界中には数多くあります。
<ピンクレディ>
洋ナシ100%の発泡酒
<パティオ・ブラッドオレンジ>
イタリア製ブラッドオレンジを使った発泡酒。
<ペティアン・ド・リステル>
フランス製の発泡酒でストロベリー、グレープフルーツ、ライチ、桃、青りんごなどから造る。
<シードル>
リンゴを原料にした醸造酒で発砲でない場合もある。
<参考>
雑誌「LIQUORS リカーズ」 2022年
(企・編) 博通