世界の料理・食材・スパイス
World Food & Spice


「文化は人類の偉大な功績のみによって築かれるのではない。人々は何を食べ、どんな料理を作るかといった日常の出来事が文化を生み出すのだ」
ローリー・ウィルソン「わたしの陽気なキッチン」より

<旅と食事>
「私たちは食べながら旅をする。最後に行った旅行を思い出してほしい。いちばんよく覚えているのは、どんなことだろう。私と同じタイプの人なら、食べたもののことが真っ先に頭に浮かぶはずだ。・・・」
ミーナ・ホランド「食べる世界地図」より

 残念ながら、僕の場合、頭に浮かぶのは、それぞれの「土地の風景」で「食べ物」はその次かもしれません。一人旅が多く、貧乏旅行が多かったため、食事にはお金も時間もかけなかったせいかもしれません。(元々グルメとはほど遠く、お腹がすいていれば何でも美味しく食べられるタイプなのですが・・・)とはいえ、様々な旅の途中で味わった食べ物の思い出がないわけではありません。
 偶然「食べる世界地図」という面白そうな本を見つけてしまったので、それを読みながらそんな「食の思い出」を甦らせてみました。そのついでに「世界各地の料理・食材」のページを作ってみました。よかったら、あなたも「食の思い出」を甦らせてみて下さい。ただし、前述の通りグルメではない僕が書いているので、味についての評価などはご勘弁下さい。


北アメリカ アメリカ  カリフォルニア  ルイジアナ 

カリブ・中米  メキシコ  ジャマイカ 

南アメリカ ペルー ブラジル  アルゼンチン 

ヨーロッパ  フランス  スペイン  ポルトガル  イタリア ドイツ  スカンジナビア  東ヨーロッパ 

アフリカ  エチオピア 西アフリカ  モロッコ 

中東 トルコ レバント地方  イスラエル  イラン

アジア インド  タイ  ベトナム  中国 朝鮮  日本 

北アメリカ North America
アメリカ America
「食べることは農作業の一環である」
ウェンデル・ベリー(アメリカの哲学者) 
アメリカのビール
カリフォルニア California(アメリカ西海岸)
<オーガニック・レストランの聖地>
・・・カリフォルニア料理は他の料理の”進化形”であり、それこそが誇りなのだ。
新世界の豊かさ、多様性、可能性を見せつけ、”人種のるつぼ”ならぬ”料理のるつぼ”を宣言し、さまざまな移民の影響をひと皿にまとめあげた料理なのである。

(カリフォルニア州では、ヒスパニック系が40%、アジア系が13%、他にイラン系、イタリア系、ユダヤ系などが入り混じっています)
カリフォルニア料理は、完成した料理というよりも、ひとつのアプローチとしてとらえたほうがいいかもしれない。大事なのは”何”よりも”どう食べるか”ということ。
 その象徴といえる存在が、オーガニック・レストラン「シェ・パニース」のオーナー、アリス・ウォータースです。

アリスは、カリフォルニアの公立学校の惨状を根本的に改善するには、菜園をつくるしかないと考えた。・・・
彼女はこうしてレストラン経営者、あら伝道師へと生まれ変わった。
個人的に資金を集め、役所から許可をとりつけ、人手を探し、生徒を参加させるまで2年ほどかかった。
しかし、「食べられる校庭」はひとたび軌道に乗ると大評判となり、全米各地の都市で導入されるようになった。

綻びゆくアメリカ 歴史の転換点に生きる人々の物語」ジョージ・パッカー

<アリス・ウォータース>
学校給食の改革運動やオーガニック・フードのコンサルタントを経て、1971年に自らレストランをオープンさせます。
伝統的なフランス料理と地元カリフォルニア産の食材を組み合わせたレストラン「シェ・パニース」は一大ブームを巻き起こしました。
彼女によって、カリフォルニアの料理文化は大きく変化。アメリカにおけるオーガニック食品ブームの先駆者となった女性。
ルイジアナ Louisiana(アメリカ南部カリブ海沿岸)
<多民俗文化が生んだ食のカーニヴァル>
 元々がフランス領だったため、アメリカの外の地域とは異なる特殊な文化をもつ地域です。
「ケイジャン料理」(仏領カナダから移民した白人)、「クレオール料理」(フランス系白人、黒人、アメリカ先住民などの混血)が入り混じっている独自の料理文化をもつ地域です。
 基本的にはフランス料理がベースになっていて、「ラタトゥイユ」(多彩の煮込み料理)はその代表的な調理法。
そこで使用される代表的な基本素材としては、玉ねぎ、セロリ、ピーマンなどがあります。
そこにフランスからムール貝、アイルランドからジャガイモ、アフリカからオクラ、スペインから唐辛子などが持ち込まれることで変化して行きました。
<代表的料理>
「ホッピン・ジョン」 黒豆、米、玉ねぎ、ベーコンなどのリゾット
「ジャンバラヤ」 米と肉をブイヨンで炊き込んだ南部アメリカ風パエリヤ
「ガンボ」 ブイヨンをベースにシーフード、鶏、ソーセージなどを独特のルーで煮込みライスにかけて食べる
「エトゥフェ」 主役のザリガニをヘーゼルナッツ・バターで作ったルーで煮込んだシチューをライスにかけて食べる。
(ライスではなく挽き割りトウモロコシのお粥「グリッツ」の場合もあります)
「コーンブレッド」 コーンミールに味をつけて焼いたパン
「ハッシュパピー」 コーンミールの生地を丸めて揚げたスナック
「フライドチキン」 ご存知アメリカのソウルフードもアメリカ南部が誕生の地(ケンタッキーの方が有名ですが・・・)
<スパイス>
「ケイジャン・シーズニング」 カイエン・ペッパー、黒胡椒、パプリカ、ピーマンなどから作る独特のスパイス



カリブ・中米 Carib & Central America
メキシコ Mexico 
<サルサとタコスの故郷>
「トルティーヤ」 ペールコーン(白いトウモロコシ)を使い、丸い鉄板で焼いたメキシコ料理の代表的存在
「ナチョス」 トルティーヤを油で揚げたチップスにトッピングした料理で、チリソース、サワークリーム、粉チーズなどをのせる。
「タコス」 トルティーヤのミニ版で「札束」という意味。今やファストフードの定番的存在
「モーレ」 肉やライスにかけるソースのことで、様々な種類がある。(ソースのことを「サルサ」と呼ぶ)
(使われるのは、ソフリート、ラード、唐辛子、ピーナッツ、チョコレート、プランテン、ニンニク、シナモン、スターアニス・・・・・)
「ワカモーレ」 アボガドを中心に赤玉ねぎ、コリアンダー、ハラペーニョ、ライム、トマトなどを混ぜたソースで、トルティーヤなどにのせて食べると絶品
「ライス&ビーンズ」インゲン豆、黒豆などを使い肉(鶏肉が多い)とハーブを入れる。しかし、海が近い地域の場合は、ロブスター、エビ、カジキ、ホタテ、マグロ、タイなどの魚介類も使う
<スパイス>
唐辛子が最重要スパイスで、ハバネロ(辛くてスパイシー)、ワヒージョ(甘い)、ハラペーニョ(青くピクルス用に用いる)など様々な種類がある。
チョコレートの産地でもあるので、唐辛子入りチョコレートなどを料理に使うことも多い。
<バニラ>
「バニラ Vanilla」とは、「小さな莢」のことで、最大の生産国は現在はマダガスカル。メキシコも2位です。
バニラの原産地はメキシコの中でもベラクルス近郊とされています。15世紀、そこに住んでいたトトナック族が育てていたといいます。
<チョコレート>
マヤ族が暮らしていたメキシコ、グアテマラ、ベリーズ、ホンジュラスが原産地。マヤ族でチョコレートは「湯」を意味し、ホットドリンクとして薬として飲まれていた。
砂糖は15世紀以降になって、ヨーロッパから持ち込まれ、それから甘みが加えられた。
アステカ族がこの地を支配すると、そこにバニラや唐辛子が入れられるようになったようです。
ジャマイカ Jamaica
<西アフリカからアメリカへ>
 西アフリカから奴隷として連れてこられた人々の国であり、その故郷西アフリカの影響が今も残る料理です。
<重要な素材>(西アフリカ由来)
「オクラ」 ガーナ原産で、日本でも食べられているオクラと基本的に同種
「プランテン」 料理用バナナ
「アキー」 ライチに似たフルーツで料理の素材としての使う
「カラルー」 ほうれん草に似た野菜で蒸したり、スープに入れて食べる
「パンノキ」 クワ科の植物でパンに似た味がする食べ物
<代表的料理>
「ジャーク・チキン」 オールスパイスと唐辛子、黒胡椒、ナツメグなどで味付けした骨付きチキンを燻製に近い焼き方で焦げるくらいに焼く料理
「バカリャとアキーの炒め物」 バカリャは、ポルトガルなど北大西洋由来の塩漬けのタラで、玉ねぎ、トマト、オールスパイスなどと調理する
「パティ」 山羊肉、シーフードなどを入れたパイ風の料理
「カリー・ゴート」 山羊肉入りのカレー



南アメリカ South America
ペルー Peru
<インカ文明が残した素材の宝庫>
 アボガド、唐辛子、トウモロコシ、じゃがいも、トマト、ピーナッツ、ポップコーン、赤ピーマン・・・
 20世紀の食文化を生み出した数多くの素材を残したインカ族たち。彼らの文明を征服したスペイン人は逆に鶏や牛の肉をもたらしました
 ペルーはその後、中国、日本などからの移民を受け入れたことで、アジアの料理の影響も受けることになりました
チーファ」 広東料理を基本にペルーの食材で作る料理のこと
「ニッケイ」 日系移民が持ち込んだ料理
「チャウファ」 中国系の移民がもちこんだ炒飯のペルー版的料理
<代表的料理>
「セビチェ」 生魚と唐辛子、ライム、塩、玉ねぎによるマリネで、他のシーフードやニンニク、生姜、アボガド、トマト、トウモロコシなども入れる
「アンティクーチョ」 肉の串焼きで、もとは牛のハツを使っていたが、今はタコ、鶏レバー、サーモン、豆腐なども使う
「ハレア」 シーフードの唐揚げで、サルサ・クリオージャなどをかけて食べる
「パン・デ・ユッカ」 キャッサバを使ったパン
「ピカロネス」 かぼちゃとさつま芋のドーナッツに黒砂糖のシロップをかけてもの
<僕のコメント>
ペルー料理といえば、新宿東口にあった中南米料理の店「エル・ボラチョ」
友達と何度も行って、タコスを食べながらピンガで酔っぱらった楽しいひと時は忘れられません。サルサ・ソースとは何かを知ったのもその店でした
ブラジル Brazil
<食人宣言の国の食文化>
1928年、オズワルド・デ・アンドラーデによる「食人宣言」。そこでは、移民による多民族国家ブラジルは、様々な文化をすべて飲み込んだ雑種文化を育てる必要があると宣言していました
ブラジルはポルトガル領から独立。そこに日系移民など様々移民が流入し、独自の食文化を築きました。
魚介類を食べるのは北東部が中心で、基本的には肉、豆、米などが中心で、南部に向かいアルゼンチンが近づくほど肉(牛肉)が食の中心になります。
「ムケッカ・デ・ペイン」 タイ、カサゴ、シイラなど白身魚の煮込み料理(北東部)
「パネラーダ」 ブラジル風の煮込み料理で家庭料理として一度に大量に作るのが基本(コリアンダー、コロラウ、ウルクム、牛干し肉、焦がしニンニクなど)
「フェジョアーダ」 伝統的豆料理で、焦がしニンニク、マニオク(キャッサバ)の粉でとろみをつける。さらにそこに黒豆やソーセージなどを入れる
「アカラジェ」 黒豆ペーストを油で揚げたスナック(北東部)
「ボボ・デ・カマラオ」 マニオクの粉でとろみをつけたエビ・シチュー
「カスキーニョ・デ・シリ」 カニ、野菜、パルメザンチーズなどをカニの甲羅につめた前菜
アルゼンチン Argentina 
<ステーキと赤ワインの国>
国民の半分はイタリア系移民ということで、その影響は大きくピザ、エラード(ジェラート)は定番メニュー。魚はニジマスぐらいしか食べず、肉がほとんど
「フガッサ」 ピザの1種で、玉ねぎ、モッツァレラ、パルメザンなどを使ったもの
「エンパナダス」 小麦粉の生地に肉、チーズ、シーフード、マッシュルームなどを包んで揚げたもの
「ウミタス」 トウモロコシの皮にトウモロコシ、玉ねぎ、ピーマン、スパイスなどを包んでオーブンで焼いたもの
「ロクロ」 肉、ベーコン、ソーセージ、かぼちゃ、トウモロコシ、穀物の煮込み
ステーキと赤ワインの国らしく炭火焼のレストラン「パリージャ」の人気が高い。バーベキュー(「アサド」と呼ばれる)が国民的料理となっている
「マテ茶」は、カフェイン入りホットドリンクの定番
<代表的ソース>
「チミチェリ」 オリーブオイル、生オレガノ、パセリ、ニンニク、唐辛子などで作る
「サルサ・クリオージャ」玉ねぎ、トマト、唐辛子、オリーブオイルなどで作る



ヨーロッパ Europe
フランス France
<食を芸術に高めた国>
「フランス人は昔から食べ物を純粋芸術と見なしてきた。
絵画や小説と同じ、一皿の料理が傑作となりうると考えたのは、おそらくフランス人が最初だろう」

ミーナ・ホランド

「ミシュラン・ガイド」
1900年創刊のグルメガイドブックの元祖。この本はフランスの料理文化を象徴する本といえます。
星印によるランキングが始まったのは1926年のこと。元々は自社のタイヤ(ミシュラン)をつけてくれた運転手に推薦する店にドライブがてら行ってもらおうと企画された本です

「Le Guide Culinaire(料理の手引き)」
オーギュスト・エスコフィエ(1846年~1935年)が残した本で、今でも世界中のシェフにとってバイブルと言われている

 料理の世界にも流行り廃りはあるが、フランス料理はつねに料理の基準であり、それは永久に変わらないであろう。
修行中のシェフは、最初にフランス料理の基本を学び、それを自身の料理に採り入れたり、他の国の料理に応用したりする。
フランス料理を習得すれば、どんな料理も思いのままだ。
だが、フランス料理がすばらしいのは、それほど華やかな世界だというのに、ミシュランの格付けがすべてではないところだ。
フランス人は洗練された料理の技法のみならず、ひとつのひとつの食材にまで並々ならぬ自負を抱いている。素朴な田舎風パテやワイン、皮がパリパリのやわらかな白いパン。
滋養たっぷりのポトフやブフ・ブルギニョンにちぎったパンを浸して食べ、具のうまみが染め出たスープやソースも残さず味わう。
完成された料理だけでなく、質の高い素朴そのものを重んじるのがフランス料理の食文化なのだ。
ミーナ・ホランド
ノルマンディー地方 Normandy(フランス北部)
<チーズとシーフードの産地>
フランス北部の農業地帯、乳製品(特にチーズ)が重要な特産品
「カマンベール・チーズ」
フランス革命の時代、マリー・アレルという農家の女性が革命を逃れてきた聖職者を匿い、彼から学んだ製法でチーズを作り、それが村に広まりました。
それがしだいに有名になり、彼女が住む村の名前「カマンベール」がつけられることになりました。
<代表的魚介類>
北海に面しているため、ムール貝、舌平目、スズキ、エイ、牡蠣、アンコウなど
<フルーツ>
リンゴなどフルーツの産地で、美味しいバターを使ったフルーツ・タルトやパイは特に有名で、リンゴのお酒「シードル」も名産品
ローヌ・アルプ地方 Rhone - Alpes(フランス東部)
<食肉加工品の産地>
ドイツの隣ということもあり、食肉加工業が盛んな土地で、リヨンがその中心地。ブルゴーニュ地方が近いこともありワインの産地でもある
「ロゼット」 豚肉のドライ・ソーセージで、「ロゼット・ド・リヨン」とも呼ばれます
「アンドゥイユ」 豚の大腸に内臓やばら肉などを詰めた太めのソーセージ
「クネル」 肉・魚などのすり身をパン、卵、調味料と混ぜ、それをゆでたり蒸したりする料理
「白トリュフ」 フランス国内の半分近くがここで収穫されている
チーズの代表的なものとしては、ラクレット、ルブロション、ヴァシュランなどがあります
プロヴァンス地方 Provence(フランス南東部)
<南仏が生み出す食材の宝庫>
「これほど料理はそんじょそこらでお目にかかれるものではない。
私たちはニンニクとオリーブ油で揚げたパンとグリーン・サラダを食べ、山羊のチーズの大きな魂を平らげ、その上、娘さんが腕をふるったアーモンドとクリームのガトーを詰め込んだ。
イギリスの名誉にかけて、私たちは食べた」

ピーター・メイル「南仏プロヴァンスの12か月」より

 プロヴァンス料理は、素晴らしい食材が手に入ると料理はどうなるかということを端的に教えてくれる。
材料は、この地方で採れたトマト、ハーブ、新鮮な魚といった旬の素材と、ケイパーやアンチョビ、オリーブんまど地中海の恵みの組み合わせ。
そして、肉、シーフード、野菜、ソースを融合させる料理人の見事な腕によって、誰からも愛されるシンプルな料理が出来上がる。
ミーナ・ホランド

「プロヴァンス風」の基本は、オリーブオイル、ニンニク、パセリをメインに味つけする料理といていい。
<代表的料理>
「ブイヤベース」 カサゴ、アンコウなどの魚に伊勢海老などのシーフード中心のスープ料理(元々は人気のない魚を大なべで煮込んだ料理だった)
「ブーリッド」 ブイヤベースに近い魚介のスープ料理だが、サフランを使わず、ニンニクと効かせ卵黄でとろみをつける
<コメント>
ピーター・メイルの「プロヴァンス・シリーズ」がブームになった頃、店を新しく輸入雑貨の専門店に変えるための準備をしていました。
そのため、様々な雑貨問屋を訪ねたり、食器屋さんを調べたりしました。当然、南仏の食器の素朴な温かみにもふれ、ピーター・メイルの本にもはまっていました。
残念ながら、プロヴァンスには行ったことがないのですが・・・
スペイン Spain
<民族・文化融合料理の原点>
スペインの料理はムーア人(イスラム教)とローマ人(キリスト教)という二つの異なる民族の文化を受け継いだといえます。
さらにそこに新大陸(アメリカ)からもたらされた胡椒、トマト、トウモロコシなどが加えられスペイン料理の文化が誕生しました。
さらに最近では、よりハイブリッドな料理を生み出す存在として「エル・ブリ」のようなレストランが話題になっている
<僕のコメント>
スペインを一人で旅した時、僕はモロッコから船でスペインに渡りました。そのため、アンダルシア地方からマドリード、バルセロナと北上しながら、その違いを舌でも味わいました。
なにせランチを食べに入ったレストランでもワインは飲み放題が当たり前で、飲めば飲んだだけワインが注がれるため、昼間から酔っぱらっていたこともありました。
あれじゃあ、午後の仕事は無理だよなあ・・・
安くて美味しいのは、なんといっても生ハムを挟んだパンです。それだけあれば十分でした。
カタルーニャ Catalonia
「彼らの食べ物に対する態度は、市場のほかの屋台の主人たちと同じく真剣そのものだった。それは学んだり人から教わったりしたものではない。
彼らの血に流れ、こちらに向けられる目に宿っているのだ・・・」

コルム・トービン「バルセロナへのオマージュ」より

カタルーニャ人は独自の言語カスティーリャ語をもち、スペインからの独立運動もさかんな特殊な土地です。(17世紀ごろから貿易などで膨大な財を築いた土地)
当然、その影響は料理にも表れています。首都マドリードだけでなくほとんどのスペイン料理に使われている調味料ピメントン(スモークしたパプリカの粉末)は使われていません。
その代わり重要視されるのが「ソフレジット」というソースです。(玉ねぎ、トマト、オリーブオイルなど)
ニンニクとオリーブオイルによる白いソース「アリオリ」も重要なソース
<代表的素材>
ピーマン、ズッキーニ、ナス、地元地中海で獲れる魚介類
スペイン北部 Northern Spain
<ピンチョス文化の中心地>
フランスとの国境に位置し、バスク自治州を中心とする地域は、豊かな農業地帯であり、ピンチョス文化の中心地でもあります。
「ピンチョス」は、小さく切ったパンに様々な食材をのせ爪楊枝で刺したおつまみ的な食材のことです。
フランス料理の影響を受けることで「ヌーベル・キュジーヌ」と呼ばれる新たな料理文化が生まれ、「アルサック」、「ムガリッツ」、「エルカノ」などの高級レストランが人気となりました。
<代表的食材>
リンゴ、梨、、桃、サクランボんまどの果実類
白インゲン豆、アーティチョーク、アスパラガス、えんどう豆、オリーブ、白トリュフ、マッシュルームなどの農産物
ホタテ、メルルーサ、タコなどの魚介類
スペイン中央部 Central Spain
<美味なる生ハムの聖地>
「昼は羊肉よりも牛の勝った煮込み、たいていの晩は昼の残り肉へ玉ねぎなどを刻みこんだサラダ、土曜日に塩豚の玉子あえ、金曜日にレンズ豆、日曜だと小鳩の一皿くらい添えて」
ミゲル・デ・セルバンテス「ドン・キホーテ」より

スペイン料理の必需品であるピメントンとサフランの原産地であり、ひよこ豆、レンズ豆の産地
<肉料理>
コチニージョ(仔豚)、ジビエ(ウズラ、キジ、ウサギ、猪など)、ラム(仔羊)など
これらの肉を使い、チョリソ、ベーコン、生ハムなどとチーズをパンと一緒に食べるのが基本
<ハモンセラーノ>
標高の高い土地で作られる熟成期間が短いピンク色の生ハム
<ハモンイベリコ>
どんぐりを食べて育った黒毛イベリコ豚から作られた濃い味のハム
<トルティージャ>
じゃがいもと玉ねぎのスペイン風オムレツ
アンダルシア Andalucia
<素朴なスペイン料理の故郷>
スペイン南部の地中海に面した豊富な食材を生かした素朴な田舎料理
<三大スープ>
「ガスパッチョ」(セビリアの冷製トマトスープ)、「サルモレッホ」(コルドバの冷製トマトスープ)、「アホ・ブランコ」(ニンニクスープ)
<セビリヤ>
新世界(アメリカ)から着いた荷物はグアダルキビール川を遡った港町セビリヤでおろされると、そこから世界各地へと広がってゆきました。
こうしてヨーロッパ各地に広まった素材としては、トマト、唐辛子、チョコレート、バニラなどがあります。
<魚介のフライ>
地中海産の魚介類、タラなどをフライにするのもこの土地の名物
<パエリア>
米とサフランを使い、そこに魚介などを入れて作る名物料理(イスラム文化の影響が大きい)
<シェリー酒>
へレスの町周辺はシェリー酒の産地としても有名です。(マンサニージャ、フィノ、オロロソ、アモンティリャード・・・)
ポルトガル Portugal
<世界に広まった西欧料理の原点>
<バカリャ>
最も重要な料理の素材は「バカリャ」(塩漬けのタラ)です。これは北大西洋、北欧、アイスランドで生まれた保存食です。
<コジード・ア・ポルトゲーザ>
ポルトガル風煮込みで、豚肉を中心に牛肉、鶏肉、ガーリック・ソーセージ、チョリソ、じゃがいも、カブ、ニンジンなどが入ります。
<カタプラーナ>
鍋の名前「カタプラーナ」がついた料理で、チョリソ、エビ、ホタテ、アサリなどが入った鍋料理です。
<カルディラーダ>
 白身魚とじゃがいも、トマト、玉ねぎなどの煮込み料理
<デザート>
有名なデザートとしては、アーモンドケーキ、パポス・デ・アンジョ(カスタード・プリン)、トロウシャ・デ・オボスなど、シンプルなものが多い。
 素材的には、スペインやフランスと似ているが、物価が安く、新鮮で美味しい料理が安く食べられる国です。
「マヌエル・カーサ・デ・ファド」(東京・四谷)
実に分かりにくい場所で困りましたが、もう工事は終わっていると思うので今はわかりやすくなっているのではないかと思います。
2014年8月に行ってきました。その時の料理については、相棒(ジュニアーズ)が書いているのでご覧ください!
イタリア Italy
<マンマが作るイタリアン>
「イタリアの台所では、母親(マンマ)がすべてを握っている。はるか昔から、料理人は女主人、母、祖母の手によって受け継がれ、守られ、発展してきた。
イタリアにおいて、料理は家族とほとんど同じ意味を持つ。・・・」

そのため、イタリア料理は基本的にシンプルなものばかりです。ただし、シンプルな分、それぞれの家庭で独自の秘伝が隠されています。そのために、料理としての進化は少ないともいえます。
映画「グランブルー」のエンゾと母親の関係は、まさにそんなイタリア料理の特徴をよく表しています。
ラツィオ州 Lazio(イタリア中央部)
<謙虚で無愛想なイタリアン>
ローマを中心とするイタリア中央部の料理は、愛想はないが謙虚なイタリア的な味わいの料理
<多彩な野菜たち>
ルッコラ、チコリ、ロマネスコ、アーティチョーク、ローマズッキーニ、プンタデッラなどの多彩で独特の野菜が重要な素材のひとつです。
<パスタ・カチョ・エ・ペペ>
ローマ名物のパスタで、リガトーニ(太めのパスタ)とペコリーノ・ロマーノ(ローマ特産のチーズ)を使ったパスタ
その他にも、ブカティーニ(太めの穴あきパスタ)、スパゲティーニ(1.7mmぐらいの細めのパスタ)、トルティッローニ(中に詰め物が入ったパスタ)、ディターリ(ぶつ切りにした短いパスタ)
カルボナーラもまたこの地域の名物パスタ(たっぷりチーズのクリーム・パスタ)
<ラツィオ風味付け>
柑橘類、ニンニク、塩を使い、そこにハーブとしてローリエ、ローズマリーを入れるのが基本
魚を醗酵させて作るソース「ガルム」もローマの味
エミリア=ロマーニャ Emilia-Romagna(イタリア北東部)
<ハムとソーセージの王国>
パルマの生ハムとボローニャ・ソーセージ(モルタデッラとも呼ばれます)に代表される肉の加工食品の中心地
肉の加工品だけでなくチーズなどの乳製品も有名でそれらの多くが海外へ輸出されています。
<プロシェット>
イタリア産塩漬けハムの名品で、栗と乳清を食べて育てられた豚の肉から作られます
その他にも、パルミジャーノ(パルメザンチーズ)やバルサミコ酢などもこの地域が産地
<代表的パスタ>
タリアタッレ(リボン状のきしめんに似たパスタ)、トルテッリーニ(折り曲げて指輪状にしたパスタ)、ラザーニャ(平たい板状のパスタ)など
微発泡の赤ワイン「ランブルスコ」も有名
カラブリア Calabria(イタリア南端部)
<自然な食材の宝庫>
イタリアで唯一辛い料理が食べられる土地
<ンドゥイヤ>
豚の盲腸を使って作るサラミ、辛くてペースト状という異色の食材
<モンツェドゥ>
ピリ辛のモツ煮込み
<食材の宝庫>
イカ、カジキ、ホタテ、ロブスター、マグロなど地中海産の魚介類
ハーブでは、ベルガモット、甘草、オレガノの産地
イタリア南部の高級食材ポルチーニ・キノコもこの土地の名産品(トリュフに匹敵する存在)
オリーブ・オイルの産地としても重要で国内の36%を生産している
シチリア Sicily(イタリア南部地中海の島)
<青い海が生み出す美味の里>
シチリア料理の材料は、青い海と緑の山が生み出したもの。しかし、この島の支配者は何度も変わり、それぞれの文化が影響を残してきました。
ギリシャ人はイチジク、ぶどう(ワイン)を、古代ローマ人はデュラム小麦(パン)を、イスラム教徒はナスの詰め物、クスクス、米などを持ち込みました。
肥沃な大地と島を囲む温暖な海は豊かな食材と風味を生み出します。
<ジェメッリ>
巻物のような形をしていて、トマト・ソースとよく絡むショート・パスタ
<アランチーニ>
米を使ったころもの中に肉やグリーンピース、モッツァレラ・チーズなどを入れたもので、ナポリやローマにもライスコロッケがあります
<カンノーロ>
小麦粉でできた皮の中にエリコッタ・チーズ、ピスタチオ、バニラ、チョコレートなどを混ぜたクリームを入れたデザートえシチリアが故郷
「銃は置いていけ。カンノーリは持っていけ」
映画「ゴッドファーザー」でピーター・クレメンザがロッコに言った台詞(イタリア系アメリカ人にも人気のデザート)
<海の幸>
ビンナガマグロ、メカジキ、マグロ、タコ、ロブスター、エビ、イワシ、カタクチイワシ・・・
<野菜など>
トマト、ブロッコリ、ナス、ズッキーニ、アーティチョーク、チコリ、ケイパー、フェンネル、オレガノ、ミント、パセリ・・・
ヴェネト Veneto(イタリア北東部)
<バターと米の土地>
ヴェネチアやミラノなどイタリア北部では、オリーブ・オイルの代わりに澄ましバターを使う傾向があります。さらにパスタよりも米を使ったリゾットも多いといえます。
<バーニャカウダ>
バター、ニンニク、アンチョビ、オリーブ・オイルで作るソースに具材をつけて食べる料理で、北イタリアが中心
<サルデ・イン・サオル>
しっかりと炒めた玉ねぎをビネガーで煮たものにイワシなど小魚を揚げたものをつけた料理
<アグロドルチェ・ソース>
バルサミコ酢と赤ワインから作る甘酸っぱいソース
<重要な素材>
ちりめんキャベツ、ケール、青キャベツなどのキャベツ類、トレヴィス、アーティチョークなど
<魚介類>
タラ、ソフトクラブシェル、アンチョビ、ハマグリ、マテ貝など
ヴェネチア人は、ほろ苦い味を好む。それはヴェネチアの街がもつ頽廃と壮麗さが入り混じった街並みに相応しいともいえるのかもしれません。
ドイツ Germany
<労働者のためのパワー系料理>
「そう、華やかな魅力に欠ける料理があるとすれば、それはたぶんドイツ料理だ。ソーセージに酸っぱいキャベツ、ライ麦パンにただの硬いチーズ・・・
おかげで、ドイツの食べ物は重い、もっと言えば野暮ったいと世界中に思われている。こうした食べ物には、もちろん大事な目的があった。
この2世紀のあいだに急速に工業化したドイツで、大勢の肉体労働者たちを支えていたのだ。」

ミーナ・ホランド
ドイツの料理と言えば、基本はソーセージ、マッシュポテトそしてザワークラフトです
<ソーセージ王国>
ソーセージ(ヴルスト)の種類は1500以上
<フランクフルター>豚の挽肉を豚の小腸に入れスモークした小型のソーセージ
<ボックヴルスト>フランクフルターよりも粗めに挽いた豚肉を入れたソーセージでニンニクを入れる地域もある
<ブルートヴルスト>(ブラッド・ソーセージ)豚の血を小腸に詰めたソーセージ
<ミュンヒナー・ヴァイスブルスト>(白いソーセージ)仔牛の肉に香草を入れて作る白いソーセージ
<ウィンナー>細かく切った豚の赤身肉を羊の腸に詰め、スモークして茹でた小さ目のソーセージ
<ビールの王国>
ソーセージといえば、やはりビールが究極のコンビ<ドイツのビール
<シュナップス>
じゃがいもから作る蒸留酒で、薬草を入れることもある強いお酒
<新鮮な野菜の国>
環境問題にうるさいドイツでは、無農薬で新鮮な野菜が常に売られている
スカンジナビア Scandinavia
<料理界の新トレンド>
デンマークのカリスマ・シェフ、レネ・レゼピのレストラン「ノーマ」が2010年から料理界のアカデミー賞「サンペレグリノ世界のベスト・レストラン」で3年連続1位
その影響で、一躍スカンジナビアの料理は世界の新トレンドに躍り出ることになりました。
<代表的な素材>
マス、タラ、イワシ、サーモンなどの魚の保存食
「バカリャ」(塩漬けの干しダラ」はその代表。「レットソルテットトルスク」(軽く塩したタラ)、「クリップフィスク」(塩をまぶして屋内で乾燥させたタラ)
その他にも「酢漬けのニシン」、「グラブラックス」(サーモンのマリネ)
キノコや様々なベリー類(クラウドベリー、リンゴベリー、ブラックベリーなど)も重要な素材
ベリーをたっぷり使ったデニッシュなどのデザートもスカンジナビアの味を代表する存在
東ヨーロッパ Eastern Europe
<貧しい庶民の豊かな味わい>
共産圏の東ヨーロッパの人々が貧しい暮らしの中から肉料理を中心に栄養を詰め込んだ料理
ヨーロッパを逃れてアメリカなどに移住したユダヤ系の人々が世界に広めた庶民の料理で、寒い土地であるためシチュー料理が有名
どの料理も日持ちするもので、南ドイツ生まれのパスタ「シュペッツレ」やライ麦パン、マッシュポテトなどと一緒に食べる
<シチューの具材>
根菜(ニンジン、ビーツ、じゃがいも)、肉、ピクルス、穀物、果物、ダンプリング(小麦粉の団子)
<グヤーシュ>
ハンガリー生まれのシチュー料理で、グヤーシュ鍋と呼ばれる鍋で煮込んで作る(具材には、牛肉、玉ねぎ、パプリカ、ヌードル、キャラウェイなど)
<ボルシチ>
ウクライナが生んだシチュー料理で、テーブル・ビートに玉ねぎ、ニンジン、キャベツ、牛肉などを入れてじっくりと煮込んだ料理(味付けはブイヨン)
<ビゴス>
ポーランドの国民的煮込み料理で、キャベツ(ザワークラフト)、玉ねぎ、キノコ類、肉(牛肉、サーセージなど)リンゴなどを時間(2,3日)をかけて煮込む
<パプリカシュ>
ハンガリーのシチュー料理で、赤身の肉、トマト、サワークリームなどで作る
<ダンプリング>
「ピエロギ」はポーランド風のじゃがいもベースのもの、「ガルシュカ」はハンガリー風の玉子ベースのものなど地域により異なる
詰め物には、チーズ、キノコ、ザワークラフト、鶏レバーなどがある
<その他の食材>
ニシンの酢漬け、タラやサーモンのマリネ、キャビアなど
<僕のコメント>
ソ連時代にアエロフロートに乗った時、モスクワ・シェレメチボ空港のホテルに泊まったことが何度かあります。まあホテルの食事が不味かったこと。
それよりも印象深いのは、小樽の港で税関で働く知り合いに連れて行ったもらったロシアの船での食事です。船長さんに歓待され、ロシア風餃子とも言われる「ペリメニ」を御馳走になりました。
それにウォッカの組み合わせは、さすがにロシアです。ウォッカに飽きると、チェイサーにはアサヒ・スーパー・ドライが登場。ヤレヤレ・・・きつかった。



アフリカ Africa 
エチオピア Ethiopia
<最も暑いアフリカの熱い料理>
「同じ皿から食べる者は互いに裏切らない」
エチオピアのことわざ
エチオピアの挨拶「グルシャ」とは、相手の口に食べ物を入れるというもの。それだけ食べ物は重要だということでもあります。
砂漠地帯も多いエチオピアはアフリカでも最も暑い地域でもあります。そのため、エチオピアはアフリカで最も辛い料理の国ともいわれます。
「ベルベレ」
独特のミックス・スパイスで、ニンニク、フェヌグリーク、生姜、コリアンダー、オールスパイスなどから作られます。
「アワゼ」
「ベルベレ」に、スパイスで味付けした澄ましバター「ニテルケベ」を加え、さらに玉ねぎなどを加えて作るエチオピア料理になくてはならない重要なソース
「インジュラ」
「テフ」という穀物で作る大きくて柔らかなパンケーキで、この上に様々な煮込み料理「ワット」を乗せて食べるのが、エチオピアの食事の基本
「ワット」の代表的なものとしては、「ドロワット」(鶏肉と茹で卵)、「ミスールワット」(赤レンズ豆)などがあります。
西アフリカ West Afirica(ナイジェリア、コートジボワール、マリ、モーリタニア・・・)
<アメリカン・ソウル・フードの原点>
西アフリカから奴隷たちによってアメリカなど海外へと渡ったアフリカン・フードの原点
「フフ」
キャッサバ、プランテン(料理用バナナ)、ヤムイモ、タロイモなどを混ぜて茹でた後、それを粉にしたもの。西アフリカ版のマッシュポテト的存在で、これがこの地域の主食といえます。
「ジョロフライス」
西アフリカ版のパエリアで、玉ねぎ、トマトを使った米料理
<代表的なスパイス>
ニンニク、生姜、ナツメグ、唐辛子、カレー粉などで作るミックス・スパイス
<庶民の料理>
フエダイ、ティラピア、タコ、エビなどを揚げたものは屋台料理として人気がある。海に面した地域では魚も重要な食材
ラム肉や魚の燻製(タラ、ニシン、サバなど)を具材とするシチュー料理
モロッコ Morocco
アフリカ大陸で最も豊かな食の国
「クスクス」
デュラム小麦のセモリナ粉に塩水を含ませて、手のひらで混ぜ、細挽きの小麦粉と水を加えて混ぜ、「ビーズ状」の粒粒にし、それを蒸したもの。
これを主食にして、おかずと一緒に手づかみで食べる
「バスティラ」
スパイスの効いたミートパイ(フェズが発祥と言われる)甘さと塩加減がバランスよく混ざった料理
<基本スパイス>
シナモン、生姜、ターメリック
<塩レモン>
塩とスパイスに漬けたレモンで、サラダやクスクスなどに使う重要なアクセント
「ハリッサ」
唐辛子、ニンニク、塩、オリーブオイルで作るペーストで、チュニジアで生まれモロッコにも広まった
<僕のコメント>
モロッコといえば、やはり「クスクス」。
モロッコを一人で旅した時、じゅうたん屋のにいちゃんと意気投合。(ボブ・マーリーと当時人気のトレーシー・チャップマンのファンでした)
彼の家でクスクスを御馳走になりました。僕はお土産に禁じられたワインを持って行き、みんなで手づかみで食べました。食べ過ぎるとお腹に重いのが難点です。



中東 Middle East
トルコ Turkey
<様々な料理が混じり合う交差点>
毎日、市場の店先に並ぶ色とりどりのものを見ただけで、トルコ料理の枠を想像できるだろ。
山積みになったシナモン、バラのつぼみ、金色のスルタナ種のぶどう、ごつごつしたクルミ、ドライいちじく、様々な色のきらめく丸っこいオリーブ、糖蜜のしたたる蜂の巣、
大きな樽に入った新鮮なヨーグルト、果物の店にも深紅のリンゴ、濃い紫色をした茄子、ザクロ、変わった形のパイナップルなどが、これでもかと並んでいるイスタンブールは、
さながら古代と現代のトルコ料理の博物館といったところだ。

ミーナ・ホランド

中東とヨーロッパ、イスラム教とキリスト教、何度となく住人が入れ替わった土地では、料理文化もまた混じりあうことになりました。
さらにトルコには、海も川も、寒い土地も暑い土地もあるため、食材の宝庫でもあります。
そして、それらの料理文化の中から優れたものだけが、トプカプ宮殿へと持ち込まれ、それがレシピとして完成されることになりました。
ドルマ(茄子など野菜の詰め物)やピラフなどは、その代表的な存在です。
<代表的な料理・食材>
「ヨーグルト」(発祥の地)、「バクラヴァ」(パイ菓子の一種)、「ケバブ」(羊肉の薄切りを櫛に刺し、それを焼きながらそぎ落として食べる)、「シミット」(ドーナッツ型のねじりパン)、
「キョフテ」(ラム肉で作るつくね)、「ハムシ・タヴァ」(トウモロコシ粉でカタクチイワシを揚げたもの)
マグロ、カツオ、アジ、イワシ、メカジキ、カタクチイワシなどの魚介類
イスタンブールの港で売られている焼いた鯖を挟んだサンドウィッチは特に有名なB級グルメ
<僕のコメント>
二度トルコを旅した経験があるものの、一人旅がほとんどだったのでグルメ・リポートができるようなレストランにはほとんど行っていません。
とにかくオリーブオイルを使う料理が多くて、慣れていない胃には、厳しかった気もします。
それでもトルコ横断後、イスタンブールに戻って来て知人に連れて行ってもらった高級レストランで食べたスズキの蒸し焼きは美味しかった。
それと、暑い夏だったのでトルコ独特のアイスクリームも忘れられません。
レバント地方 The Levant(レバノン、シリア、ヨルダン、パレスチナ自治区)
<ハーブとスパイスのアラブ料理>
世界各地に広がったレバノン系移民のレストランにより広められた料理
「タブーリ」(パセリのサラダ)、「ババ・ガヌーシュ」(茄子のペースト)、「ファラフェル」(ヒヨコ豆のコロッケ)、「コフタ」(肉団子)などは代表的存在
ハーブとスパイスをふんだんに使うのも特徴で、代表的な存在としては
オレガノ、マジョラム、シナモン、胡麻、ナツメグ、唐辛子、ミント、パプリカ、ニンニク、ザクロシロップ、オールスパイス、スマックなど
スイーツに使われる「松の実」やピスタチオ、クルミも重要な存在
「ファトーシュ」
ピタパン(中東独特のパン)と野菜のサラダで、ハーブとヴァージン・オリーブオイル、レモン、スマックなどを合わせて食べる
「マンサフ」
ヨルダンの国民食で、パンの上に米、ラム肉、ヒヨコ豆などを広げて食べる
イスラエル Israel
<アラブにしてアラブではない料理>
基本はアラブ料理だが、1948年以降、ヨーロッパ系ユダヤ人、中東系ユダヤ人がそれぞれの食習慣を持ち込んで新たな料理となった。
今や世界的な基準となりつつある「コーシャの食事規定」によって決まる料理(ベジタリアンにとっては、宗教に関わりなく有効な基準)
ユダヤ教の教えに基づき肉、牛乳、ワインなどは処理方法によってはOKとなるが、豚、ウナギ、ロブスター、ムール貝、イカなどはNG食材となる
「イスラエル・サラダ」
トマト、キュウリ、オリーブオイル、レモン汁などのサラダ
「フムス」ヒヨコ豆のディップ
「シャクシュカ」スパイスが効いたパプリカの煮込みに卵をのせた料理
イラン Iran
<ペルシャ料理の故郷>
イラン料理というよりも、古代ペルシャの文化が生んだ料理文化の故郷
政治的にもイスラム教の戒律を重んじる国だったこと、西欧文化の導入を拒んできた土地だったこともあり、料理についても独自性が保たれている。
「ハーブ」の役割が重要で、様々なハーブを使うことによって、繊細なペルシャ料理の味が生み出されます。
テーブルの上に置かれ、食事中に口の中をさっぱりとさせるためのハーブの盛り合わせ「サブジ・ホルダン」は、そんなペルシャ料理を象徴する存在
ナンを中心にして、すべての料理を同時にテーブル上に並べて、みんなで食べるのが基本
「ホレシュト」(鶏肉、ヨーグルト、ラム肉、ミントなどが入ったペルシャ風シチュー)
「アーシュ」(インゲン豆、青小豆、レンズ豆、ヒヨコ豆などから作るペルシャ風スープ)
「ポロウ」(米を茹でて他の材料と混ぜて作るペルシャ風ピラフ)
「サブジポロ」(米とハーブで作る御馳走で、コリアンダー、チャイブ、ディル、パセリ、フェヌグリークなどが入る)


アジア Asia
インド India
<多彩なカレーの母国>
本当のインド料理を理解するには、その多様性に目を向けることが必要だ。たとえば、シンプルなチキンカレーひとつとっても、インドの各都市、村、そして家庭ごとにレシピは千変万化だ。
どんな料理にも”古典的”や”完全”なバージョンはありえない。
ミーナ・ホランド
<僕のコメント>
南インドには行かなかったのですが、秋葉原にある南インド料理のレストラン「アルティ」?に友人たちと行ったことがあります。
インドのレストランとは大違いの上品なレストランで、味もまた甘さ(ココナッツ)が優しくて、美味しかったです。確かに北インドとは別世界のカレーでした。
北インド North India
<カシミール>(ヒマラヤのふもと)
「ローガン・ジョシュ」(ラム肉、トマト、ヨーグルトの煮込みカレーで、カシミール原産のチリパウダー「カシミリチリ」を使う)
「タヴァ焼き」(タンドールの代わりに「タヴァ」と呼ばれるフライパンの一種を用いて作る料理が多い)
<パンジャブ>(カシミールの南に位置しパキスタンに隣接)
カシミール地方に比べるとタンドールを使う料理が中心となり、チーズやヨーグルトなど乳製品を多用する
カッテージチーズの一種「パニール」は有名
カレーの材料には、クミン、トマト、玉ねぎ、レモン、コリアンダーなどを使い、ギー(醗酵させた無塩バター)、クリーム、バターもよく使う
<ラクナウ>(インド北中部の市)
「ラム挽肉のケバブ」(ミックス・スパイスの「マサラ」を混ぜてタヴァで焼く料理)
「コルマ」(バター、ヨーグルト、クリーム、木の実にスパイスを効かせたカレー)
<ベンガル>(東部)
「パンチフォロン」
ベンガルの代表的なミックス・スパイスでフェヌグリーク、ブラックマスタード、ブラッククミン、クミン、フェンネルなどから作るもの
「ベンガルカレー」
トマト、レモン、ライム、オコナッツミルク、唐辛子にマスタードオイル、ピーナッツオイルなど
「ビニヤニ」
ムガール料理から来た炊き込みご飯。スパイスと共に米を炊き、カレーと層にして、鍋に入れてじっくりと蒸し焼きにして食べる。
「フィッシュカレー」
川魚を使ったカレーで、味付けにはマスタード、マンゴーや生姜、トマトを加える。
南インド South India
北インドではカレーに生クリームやヨーグルトを入れるが、南インドではその代わりにココナッツミルクを入れるのが定番
主なカレーの具材には、タンドールで焼いた肉の代わりに、スパイシーで柔らかな魚を使うのも南の特徴
ケララ州はインド全体の4分の1のココナッツを生産しています。料理用の油としてもココナッツオイルが使われます。
盛り付けにバナナの葉を使うだけでなく、料理にもバナナが多様されるのが南インドの特徴。
さらに暑い土地であることから、辛い唐辛子を入れるのも南インドのカレーの味
宗教的に肉を使わないものも多く、「ラッサム」(レンズ豆とタマリンドのスープ)、「サンバル」(レンズ豆と木豆の煮込み)、「フーマン」(ゴア名物のエビ・カレー)
「ココナッツ・フィッシュカレー」
サメ、マグロ、マナガツオ、イワシ、サバなどの魚とココナッツを使った南インドを代表するカレー
「ナンディマ」(東京・清澄白河)
東京都現代美術館のななめ向かえにあります。安い!美味い!早い!南インド料理というより普通のインド料理だったけど、それはランチだから仕方ないか・・・
タイ Thailand
<辛さと旨味が融合する微笑みの料理>
タイ料理は西洋料理とは対照的だ。西洋では、二、三の風味を上品に調和させて、目指す味を精製する。タイ料理は、それぞれの食材に味を閉じ込め、それらを合わせることによって、
魅惑的な複雑さを生み出すのだ。
デヴィッド・トンプソン「タイ・フード」より
「タイ料理」の味付けで重要なのは、唐辛子、ニンニク、レモングラス、コリアンダーに加え、ナンプラー(魚醤)、カピ(蝦醤)
主食としては、米がメインだが、北部は「もち米」で南部は「香り米」が中心
「ココナッツ・カレー」
タイ料理を代表するカレー料理で、タマリンドとライムの酸味とシュロ糖の甘さが生み出す独特のカレー
「トムヤムクン」
タイ料理を代表する魚介のスープ
肉料理よりも魚料理が多いのは、タイが熱心な仏教徒の国だからであると同時に、「シャム王国」時代から長く独立を保ってきたことで西欧文化の影響を受けずに来たからでもある 
<僕のコメント>
僕が最初にタイ料理を食したのは、インドからの帰り、オーバー・ブッキングのためエア・インディアに乗れず、その代わりに乗ったタイ・エアの機内食です。
ビジネス・クラスだったこともあり、サービスも食事も最高でした。
それ以上に美味しかったのが、アラスカにホエール・ウォッチング・ツアーに行った帰りにアンカレッジで打ち上げに入ったタイ料理の店です。そこがまた実に美味しかった!
もちろん旅の途中、キャンプ生活で美味しいものを食べられなかったので、何を食べても美味しく感じたのかもしれません。でも、それを割り引いてもなお美味しかった。
そんな過去の良き思いでも含めて、僕はタイ料理ラブです!
ベトナム Vietnam
<フレンチ・チャイニーズとの融合>
かつての支配国である中国とフランスの影響が大きいが、中華料理のように油を使わず、生のハーブや野菜、砂糖を多用する料理
「フォー」
シナモン、八角、生姜などのスパイスと野菜を煮込んだスープに肉と米粉から作る麺を入れた麺料理。コリアンダー、スイートバジルなどを乗せ、ライムを搾って食べる。
北部ハノイ生まれの料理で、油やバターは使わない
「ブン・リュウ」
蝦醤、タマリンド、玉ねぎを加えたトマトスープに蟹のすり身とビーフンを入れた麺料理
「バイン・クォン」
米粉の生地を蒸して作る春巻きのような生地で豚ひき肉、マッシュルーム、エシャロットなどを入れたものに魚醤をつけて食べる料理
「ボー・ルック・ラック」
魚醤、醤油、ライムなどでマリネされた牛肉を焼き、レタス、クレソン、玉ねぎなどと一緒に食べるホットサラダ
「バイン・ミー」
フランスの影響でバゲット(フランスパンより柔らか目)を使ったサンドウィッチ、「キューピーマヨネーズ」を使ってマリネした肉や魚、野菜を入れるのが基本
映画「青いパパイヤ」で有名な「青いパパイヤ」もサラダに使用する重要食材です
「ベトナムちゃん」(東京・大久保)
「生春巻き」(蝦、牛肉入り)、「牛肉入りフォー」、「バイン・クォン(ベトナム風お好み焼き)」など、どれも美味しかったです。
ベトナム料理とは、基本的にどれも「サラダ」といえそうです。新鮮なレモングラスやパセリ、レタスなどのと肉・魚とのコンビネーションは実にヘルシー。
辛さ的にもタイ料理ほどではないこともあり、女性人気が高いのもうなずけます。
ベトナムの焼酎も美味しかった。(ビールはちょっといまいちかな)
中国 China
<医食同源と7つの食材>
中国医学では、食べ物と健康が表裏一体の関係にある。食べ物そのものにも陰と陽がある。
炭水化物、野菜、そのほか体を冷やすものは陰、タンパク質、スパイス、コーヒーなど、より強い働きを持つものが陽。
中国人は、健康のために陰と陽の食べ物をバランスよく組み合わせて食べてきた。(今は西洋料理の影響でくずれつつある)
中国の昔からの教えに、一日を始めるために必要な7つの品を挙げているものがある。7つとも食べ物にまつわるものだ。
薪、塩、タレ、米、油、酢、茶。この7つが、風味、食感、調理法、そして食事作法の点で、中国料理の大事な基礎を作り上げている。
ミーナ・ホランド
(注)7つの中に肉や魚は入っていない。それは、中国料理の基礎を築いた大衆とって高級品であったためです。それに代わるものとして、米、麺、春雨、ビーフンがありました。

<世界三大料理>
世界三大料理に、「フランス料理」、「中国料理」、「トルコ料理」が挙げられるのはなぜか?
(1)食材の豊富さ(植民地の広さや文化の発展において、世界をリードした時期が長かったから)
(2)特権階級への富の集中(国力の強さと共に、絶対的な支配者の権力が強かったことで世界中の富が集まった)
(3)強大な国力(世界中から富、食材、文化、人材を集めることが可能だった時期が長かった)
<僕のコメント>
中国には行ったことはないのですが、横浜の中華街で仕事仲間と「フカヒレスープ」や「北京ダック」を食べまくったことがあります。
「北京ダック」はいいけど、「フカヒレスープ」はあんまり大量に食べてもうんざりするだけかもしれません。
今思えば、バブリーだった。恥ずかしい・・・
広東 Guangdong(Canton)
「天に背を向けて歩くもの、泳ぐもの、這うもの、飛ぶものは、すべて食べられる」
広東のことわざ
「飲茶」
中国茶(ウーロン茶、プーアール茶など)と共に一口サイズの食べ物(包子パオズ)を楽しむ中国独特の文化
「広東風蒸し魚」
タイ、スズキ、マナガツオなどを生姜と共に蒸して調理する料理
<味付け>
オイスターソースとネギ、唐辛子、ニンニクなどによるシンプルな味付けが基本
四川 Sichuan
中国で最も美味しく、最も辛いB級グルメ(農民食)
その辛さの秘密は、唐辛子と花椒(山椒の一種)で、そこにニンニク、ピーナッツ、野菜、豆腐などを入れた安くて早くて旨いのが四川料理といえます。
「回鍋肉」
豚肉を炒めたものにキャベツやピーマンなどの野菜を入れた辛味の強い料理。中国の味付けは豆板醤中心だが日本は甘辛い味噌が使われるのが基本となっている。
「麻婆豆腐」
「麻婆」の「麻(マー)」は花椒の辛さのこと。唐辛子の辛さは「辣(ラー)」のことです。
朝鮮 Korea
<支配国文化が融合した独自の料理>
過去に朝鮮半島を植民地化した国の食文化が残り、それを独自の料理にしてきた歴史が、朝鮮料理独特の文化を生み出した。
米食は中国から、キムチの元になった漬物は日本から、ニンニクの醤油漬けはソ連から、焼き肉はアメリカの影響が大きい。
その基本となっているのは、米や小皿料理を、調味料と一緒に葉野菜(サンチュなど)に巻いて食べるというもの。
「何とも厄介なことに、朝鮮の食べ物にはやたらと決まりごとがある。
何でも粉を振りかけたり、タレにつけて巻いて、もう一度タレにつけたりしなかればならない。
ここを持って、裏返して、こっちをめくる」 

ジェイ・レイナー「オブザーバー・マガジン」より

<焼肉>
「プルコギ」ごま油、砂糖、醤油、ニンニクなどで下味をつけた肉を焼く
「カルビ」ばら肉を唐辛子、カンジャン(韓国醤油)などにつけて焼く
「スンデ」蒸したブラッド・ソーセージ
こうした料理をつけて食べる「テンジャン」(韓国味噌)、「コチュジャン」(辛子味噌)などがある

「冷麺」焼肉のしめに登場することが多い、ゴムのように歯ごたえのある冷やしラーメン
「ビビンバ」米、肉、野菜、コチュジャンなどをのせたものをかき混ぜて食べる朝鮮風混ぜご飯
「チャプチュ」さつまいものデンプンで作った春雨を野菜、牛肉などと炒めたもの
「焼き魚」海にも面しているため、韓国では魚介類も重要な食材で、サバやハモの塩焼きは有名
「キムチ」
白菜を基本に唐辛子、塩、ニンニク、ニラ、大根、塩辛などそれぞれの家庭独自のレシピで漬け込む発酵保存食品
これこそ朝鮮を代表するソウル・フード
<僕のコメント>
日本にいても大久保周辺の朝鮮料理のお店に行けば十分本場の味が楽しめます。
あの街なら、ぶらぶら散策しているだけでも美味しい匂いでご飯が食べられそうです。
また行きたいなあ・・・
日本 Japan
<旨味の食文化を生み出した国>
肉、豆類、野菜の煮込み料理などは、スペインからインドまで基本的には同じで、調味料だけ違ったり、食材が地元産のものに置き換わっているだけだったりする。
ところが、寿司は西洋の料理とはまったく別の、斬新な食べ物だ。
たしかに、米、魚、野菜など、おなじみの食材を使っているが、それらが組み合わさると、私たち西洋人の常識はたちまち覆される。
生の魚?乾燥させた海藻で包んだ米?
ミーナ・ホランド

150年前までは、仏教の教えによって、四足動物の肉を食べることは禁じられていたため、日本人は季節の野菜や、島国ならではの豊富な魚介類をさまざまに工夫して食べていた。
明治維新までの日本料理では、基本的に肉を使わなかったため、和食のスパイスの種類は少ない。
生姜、唐辛子、柚子、ミリン、ワサビ・・・
しかし、日本ははっきりした四季を持つ国でもあり、色彩に溢れた国であることから、色と味のバランスを重視する独自の料理文化を作り上げてきた。
「五味・五色」
色は、赤、黄、緑、黒、白で、味は、甘み、酸味、苦み、塩味、旨味。
この中でも、日本料理最大の貢献は「旨味」を発見し、それを文化にまで発展させたことです。
1908年に東京帝国大学の池田菊苗教授が、グルタミンという旨味成分の科学的要素を発見。
それは、緑茶、野菜、チーズ、魚介(カタクチイワシ)などに多く含まれていることがわかりました。
そして、それらの食材の多くは、すでに日本の食材の代表的存在になっていました。
日本の「旨味」を代表する食材としては、「醤油」、「味噌」、「納豆」、そして「出汁」(カタクチイワシ、鰹節などからとる)があります。
<日本人の日常食>
日本を訪れる機会があれば、日本人が日ごろ食べているのは米や麺だとわかるだろう。
伝統的な和食は”一汁三菜”、つまり汁物、白米、そして3種の副菜で構成される。
<日本独自の文化>
他国の料理を進化させ、日本独自の料理にするのも日本食の得意技です。
「ラーメン」、「カレーライス」、「多彩な調理パン」、「洋食」(スパゲティ、オムライスなど)・・・
日本独特の素材を生かしたシンプルな料理も日本を象徴する味です。
「そば」、「うどん」、「丼もの」、「お好み焼き」・・・
複数の人間が同じ鍋を囲んで食べる様々な「鍋料理」も独自のもの
「すき焼き」、「石狩鍋、「もつ鍋」、「寄せ鍋」、「キムチ鍋」・・・
コンビニやスーパーに並ぶ、インスタント食品や様々な食品類とそのパッキング方法も日本独自の進化を遂げています。
カップラーメン、冷凍食品、おにぎり、アイスクリーム、多彩な菓子・・・


<参考>
「食べる世界地図 The Edible Atlas - Around the World in Thirty-Nine Cuisines」
 2014年
(著)ミーナ・ホランド Mina Holland
(訳)清水由貴子
X-Knowledge

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